難病患者のための就労支援について 認定NPO法人アンビシャス 沖縄県難病相談支援センター ○照喜名 通、森愛(就労支援員) 平成29年11月10日 那覇市保健所 難病患者のための就労支援について 認定NPO法人アンビシャス 沖縄県難病相談支援センター ○照喜名 通、森愛(就労支援員) 那覇市牧志3-24-29グレイスハイム喜納2-1階 電話:098-951-0567(平日10-17受付)
難病の患者に対する医療等に関する法律 【概要】 ●難病相談支援センター事業 (1) 基本方針の策定 (2) 難病に係る新たな公平かつ安定的な医療費助成の制度の確立 (3) 難病の医療に関する調査及び研究の推進 (4) 療養生活環境整備事業の実施 ●難病相談支援センター事業 (1) 難病の患者の療養生活に関する各般の問題につき、難病の患者及びその家族その他の関係者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する事業 ●特定疾患医療従事者研修事業 (2) 難病の患者に対する保健医療サービス若しくは福祉サービスを提供する者又はこれらの者に対 し必要な指導を行う者を育成する事業 ●在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業 (3) 適切な医療の確保の観点から厚生労働省令で定める基準に照らして訪問看護を受けることが必 要と認められる難病の患者につき、厚生労働省令で定めるところにより、訪問看護を行う事業
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平成28年度 相談件数 154件12.8% 【相談者・相談方法別相談件数(延べ人数)】 【主な相談内容(上位5つ)】 平成28年度 相談件数 沖縄県難病相談支援センター 【相談者・相談方法別相談件数(延べ人数)】 【主な相談内容(上位5つ)】 (1) 療養生活支援態勢 (550件) (2) センター事業関係 (225件) (3) 療養生活全般 (192件) (4) 就労 (154件) (5) コミュニケーション方法 (122件) ※相談1回につき最大3件まで相談内容をカウント。 事項 相談者 患者 家族 その他 計 電話 315 104 433 852 面接 41 12 24 77 メール 43 7 155 205 (訪問・文書等) 27 18 21 66 合計 426 141 633 1200 154件12.8%
平成28年度 相談件数(就労) 県議会からは、就職人数を求められる 【就労相談件数(延べ件数)】 【就労相談内容(上位5つ)】 平成28年度 相談件数(就労) 県議会からは、就職人数を求められる 【就労相談件数(延べ件数)】 【就労相談内容(上位5つ)】 相談者 件数 本人 121 支援者 17 家族 15 その他 1 計 154 (1)就労活動(61件) 求職活動方法 就労先紹介希望 (2)体調の調整に関すること(37件) 病状の進行、悪化、病状管理 体調に負担をかけないような仕事ペース配分 (3)その他(36件) 支援者からの相談、経過報告等 (4)難病に対する理解に関すること(13件) 雇用者への病気の表明 職場の人間関係・理解 プライバシーの保護 (5)労働条件に関すること(12件) 制度 勤務体制、待遇変更 個人情報管理 〈支援者内訳〉 ●ハローワーク ●保健師 ●理学療法士 ●パーソナルサポートセンター ●自立生活センター ●就労支援事業所
相談内容で印象的に多いのは オープン クローズ 難病を開示(オープン)するか、開示しない(クローズ)か? メリット ・通院も安心していける ・長続きする(配慮がある) デメリット ・書類選考や面接で不採用となりやすい クローズ ・書類選考・面接で不利益はない ・無理して働く(配慮が無い) ・通院がおろそかになる 全国膠原病友の会就労部会アンケートでは 病気の開示について 80%が開示した方が良いと考えている 60%が就労中 30%が就労希望 5%が希望しない 就職後開示も どうするのかは、ご本人で決めてもらう
医療の進歩により、多くの難病は慢性疾病化している 難病を持って働くことの、5つの誤解 ×誤解 難病は重症の疾病で、就労は難しい? ◯事実 医療の進歩により、多くの難病は慢性疾病化している 「難病」というと「寝たきり」「働けない」と思われてしまうこともありますが、難病医療の近年の進歩は著しく、実際には、難病の慢性疾病化が急速に進んでいます。多様な症状のある疾病の治療を続けながら職業生活を含む普通の日常生活を送ることができる人が増えています。 認定NPO法人アンビシャス
難病のある人で働いている人はほとんどいない? 難病を持って働くことの、5つの誤解 ×誤解 難病のある人で働いている人はほとんどいない? ◯事実 治療との両立を課題としつつ、半数近くが仕事に就いている わが国では現在、身体的負担が少なく、休憩や通院がしやすい仕事内容や就労条件が多くなっており、症状が安定してきた難病のある人の多くは実際に何らかの仕事に就いています。その一方で、体調の 崩れやすさ等があっても外見から分かりにくいこと等から、仕事内容や通院・休憩等の時間が十分に取れないことなどに悩み、仕事を辞める人もいます 認定NPO法人アンビシャス
[難病」で仕事が困難なのは当たり前で、仕方がない? 難病を持って働くことの、5つの誤解 ×誤解 [難病」で仕事が困難なのは当たり前で、仕方がない? ◯事実 必要な配慮を行うことによって、治療と就労の両立は可能になっている わが国には、現在、体調の崩れやすさ等を抱えながらも治療と就労の両立を可能とする仕事の選択肢が多くあり「難病だから働けない」ということはなく、通院、休憩時間の確保、業務調整等の必要な配慮を行うことによって、治療と就労の両立は可能になっています。 認定NPO法人アンビシャス
難病のある人の雇用や配慮は事業主の負担が大きい? 難病を持って働くことの、5つの誤解 ×誤解 難病のある人の雇用や配慮は事業主の負担が大きい? ◯事実 通院や休憩等への常識的な理解・配慮がポイント 難病のある人の雇用管理の一番のポイントは「難病では働かせられない」「難病のある人への職場での配慮は大変」という先入観をもたないこと、と言っても過言ではありません。雇用管理の基本は、職場の仲間として本人の自己管理を応援し、職業人として活躍してもらうことであり、その具体的内容は、月1回程度の定期的通院への配慮、適度な休憩、体調的に無理のない仕事を本人と話しあって調整する等、事業主の負担が大きなものではありません。 認定NPO法人アンビシャス
就労支援は、労働関係機関だけが行うもの? 難病を持って働くことの、5つの誤解 ×誤解 就労支援は、労働関係機関だけが行うもの? ◯事実 治療と就労の両立を地域の関係機関が連携して支えることが重要 難病のある人が、無理なく治療と就労を両立できる仕事に就き、職場定着ができるようにするために、難病の専門医や医療ソーシャルワーカー、難病相談支援センター、保健所等からの医療面 での情報提供や助言、サポートが不可欠です。それらと密接に連携し、ハローワーク、障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター等は、本人の興味・適性等を発揮して活躍できる仕事に 就くための職業相談、職業紹介、職場適応の支援等及び雇用管理ノウハウの助言や様々な制度による事業主支援等により、難病のある 人を就職前から就職後まで支えています。 認定NPO法人アンビシャス
段階的支援 課題無し 既職者で退職思念 難病への誤解 制度を知らない 社会人未経験 病状悪化・重度障害 相談支援必要なし 周知活動 傾聴・認知行動 情報提供 訓練・生活習慣 ストレングス
障害種別に難病が追加 平成25年4月に施行された障害者総合支援法では、障害者の範囲に”難病”等の方々が加わりました。 平成25年4月に施行された障害者総合支援法では、障害者の範囲に”難病”等の方々が加わりました。 対象となる方々は、身体障害者手帳の所持の有無に関わらず、必要と認められた障害福祉サービス等※の受給が可能となります。
障害者 就労 福祉サービス 「特定医療費(指定難病)受給者証」で利用が出来る 自立訓練 (機能訓練・生活訓練) 就労移行支援 就労継続支援 障害者 就労 福祉サービス 障害者手帳(身体・知的・精神)が無くても、 「特定医療費(指定難病)受給者証」で利用が出来る 訓練等給付 自立訓練 (機能訓練・生活訓練) 自立した日常生活又は社会生活ができるよう、一定期間、身体機能又は生活能力の向上のために必要な訓練を行います 就労移行支援 一般企業等への就労を希望する人に、一定期間、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行います 就労継続支援 (A型=雇用型、B型) 一般企業等での就労が困難な人に、働く場を提供するとともに、知識及び能力の向上のために必要な訓練を行います
指定難病受給者証が無い場合(軽症) 福祉サービスが受けられる 難病と診断されているが、申請をしても軽症との理由で「指定難病受 給者証」がもらえない場合でも、医師の診断書があれば、福祉サービ スは受けられる。 対象疾患は、358種類(平成29年4月1日現在)詳細はHW資料参照 福祉サービスが受けられる 指定難病受給者証 が無くても 診断書または、臨床個人調査票 があれば、サービスが受けられる
就労移行支援事業 障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス Ⅱ.福祉的就労サービスの状況 障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス 就労移行支援事業 事業概要 就労を希望する65歳未満の障害者で、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれるものに対して、①生産活動、職場体験等の活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練、②求職活動に関する支援、③その特性に応じた職場の開拓、④就職後における職場への定着のために必要な相談等の支援を行う。 (利用期間:2年) ※市町村審査会の個別審査を経て、必要性が認められた場合に限り、最大1年間の更新可能 対象者 ①企業等への就労を希望するもの 事業 者数 105 ※沖縄県(2017年9月1日現在) /27
就労継続支援A型事業 障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス Ⅱ.福祉的就労サービスの状況 障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス 就労継続支援A型事業 事業概要 通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が可能である者に対して、雇用契約の締結等※による就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練等の支援を行う。 (利用期間:制限なし) ※雇用契約の締結すると最低賃金規定が適用されます。 対象者 ①就労移行支援事業を利用したが、企業 等の雇用に結びつかなかった者 ②特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、企業等の雇用に結びつかなかった者 ③企業等を離職した者等就労経験のある者で、現に雇用関係の状態にない者 事業 者数 111 ※沖縄県(2017年9月1日現在) 経済的課題 平均賃金(A型)66,000円 /27
就労継続支援B型事業 障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス Ⅱ.福祉的就労サービスの状況 就労継続支援B型事業 事業概要 通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が可能である者に対して、就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練等の支援を行う。 (利用期間:制限なし) ※雇用形態が無いので最低賃金の規定が対象外です。 対象者 ①就労経験がある者であって、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった者 ②50歳に達している者又は障害基礎年金1級受給者 ③①及び②に該当しない者で、就労移行支援事業者等によるアセスメントにより、就労面に係る課題等の把握が行われている者 事業 者数 278 ※沖縄県(2017年9月1日現在) 経済的課題 平均賃金(A型)15,000円 /27
障害者手帳は要らないのか? 就労面では、 企業の最低雇用率にカウントされるのが、 最大のメリット 等級が低い(3級~6級)と手当なども無いので意味が無い と医師は申請に積極的でない。書類記載が面倒? 本来は、米国のように手帳制度が無い国のように、支援が必要な場合には、支援が受けられるのが理想 就労面では、 企業の最低雇用率にカウントされるのが、 最大のメリット 他には、交通機関や施設利用での割引サービスが受けられる。
障害者雇用支援制度の利用への 障害者手帳の要/不要 かといって 使える、支援サービスはある 手帳が必要 障害者雇用率への算定対 象(職安) 職場適応訓練(職安) 各種助成金 特定求職者雇用開発(職安) 障害者介助等(雇用支援機構) 障害者作業施設設置等(雇用支援機 構) 手帳は不要 職業相談(職安、職業センター、就業 ・生活支援センター) 職場定着支援(〃) ジョブコーチ支援(職業センター) 職業準備支援(〃) 職務試行法(〃) トライアル雇用(職安) 参考文献: 難病のある人の就労支援
難病への誤解解消 難病でも働ける あきらめるな!
SLE患者 難病を理解して雇用をお願いします。 ○現在は治る見込みの無い難病 ○全身に炎症があります。 ○突然、高熱で寝込むことがあります ○定期的に入院することもあります。 ○障害者雇用率制度にカウントされません 難病を理解して雇用をお願いします。 23
SLEを持つ人 持病はありますが、適切な休息や通院の休みがあれば、 問題ありません。 ハローワークなど無料の相談支援体制があります。 ○簿記の資格があり。 ○一般事務の経験もある。 ○販売(店番)やレジの締めなども可能。 持病はありますが、適切な休息や通院の休みがあれば、 問題ありません。 ハローワークなど無料の相談支援体制があります。 24
合理的配慮の一般原則 1、求職時 求職に就く為の変更、調整 2、業務遂行時(新ポスト希望時) 方法や環境の変更・調整 3、非障害者と同等 求職に就く為の変更、調整 2、業務遂行時(新ポスト希望時) 方法や環境の変更・調整 3、非障害者と同等 差別なき公平な変更、調整 25
就労環境の変更、方法、時間 既存の施設を利用できるようにすること 職務の再編成 パートタイム勤務または勤務時間の変更 機器・設備の取得や改造 試験・訓練教材・規定の変更 資格のある朗読者や通訳者の提供 空いているポストへの配置転換 26
膠原病(SLE・強皮症)などで、 紫外線により悪化する難病の場合 27
企業に対して配 慮(注文)をするこ とが出来る 28
雇用主は配慮をしない といけない 29
過度な負担にならないように 調整する 30
合理的配慮の欠如は 「障害を理由とした差別」 とみなされる。
治療と仕事の両立支援ナビ イメージキャラクタ 広がる治療と仕事の両立
課題 1、病状悪化(活動期)の不安(服薬などの自己管理が必要) (ちゃんとしていても、悪化する事もあるので悩ましい) (ちゃんとしていても、悪化する事もあるので悩ましい) 2、正社員を希望するが体力や時間面で、パート・アルバイトになって、収入が少ない 3、福祉的就労サービスを知らない、知っていても収入が少ない 4、軽症で受給者証が無い場合に、診断書が必要 (診断書取得の手間と費用が患者負担) 5、障害年金の申請が出来ない(未納があるなど) 6、病気を開示したいが、企業の理解が薄い 7、資格を取得したいが、時間とお金が無い(制度の活用) 8、働く意欲が薄い(どうせダメだから)
諦めない人は必ず就職出来る ●求人情報は、早い者勝ち(日々変わっている) ハローワークに登録し、求人情報を常に把握すること。 ●求人情報誌(フリーペーパー)を毎週チェックすると、希望の職種 を見つけることが出来る。また、毎回掲載されてるのは、定着が悪 いとも考えられるなどを把握できる。 ●自信をつける為に、出来ること、小さなことから始めステップアップ する。最初はアルバイトから始め、自信がついたらパート、正社員と アップする。
事例の紹介 1、働く意義・意欲の気付き(就労未経験者)混合性結合組織病(MCTD) →趣味に使えるお金がある程度自由に使えることが判り、働く意欲が出た。 2、自己肯定感の低い方のメンタルサポート多発性硬化症(MS) →セルフ・コントロールのセミナーに参加、マインド・フルネス瞑想法実施(接客販売業パートに従事) 3、病状が悪化混合性結合組織病(MCTD) →生活保護後、ボランティア参加、訓練校(資格取得)、一般就労
参考文献1 難病のある人の 雇用管理・就業支援 ガイドライン 疾患別に配慮する点が紹介されている。 http://www.nivr.jeed.or.jp/download/research/nanbyou02_01.pdf 末尾01から09 36
参考文献2 「難病のある人の 就労支援のために」 2016年6月 http://www.nivr.jeed.or.jp/download/kyouzai/kyouzai36.pdf 37
アンビシャスの場所 外観 談話室 相談室
難病就労支援員 内園 加代子 Koyoko Uchizono <現在の所属> ハローワーク那覇 専門援助部門 難病患者就職サポーター 内園 加代子 Koyoko Uchizono <現在の所属> ハローワーク那覇 専門援助部門 難病患者就職サポーター <連絡先> 〒900-8601 沖縄県那覇市おもろまち1-3-25 電話098-916-6205 (専門直通) FAX 098-864-5844 森 愛 Ai Mori <現在の所属> 認定NPO法人アンビシャス 沖縄県難病相談支援センター 就労支援員/相談員 <連絡先> 〒900-0013 沖縄県那覇市牧志3-24-29グレイスハイム喜納2-1階 電話098-951-0567 (平日10時~17時受付) FAX 098-951-0565 難病を持つ方の就労支援を共に考える支援員です。 相談がご希望の方は、お手元の「就労相談 予約カード」に必要事項をご記入の上、上記支援員にお渡しください。