多人数対応型地球温暖化 デモストレーション実験機

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多人数対応型地球温暖化 デモストレーション実験機 日本科学教育学会 川村康文 田代佑大 科学教育研究会 vol.35 pp.1-1 3年2部物理学科 2211119 水谷紫苑 

多人数対応型地球温暖化デモストレーション実験器 はじめに  地球温暖化   CO 2 をはじめとする             温室効果ガスの大気中への大量排出 生徒が実験を通して確認する学習 児童・生徒が効率的に学べる教材 地球温暖化デモンストレーション実験装置 多人数対応型地球温暖化デモストレーション実験器 大人数対応

図1 多人数地球温暖化デモストレーション実験機概要 図1 多人数地球温暖化デモストレーション実験機概要

改善点 改善点 結果 地球大気モデルに温度計と無線カメラをとりつけた スクリーンに温度を映すことで、大人数に対応できるようになった ホールなどの演示が可能になった 図2 装置の改善点

CO 2 と空気の比較結果 CO 2 での実験結果 二酸化炭素の温度上昇率>空気の温度上昇率 ⇒ 温暖化現象の再現 ⇒  温暖化現象の再現 図3  CO 2 と空気の比較結果

授業での実践 授業実践 2009年 8月 9日 東京理科大学 高校生中心 2009年 11月22日 東京理科大学 小中学生 1.実験機での測定開始 2.装置と測定原理 3.二酸化炭素の温室効果について 4.地球温暖化が引き起こす環境的影響 5.実験機結果確認 6.温暖化を防ぐための試み の順番で授業を行った。 2009年  8月 9日 東京理科大学 高校生中心 2009年 11月22日 東京理科大学 小中学生 2009年 11月29日 テクノプラザかつしか 小学生中心 まず、実験機をセットし、スイッチをオンにします。 この装置の説明や、先ほどひとつ前のスライドせ説明したような実験機の測定原理を説明して 二酸化炭素の温室効果について説明した。 次に、温暖化がhき起こす影響、例えば50年後には地球全体が2度上がることや、それに伴う海面上昇などの説明を行いました。 大体、この説明で、実験が終了する5分程度の時間がたっているので、 生徒に、二酸化炭素と空気の地球大気モデルの温度を測ってもらう。

授業実践の結果 回答総数 57名 図4 授業実践の結果

授業実践での課題 二酸化炭素以外での温室効果ガスの演示 メタンガスでの 地球温暖化デモストレーション実験機による 温室効果実験

CH 4 と空気の比較結果 CH 4 での実験結果 CH 4 の温度上昇率>空気の温度上昇率 ⇒ 温暖化現象の再現 ⇒  温暖化現象の再現 

CO 2 と CH 4 の比較結果 CH 4 の温度上昇率> CO 2 の温度上昇率 ※21倍にはならない

考察1 実験の適正時間は5分から6分程度 CH 4 の場合 CO 2 の場合 図5 CH 4 と空気の比較結果

考察2 〕 空気 CO 2 CH 4 29.15 37.53 35.79 表1 モル比熱C〔JK-1mol-1 〕 熱容量 〕    熱容量    CH 4 < CO 2 <空気   ⇒実験結果を説明することが出来ない 空気 CO 2 CH 4 29.15 37.53 35.79

赤外線(波長0.75~1000μm)は、分子の振動  または回転のエネルギーと同じ領域    ⇒分子に吸収される ・基準振動が起こる   ⇒同じ振動数で分子の電子双極子モーメント    が振動   ⇒分子の電気双極子モーメントと赤外線の    電場が相互作用し、赤外線が吸収される

考察3 温室効果の原理 図7 温室効果の説明

考察4 スペクトル強度 図8 スペクトル強度のグラフ

考察5   

CO 2 や CH 4 が、空気よりも 温度上昇率が大きい理由 ⇒赤外線吸収が原因 ・ CH 4 の温度上場率> CO 2 の温度上昇率  ⇒赤外線吸収が原因 ・ CH 4 の温度上場率> CO 2 の温度上昇率  ⇒ CH 4 は CO 2 より多くの基準振動

おわりに 「多人数対応型地球温暖化デモストレーション実験機」 ・広い会場でも実演可能 ・ CO 2 以外の温室効果ガスである    CH4でも実験可能   ・主体的・意欲的な学習活動につながる

今後の展望 学校教育等、より多くの場で地球温暖化デモストレーション機での実演が望まれる 注目 記録とグラフの自動化 実験を行っている間、生徒の集中力を保つため、授業を行いたい  ⇒記録者と授業者の2名が必要 記録とグラフの自動化 より気軽に、教員一人でも授業実践が行える ただし、温度計と無線カメラによる表示は必要

メリット デメリット 装置をより気軽に授業に組み込める 安価で自動化できる 自動化することで温暖化にたいしての実感が薄れる グラフを生徒が作成する場合⇒議論が必要

装置側 PC側 温度計 ↓ インターフェイス (PICやArduino等) Bloutoothユニット PCのBluetoothで受け取る   ↓  232エクセルロガー  エクセル上に置いてある  グラフオブジェクトで  オートプロット PC側