レーザー干渉計型重力波検出器TAMA300のパワーリサイクリングⅣ

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レーザー干渉計型重力波検出器TAMA300のパワーリサイクリングⅣ 高橋竜太郎、新井宏二、佐藤修一、長野重夫、辰巳大輔、常定芳基、神田展行、安東正樹、他TAMA Collaboration 国立天文台、東大理、東大宇宙線研、東大新領域、阪市大、電通大、他 Data Taking 7 これまでの観測概要 Data Taking 7概要 LIGO、GEOとの同時観測 自動化、デジタル化 リサイクリングにおけるオペレーションの自動化 光路長のデジタル制御 アライメントのデジタル制御 まとめ

これまでの観測(Data Taking)概要 実施期間 総観測時間 主な目的 DT1 1999年 8/6~8/7 11時間 キャリブレーションの確立 DT2 1999年 9/17~9/20 31時間 初のイベントサーチ DT3 2000年 4/20~4/23 13時間 改善された感度での観測 DT4 2000年 8/21~9/4 167時間 100時間以上の観測 DT5 2001年 3/2~3/10 111時間 24時間フルタイム観測 DT6 2001年 8/1~9/20 1,038時間 1,000時間観測 DT7 2002年 8/31~9/2 25時間 LIGO、GEOとの同時観測

Data Taking 7概要 実施時間: 32時間8分 総観測時間: 24時間34分 稼働率: 76.7% ベスト感度: 1.0×10-18m/√Hz@1kHz (観測中に更新) 0.5-0.5 Msolar: 9.6±2.4 10-10 Msolar: 15.5±9.6 1.4-1.4 Msolar: 20.6±5.2

LIGO、GEOとの同時観測 LIGO(米) H1: 4km、H2: 2km L1: 4km GEO600(英独) G1: 600m TAMA300(日) T1: 300m LIGO (Livingston) LIGO (Hanford) GEO600 (Hannover)

各検出器の運転状況 LIGO S1: 8/23-9/9 (LIGO初めての観測ラン) 5検出器同時観測時間: 9時間50分 5検出器最長連続同時観測時間: 2時間24分

リサイクリングにおけるオペレーションの自動化 構成 マスターコントローラ PC + PCIボード(NI 6025E、6711) NI CVI [Digital Switch: 24ch、Digital I/O: 8ch、A/D: 8ch、D/A: 4ch] サブコントローラ マイクロプロセッサ(Hitachi H8/3048) PC + PCIボード(DT 322) HP VEE マイクロプロセッサ が組み込まれた モジュール マスターコントローラのフロントエンド部分

光路長のデジタル制御1 地殻変動による基線長変化: 数100μm ミラー位置制御のダイナミックレンジ: 現在260μm(大きすぎる) アクティブ除振装置(特許機器㈱ α2) 渦電型の位置センサーによるローカルなDC制御 制御の目標値(DSPのパラメータ)を外部より変更可 帯域: 約0.1Hz

光路長のデジタル制御2(制御例) 地下水の汲み上げ(~1時間、~10μm) ローカルな温度変化(日周、~10μm/℃)

アライメントのデジタル制御 10自由度のフィードバック制御が必要 構築対象: 10ch IN、10ch OUTのデジタルフィルター 構成: 組込コントローラ(Pentium Ⅲ/866MHz) + リアルタイムOS ループ帯域: 約1kHz National Instruments社 PXI-SCXIシステム

まとめ LIGO及びGEOとの初めての同時観測を行い、約10時間の同時観測データを収集した。 リサイクリング干渉計用に自動化シーケンスを変更、自動オペレーションを確立した。 現在光路長のDC制御をデジタル化しているが、今後はアライメント制御等もデジタル化していく予定。