レーザー干渉計型重力波検出器TAMA300のパワーリサイクリングⅦ

Slides:



Advertisements
Similar presentations
低温 干渉計型重力波検出器にお ける 突発性雑音低減 国立天文台辰巳大輔 大阪市立大学.
Advertisements

スペース重力波アンテナ (DECIGO) WG 第3回ミーティング (2005 年 5 月 12 日 国立天文台, 東京 ) 1 光共振型 DECIGO の可能性 安東 正樹 東京大学 理学系研究科 物理学教室.
JASMINE レーザー干渉計型高精度角度・長さ変動モニターの研究開発 計画のための
重力波でみる 7億光年先の宇宙 地下大型重力波検出器LCGT計画の始動 東京大学宇宙線研究所 宮川 治
ガンマ線バースト将来計画に向けたワークショップ @京大 平成22年8月27日 川村静児(国立天文台)
2006年2月22日 宇宙重力波干渉計検討会 - 小型衛星とDECIGO - 川村静児 国立天文台
スペース重力波アンテナ DECIGO計画(17): 設計・計画 物理学会 @立教大学 2009年3月30日 Sora
神岡宇宙素粒子研究施設の将来 Future of the Kamioka Observatory
情報の整理+DECIGOの仕様で検討してもらいたいこと
スペース重力波アンテナ DECIGO計画 II
スペース重力波アンテナ DECIGO計画(2)
スペース重力波アンテナ DECIGO計画(1)
地上レーザー干渉計ネットワークによる連星合体重力波のパラメータ決定精度
第6回宇宙科学シンポジウム (2006年1月6日 宇宙科学研究本部 相模原, 神奈川)
重力波天文学に向けた 小型衛星による検証実験
プロジェクト研究発表 重力波天文学 at Spring School, ICRR, The University of Tokyo
スペース重力波アンテナ DECIGO計画 宇宙科学シンポジウム @宇宙科学研究所 2003年1月9日
スペース重力波アンテナ(DECIGO)WG第4回ミーティング (2006年05月11日 国立天文台, 東京)
宇宙重力波検出器用レーザー光源の光ファイバーを用いた安定化
宇宙重力波検出器用レーザー光源の光ファイバーを用いた安定化
(研究期間 平成13年~平成17年) 領域代表者 東京大学大学院理学系研究科・教授・坪野公夫
LCGT Collaboration Meeting (2010年2月15日)
宇宙での重力波観測 (1) 宇宙での重力波観測 宇宙で観測するメリット : 他にはないサイエンスがある
新特定領域 「全波長重力波天文学のフロンティア」 第5回会合 (2005年7月30日 国立天文台, 東京)
超伝導磁気浮上を用いた 低周波重力波検出器の開発
佐藤修一A ,高橋竜太郎A ,阿久津智忠B ,
計画研究ク 重力波天文台用高性能光源の開発
DECIGO pathfinder のための 静電センサーの開発
数値相対論の展望        柴田 大 (東大総合文化:1月から京大基研).
共同利用研究発表会 LCGT概算要求について LCGT Collaboration.
瀬戸直樹(京大理) CMBワークショップ 年6月8日(火) 国立天文台
重力波検出の将来計画 文責:川村静児(国立天文台) 2004年9月14日.
スペース重力波アンテナ(DECIGO)WG第4回ミーティング (2006年05月11日 国立天文台, 東京)
低周波重力波探査のための ねじれ振り子型重力波検出器
宇宙重力波検出器用大型複合鏡における熱雑音の研究
LCGT詳細設計とR&D 大橋 正健 東大宇宙線研.
レーザー干渉計型重力波検出器TAMA300のパワーリサイクリングⅣ
KAGRA用防振装置 プレアイソレータの性能測定 IV
第7回DECIGOワークショップ @国立天文台
重力・重力波物理学 安東 正樹 (京都大学 理学系研究科) GCOE特別講義 (2011年11月15-17日, 京都大学) イラスト
安東 正樹池本尚史,小林洸,坪野公夫 (東京大学 理学系研究科)
DECIGO pathfinderのための 試験マスモジュールの構造設計・解析
国立天文台スペース重力波アンテナWG 第2回ミーティング(第2回DECIGO検討会) イントロダクション
東邦大学理学部物理学科 宇宙・素粒子教室 上村 洸太
重力波の重力レンズでの 波動効果 高橋 龍一 (国立天文台PD).
瀬戸直樹 (京大理) 第7回スペース重力波アンテナDECIGOワークショップ 国立天文台
(大型重力波検出器のための低周波防振装置に関する研究)
小型衛星パスファインダーによる総合的試験
道村唯太 東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻 小森健太郎、榎本雄太郎、長野晃士、宗宮健太郎、 灰野禎一、端山和大、西澤篤志、武田紘樹
京都大学理学研究科 中村卓史 2006年2月24日 国立天文台
レーザー干渉計制御のデジタル化 中川憲保,新井宏二A,佐藤修一A,高橋竜太郎A,
道村唯太 東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻 小森健太郎、榎本雄太郎、長野晃士、宗宮健太郎、 灰野禎一、端山和大、西澤篤志、武田紘樹
産総研・計測標準 寺田聡一 東大地震研 新谷昌人、高森昭光
第7回 高エネルギー宇宙物理連絡会研究会 「高エネルギー宇宙物理学の将来計画」
第17回DECIGOワークショップ 2018.11.1 川村静児(名古屋大学)
スペース重力波アンテナ DECIGO計画 I
東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻 長野晃士 (D2)
大学院ガイダンス(柏キャンパス) 2011年6月11日 岸本 康宏
国立天文台 辰巳大輔,常定芳基 他 TAMA Collaboration
神岡での重力波観測 大橋正健 and the LCGT collaboration
道村唯太 東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻 小森健太郎、榎本雄太郎、長野晃士、宗宮健太郎、 灰野禎一、端山和大、西澤篤志、武田紘樹
苔山 圭以子 お茶の水女子大学大学院 2007年11月17日, 高エネルギー天体現象と重力波研究会
TOBAの現状と今後の計画 坪野研輪講 2012年2月22日 岡田健志.
DECIGOの光学設計の検討 第17回DECIGOワークショップ 2018.11.1 川村静児(名古屋大学)
KAGRA用防振装置のプレアイソレータの性能測定
固体材質同士の接合面における機械損失について
スーパーカミオカンデ、ニュートリノ、 そして宇宙 (一研究者の軌跡)
宇宙重力波干渉計検討会 -小型衛星とDECIGO- (2006年02月24日 国立天文台, 東京)
小型衛星パスファインダーによる総合的試験
LCGT Design meeting (2004年4月9日 東京大学 山上会館, 東京)
Presentation transcript:

レーザー干渉計型重力波検出器TAMA300のパワーリサイクリングⅦ 高橋竜太郎、新井宏二、佐藤修一、長野重夫、辰巳大輔、 常定芳基、神田展行、安東正樹、他TAMA Collaboration 国立天文台、東大理、東大宇宙線研、東大新領域、大阪市大、電通大、他 これまでの観測概要 Data Taking 8実施要綱 途中経過概要 感度、観測可能距離 稼動状況 LIGO、GEOとの同時観測 まとめ

これまでの観測(Data Taking)概要 実施期間 総観測時間 主な目的 DT1 1999年 8/6~8/7 11時間 キャリブレーションの確立 DT2 1999年 9/17~9/20 31時間 初のイベントサーチ DT3 2000年 4/20~4/23 13時間 改善された感度での観測 DT4 2000年 8/21~9/4 167時間 100時間以上の観測 DT5 2001年 3/2~3/10 111時間 24時間フルタイム観測 DT6 2001年 8/1~9/20 1,038時間 1,000時間観測 DT7 2002年 8/31~9/2 25時間 リサイクリングの導入

Data Taking 8実施要綱 目標 LIGO、GEOとの本格的同時観測 1,000時間観測(70%) 実施期間 2月14日23:00~4月15日7:00(1,424時間) シフト体制 94名が参加(2人×3交代) MOU調印 (2002年12月18日、京都)

途中経過概要 (3/27 10:00時点) 実施時間: 972時間 有効観測時間: 788時間 稼働率: 81% 途中経過概要 (3/27 10:00時点) 実施時間: 972時間 有効観測時間: 788時間 稼働率: 81% ベスト感度: 8×10-19m/√Hz@1.5kHz 最長ロック時間:20時間31分

連星系合体からの重力波に対してTAMA300で 観測可能な距離(SNR=10)

感度の安定性 昼間でも感度の低下は10~20%程度

稼動状況

観測中断の原因 工事(遺跡調査): 振動によりロックが維持できない 波浪: Micro-seismicが励起されロックがかかりにくくなる レーザー: 不安定なモードになりロックできない その他: DAQ、回路のトラブル、停電 天文台周辺での工事

LIGO、GEOとの同時観測 LIGO(米) H1: 4km、H2: 2km L1: 4km GEO600(英独) G1: 600m TAMA300(日) T1: 300m LIGO (Livingston) LIGO (Hanford) GEO600 (Hannover)

各検出器の状況 (3/16時点) 基線長 方式 SNR [kpc] 最長ロック 稼働率 LIGO H1 4km RFPMI 300 66.2時間 68% H2 2km 200 12.4時間 53% L1 800 6.5時間 38% GEO G1 600m DRMI 調整中 TAMA T1 300m 35 20.5時間 81% (3台同時:19%)

LIGOの感度

まとめ 2ヶ月にわたる本格的な国際同時観測を実施中である。 3分の2終了時点で80%を超える稼働率で動いており、連星中性子星合体に対し40kpc程度まで探索可能。 LIGOもTAMAを超える感度で順調に観測を続けている。