東京大学 宇宙理論研究室 D3 学振特別研究員 DC1 高見 一

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東京大学 宇宙理論研究室 D3 学振特別研究員 DC1 高見 一 最高エネルギー宇宙線の伝搬 東京大学 宇宙理論研究室 D3 学振特別研究員 DC1 高見 一 共同研究者: 佐藤勝彦(東大、RESCEU、IPMU) 村瀬孔大、長滝重博(京大基研) 山本常夏(甲南大)、井上進(京大) 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26 宇宙線の観測結果 Globally power-law spectrum Knee SNRs for energetics Ankle(dip) GCR/EGCR transition ? Pair-creation dip ? Extragalactic Cosmic-rays Active Galactic Nuclei (AGNs) Gamma-ray Bursts (GRBs) Magneters, colliding galaxies Second Knee Hypernovae (Gal/EG) ? GZK steepening Composition Maximum acceleration energy ∝E-2.7 Knee 2nd Knee Ankle 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26 宇宙線の研究 宇宙線の起源 起源は何か? 高エネルギー天体現象 未知粒子 生成メカニズム 粒子加速 周辺環境との反応 宇宙線の伝搬 観測量 エネルギー 組成 到来方向 核破砕 一次的には生成されない核種 X,g線、ニュートリノ 伝搬軌跡 到来方向と起源の位置 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26 最高エネルギー宇宙線到来方向分布 AGASA(1999) Auger(2007) HiRes(2008) Abraham et al. 2007 Abbasi et al. 2008 Takeda et al. 1999 Ground-based detector Exposure~1300km2 yr sr Akeno (Japan) Ang.resolution~2o Ene.resolution~30% E>40EeV, 57events Hybrid detector (SD) Exposure~9000km2 yr sr (Argentina) Ang.resolution~1o Ene.resolution~30% E>57EeV, 27events Fluorescence (stereo) Exposure<850km2 yr sr Utah (USA) Ang.resolution~0.8o Ene.resolution~30% E>56EeV, 13events Small-scale anisotropy Super-GZK events Positional correlation with local AGNs No super-GZK events No anisotropy No correlation No super-GZK events 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

組成の観測結果 Xmax measurement Muon Content Heavy-component dominant ??? Engel et al. 2007 In a QCD-based hadronic interaction model, all results of Xmax measurements are consistent with pure proton composition (cf. hep-ph/0501165). Glushkov et al. 2007 Unger et al. 2007 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

GZK Mechanism 最高エネルギー宇宙線はあまり遠くから地球に到来できない e+ CMB g m+ nm p+ nm ne p e+ E>6x1019eV p+ nm ne p e+ n p GZK horizon ~ 50Mpc Cf.) 1pc=3.08x1016m 10kpc:銀河の大きさ 1Mpc:平均銀河間距離 4Mpc HT et al. 2008 Berezinsky 2007 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

銀河系近傍の銀河分布 近傍の銀河分布は非一様 到来方向分布は銀河系近傍の物質分布と磁場分布を反映する Virgo Centaurus Perseus Pavo,A3627 IRAS PSCz catalog: Saunders et al. 2000 到来方向分布は銀河系近傍の物質分布と磁場分布を反映する 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26 銀河間磁場 (simulation) (Sigl et al. 2004) (Dolag et al. 2005) (Das et al. 2007) HD simulation (not MHD) Not real structures q~20o even at Ep=1020eV <B>filament~10-7G f(>10nG)~0.1 HD simulation (not MHD) Not real structures q<10o at Ep=1020eV <B>filament~10-8G f(>10nG)~0.01 SPH simulation with MF Constrained simulation q~1o at Ep=1020eV <B>filament~10-10G f(>10nG)~10-4 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

銀河系近傍の構造をモデル 4x1019eVの陽子を100Mpc伝搬させたときの曲がり 0 2 4 0 2 4 4x1019eVの陽子を100Mpc伝搬させたときの曲がり 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26 陽子100%(E>1019eV)の到来方向分布 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

陽子100%(E>1019.8eV)の到来方向分布 500イベント程度検出すれば銀河系近傍のソース分布が見えてくる ~3o HT & Sato 2008 500イベント程度検出すれば銀河系近傍のソース分布が見えてくる 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26 到来方向分布の統計的議論 イベント分布の二点相関関数を比較する 0.0mG 0.1mG 0.4mG 1.0mG 最もよく観測を再現するのは B=0.0,0.1mG  10-5Mpc-3 B=0.4,1.0mG  10-6Mpc-3 一桁程度の不定性 500events for E>1019.6eV で不定性は除かれる 既存天体 HT & Sato 2007 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

銀河内磁場 銀河系内の磁場も軌跡の曲がりに寄与し得る Ep=1019.8eV HT & Sato 2008 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26 最高エネルギー原子核の伝搬 陽子と反応断面積が変わる Allard et al. 2006 Spectral steepening の位置が変わる GZK半径が変わる 曲がり角が変わる 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

Ankle の起源 Ankle には二つの解釈がある Pair-creation dip Galactic (heavy?) Second knee? Proton-dip scenario Pair-creation dip extragalactic proton (E-2.7) Galactic (heavy?) extragalactic (E-2.0) ankle-transition scenario 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26 エネルギースペクトル 陽子100%, dip Mixed, ankle Allard et al. 2006 陽子100%, ankle 足りない分は銀河系内成分 Ankle の成り立ち 超高エネルギー宇宙線の起源 HT et al. 2008 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26 二次粒子 GZKメカニズム由来のニュートリノ Mixed, ankle 陽子100%, ankle 陽子100%, dip 陽子100%, dip Allard et al. 2006 HT et al. 2008 ニュートリノがGCR/EGCR遷移のプローブになるかもしれない 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26 問題点 到来方向に関する問題点 重元素がどれだけ含まれているか?(位置相関との整合性) E>1019eVの到来方向分布はきわめてよい精度で等方的 PAOとHiResの位置相関の矛盾(?) 突発的ソースだったらどう見えるか? 組成 重元素は加速しやすいが、加速領域から出てきにくいソースの物理 重元素は伝搬中に壊れる 位置相関の程度、スペクトルから組成比の情報がわからないか? 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26

研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26 まとめ 伝搬過程を考えることは宇宙線起源の物理を観測量に焼きなおすこと GZKメカニズムにより最高エネルギー宇宙線の到来方向は100Mpc以内のソース分布、磁場分布を反映する 宇宙線到来方向から統計的または直接的な手法によって、ソースに関する情報を得ることができる ソース候補はいくつもあるので、宇宙線観測から制限することは 願わくば、直接観測できるような宇宙であってほしい  Charged particle astronomy 最高エネルギー原子核を理解することは スペクトルの成り立ちからソースを理解する ソースでの物理を理解する 二次粒子のスペクトルやソースとの位置相関から原子核の含有量がわかるかもしれない 研究会『超高エネルギー宇宙線とハドロン構造2008』 @ KEK, 2008/04/26