新波線追跡法による大気伝搬 遅延に起因する測位誤差の 数値シミュレーション

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Presentation transcript:

新波線追跡法による大気伝搬 遅延に起因する測位誤差の 数値シミュレーション 市川隆一, Thomas Hobiger, 瀧口博士 小山泰弘、近藤哲朗 情報通信研究機構 鹿島宇宙技術センター

はじめに 数値予報データと波線追跡法を用いた大気伝搬遅延量推定 観測点で生じうる測位誤差のシミュレーション 既にHobigerさんが紹介したKARAT ->大気伝搬遅延の除去 観測点で生じうる測位誤差のシミュレーション 観測点での見かけの変位を見抜くのに必要

実際に経路上の屈折率を逐次計算するのは非常に困難 大気遅延を求めるには? 実際に経路上の屈折率を逐次計算するのは非常に困難 地上の気象データと標準的な大気モデルで推定 独立の観測で得られた大気遅延をa prioriに解析で使用 解析の過程で観測方程式の未知数として最小自乗法で推定

マッピング関数(mapping function) 10-40cm ~230cm Wet delay (湿潤遅延) hydrostatic delay (静水圧遅延)

マッピング関数の作り方 (VMF,GMF,etc.) 波線追跡法 (ray tracing) Atmosphere model Numerical Weather Model

Numerical Weather Model 数値(天気)予報

Mesoscale Model (MSM) 18 hours 00, 03, 06, 09, 12, 15, 18,21 UTC Japan Global Spectral Model (GSM) Regional Spectral Model (RSM) Mesoscale Model (MSM) Forecast range 90 hours (00UTC) 216 hours (12UTC) 51hours 18 hours Initial Times 00, 06, 12, 18UTC 00, 12UTC 00, 03, 06, 09, 12, 15, 18,21 UTC Forecast Domain Global East Asia Japan Map projection - Lambert Conformal Horizontal Grid # 640 x 320 325 x 257 361 x 289 Truncation Wave # T213 214 x 169 238 x 190 Grid spacing 0.5625 deg.(~60km) 20km 10km Vertical layers 40 Top Layer Pressure 0.4hPa 10hPa Precipitation process Prognostic Arakawa-Schubert Large-scale condensation Prognostic cloud water content Moist convective adjustment

数値予報データによる 測位誤差シミュレーション gradient vector misfit residual Estimated ZWD water vapor water vapor water vapor water vapor positioning error NWM

適当な衛星配置を仮定 (内之浦から見たある日のGPS衛星配置)

解析例その1 GEONET内之浦局の局位置の見かけ上の変化(10日間) PPP解析を想定

内之浦局における 局位置誤差の推定

解析例その2 GEONETつくば局の局位置の見かけ上の変化(10日間)

KARATを応用した測位誤差シミュレーションツールを開発中 まとめ KARATを応用した測位誤差シミュレーションツールを開発中 前線通過、台風接近など顕著な大気変動にともなう局位置誤差を数値計算 GPS/PPP解析を想定〜EW変位:最大15mm, NS変位:最大35mm, UD変位:最大10mm 今後 実際のVLBIやGPSの解析結果との比較 季節変化などの長期評価 世の中に出回っているマッピング関数の性能評価 謝辞:データ提供について、気象庁、国土地理院、及び地球流体電脳倶楽部に深く感謝致します。

課題 “KARATS”を実現するために KARATを使ったリアルタイムサービス 定常的な数値予報データの入手が必要 5kmMSMが望ましいが…. WEB公開の5kmMSNデータ 実際は地上データのみが5km分解能 解析領域が10kmMANALデータより狭い より高い時間分解能(例えば10分毎とか) MM5などのPCで動かせる数値予報モデルの利用

大気伝搬遅延とは? 伝搬遅延 中性大気による伝搬遅延量 経路の曲がり 経路上での減速 乾燥大気 水蒸気 <屈折率の計算> ~2.3m(天頂) 水蒸気 0.1-0.4m(天頂) <屈折率の計算> P/T: 乾燥大気 e/T+e^2/T:水蒸気 [P:気圧, T:温度, e:水蒸気分圧 経路上での大気屈折率を積分することで伝搬遅延が計算できる

(GPS Earth Observation Network System) GEONET by GSI (GPS Earth Observation Network System) (Seko et al., 2003)

山岳波の影響 Mt. Fuji mountain lee wave Izu peninsula cool cool wet wet warm wind cool wet cool wet mountain lee wave warm dry wind Izu peninsula

(Shimada et al., 2001) 1日目:西へ最大1.5cm 2日目:東へ1cm

オンラインで入手可能な 気象庁の数値予報データ 地球流体電脳倶楽部 [http://gpv.tkl.iis.u-tokyo.ac.jp/GPV/]

900hPa 00UT 10/01/2004 925hPa 950hPa 1000hPa 地表

10年前の計算 気象庁10km格子・地域モデル 水蒸気の推定精度低い 計算領域狭い ルーチン的なデータ提供無し Ray tracing〜遅い