先端技術セミナー 2008年6月11日 川村静児(国立天文台) Sora スペース重力波アンテナ DECIGO 先端技術セミナー 2008年6月11日 川村静児(国立天文台)
重力波とは? アインシュタインの一般相対性理論により予言 潮汐的な空間のひずみが伝わっていく波 空間のひずみ~10-23程度 ⇒まだ見つかっていない!
重力波を出す天体現象 中性子星やブラックホールの連星運動とその合体 超新星爆発 パルサー 宇宙初期 未知なる天体 重力波天文学
連星の合体 連星は公転運動により重力波を出す 重力波によって連星のエネルギーが運び去られる 連星のエネルギーが減少し連星間の距離が縮まる 中性子星や ブラックホールの連星 連星は公転運動により重力波を出す 重力波によって連星のエネルギーが運び去られる 連星のエネルギーが減少し連星間の距離が縮まる 最後は合体する
重力波天文学の創成
DECIGO最大の目的は? 初期宇宙の直接観測! 人類究極の夢! NASA NASA
レーザー干渉計による 重力波検出 重力波 ミラー ミラー レンズ 干渉光 ビームスプリッター スクリーン レーザー
アーム長が長いほど 感度が高い 鏡 鏡 鏡 レーザー 光検出器 鏡 レーザー 光検出器
世界の大型干渉計 GEO (600 m) LIGO (4 km) TAMA (300 m) LCGT (3 km) VIRGO (3 km) AIGO (? km) LCGT (3 km)
LISA NASAとESAの共同計画 アーム長:500万km 光トランスポンダ方式 LISA project
DECIGOとは? Deci-hertz Interferometer Gravitational Wave Observatory LISAと地上検出器の帯域のギャップを狙う 超高感度の実現が可能! 10-18 10-24 10-22 10-20 LISA 地上検出器(e.g. LCGT) Strain [Hz-1/2] DECIGO 白色矮星連星からの重力波雑音 10-4 10-2 100 102 104 Frequency [Hz]
予備概念設計 光共振器を使う アーム長:1000 km ミラー直径:1 m レーザー波長:532 nm フィネス:10 レーザーパワー:10 W ミラー質量:100 kg 干渉計3台で 1クラスター 光共振器 光検出器 光共振器 レーザー 光検出器 ドラッグフリー衛星
Better best- sensitivity Why FP cavity? Implement FP cavity Shorten arm length Transponder type (e.g. LISA) Shot noise Shorten arm length Shot noise f1 Radiation pressure noise f-2 Implement FP cavity FP cavity type Better best- sensitivity Radiation pressure noise f-2 Shot noise f1 Strain Shot noise Transponder type (e.g. LISA) Frequency
Drag free and FP cavity: compatible? S/C II S/C I Mirror
FP cavity and drag free : compatible? Relative position between mirror and S/C S/C II Local sensor S/C I Mirror Thruster Thruster
Drag free and FP cavity: compatible? Relative position between mirror and S/C No signal mixture S/C II S/C I Local sensor Mirror Thruster Thruster Actuator Interferometer output (GW signal)
軌道とコンステレーション(案) 地球 背景重力波検出のため相関を取る レコード盤軌道 太陽 角度分解能を上げる
DECIGOの目標感度と得られるサイエンス 10-19 10-20 10-21 10-22 10-23 10-24 10-25 10-26 巨大ブラックホール形成の メカニズム解明 ブラックホール連星 (1000 M◎ z=1) 合体 5年前 3ヶ月前 1 クラスター ストレイン [Hz-1/2] 宇宙膨張の 加速度計測 ⇒ダークエネルギーの制限 中性子星連星 (z=1) 2クラスター 相関解析 (3年間) インフレーション GW~210-16 合体 インフレーションの検証 10-3 10-2 10-1 1 10 102 103 周波数 [Hz]
宇宙の膨張加速度の直接計測 膨張 +加速? DECIGO 重力波 連星中性子星 (z~1) 出力 テンプレート (加速していない場合) ストレイン 実際の信号 位相遅れ~1sec (10年の観測) 時間 Seto, Kawamura, Nakamura, PRL 87, 221103 (2001)
DECIGOによる ダークエネルギーの制限 中性子星連星までの距離‐赤方偏移関係から モデルに制限⇒加速膨張(超新星と同じ) ・ 距離 チャープシグナルから、直接決定 ・ 赤方偏移 host galaxy, host quasar を特定 角度分解能 ~10arcmin (1台) ~10arcsec (3台) at z=1
DECIGOの目標感度と得られるサイエンス 10-19 10-20 10-21 10-22 10-23 10-24 10-25 10-26 巨大ブラックホール形成の メカニズム解明 ブラックホール連星 (1000 M◎ z=1) 合体 5年前 3ヶ月前 1 クラスター ストレイン [Hz-1/2] 宇宙膨張の 加速度計測 ⇒ダークエネルギーの制限 中性子星連星 (z=1) 2クラスター 相関解析 (3年間) インフレーション GW~210-16 合体 インフレーションの検証 10-3 10-2 10-1 1 10 102 103 周波数 [Hz]
パリティーの破れの検証 初期宇宙におけるパリティ保存の破れ ⇒重力波の右巻き左巻きの非対称性 DECIGOを2ユニット少し離して配置 ⇒観測可能 右巻き 左巻き パリティ変換 重力波の 円偏向
力の雑音とセンサーノイズに対するリクワイヤーメント(LISA,LCGTとの比較) ストレインでほぼ同じ, 距離: 1/5000, 鏡の質量: 100 センサーノイズ: LCGTより30倍ゆるい ストレインでほぼ同じ, ストーレッジタイム: 30)
ロードマップ DICIGOパスファインダー (DPF) Pre-DECIGO DECIGO ミッション 要素技術の実証試験 2007 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 ミッション 目的 要素技術の実証試験 重力波検出の可能性 最小限のスペックで 重力波検出 衛星間共振器の実現 重力波天文学の発展 スコープ 衛星1台 アーム1本 衛星3台 干渉計1台 干渉計3台 ×4ユニット R&D 製作 R&D 製作 R&D 製作 DICIGOパスファインダー (DPF) Pre-DECIGO DECIGO
佐藤 (法政大工), 神田 (阪市大), 高島 (ISAS), 井岡 (京大理) DECIGO暫定組織 代表:川村 (国立天文台) 副代表: 安東 (東大理) 運営委員会 川村 (国立天文台), 安東 (東大理), 瀬戸 (国立天文台), 中村 (京大理), 坪野 (東大理), 田中 (京大理), 船木 (ISAS), 沼田 (Maryland), 佐藤 (法政大工), 神田 (阪市大), 高島 (ISAS), 井岡 (京大理) Pre-DECIGO 佐藤(法政大工) 検出器 沼田 (Maryland) 安東 (東大理) サイエンス・データ 田中 (京大理) 瀬戸 (国立天文台) 神田 (阪市大) 衛星 船木 (ISAS) デザインフェーズ DECIGO パスファインダー リーダー:安東 (東大理) 副リーダー:高島 (ISAS) ミッションフェーズ 検出器 安東 (東大理) レーザー 植田 (電通大) 武者 (電通大) ハウジング 佐藤 (法政大工) ドラッグフリー 森脇 (東大新領域) 坂井 (ISAS) スラスター 船木 (ISAS) バス 高島 (ISAS) データ 神田 (阪市大)
DECIGOワーキンググループ(133名) 青柳巧介(早大理工),我妻一博(東大理),浅田秀樹(弘前大理工),麻生洋一(Caltech),新井宏二(国立天文台),新谷昌人(東大地震研),安東正樹(東大理),井岡邦仁(KEK),池上健(産総研),石川毅彦(JAXA-ISAS),石崎秀晴(国立天文台),石徹白晃治(東大理),石原秀樹(阪市大理),市來淨與(東大理),伊東宏之(NICT),伊藤洋介(Univ. of Wisconsin),井上開輝(近大理工),上田暁俊(国立天文台),植田憲一(電通大レーザー研),歌島昌由(JAXA),江尻悠美子(お茶大理),榎基宏(東経大経営),戎崎俊一(理研),江里口良治(東大総合文化),大石奈緒子(国立天文台),大河正志(新潟大工),大橋正健(東大宇宙線研),大原謙一(新潟大理),小野里光司(東大理),河島信樹(近大KLC),川添史子(AEI),川村静児(国立天文台),神田展行(阪市大理),雁津克彦(京大理),木内建太(早大理工),岸本直子(JAXA-ISAS),工藤秀明(東大理),國中均(JAXA-ISAS),國森裕生(NICT),黒田和明(東大宇宙線研),小泉宏之(JAXA-ISAS),洪鋒雷(産総研),郡和範(Lancaster Univ.),穀山渉(東大理),苔山圭以子(お茶大理),古在由秀(ぐんま天文台),小嶌康史(広大理),固武慶(国立天文台),小林史歩(Liverpool JMU),西條統之(立教大理),坂井真一郎(JAXA-ISAS),阪上雅昭(京大人環),阪田紫帆里(国立天文台),佐合紀親(Univ. of Southampton),佐々木節(京大基研),佐藤修一(法大工),佐藤孝(新潟大工),柴田大(東大総合文化),真貝寿明(大工大情報),杉山直(名大理),鈴木理恵子(お茶大理),諏訪雄大(東大理),瀬戸直樹(国立天文台),宗宮健太郎(Caltech),祖谷元(Univ. Tuebingen),高島健(JAXA-ISAS),高野忠(JAXA-ISAS),高橋走(東大理),高橋慶太郎(京大基研),高橋忠幸(JAXA-ISAS),高橋弘毅(長岡技科大経営情報),高橋史宜(東大数物),高橋龍一(名大理),高橋竜太郎(国立天文台),高森昭光(東大地震研),田越秀行(阪大理),田代寛之(京大理),田中貴浩(京大基研),谷口敬介(Univ. of Illinois),樽家篤史(東大理),千葉剛(日大文理),辻川信二(東理大),常定芳基(東工大理),坪野公夫(東大理),徳田充(阪市大理),豊嶋守生(NICT),鳥居泰男(国立天文台),内藤勲夫(無所属),中尾憲一(阪市大理),中澤知洋(東大理),中須賀真一(東大工),中野寛之(RIT),長野重夫(NICT),中村康二(国立天文台),中村卓史(京大理),中山宜典(防衛大),西澤篤志(京大人環),西田恵里奈(お茶大理),西山和孝(JAXA-ISAS),丹羽佳人(京大人環),沼田健司(NASA),橋本樹明(JAXA-ISAS),端山和大(CGWA),原田知広(立教大理),疋田渉(阪大理),姫本宣朗(芝浦工大),平林久(JAXA-Space Education Center),平松尚志(東大宇宙線研),福嶋美津広(国立天文台),藤田龍一(RRI),藤本眞克(国立天文台),二間瀬敏史(東北大理),船木一幸(JAXA-ISAS),細川瑞彦(NICT),堀澤秀之(東海大工),前田恵一(早大理工),松原英雄(JAXA-ISAS),蓑泰志(Caltech),宮川治(Caltech),三代木伸二(東大宇宙線研),向山信治(東大理),武者満(電通大レーザー研),森岡友子(東大理),森澤理之(京大理),森本睦子(JAXA-JSPEC),森脇成典(東大新領域),柳哲文(阪市大理),山川宏(京大生存研),山崎利孝(国立天文台),山元一広(AEI),横山順一(東大理),吉田至順(東北大理),吉野泰造(無所属)
DECIGOパスファインダー 目的 技術実証 低周波での重力波観測
DPFの予備概念設計と目的 ハウジング ハウジング:天文台の担当 by 重力波プロジェクト推進室 & スラスター 浮遊ミラー ローンチロック 固定共振器? レーザー アクチュエーター ローカルセンサー ハウジング ハウジング:天文台の担当 by 重力波プロジェクト推進室 & 先端技術センター(マシンショップ、デザインショップ)
現状と今後の予定 とにかく、まずDECIGOパスファインダーを打ち上げ、技術実証をすることが重要 JAXA/ISASの小型科学衛星シリーズ(5年で3機の打ち上げ予定)の5つの重点候補の一つに選ばれた 平成19年度戦略的開発経費を受け、重点開発要素のR&Dを開始した 平成20年度中に、基礎技術開発を完了させ、 Phase-A 提案書を提出する予定
宇宙の始まりを直接観ることは 人類究極の夢である。 必然的に 我々はいつの日か必ずや DECIGOでその夢を 実現するはずである!