レイアウトシミュレーションによるピッキング場設計支援

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レイアウトシミュレーションによるピッキング場設計支援 0555018 歸山 翔平 レイアウトシミュレーションによるピッキング場設計支援と題しまして、歸山翔平が発表させて頂きます。

目次 研究の背景 研究の目的 レイアウトシミュレーションとは 実験概要 実験1~3のケースと結果 結論 今後の課題 発表は、この流れで行います。

物流センター設計 物流センターレイアウト図 入荷作業(上)と出荷作業(下) 出典:写真と図でみる物流・配送センター設備システム事例集 物流センターは、多種大量の商品を供給者から荷受けし、多数の需要家の注文に応じて品揃えし、配送する重要な物流拠点である。 物流センターを設計する際は、施設条件の決定、基本計画の策定、細部計画の策定、運営要領の決定といったステップを踏んで行われる。全体として、最適な施設計画になるよう、各段階でさまざまな調査・分析を行う。 物流センターは、一度完成するとその後の改装が容易でなく、計画時点では最良の計画であっても、その後の環境変化によってムリやムダが生じ、効率が悪化することも多く、設計の際には細心の配慮が必要である。 出典:写真と図でみる物流・配送センター設備システム事例集

ピッキング場設計 ピッキング場レイアウト図 ピッキング作業 中でも、ピッキング作業は、一連の物流作業工程の中で最も複雑であり、問題点の多い部分。 そこで、ピッキング場の設計を行う際に、設計が容易になる支援を行うことが有益であると考えられる。 出典:物流改善事例大会2001(左図)、マテリアルフロー(右図)

ピッキング場の設計項目 以下の設計条件に基づいて行う必要がある。 ・出荷量 ・品目数 ・製品の形状・寸法 ・出荷指示 ・作業面積 ピッキング場の設計では、この表に示すように、ピッキング方式、棚レイアウト、商品ロケーションなどの項目について検討を行わなければなりません。 これらの項目について検討を行う際は、出荷量、品目数、出荷指示などの設計条件に基づき行う必要があります。 これらの設計項目は、ここではなく、それぞれをどう配置するかを考える必要があります。 このような検討を行う際には、レイアウトシミュレーションが有効です。 以下の設計条件に基づいて行う必要がある。 ・出荷量 ・品目数 ・製品の形状・寸法 ・出荷指示 ・作業面積

レイアウトシミュレーションとは 設備やラインの配置、スペース効率、作業者の安全衛生管理など製造ラインの設備上の制約を、3次元画像などの模擬実験によって予測・分析・改善するツールのことである。 面積、位置関係、人や設備の大きさや動きなどを表現することができる レイアウトシミュレーションとは、設備やラインの配置、スペース効率、作業者の安全衛生管理など製造ラインの設備上の制約を、3次元画像などの模擬実験によって予測・分析・改善するツールのことである。 レイアウトシミュレーションは、面積、位置関係、人や設備の大きさや動きなどを表現することができることが特徴である。 出典:エイ・アイサービス(株)RaLC-Brainデモ

研究の目的 本研究では、レイアウトシミュレーションを用いて、作業時間からみて、設計における概括的指針を与え、ピッキング場の概要設計支援を行うことを目的とする。

ピッキング場の設計支援 具体的には、ピッキング場の設計項目の内 棚レイアウト、商品ロケーション、作業の開 始・終了位置、在庫量、ピッキング方式を対 象とする。 具体的には、左図で示した、固定棚、台車を用いた台車ピッキングを想定した青色の条件に基づき、赤色で示した、ピッキング方式、棚レイアウト、作業の開始・終了位置、商品ロケーション、在庫量、出荷指示を検討対象としました。

実験項目 シミュレーション実験1 作業の開始・終了位置、棚レイアウトの作業時間に与える影響を明らかにする。 シミュレーション実験2 商品ロケーション、A,B,C分類毎の在庫量の作業時間に与える影響を明らかにする。 シミュレーション実験3 ピッキング方式(摘み取り方式、種まき方式)、1回あたりのピッキング量の作業時間に与える影響を明らかにする。 次に実験概要にうつります。 本研究では、シミュレーション実験を全部で3つ行う。 シミュレーション実験1として、作業の開始・終了位置棚レイアウトによって、作業時間がどのような変化傾向を示すのかを明らかにする。 シミュレーション実験2として、商品ロケーションを変更することによって、作業時間がどのような変化傾向を示すのかを検討し、あわせて、A,B,Cの在庫量を変化させることによって、作業時間にどのような変化傾向がでるのかを明らかにする。 シミュレーション実験3では、最も作業時間の短いモデルを1例として、オーダー平均を変化させることで、摘み取り方式と種まき方式のどちらが望ましいかを明らかにする

シミュレーション実験1 実験目的 作業の開始・終了位置、棚レイアウトの作業時間に与える影響を明らかにする。 次に、シミュレーション実験1のケースについて説明を行います。 シミュレーション実験1では、作業の開始・終了位置、棚レイアウトの作業時間に与える影響を明らかにすることを目的としました。 具体的には、表に示す、2つの作業の開始・終了位置と4つの棚レイアウトを合わせた8つのケースについて行いました。 なお、本実験では、すべての間口に対してピッキング作業を行い、その平均を取ったものを作業時間としました。

作業の開始・終了位置について 同位置 別位置 なお、作業の開始・終了位置は、図に示すように、開始・終了位置が同じ位置にある場合を同位置とし、反対の位置にある場合を別位置としました。

棚レイアウトについて また、棚レイアウトは、図に示すように、作業の開始位置に対して、棚のピッキングする面が直角におく横置き、平行におく縦置き、それらを組み合わせた縦横混合①、②の4つとした。

シミュレーション実験1結果(同位置) 約3%の作業時間差となる。しかし・・・ 1日に2000オーダー受けるとすると・・・ 次に実験結果に移ります。 この表は、同位置の場合の棚レイアウト毎の作業時間と作業時間差を示したものになります。 表より、縦置きの場合がもっとも作業時間が短く、横置きの場合はもっとも作業時間が長くなっていることがわかります。 また、縦置きに対する、横置きの作業時間差は、2秒であり、約3%となっています。 たった2秒の作業時間差しかないように思われますが、これは、1ピッキングあたりの作業時間のため、1日に2000オーダー受けるとすると、約1時間6分の作業時間差となります。 2秒×2000=4000秒(約1時間6分)

シミュレーション実験1結果(別位置) 約4%の作業時間差となる。 4秒×2000=8000秒(約2時間12分) 次に、別位置の場合の結果を示します。 別位置の場合も同様に、縦置きがもっとも、短く、横置きがもっとも短いことがわかります。 そして、このときの作業時間差は4秒で、縦置きと4%の作業時間差となります。 また、この値は、同位置の場合の2倍の作業時間差となり、1日に2時間12分の作業時間差となります。 4秒×2000=8000秒(約2時間12分)

同位置の場合の動線距離 横置き 縦置き 始&終 始&終 次に、これらの原因について説明を行います。 図中の赤い“×”印は、横置き、縦置きどちらにおいても、直線距離で同じ距離にある商品の位置を示している。 このとき、縦置きはこのような作業動線となり、横置きの場合は、このような作業動線になることがわかり、横置きの方が回り込む分の動線が長くなることがわかります。 始&終 始&終

別位置の場合の動線距離 直線距離で同じ場所に取りに行く場合、横置きの方が迂回距離が長くなる 横置き 縦置き 終 終 始 始 別位置のほうにおいても同様に横置きの方が長くなることがわかります。 直線距離で同じ場所に取りに行く場合、横置きの方が迂回距離が長くなる

シミュレーション実験1まとめ 棚レイアウトは、作業の開始・終了位置に対して、棚のピッキング面を直角に置くより、平行に置くほうが、作業時間が短くなる。 以上のことをまとめると 棚レイアウトは、作業の開始・終了位置に関わらず、人の動線に対して平行に置くほうが、作業時間が短くなります。 作業の開始・終了位置が、同位置の場合に比べて、別位置の方が、作業時間に棚レイアウトの影響が強くでます。

シミュレーション実験2 実験目的 商品ロケーション、A,B,C分類毎の在庫量の作業時間に与える影響を明らかにする。  次に、シミュレーション実験2のケースについて説明を行います。 実験2では、商品ロケーション、A,B,C分類毎の在庫量の作業時間に与える影響を明らかにすることを目的としました。 具体的には、表に示すように、実験1で使用した8つのモデルに、それぞれ3つの商品ロケーション、3つの在庫量を組み合わせた合計72ケースについて行いました。

商品ロケーション分布① 商品を作業の開始・終了位置を結んだ線に対して、作業の開始位置から 奥行き方向に平行に、A,B,Cの順に配置する方法

商品ロケーション分布② 商品を作業の開始・終了位置を結んだ線に対して、作業の開始位置から 幅方向に平行に、A,B,Cの順に配置する方法

商品ロケーション分布③&④ ピッキング動線の距離に応じて、短い棚から順にA,B,Cの順に配置する方法。 商品ロケーション分布③ 商品ロケーション分布④

A,B,C分類毎の在庫量について C C C B B B A A A A:2日、B:2日、C:2日 A:2日、B:4日、C:6日 すべて同じ頻度でピッキング する理想的な場合 ピッキング頻度の低い 商品がある場合 A,B,C分類毎の在庫量とは、例えば、A,B,C分類毎の在庫量がそれぞれ2日分の場合であれば、それぞれ、1日において、2品目のうち、1品目が出荷されることを表現しており、A,B,C分類毎の在庫量がAが2日、Bが6日、Cが10日の場合であれば、A分類は2品目のうち1品目、B分類は6品目のうち1品目、C分類は10品目のうち1品目が出荷されることを表現しており、各商品毎の在庫量ではなく、各分類全体としての在庫量を意味しており、ピッキング頻度の低い商品がたくさんあることを表現しています。 なお、ほんらいならば、施設面積が増加するが、同じ面積で比較しているため、頻度は同じでも各分類ごとの量が変わるため、在庫量の割合同士では比較せず、あくまでも、在庫量の割合ごとの商品ロケーション同士での比較を行います。

シミュレーション実験2結果(縦置き同位置) 分布① 分布② 次に、実験結果に移ります。  この図は、縦置き同位置の場合の結果です。  縦軸は、作業時間を示しており、横軸は、A,B,C分類毎の在庫量を示しています。また、図中の判例は、青色は、商品ロケーション分布①、赤色は、商品ロケーション分布②、黄色は商品ロケーション分布③となっています。  図より、ピッキング頻度に差がない場合は、商品ロケーションによる差がなく、ピッキング頻度が低い商品がある場合は、商品ロケーションによる影響がでていることがわかります。 また、このとき、分布③の商品ロケーションが最もいいことがわかります。 これは、他の棚レイアウトにおいても同様の傾向がみられました。 分布③

縦置きと横置きの比較(同位置) A,B,C分類毎の在庫量が(A:2日、B:6日、C:10日)の場合 縦置きの方が作業時間差が大きい 次に、A,B,C分類毎の在庫量が、2,6,10の場合において、縦置きと横置きの場合を比較した図を示します。 最も作業時間が長い、それぞれの分布②を基準としたときの、作業時間差をみると、縦置きの場合、分布①が-4秒、分布③が-4秒となっており、横置きの場合は分布①が-2秒、分布③が-3秒となっていることがわかります。 このことから、縦置きの方が商品ロケーションによる影響が強くでることがわかります。 商品ロケーションによる影響が強くでる

シミュレーション実験2結果(縦置き別位置) 分布① 分布②  次に別位置の場合の縦置きについて説明します。 縦軸、横軸、は、同位置の場合と同様です。また、凡例は、青色が商品ロケーション分布①、赤色が商品ロケーション分布②、黄色が商品ロケーション分布④となっています。  図より、ピッキング頻度に差がない場合は、差がなく、商品ロケーションによる差がなく、ピッキング頻度に差がある場合は、商品ロケーションによる影響がでていることがわかります。  このとき、分布④がもっともいいことがわかります。 分布④

縦置きと横置きの比較(別位置) A,B,C分類毎の在庫量が(A:2日、B:6日、C:10日)の場合 縦置きも横置きも作業時間差が同じ 次に、A,B,C分類毎の在庫量が、2,6,10の場合において、縦置きと横置きの場合を比較した図を示します。 最も作業時間が長い、それぞれの分布①を基準としたときの、作業時間差をみると、縦置きの場合、分布②が-3秒、分布③が-3秒となっており、横置きの場合は分布②が-3秒、分布③が-3秒となっていることがわかります。 このことから、別位置の場合は、棚レイアウトによって、商品ロケーションの影響は変わらないことがわかります。 商品ロケーションによる影響は同じ

シミュレーション実験2まとめ どの棚レイアウト、作業の開始・終了位置においても、すべての商品のピッキング頻度が同じという、いい在庫管理ができている場合は、どのように商品ロケーションを行っても差はない。 逆にピッキング頻度の低い商品を多く抱えているという悪い在庫管理の場合は、動線に応じた距離に従って配置する方法がよい。 同位置の場合、横置きよりも縦置きの方が商品ロケーションによる影響が強くでる。 商品ロケーションについて  どの棚レイアウト、作業の開始・終了位置においても、すべての商品のピッキング頻度が同じという、いい在庫管理ができている場合は、どのように商品ロケーションを行っても差はない。  逆にピッキング頻度の低い商品を多く抱えているという悪い在庫管理の場合は、動線に応じた距離に従って配置する方法がよい。 同位置の場合、横置きよりも縦置きの方が商品ロケーションによる影響が強くでる。

シミュレーション実験3 実験目的 ピッキング方式(摘み取り方式、種まき方式)、1回あたりのピッキング量の作業時間に与える影響を明らかにする。 次に実験3の説明に移ります。 実験3では、ピッキング方式(摘み取り方式、種まき方式)、1回あたりのピッキング量の作業時間に与える影響を明らかにすることを目的とします。 具体的には、1回あたりのピッキング量が2個,6個,10個の3通りの場合において、種まき方式と摘み取り方式の比較を行います。 なお、実験は同人数で比較を行うため、種まき方式の場合は、ピッキング場と、仕分け場の作業人数の配分が必要になります。その配分を表のように行い、全部で18ケースについて行いました。

1回あたりのピッキング量について 次に、1回あたりのピッキング量について説明を行います。 この図は、ABC分布曲線に基づき、作成した在庫データを元に、作成した出荷データのフォーマットの一部です。 このフォーマットから1回あたりのピッキング量の平均毎のデータを作成しました。具体的には次に示します。

1回あたりのピッキング量が2個の場合 平均2個、標準偏差1個の正規分布に 従うものとした。 1回あたりのピッキング量が2個の場合を例に示します。 まず、1回あたりのピッキング量が2個の場合は、すべて均一に2個ずつとるのではなく、平均が2、標準偏差が1の正規分布に従うものとしました。 そして、その正規分布の確率密度関数の割合に従い、表に示すように、ランダムに順番を入れ替えました。 そして、この順番に従って、最初は、4つ、次は1つ、次は3つ・・・・と表に従って、出荷データのフォーマットを区切り、それぞれが1荷主分としました。 これによって、たとえば、同じ数のピッキング量であっても、1品目だけだったり、4品目あったりと、1回あたりの注文数のバラツキと、注文内容のバラツキを表現しました。 これが摘み取り方式のピッキングデータとなり、種まき方式は、これらのデータをこのように品目毎にソートしました。 同様に、6個、10個の場合も作成しました。

摘み取り方式と種まき方式のモデルの全体像

シミュレーション実験3結果 1回あたりのピッキング量が2個の場合 次に結果に移ります。 この図は、1回あたりのピッキング量の平均が2個の場合を示したものです。 縦軸は作業時間を示しており、横軸は、作業人数毎にピッキング方式別に示したものです。  図より、作業人数がピッキング場6人仕分け場4人のときがもっとも作業時間が短く、この作業人数の割合が最適であることがわかります。  この傾向は、1回あたりのピッキング量が6個、10個の場合も同様にみられました。

シミュレーション実験3の結果 1回あたりのピッキング量別ピッキング方式の比較 そして、種まき方式における、各平均毎の最適な作業人数の割合における作業時間と、摘み取り方式を抜き出したものが、この図になります。 縦軸は、作業時間を示しており、横軸は、1回あたりのピッキング量別ピッキング方式を示している。 また、図中の凡例において、青色が種まき方式、赤色が摘み取り方式を示しています。  図より、1回あたりのピッキング量が2個の場合は、種まき方式のほうがよく、6個と10個の場合は、摘み取り方式のほうがよいことがわかります。 また、摘み取り方式は、1回あたりのピッキング量が多くなるほど、作業時間が減少傾向にあることがわかります。また、種まき方式は、1回あたりのピッキング量が多くなるほど作業時間が増加傾向にあることがわかります。

シミュレーション実験3まとめ 1回あたりのピッキング量が多いときは、摘み取り方式の方がよく、また、 1回あたりのピッキング量が少ないときは、種まき方式の方がよい。

結論 本研究では、レイアウトシミュレーションを用いて、作業時間からみて、設計における概括的指針を与え、ピッキング場の概要設計支援を行うことを目的とした。 具体的に、ピッキング場の設計項目の内、棚レイアウト、商品ロケーション、作業の開始・終了位置、ピッキング頻度、ピッキング方式を対象とし、シミュレーション実験を行った結果、設計における概括的指針を与え、ピッキング場の概要設計支援を行うことができた。

結論の詳細 作業の開始・終了位置 棚レイアウト 商品ロケーション A,B,C分類毎の在庫量 ピッキング方式(摘み取り方式、種まき方式) 1回あたりのピッキング量 1回あたりのピッキング量が多いとき A B C A B C 作業時間が短い 摘み取り方式の方がよい すべて同じ頻度でピッキング する理想的な場合 ピッキング頻度の低い 商品がある場合 1回あたりのピッキング量が少ないとき どのように商品ロケーションを 行っても差は出ない。 動線の距離に応じて配置する方法 がよい。 作業の開始・終了位置、棚レイアウト 棚レイアウトは、作業の開始・終了位置に対して、棚のピッキング面を直角に置くより、平行に置くほうが、作業時間が1ピッキング作業あたり、約3%短くなることを示しました。  どの棚レイアウト、作業の開始・終了位置においても、すべての商品のピッキング頻度が同じという、いい在庫管理ができている場合は、どのように商品ロケーションを行っても差はない。  逆にピッキング頻度の低い商品を多く抱えているという悪い在庫管理の場合は、動線に応じた距離に従って配置する方法がよい。 同位置の場合、作業の開始・終了位置に対して、棚のピッキング面を直角に置くより、平行に置くほうが、の方が商品ロケーションによる影響が強くでる。 ピッキング方式と1回あたりのピッキング量  1回あたりのピッキング量が多いほど、摘み取り方式の方がよく、また、1回あたりの注文数量が少ないほど、種まき方式の方がよいことを示しました。 種まき方式の方がよい

今後の課題 今回検討対象としていないピッキング場の設計項目の検討 入荷や出荷も含めた物流センター全体における検討 今後の課題としては、ピッキング作業において、バーコードのスキャン時間の考慮や、作業員の歩行速度などの能力のばらつき、作業員同士の干渉などを考慮して、より実環境に近い形で検討を行う必要がある。 また、今回検討対象としていないピッキング場の設計項目においても検討を行う必要がある。 また、ピッキング場だけでなく、入荷や出荷も含めた物流センター全体において検討を行っていく必要がある。

ご清聴ありがとうございました。

モデル化対象項目

本研究の対象ピッキング作業 本研究では、人手による台車ピッキングを想定した。 具体的には、作業者は、所定の位置で伝票を受け取り、固定棚にケース保管された商品を、台車をおしながら棚までいき、棚から商品を取り出した後、所定の位置へ商品を搬送する。

実験1の商品ロケーション 本実験では、商品ロケーションによる影響は考慮しないため、ランダム配置とした。

実験1の在庫量 本実験では、在庫を全くもたないことはないものとし、最低限の量として、2日分とした。

実験1の出荷指示 1回のピッキング量が複数ある場合は、ピッキング量によって歩行距離が変わるため、純粋に棚レイアウトによる比較ができない。 そのため、本実験では、棚レイアウトによる作業時間の変化傾向の知見を得て、ピッキング場設計の概括的指針を与えることが目的のため、最初は基本的な検討として、1回あたりのピッキング量を1とした。

実験1のピッキング方式 実験では、棚レイアウトによる作業時間の変化傾向の知見を得て、ピッキング場設計の概括的指針を与えることが目的のため、ピッキング方式による作業時間の影響がないように1つで行う必要がある。 そこで、実環境においても多用されている摘み取り方式を用いることとした。

実験1の作業人数 文献では、1日に約2000ケースの出荷を行い、施設規模が53m×111mにおいて、作業人数10人と示されていた。ただし、施設規模が53m×111mであり、ピッキング場の規模は記されていなかった。本研究のピッキング場では、34m×37mの規模である。 そこで、本実験でも、この文献16)を参考に作業人数を10人とした。 参考文献 全日本物流改善事例大会

実験1の出荷量 本実験では、すべての間口に対して行った。 そのため、4000ケースとした。

実験1の取り扱い品目数 実際の現場では、物流センターが対象とする顧客数や業種などによって変わってくるが、多いところでは何千~何万品目、少ないところでは、何十~何百品目である。 本実験では、上述したように、基本的な知見を得るため、取扱品目数は、作業時間に影響がでないため、最初は、取り扱い品目は3品目とした。

実験1の貨物の寸法について 一般的によく用いられているサイズ⇒120サイズ8) 参考文献 8)伯水永志:「物流現場において重さの判断に及ぼす色彩の影響に関する研究」   東京商船大学 平成15年度卒業論文、p26-30

実験1の保管設備について 参考文献を元に、棚の寸法を高さ2m、間口2.5m、奥行き0.75mと設定した。1棚5間口、5段構成、1間口1商品を保管するとした。 また、通常この様な棚を単独ではなく、ある程度つなげて使用しているため、2棚をつなげて1つの棚として使用する事を想定した。 参考文献 最新物流機器データガイドブック、p172

実験1の保管単位について 保管単位は、上述したように、ケース保管とする。

実験1のピッキング単位について ピッキング単位も、上述したように、実験1と実験2では、ケースとし、実験3ではバラとした。

実験1の作業機器について 参考文献を元に以下のように設定を行った。 ・歩行速度:60m/分 ・商品を取る時間:2.2秒 ・商品を置く時間:2.2秒 実際の現場では、表2.2.1のパターン1、2、3の場合であれば、自動倉庫の場合であればスタッカークレーンやフェースピッカー、固定棚や流動棚であれば、フォークリフトを用いており、パターン4,5,6,7の場合であれば、人手で行っている。 本実験では、台車を用いたピッキング作業を行うため、作業機器は人となる。そこで、 ピッキング作業員の能力として、参考文献19)を元に、商品を棚から取り出し、その商品を台車に載せるまでの時間を4.4秒とし、作業員の歩行速度を60m/分とした。 また、仕分け作業員の能力も、同様に、コンベヤから商品を持ち上げ、商品を後ろの仮置き場に置くまでの時間を4.4秒とし、歩行速度を60m/分とした。 なお、シミュレーションソフトの機能の都合上、作業員の個人能力差や、疲れや荷物の重さによる歩行速度のバラツキなどは考慮していない。 また、作業員が取得できる商品の最大個数は10ケースとした。ただし、摘み取り方式の場合は、荷主毎に処理するため、1オーダーが2個であれば2個しかピッキングを行わないとした。 参考文献 中小企業庁HP、物流ABC準拠による物流施設パターン別ベンチマーキング 標準作業時間データベース解説編

実験1の搬送方法について 参考文献を元に、1.2m×0.75mとした。 参考文献 最新物流機器データガイドブック、p85 実際の現場では、表2.1.1のパターン1,2,3の場合で、保管設備における自動倉庫、そして、作業機器におけるフェースピッカーなどを併せて用いているように無人で行うような場合は、必ずコンベヤを使用している。また、自動倉庫からパレットを出庫し、    そのままパレットをコンベヤに載せ搬送する方法などがある。また、固定棚などからフォークリフトを用いて行う場合は、フォークリフトでそのまま運ぶ場合もある。また、パターン4,5,6,7の場合では、出荷頻度の高い商品などのピッキングにコンベヤを使用しているところが多数ある。また、台車やカートを用いてピッキングを行い、次の工程へ搬送するためにコンベヤを使用している場合もある。 本実験では、台車によるピッキングを行うため、参考文献18)を元に、長さ1.2m、幅0.75mの台車を使用することとした。図4.2.11に台車の寸法図を示す。 参考文献 最新物流機器データガイドブック、p85

実験1の通路幅と通行制限について 手押し台車付きの時 片側通行の場合:1m 両方通行の場合:2m 参考文献 通路幅や通行制限については、実例に記載されていなかったため、本実験では、特に通行制限を設けず、両方通行で行うこととした。 また、通路幅は、参考文献20)を元に、以下のように設定を行った。 参考文献 物流設備機器 計画・設計ハンドブック、p36

実験1の補充方式について 作業終了後に補充する。 実例では、このような点に関してあまり記載されていなかったが、記載されている中では、自動化されている場合であれば、常時補充を行える体制をしいている場合が多いようである。 また、自動化がされていない場合であれば、一日分の在庫をあらかじめ棚へ補充しておく場合が多いようである。  本研究では、マニュアルピッキングを対象としているため、補充は作業終了後に行うものとした。

実験1の作業場面積について 今回対象とするピッキング場の敷地は、 34m×37mの作業面積

実験1の全体像

実験2のモデル化について ①~②、⑤~⑦、⑨~⑲は、シミュレーション実験1と同一である。新たにモデルを構築したものについて次に示す。

実験2の出荷量について

シミュレーション実験3-1について シミュレーション実験3では、シミュレーション実験1とシミュレーション実験2で得られた知見を元に、最も作業時間の短いモデルである、作業の開始・終了位置が同位置で、棚レイアウトが縦置き、商品ロケーションが分布①のモデルを対象として、品目数と、1回あたりのピッキング数量を増やし変化させることで、より実環境に近いオーダーを表現し、摘み取り方式と種まき方式の両ピッキング方式のどちらが望ましいのかを検討する。 最初に、表4.2.18に示すように、シミュレーション実験3-1では、種まき方式における、ピッキング場の作業人数と仕分け場の作業人数の割合を決定するための予備実験として行った。 本実験では、摘み取り方式における作業は、作業者のピッキング作業はシミュレーション実験1同様に、作業者は所定のスタート位置からピッキング作業を開始し、指定された棚まで行きピッキングした商品を台車にのせ、所定のゴール位置まで商品を搬送し、スタート位置に戻る。 また、種まき方式における、作業者のピッキング作業においても、同様である。仕分け作業においては、ピッキング場からコンベヤによって流れてきた商品を、バーコードを用いて、自動的にコンベヤの分岐によって仕分けられ、その仕分けられた各コンベヤの先に待機している仕分け作業員が、コンベヤに仕分けられてきた商品を、仕分け作業員の後ろの仮置き場に置いて、作業終了となる。 このとき、本実験では、1コンベヤ1人とし、表に示すように、1オーダー平均が2個の時は全部で60人、6個の時は全部で29人、10個の時は全部で21人で作業を行った。 そして、このときの仕分け作業員の稼働率を調査した。

実験3-1の作業人数について 本実験では、ピッキング場の作業人数は同数だが、仕分け場にコンベヤの数だけ仕分け作業員を配置した。 なお、コンベヤの数等については後述することになるが、先にここで、作業人数において触れておくと、オーダー数平均が2個の時は50本、6個の時は19本、10個の時は11本となっている。 よって、それぞれ、仕分け場の作業員は、オーダー数平均が2個の時は50人、6個の時は19人、10個の時は11人とした。 表4.2.19 1オーダーの平均個数と荷主の数

実験3-1の取扱品目数について より実環境に近い検討を行うために、取扱品目数を100品目とした。 本実験では、より実環境に近い検討を行うために、取扱品目数を100品目とした。ただし、この100品目という設定は、ただ単に100品目という設定ではなく、1品目5種類の商品があり、実際には400~500種類の商品があるという想定を行った。つまり、400~500種類の中から100種類の商品を取り出すという想定でおこなった。

実験3-1の貨物の寸法について ボールペンなどの文房具のようなサイズのものをピッキングする、バラピッキングを想定しているため、図4.2.20に示すように、10cm×10cm×10cmとした。

実験3-1の搬送方法について コンベヤの運搬速度は、35m/秒とした。 仕分け場における1コンベヤによる分岐数は10荷主分とした。 ピッキング場における搬送方法は、実験1、2と同様であるが、ピッキング場から仕分け場へと搬送を行い、仕分け場で仕分けを行うものとして、コンベヤを使用する。 仕分け場に用いたコンベヤの運搬速度は、文献18)を元に、35m/秒とした。また、上述した話と重複するが、この仕分け場における1コンベヤによる分岐数は10荷主分とした。

実験3-1の結果 この稼働率をもとに、ピッキング場と仕分け場の作業人数の配分を行った。 具体的には、それぞれ実験3-1で設定した作業人数の、1割、2割、3割の人数を基準値として考える事とした。

RaLCイメージ図

出力結果

シミュレーション実験2結果(横置き同位置) 横置きに置ける作業の開始・終了位置が、同位置の場合は、分布③、分布①、分布②の順に作業時間が短くなることがわかった。 また、基本的に、在庫量が増えるほど商品ロケーションの影響が強くなり、分布③、分布①、分布②の順にその影響が強くなることがわかった。

シミュレーション実験2結果(混合②同位置) 混合②に置ける作業の開始・終了位置が、同位置の場合は、分布③、分布①、分布②の順に作業時間が短くなることがわかった。 また、在庫量が増えるほど商品ロケーションの影響が強くなり、分布③、分布①、分布②の順にその影響が強くなることがわかった。

シミュレーション実験2結果(混合②別位置) 混合②における作業の開始・終了位置が、別位置の場合は、分布③、分布②、分布①の順に作業時間が短くなることがわかった。 また、在庫量が増えるほど商品ロケーションの影響が強くなり、分布③、分布②、分布①の順にその影響が強くなることがわかった。 また、同位置に比べると、商品ロケーションの影響が小さい事がわかった。

シミュレーション実験2結果(横置き別位置) 横置きにおける作業の開始・終了位置が、別位置の場合は、分布③と分布②、分布①の順に作業時間が短くなることがわかった。 また、在庫量が増えるほど商品ロケーションの影響が強くなり、分布③と分布②、分布①の順にその影響が強くなることがわかった。

ABC分布曲線について 100品目のA:B:Cの割合が7:2:1で、累計分布が4000となるようなABC分布曲線をMicrosoft Excelで作成した。以下にABC分布曲線の式を式1に示す。 この曲線式に基づき、100品目それぞれの在庫量、1日の出荷量を算出した。

シミュレーション実験3結果(オーダー平均6) 図より、1オーダー平均が6個の時は、どの場合においても摘み取り方式の方がいいことがわかる。 また、作業人数がピッキング場6人仕分け場4人のときがもっとも作業時間が短く、この作業人数の割合を中心として、作業人数を増減しても作業時間はこれ以上短くならず、2次関数のような傾向があることがわかる。 このことから、ピッキング場と仕分け場の人数配分のバランスが重要であることがわかる。 また、ピッキング場人数が8人の場合に、作業時間が急激に増えているのは、仕分け作業員の能力が追いつかずコンベヤ上に商品が滞留し、ピッキング作業員もピッキングした商品が払い出せないという状況があったためである。

シミュレーション実験3結果(オーダー平均10) 図より、1オーダー平均が10個の時は、1オーダー平均が6個のときと同様にどの場合においても摘み取り方式の方がいいことがわかる。 また、作業人数がピッキング場6人仕分け場4人のときがもっとも作業時間が短く、この作業人数の割合を中心として、作業人数を増減しても作業時間はこれ以上短くならず、2次関数のような傾向があることがわかる。 このことから、ピッキング場と仕分け場の人数配分のバランスが重要であることがわかる。 また、ピッキング場人数が8人の場合に、作業時間が急激に増えているのは、仕分け作業員の能力が追いつかずコンベヤ上に商品が滞留し、ピッキング作業員もピッキングした商品が払い出せないという状況があったためである。

シミュレーション実験3結果 (オーダー平均別種まき方式の比較) 種まき方式におけるオーダー数平均別作業時間を示す。 縦軸は、作業時間を示したもので、横軸は、オーダー数平均別の、ピッキング場と仕分け場の作業人数の割合を示したものである。 図より、作業人数の割合が、ピッキング場4人・仕分け場6人の時とピッキング場5人・仕分け場5人の時はオーダー数平均別の差がないことがわかる。 しかし、ピッキング場7人・仕分け場3人の時とピッキング場8人・仕分け場2人の時は、オーダー数が大きくなるほど作業時間が増加していることがわかる。これは、1コンベヤの仕分けの荷主数は、10としているため、オーダー数が大きくなるほど、1コンベヤあたりに流れてくる量が増加する。そのため、作業員の処理能力の限界を超えた量が流れてくるため、コンベヤ場で待ちが発生し、そのために作業時間がかかっている。

シミュレーション実験3結果 (オーダー平均別摘み取り方式の比較) 積み取り方式におけるオーダー数平均別作業時間を示す。 縦軸は、作業時間を示したもので、横軸は、オーダー数平均別の、ピッキング場と仕分け場の作業人数の割合を示したものである。 図より、オーダー数の平均が大きくなるほど作業時間が短くなる事がわかる。これは、作業員の最大荷物取得数は10個であるが、摘み取り方式は、オーダー毎に処理を行うため、オーダー平均が少ないほど、作業員の往復する回数が増えるためであると考えられる。

摘み取り方式の作業時間減少傾向について 同じ総量のピッキングを行うにしても、摘み取り方式の場合、平均個数が 少ない方が、往復回数が増えてしまうため、その分だけ距離が伸びてしまうため、 作業時間が増加する。 作業の開始位置から、商品棚までの距離と、最後の商品を取ってから作業の終了位置までの距離が同じくらい、 また、商品から商品の距離も同じくらいだとする。 この場合、1回あたりのピッキング量が2個の場合、作業の開始位置から商品棚までの距離と、最後の商品を取ってから作業の終了位置までの距離の4往復分が多くなる。 1回あたりのピッキング量が10個の場合、商品から商品の距離が、8個分多くなる。 この両者を比べたときに、作業の開始位置から商品棚までの距離と、商品棚から作業の終了位置までの距離の往復分の方が大きくなってしまうため、作業時間が短縮されると考えられる。

種まき方式の作業時間増加傾向について 種まき方式の場合、ピッキング作業時間にはほとんど差がないが、1回あたりのピッキング量が多くなるほど、1コンベヤあたりに仕分けられる量が多くなる。 そのため、仕分け作業員の能力が追いつかず途中に待ちが発生したりするため、作業時間が増加したと考えられる。

ピッキング改善事例うちわけ レイアウトが問題となっている

レイアウトの改善対象要素うちわけ

商品ロケーションについて 商品番号順 顧客別 配送先別 ABC別(出荷頻度、出荷量、金額) 出荷頻度によるABC配置が効率的7) 参考文献: 7)株式会社ロジスティクス・サポート&パートナーズ HP