瀬戸直樹(京大理) CMBワークショップ 年6月8日(火) 国立天文台

Slides:



Advertisements
Similar presentations
スペース重力波アンテナ (DECIGO) WG 第3回ミーティング (2005 年 5 月 12 日 国立天文台, 東京 ) 1 光共振型 DECIGO の可能性 安東 正樹 東京大学 理学系研究科 物理学教室.
Advertisements

ブラックホール時空での摂動 冨松 彰 御岳セミナー 2011.9.1. 内容 1. Anti-de Sitter (AdS) BH と第1法則 2. BH− 円盤系における電磁波の伝播.
重力波で探る暗黒物質の起源 齊藤 遼 重力波研究交流会
電子物性第1 第4回 ーシュレーディンガーの波動方程式ー 電子物性第1スライド4-1 目次 2 はじめに 3 Ψがあると電子がある。
ガンマ線バースト将来計画に向けたワークショップ @京大 平成22年8月27日 川村静児(国立天文台)
2006年2月22日 宇宙重力波干渉計検討会 - 小型衛星とDECIGO - 川村静児 国立天文台
情報の整理+DECIGOの仕様で検討してもらいたいこと
DECIGOのサイエンス ~ダークエネルギー関連~ 高橋龍一 (国立天文台PD).
スペース重力波アンテナ DECIGO計画 II
スペース重力波アンテナ DECIGO計画(2)
スペース重力波アンテナ DECIGO計画(1)
プロジェクト研究発表 重力波天文学 at Spring School, ICRR, The University of Tokyo
カオス力学系と重力波 木内 建太 & 前田 恵一 (早稲田大学)  PRD、 (2004)
表紙.
「Constraining the neutron star equation of state using XMM-Newton」
スペース重力波アンテナ DECIGO計画 宇宙科学シンポジウム @宇宙科学研究所 2003年1月9日
スペース重力波アンテナ(DECIGO)WG第4回ミーティング (2006年05月11日 国立天文台, 東京)
高周波観測 大田 泉 (甲南大学理工学部) 空気シャワー電波観測ワークショップ2014@甲南大
宇宙重力波検出器用レーザー光源の光ファイバーを用いた安定化
LCGT Collaboration Meeting (2010年2月15日)
宇宙での重力波観測 (1) 宇宙での重力波観測 宇宙で観測するメリット : 他にはないサイエンスがある
新特定領域 「全波長重力波天文学のフロンティア」 第5回会合 (2005年7月30日 国立天文台, 東京)
超伝導磁気浮上を用いた 低周波重力波検出器の開発
ランダム不均質媒質中の非等方震源におけるベクトル波エンベロープ合成
数値相対論の展望        柴田 大 (東大総合文化:1月から京大基研).
CMB非等方性による、 インフレーション起源の背景重力波 のもつ偏極成分の検出法
重力波検出の将来計画 文責:川村静児(国立天文台) 2004年9月14日.
スペース重力波アンテナ(DECIGO)WG第4回ミーティング (2006年05月11日 国立天文台, 東京)
低周波重力波探査のための ねじれ振り子型重力波検出器
宇宙重力波検出器用大型複合鏡における熱雑音の研究
LCGT詳細設計とR&D 大橋 正健 東大宇宙線研.
卒業論文 重力波のデータ解析における 分散処理の必要性
第7回DECIGOワークショップ @国立天文台
重力・重力波物理学 安東 正樹 (京都大学 理学系研究科) GCOE特別講義 (2011年11月15-17日, 京都大学) イラスト
第一世代星の重力崩壊と その背景重力波への寄与
安東 正樹池本尚史,小林洸,坪野公夫 (東京大学 理学系研究科)
国立天文台スペース重力波アンテナWG 第2回ミーティング(第2回DECIGO検討会) イントロダクション
LCGT and QND experiment at NAOJ
DECIGOに対する サイエンスからの要請
田中貴浩(京大基研) 第6回DECIGOワークショップ
東邦大学理学部物理学科 宇宙・素粒子教室 上村 洸太
重力波の重力レンズでの 波動効果 高橋 龍一 (国立天文台PD).
瀬戸直樹 (京大理) 第7回スペース重力波アンテナDECIGOワークショップ 国立天文台
小型衛星パスファインダーによる総合的試験
 DPF サイエンス検討会 宇宙論的な重力波源 東大ビッグバンセンター (RESCEU) 齊藤 遼.
京都大学理学研究科 中村卓史 2006年2月24日 国立天文台
瀬戸直樹(京大理) DECIGO WS 名古屋大学
バリオン音響振動で探る ダークエネルギー ~非線形成長と赤方偏移歪みの影響~
DECIGOで探る宇宙背景重力波 樽家 篤史 工藤 秀明 (UCSB), 姫本 宣朗 (東大理) (東大理) 2006/6/11
偏光X線の発生過程と その検出法 2004年7月28日 コロキウム 小野健一.
第7回 高エネルギー宇宙物理連絡会研究会 「高エネルギー宇宙物理学の将来計画」
ICRR共同研究発表会(2003/12/19) 神岡100mレーザー伸縮計の概要と観測記録              新谷 昌人(東京大学地震研究所)
滝脇知也(東大理)、固武慶(国立天文台)、佐藤勝彦(東大理、RESCEU)
第17回DECIGOワークショップ 2018.11.1 川村静児(名古屋大学)
スペース重力波アンテナ DECIGO計画 I
インフレーション宇宙における 大域的磁場の生成
東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻 長野晃士 (D2)
スペース重力波アンテナ DECIGO計画Ⅷ (サイエンス)
LCGT and QND experiment at NAOJ
理学部ガイダンス 2019/5/15 進学ガイダンス 2010.
苔山 圭以子 お茶の水女子大学大学院 2007年11月17日, 高エネルギー天体現象と重力波研究会
DECIGOの光学設計の検討 第17回DECIGOワークショップ 2018.11.1 川村静児(名古屋大学)
木内 建太(早稲田大) 共同研究:柴田大(京大基研) 関口雄一郎(国立天文台) 谷口敬介(ウィスコンシン大)
固体材質同士の接合面における機械損失について
宇宙重力波干渉計検討会 -小型衛星とDECIGO- (2006年02月24日 国立天文台, 東京)
小型衛星パスファインダーによる総合的試験
BH science for Astro-E2/HXD and NeXT mission
瀬戸直樹 (UC Irvine) 第5回DECIGOワークショップ
連星 Gold Mine を用いたDECIGO精密宇宙論
LCGT Design meeting (2004年4月9日 東京大学 山上会館, 東京)
Presentation transcript:

瀬戸直樹(京大理) CMBワークショップ2010 2010年6月8日(火) 国立天文台 重力波(GW)とCMB 瀬戸直樹(京大理) CMBワークショップ2010 2010年6月8日(火) 国立天文台

内容 GWとその直接観測 CMB観測との関連 DECIGO/BBO(0.1-1Hz)帯域 まとめ 特徴、検出法、計画 期待される宇宙論への貢献 CMB観測との関連 輻射成分としての制限 B-mode観測結果の影響(inflation GW) DECIGO/BBO(0.1-1Hz)帯域 課題と展望 まとめ

重力波の放出と伝播 ⇒重力波 一般相対論(Einstein方程式) 計量を線形化して整理すると 波動方程式 光速で伝わる エネルギー分布 時空の曲がり具合 平坦 計量の揺らぎ 波動方程式 光速で伝わる ⇒重力波 3

重力波の性質 横波 質量の“加速度運動” で発生 電磁波:電荷の加速度運動 振幅: とても小さい 2つの偏光モード 天体の運動等を“暗号化” 検出は容易ではない 高い透過性 Qij:四重極モーメント 1km (1+h)km 4

レーザー干渉計による重力波の検出 重力波:空間の非等方な歪み レーザー干渉で光路差計測 空間の歪みから波源の情報を推定 波”を直接観測 波”を直接観測  “一台”では指向性がほとんどない シールド不可能 データ中で信号重複(連星、爆発、初期宇宙雑音…:今はいい) 空間の歪みから波源の情報を推定 一般相対論による ”暗号化” データ解析で 解読 5

地上レーザー干渉計 波源方向:時間差で決定 10Hz-1000Hz 0.01秒 LCGT TAMA 6 重力場の揺らぎをシールド GEO LIGO LCGT 0.01秒 波源方向:時間差で決定 重力場の揺らぎをシールド LIGO VIRGO AIGO 6

LIGO(米国) 初期の目標感度を到達(~2006) 2016年ごろまでに大幅なアップグレード 連星中性子星の重力波が~15Mpcまで見える ΩGW<10-5(@100Hz 相関解析) 2016年ごろまでに大幅なアップグレード レート1000倍 LCGT(日)も計画中 低周波が有利 7

スペース干渉計 10Hz以下の低周波重力波を狙う ”低密度”の天体が観測可能 地面振動等のために地上では厳しい 干渉計の腕を長く取れる (パルサータイミング@nHz) ”低密度”の天体が観測可能 総数大 8

Laser Interferometer Space Antenna(LISA) NASA+ESA 0.1mHz-0.1Hzに感度 アーム長:5x106km 連星の方向も決定(if coherent) 2020+打ち上げ予定 背景GW 白色矮星foreground 相関解析なし(ΩGW~10-10) LISA = + 9

DECIGO/BBO 0.1-1Hzを狙う LISAと地上干渉計の間 サイエンス 深い重力波の窓? inflation GW(相関解析) ダークエネルギー BH成長史(IMBHMBH) … 安東さんのスライドより 10

GW観測と宇宙論1/2 連星を使ったダークエネルギーの観測的研究 光度距離の第一原理的決定(Schutz 1987) 赤方偏移は電磁波で 重力波観測だけから 赤方偏移は電磁波で 角度分解能が重要 Transient objectは見つかるか(short-GRB等)? 105/yrにもおよぶNS+NSの合体率(foreground) m1 周波数変調 m2 dL 振幅 チャープ質量

GW観測と宇宙論2/2 背景重力波観測 高い透過性が強み 極初期宇宙起源のもの 相関解析による長期間積分 存在すれば貴重な化石 LIGO、DECIGO/BBO

相関解析法 干渉計ノイズと背景GWを区別 LIGOで既に成果 DECIGO/BBOでも利用 ノイズは独立 GWは共通 複数の干渉計の積 偏光や大角度パターンも LIGOで既に成果 DECIGO/BBOでも利用 目標感度 ΩGW:10-16 (10yr) 2台の干渉計 DECIGO correlation (fTobs)1/4 13

CMBとGW直接計測の対応 「GWエネルギー密度」への間接的制限 インフレーション起源のGW(有望なソース) 10-18Hz 1Hz 輻射成分、周波数積分 インフレーション起源のGW(有望なソース) B-mode偏光観測による高周波領域への予言 10-18Hz 1Hz

間接的制限:輻射成分としてのGW 従来:軽元素合成時の宇宙の膨張率 CMBの角度パターン等 10-10Hz以上のGW成分 Massless νへの制限同様 従来:軽元素合成時の宇宙の膨張率 10-10Hz以上のGW成分 ΩGW<10-5 CMBの角度パターン等 ~10-15Hz以上のGW成分 ΩGW<10-5(現状) Smith et al. 2006

インフレーション起源の重力波 量子揺らぎとして生成 最終的なスペクトルΩGW(f) インフレーションの基本的な予言 振幅 h∝Hinf∝V1/2 エネルギースケール CMB1Hz:Vの変化小(と期待) 最終的なスペクトルΩGW(f) ホライズン再入後の進化(transfer fn.) 宇宙の熱史の情報 B-mode+1Hzの組み合わせ inflatonポテンシャルの構造に迫る? V φ

CMB B-mode観測 ΩGW(1Hz)へ上限を与える r=0.01はΩGW(1Hz)=O(10-16)に対応 DECIGO/BBOの強い要求感度 Kuroyanagi et al. 2009 Watanabe,Komatsu 2006 Smith et al. 2006

~1Hzで背景GWを捉えるには foregroundの除去が不可欠 確実なソース 他のGW foregroundなど 連星中性子星(+ブラックホール連星等) 比較的よく分かっている(ΩGWで2桁上消去) 合体レート:~105/yr クリーニングする 波形:少数のパラメーターで精度よく記述 high-zまで検出できる検出器感度 効率のよいデータ解析方法必須(計算機資源有限) 他のGW foregroundなど pop III SNe:情報不足、複雑? 予期せぬものがあるかも…

まとめ 重力波観測 高い透過性:初期宇宙の探求に 干渉計:ほとんど指向性なし CMB観測との関連 foregroundの扱いが本質的 1HzにGWの窓が開けると期待 CMB観測との関連 輻射成分としてのGW: f>10-15HzでΩGW(f)に上限 inflation起源の背景GW B-mode: 1Hzでの振幅に上限を与える 組み合わせて情報を (inflaton potential, etc)