情報工学科 3年生対象 専門科目 システムプログラミング 第5回、第6回 ヒアドキュメント レポート課題 情報工学科 篠埜 功
ヒアドキュメント シェルスクリプト内部で、コマンドへのキーボードからの入力を シェルスクリプト内に直接書いておくことができる。 コマンド << str ……… str のように、<<の右に区切り文字列を(自分で決めて)書き、その次の行から、指定した文字列が最初に現れるまでの部分を、ファイルからコマンドへ < でリダイレクトしたのと同等の効果がある。
ヒアドキュメントの例1(打ち込んで確認) #!/bin/sh cat << EOF <html> <body> hello </body> </html> EOF 上記のようにある程度長いメッセージを出力したい場合、ヒアドキュメントを使うときれいに書ける。
ヒアドキュメントの例2(打ち込んで確認) #!/bin/sh cat << EOF > sample.c #include <stdio.h> int main (void) { printf ("test\n"); return 0; } EOF gcc -o sample sample.c ./sample これはシェルスクリプト内でCのファイルを作成し、コンパイルして実行する例である。
レポート課題2 課題2-1, 2-2, 2-3の3つの課題(後述)のシェルスクリプトをkadai2-1.sh, kadai2-2.sh, kadai2-3.shというファイル名で作成せよ。
レポートの提出方法 □ 下記のファイルを作成し、提出 kadai2-1.sh, kadai2-2.sh, kadai2-3.sh, kadai2.txt □ 提出方法 システムプログラミング講義用の課題提出用フォルダ内にあるkadai2というフォルダの中に自分の学籍番号を名前とするフォルダを作成し、その中に上記ファイルを置く。kadai2.txt内に学籍番号、氏名、日付、および作成したプログラムの簡単な説明を記載する。 □ 提出期限 11月16日の講義開始時間まで。締め切り後に提出した場合、成績への反映を保証しない。
課題2-1 テキストファイルのファイル名をシェルスクリプトの引数として受け取り、そのファイルが存在すればファイルの中身を表示し、存在しない場合には、 ファイル名: No such file exists. と表示して終了するようにせよ。実行方法は、 $ ./kadai2-1.sh test.txt のようにファイル名を引数として与える。この場合、test.txtというファイルが存在すれば中身を表示する(表示はcatコマンドを使えばよい)。存在しなければ上記のメッセージを表示する。 ファイルの存在確認は、testコマンドを用いて、 test –f ファイル名 で行うようにせよ。コマンド “test –f ファイル名” の終了statusは、そのファイルが存在して通常のファイルなら真、そうでなければ偽である。
課題2-2 課題2-1のプログラムに,引数の個数チェックを行う処理を追加し、ファイル名が引数に与えられなかった場合、 $ ./kadai2-2.sh Usage:./kadai2-2.sh filename のようにエラーメッセージを表示するようにせよ。 引数の個数は$#という変数に入っており、testコマンドで test $# -eq 0 (あるいは [ $# -eq 0 ]) により、引数が0個かどうかを判定できる。 起動したコマンド名(この場合は./kadai2-2.sh)は$0に入っているのでそれを使う。
課題2-3 テキストファイルのファイル名とキーワードをキーボードから受け取り、指定した文字列を含む行を表示するシェルスクリプトをgrepコマンドを用いて作成せよ。 (実行例) text.txtのファイルの中にThis is a test. という行がある場合、 $ ./kadai2-3.sh Enter filename: test.txt Enter keyword: es This is a test. キーボードからの入力はreadコマンドで受け取る。 (例) read x とすると、変数xにキーボードからの入力が入る。 メッセージ表示後に改行しないようにするには echo –n …. のようにすればよい。表示する文字列の最後に空白を入れたい場合、表示する文字列を””で囲めばよい。 赤字の部分はキーボードからの入力