微小宇宙物質の 高感度元素定量法の確立 校費 540,000円 旅費 50,000円 平成16年度共同利用研究費査定額

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微小宇宙物質の 高感度元素定量法の確立 校費 540,000円 旅費 50,000円 平成16年度共同利用研究費査定額 福岡孝昭 (立正大学地球環境科学部) 野上謙一 (独協医科大学) 田澤雄二 (京都大学理学部) 鈴木善美 (山形大学理学部) 斉藤裕子 (青山学院大学理工学部) 平成16年度共同利用研究費査定額 校費  540,000円 旅費 50,000円

小林和久 (金沢大学低レベル放射能実験施設) 松崎浩之 (東京大学原子力研究総合センター) 少量南極隕石の26Al放射能の測定 福岡孝昭 (立正大学地球環境科学部) 小島秀康(国立極地研究所) 小林和久 (金沢大学低レベル放射能実験施設) 大橋英雄 (東京海洋大学海洋科学部) 松崎浩之 (東京大学原子力研究総合センター) 小林町恵 (立正大学地球環境科学部) 平成16年度共同利用研究費査定額 旅費 100,000円

微小宇宙物質とは 重さ: 数μg~mg 大きさ: 数10~数100μm Hayabusa: Sample return 隕石中鉱物 宇宙塵 重さ:  数μg~mg 大きさ: 数10~数100μm Hayabusa: Sample return 隕石中鉱物 宇宙塵 (火山ガラス(テフラ)) (造岩鉱物) (環境中“ダスト”)

微小宇宙物質の化学分析法の比較

微小宇宙物質のINAAの問題点 1.肉眼ではほとんど目視できない 迅速取り扱い (短寿命核種:半減期2~10分) 2.測定感度の向上   迅速取り扱い (短寿命核種:半減期2~10分)   2.測定感度の向上 3.Geometryの近い固体標準物質

実験手順 SEM – EDS観察 長時間照射施設で100時間照射 重量測定 高純度石英板容器の除去 ポリエチレンフィルムに融封 気送管照射 ポリエチレン板にフィルムをくっつける 短寿命核種の測定 ポリエチレン容器に入れる ポリエチレンフィルムの除去 微弱放射能測定施設で、井戸型Ge検出器を用いて、長寿命核種の測定 高純度合成石英容器に設置

気送管照射 (熱中性子束:2×1013 n/cm2/sec) →1stカウント:照射後すぐ 400秒間  JRR-3Mで10分間照射       (熱中性子束:2×1013 n/cm2/sec)    →1stカウント:照射後すぐ 400秒間                           Al, Mg, Ca, Ti, V(H.L:2~10min)       →2ndカウント:照射後、1~2時間後 1000秒間                           Mn, Na, K, Dy(H.L:2~15hr)   

実験手順 ・・・ 長時間照射施設で100時間照射 高純度石英板容器の除去 ポリエチレンフィルムに融封 ポリエチレン板にフィルムをくっつける JRR-3M、100時間照射 (熱中性子束:1×1014 n/cm2/sec) 長時間照射施設で100時間照射 高純度石英板容器の除去 ポリエチレンフィルムに融封 ポリエチレン板にフィルムをくっつける ポリエチレン容器に入れる 1st ct : 6~12時間(照射後3~6日) 希土類元素、Auなど 2nd ct : 1~2日(1st ctから約1ヶ月後) 希土類元素、 Irなど 微弱放射能測定施設で、井戸型Ge検出器を用い、長寿命核種の測定

新容器(高純度合成石英板) 断面 融封 試料 上から ・・・密閉 (原則) フタ 2 mm 1.5 mm 照射後切断 20 mm 出にくい 破損 針金 純Al線 上から

井戸型Ge検出器 井戸型Ge検出器 通常Ge検出器 試料 50 mm 9 mm Ge検出器検出効率の比較 (40K)

標 準 試 料 親石元素(Fe, Mg, Ca, Na, K, Ti, REE, Sc, Co, Ta, etc.)   岩石標準試料から作製したガラス片     JB-1(GSJ岩石標準試料)     JR-2(GSJ岩石標準試料) 親鉄元素(Ni, Os, Ir, Au)   Allende(隕石)粉末: ジオメトリー,均一性   隕鉄のチップ(Canyon Diablo): 不均質   純金属線のチップ: Osの純金属線はない                IrやAuは照射後の放射能が強すぎ   真空蒸着したシリコンウエハのチップ: 不均質,蒸着面積                            と重量の対応   合金の破片(田中貴金属工業社作製): 均一性,元素濃度   高純度白金線(SRM 680a): Ir~0.01ppm   Al/Au合金(IRMM-530): Au 0.1%

標準試料 親石元素  岩石標準試料JB-1ガラスチップ

親鉄元素:    Au,IRMM-530 Al-Au wire   公表値:Au 0.1 %    Ir,SRM-680a Pt wire       (公表値:Ir 7~10 ppb)       分析値:7.40±0.06 ppb

南極宇宙塵試料 採取地点 ソウヤ海岸トッツキ近く 68°55.3’S, 39°51.0’E 試料 10試料 溶融 石質タイプ

南極溶融宇宙塵をCIコンドライトで規格化

まとめ 1.微小宇宙物質試料の迅速取り扱い法は、 完成した。 2.標準物質について 親石元素用は準備ずみ。 1.微小宇宙物質試料の迅速取り扱い法は、 完成した。   2.標準物質について     親石元素用は準備ずみ。     親鉄元素(Osを除く)も準備できた。 3.井戸型Ge検出器の使用で測定感度(分析精度)を あげることができた。測定時間も短くなった。 4.1μg以上の微小宇宙物質の   化学分析が放射化分析 (INAA)で   行えるようになった。‥‥[本研究課題の終了]

隕石の種類 Falls Finds 南極[1969-1994] [1998] 石質隕石 エンスタタイト コンドライト 普通 エコンドライト          エンスタタイト  コンドライト 普通           炭素質  エコンドライト 石鉄隕石 鉄隕石   11 558 33 66 8 22 5 438 3 17 47 366 265 6133 124 193 7 23 (未分類) ~300 >4000 (合  計) 698 876 ~7000 >4000

南極隕石の落下年代(Terrestrial age)が供給する情報 南極隕石は何時落下したのか 落下年代の周期性 隕石のPairing 南極隕石の集積機構 氷の年代 氷床中火山灰の年代

Number of Records = 8 Current page number = 1 U. S. Antarctic Meteorites Classified as Achondrite - Lunar Sorted by Classification & Pairing Group Number of Records = 8 Current page number = 1 Generic Orig. Mass (grams) Classification Weath. Frac. Fa Fs Al26 Tl Paired With ALHA81 005 31.390 LUNAR-ANORTH. BRECCIA A/B A 11-40 7-47 46±3   MAC 88 104 61.200 A/Be 24 19-28 2.4±0.3 MAC 88 105 662.500 10-34 25 20±3 2.9±0.3 QUE 93 069 21.420 B 0.0±0.1 QUE 94 269 3.150 22-39 EET 87 521 30.700 LUNAR-BASALTIC BRECCIA 35-95 25-65 EET 96 008 52.996 41-64 18-53 QUE 94 281 23.370 Be 33-36 23-55 0.21±0.01   Responsible NASA Official: Dr. Carl Agee Web Curator: Claire Dardano

Number of Records = 5 Current page number = 1 U. S. Antarctic Meteorites Classified as Achondrite - Mars Sorted by Classification & Pairing Group Number of Records = 5 Current page number = 1 Generic Orig. Mass (grams) Classification Weath. Frac. Fa Fs Al26 Tl Paired With ALHA77 005 482.500 SHERGOTTITE A 28 23 55±2   EETA79 001 7942.000 Ae 23-27 16-67 23±3 LEW 88 516 13.203 A/B 33 QUE 94 201 12.020 Be 21-69 ALH 84 001 1930.900 SNC ORTHOPYROXENITE B 27 61±2* 1.3±0.1   Responsible NASA Official: Dr. Carl Agee Web Curator: Claire Dardano

隕石試料中26Alの測定法 方法 検出器 試料量 破壊法か 非破壊法か 通常のγ線測定 Ge検出器 >100g 非破壊 Mockup sample 超低バックグラウンド γ線測定 井戸型Ge検出器 <2.5g 加速器質量分析 (AMS) AMS 30~60mg 破壊

超低バックグラウンドγ線測定装置 Ge Pb 液体N2

検出効率 検出効率(%) 40K (KCl) 26Al 底からの試料位置(mm) 14 12 10 8 6 4 2 40K (KCl) 検出効率(%) 26Al 5 10 15 20 25 30 35 40 底からの試料位置(mm)

NIPRから依頼されている試料 Y-791199 Anorthite 2.02g Y-791962 Eucrite 1.74g Y-791192 Eucrite (polymict) 1.73g Y-791573 Howardite 1.93g

Eucrite (polymict texture) 南極隕石中の26Al 試料名 隕石タイプ 試料重量(g) 測定時間(s) ピーク面積 cps[10-5] dpm/kg Yamato-791962,60 Eucrite 1.730 15654389 (約181日) 709±30 4.53±0.19 89.3±4.1 Yamato-791192,77 Eucrite (polymict texture) 1.727 10709287 (約124日) 511±25 4.77±0.24 94.3±5.0

Y-791962 Y-791192