なぜ計算情報科学・技術を学ぶか? 北海道大学・理学の状況 を踏まえて

Slides:



Advertisements
Similar presentations
専修大学情報科学センターのパソコンを 使ったグリッドコンピューティング ― SPACE計画 - 森正夫 1 、水崎高浩 1 、内藤豊昭 2 、中村友保 2 及び 専修大学情報科学センター 及び 専修大学情報科学センター 1 専修大学 法学部/自然科学研究所 1 専修大学 法学部/自然科学研究所 2 専修大学.
Advertisements

○○学部 ○○学科 ○○系 コースツリー 作成日:2014年○○月○○日 DP1:DP2:DP3:DP4:DP5:DP6: 【4年次】卒業研究・卒業論文など 全学共通科目.
ITPASS Informational Training program with a spirit of self-help オプション課題の概要 高橋芳幸.
地球科学科のカリキュラム 理学部地球科学科 教務委員 石渡正 樹 2008 年 7 月 18 日.
ITPASS サーバ入門 地球および惑星大気科学研究室 島津 通.
北海道大学大学院 理学院宇宙理学専攻 EPNetFaN Mail サーバ管理課 徳永 義哉
なぜ情報実験か?その1 Unix (Linux) / Internet の歴史と 学問の情報化への展開を踏まえて
北大における Super-SINET 接続と利用: 2004 年度報告
サーバ・クライアントシステム & X Window System
HETE-2のバースト観測ネットワーク マウイ 副地上局 パラオ 副地上局 シンガポール 主・副地上局 赤道
大阪大学 基礎工学部 電 子 物 理 科 学 科 エレクトロニクスコース 物性物理科学コース.
MOSIR Project 隊長, 北海道大学大学院理学院宇宙理学専攻 修士課程 1 年 堺 正太朗
安全・安心なネット生活を送るためのネットワークセキュリティ
沖縄インターネット協議会 瑞慶覧辰 Linuxの紹介 沖縄インターネット協議会 瑞慶覧辰
南極中口径望遠鏡計画 (AIRT) スーパーアースを持つ多惑星系のトランジット連続観測による系外惑星の大気構造の研究
北海道大学 理学部 地球科学科 惑星宇宙グループ 4年 高橋 康人
EpWWWサーバ 北海道大学 理学院 宇宙理学専攻 M1 古田裕規.
大学-高校間双方向遠隔授業 堺 正太朗1, 梅本 隆史1, 杉山 耕一朗2,3, 倉本 圭1, MOSIR プロジェクト
早稲田大学大学院 理工学研究科情報科学専攻 後藤滋樹研究室 1年 渡辺裕太
情報とは ? 何かを知ること,知らせること その内容 形式 伝達手段 過去・現在・未来
地球惑星科学専攻 ネットワークガイダンス 専攻ネットワーク委員会 吉澤 和範 2004年4月9日(金) 理学部5号館大講義室.
FreeBSD4.5環境での IPv6ネットワーク構築
なぜ計算情報科学・技術を学ぶか? その2 最低限知識の確認と さらなる飛躍にむけて
EPnetFaN 座学編 第12回 北海道大学大学院 理学研究科 地球惑星科学専攻 森川 靖大
神戸大学大学院理学研究科 地球および惑星大気科学研究室 M2 河合 佑太
南極からの新赤外線天文学の創成 南極内陸は、ブリザードがなく、非常に穏やかな、地球上で最も星空の美しい場所です。この場所で私たちは新しい赤外線天文学を展開します 宇宙初期の広域銀河地図を作って、私たちの銀河系の生い立ちを解明します 137億年前 100億年前 宇宙の果て 最初の星が生まれ、銀河が成長した時代.
高知大学理学部数理情報科学科 地球環境情報学研究室 助教授 菊地時夫
アジア恊働大学院(AUI)構想 AUI推進機構/設立趣意書
EP ネットワーク ガイダンス EP ネットワーク委員会 小高 正嗣 2013年4月5日(金)16:30~ 理学部8号館
講義進行予定 パソコンとインターネット活用の現状 HPが表示されるまで
Epnetfan の歴史とか何とか 杉山耕一朗 (北大理・宇宙理学).
なぜ計算情報科学・技術を学ぶか? 北海道大学・理学の状況 を踏まえて
なぜ情報実験か?その2 最低限知識の確認と さらなる飛躍にむけて
情報ネットワーク論 最終回 動的ルーティング実験デモ ネットワークの構築・管理 遠隔?講義.
これからの司書養成カリキュラム 帝塚山大学  柴田正美.
(INIAD(東洋大学情報連携学部)学部長) お問い合わせ先: 慶應義塾大学理工学部総務課( )
人間性豊かな人材の養成を通じて、科学技術と人間社会の調和的発展に寄与する
梅本 隆史 北海道大学大学院 理学院 宇宙理学専攻
数理情報科学専攻・電気電子工学専攻・機械工学専攻
「情報セキュリティ論」 5-1 コンピュータ犯罪
北海道大学理学院宇宙理学専攻 荻原弘尭 2014/06/06 (金)
コンピュータとネットワークの利用 国際経営学科 牧野ゼミ3年 足立龍哉.
東京大学における不正アクセス対策 東京大学 情報基盤センター 中山雅哉 2000年4月18日.
北海道大学理学研究科 地球惑星科学専攻 豊田英司
佐 藤 英 人 2011年2月10日 序章 地理情報科学概論 3.GISの構成要素 佐 藤 英 人
平成25年3月27日(水) 東京工科大学 コンピュータ蓑寝椅子学部 在学生ガイダンス
gate-toroku-system のしくみ
OSSAJ 事務局 株式会社ウィズ.アール 古木 良子
情報システムの基礎概念 (1) 情報システムとは
EP ネットワーク ガイダンス EP ネットワーク委員会 小高 正嗣 2014年4月11日(金)17:00~ 理学部8号館
なぜ情報実験か?その1 Unix (Linux) / Internet の歴史と 学問の情報化への展開を踏まえて
宇宙科学統合解析環境の構築とAstro-E2解析支援
なぜ計算情報科学・技術を学ぶか?その2 最低限知識の確認と さらなる飛躍にむけて
別紙1:政策学部のカリキュラム ■積み上げ型政策学教育 [基本教育] [導入教育] 大学院進学
EPnetFaN 座学編 第30回 北海道大学 大学院 理学研究科 地球惑星科学専攻 森川 靖大
倉本研究室 宇宙理学専攻 修士1年 岡澤直也.
図1.ヒトiPS細胞コロニー    (京都大学山中伸弥教授提供).
8 号館宇宙惑星 プライベート LAN 利用説明会
EP ネットワーク ガイダンス EP ネットワーク委員会 石渡 正樹 2010年4月9日(金) 理学部8号館
gate登録システム: 設計ポリシーから使い方まで
~itpass/ 地球及び惑星大気科学実習 改め 計算情報実習 ~itpass/ 林 祥介・中川義次・岩山隆寛・相川祐理 院生・4年生
北海道大学理学院宇宙理学専攻 荻原弘尭 2014/06/06 (金)
理学部ガイダンス 2019/5/15 進学ガイダンス 2010.
●●市における教育ICT環境整備方針 (概要)
北海道大学 大学院理学院 宇宙理学専攻 村橋 究理基 2017/01/26 (金)
高橋芳幸1, 地球流体電脳倶楽部 dcmodel プロジェクト 1.神戸大学大学院理学研究科
なぜ情報実験か?その2 最低限知識の確認と さらなる飛躍にむけて
gate-toroku-system のしくみ
なぜ計算情報科学・技術を学ぶか? その2 最低限知識の確認と さらなる飛躍にむけて
Cisco? 国立大学 80 校で共同設立する SOC に 次世代ファイアウォールを導入して運用を支援 Why 課題 ソリューション
Presentation transcript:

なぜ計算情報科学・技術を学ぶか? 北海道大学・理学の状況 を踏まえて 北海道大学理学院 宇宙理学専攻 小高 正嗣 odakker@ep.sci.hokudai.ac.jp 2012年4月6日

情報実習の理想 計算情報環境の技術的基本(古典)概念を実体験し自分の情報環境は自分で維持できるようになる 自分がおかれている情報環境総体に思いをはせる 地球惑星科学の情報化へ貢献できる人材が (勝手に)生まれる

近傍における 情報地球惑星科学的な展開 遠隔計算・遠隔観測のためのネットワーク環境の構築 環境研究所, 天文台, 宇宙研のスーパーコンピュータの利用 データセンターとの通信 観測機器の運用(苫小牧 / 名寄天文台の望遠鏡) 各種サーバーの運営:情報発信環境の維持と情報提供の試み EPサーバ 地球流体電脳倶楽部(http://www.gfd-dennou.org/) ネットワーク上での教育実験 参考: School of Internet (WIDE)(http://www.soi.wide.ad.jp/) 地球惑星業界でも同様な試みを展開する必要 WIDE SOI にならった我々の動画配信活動 Mosir プロジェクト(http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~mosir/)

沿革 1988:地球流体電脳倶楽部 1989:TISN 東大国際理学ネットワークにまつわる東京大学 理学部地球物理学科ネットワーク支援グループ 1994:北海道大学地球環境科学研究科 大気海洋圏環境科 学専攻ネットワーク友の会 1995:東京大学数理科学研究科・理学部数学科 計算数学カリキュラム化 1998:北海道大学理学研究科 地球惑星科学専攻  epnetfan, mosir(動画配信) 2007:神戸大学理学研究科・理学部地球惑星科学科 itpass 2008:惑星科学研究センター(CPS)人材育成プログラム

ご近所での展開 知の情報化に向けた情報研究教育活動 情報実習 EPサーバー群 EPnetFaN

北大における ネットワーク・計算機資源の管理運用者 北大外:SINET 国立情報学研究所 文部科学省の大学間接続を担うプロバイダ 情報基盤センターHINES 北海道大学キャンパスネットワークのプロバイダ 学生用・研究者用計算機資源 スーパーコンピュータ 理学営繕掛/理学情報ネットワーク委員会 HINES 部局支線 = 理学研究院が配線管理 EPネットワーク委員会 宇宙惑星科学分野・地球惑星科学関連有志による, 主として8号館(情報実験環境)のネットワーク接続の掌握, 管理, 運用 各々の研究室等 各研究室の情報環境

情報実習関係の ネットワーク運用体制 EPネットワーク委員会 (netcom) EPネットワーク技術支援グループ (epcore) http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~netcom/ EPネットワーク技術支援グループ (epcore) http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~epcore/ 学生ボランティア, EPサーバ・EPNetFan の運営 EPnetFaN http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~epnetfan/ 相互扶助的勉強会, epcore メンバー養成, 情報実習運営 情報実習 http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~inex/ 支援グループ等々に迷惑かけないための啓蒙 ボランティア養成 情報科学的アプローチのできる地球惑星分野の科学者・技術者へのきっかけ

情報実験の目的 ~立派な大人になるために 計算情報環境の技術的基本(古典)概念 を実体験し, 自分の情報環境は自分で維持できる ようになる 計算機(パソコン)の構造(CPU・メモリ・etc.) UNIX(Linux)・Internet・X window system を実体験し, 自分の情報環境は自分で維持できる ようになる 自分が置かれている情報環境総体に思いをはせる ネットワーク社会人として常識と作法を知る 安全性,安定性への理解 歴史(現状を作り出した過程)を理解する 地球惑星科学の情報化へ貢献できる人材が生まれるきっかけになれば幸い 情報利用者から,情報提供者へ,そして,科学の情報インフラのデザイナーへ

参考書, 参考文献 Bush, V., 1945: As we may think. Atlantic Monthly, 1945 July, 101-108. 村井純, 1997: インターネット, 岩波新書 新赤 416, 岩波書店. 村井純, 1998: インターネットII, 岩波新書 新赤 571, 岩波書店. 歌田明弘, 2000: 本の未来はどうなるか 新しい記憶技術の時代へ, 中公新書 1562, 中央公論新社 D. Libes & S. Ressler 著, 坂本 文 訳, 1990: Life with UNIX, アスキー. 坂村健, 2002: 痛快! コンピュータ学, 集英社文庫. 山口 英, 2002: ブロードバンド時代のインターネットセキュリティー, 岩波科学ライブラリー85