Randall Sundrum model に於ける KK Graviton の dimuon 崩壊の探索

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Randall Sundrum model に於ける KK Graviton の dimuon 崩壊の探索 石川 明正 (神戸大学)

Extra Dimension 標準理論では重力は含まれていない 1019 GeV >> 100 GeV 重力は弱すぎて高エネルギー粒子の衝突では観測出来ない 重力のスケール(Planck Scale) >> 電弱スケール 1019 GeV >> 100 GeV Q. なぜ重力はこんなに弱いのか?なぜプランクスケールは電弱スケールより17桁も大きいのか?(階層性の問題) A. 重力は4次元の理論ではなく、4+n次元の理論である。実際のプランクスケールはTeV領域にあるが4次元では1019GeVにあるように見える。 n次元が見えないのはコンパクト化している事による。 新たな対称性ではなく、新たな幾何学を導入する事により問題を解決

Extra Dimension の Models 余剰次元の運動エネルギーは4次元では質量と見なせる 余剰次元を飛ぶ粒子はKK励起状態として観測される Model Large (flat) Extra Dimension (ADD) 4+n次元 (n>2, n=1,2 は重力の逆二乗則の直接測定により棄却) 余剰n次元は半径Rにコンパクト化 重力は余剰次元空間を伝搬  KK Graviton Universal Extra Dimension 4+1次元 余剰次元は半径Rの S1/Z2 orbifold上にコンパクト化 すべての粒子が 余剰空間を伝搬  すべての粒子の KK excitation Warped Extra Dimension (RS) 重力は余剰空間を伝搬 (RS1)  KK Graviton (GKK)

RS1 Model 4 + 1 次元 hep-th/9905221 余剰次元は半径 の S1/Z2 orbifold上にコンパクト化 2つの3次元空間の膜(Brane)が余剰次元方向に離れて存在 片側の SM Brane に標準模型粒子が拘束 重力子は余剰次元(Bulk)を伝搬する  KK Graviton 空間の計量は以下のように書ける : ミンコフスキー空間の位置 : 余剰次元の位置 : 余剰次元の半径 : 余剰次元の曲率 余剰次元の場所によって大きく計量が変わる Planck Brane では重力は強い アインシュタイン方程式の解である 本当のPlank Scale L = Mpl*exp( - p )  L ~ 1TeV とすると ~12 Extra Dimension (Bulk) = 0 = p SM Brane Planck Brane S1/Z2 Warped Factor

Model Parameter と GKK の性質 二つのModel Parameters Coupling : k/Mpl = 0.01 ~ 0.1 0.1 :曲率が余剰次元の半径以下 最初のKK励起状態の質量 : MG Mass of KK Graviton Mn = xn * k/Mpl * L Narrow Width 検出器の分解能より狭い xn :1次のベッセル関数の根 x1 = 3.83 x2 = 7.02 x3 = 10.17 Parameter Space e+e-  GKK GKK Width JoAnne Hewett, Maria Spiropulu Ann.Rev.Nucl.Part.Sci.52:397-424,2002

KK Gravitonの生成 質量が低いところではグルーオンフュージョンが支配的 クォーク対消滅は質量の高いところで重要 14TeV xの小さいグルーオンはいっぱいいる クォーク対消滅は質量の高いところで重要 Valence クォークの影響 14TeV B.C. Allanach, K. Odagiri, M.J. Palmer, M.A. Parker, A. Sabetfakhri and B.R. Webber JHEP 0212:039,2002

KK Gravitonの崩壊 標準模型の粒子にユニバーサルに結合 崩壊角度 重要な崩壊モードは diphoton(4%) と dilepton(2%). 崩壊角度 (a) : gg  GKK  ff, (b) : qq  GKK  ff (c) : gg  GKK  gg, (a) : qq  GKK  gg

Cross Section * BF k/Mpl, MG[GeV] s*B [fb] 0.01, 300 871 0.01, 400 224 0.01, 500 81 0.03, 650 193 0.03, 700 130 0.03, 800 64 0.10, 1000 209 0.10, 1100 122 0.10, 1200 75

Analysis 解析はとても簡単で clean な high pT ミューオンを二つ取ってきて mass を組む それと少し background suppression Z’ や rT の探索にも使える この解析で重要なことは以下の理解 High pT ミューオンの検出効率 High pT ミューオンの運動量分解能 (Pt > 100GeV) しかしこの talk では触れません

Signal と Background サンプル mode s [fb] events L [fb-1] GKK  mm 300GeV k/Mpl=0.01 868 15000 17.28 DY >200GeV 1621 14750 9.099 ttbar (No full had) 202860 491007 2.420 WWmnmn 788.6 4723 5.989 GKK  e+e- No K-factor

Selection EF_mu40 でトリガー 異電荷 Combined ミューオンペアでそれぞれが pT >50GeV と |h|<2.5 を満たす Isolation : R=0.2 のコーンの中のカロリーメータの ET sum をミューオンの pTで割った変数で孤立したミューオンを選別 S ET / pT < 0.1 x-y plane でのミューオン対の角度, cos(Df) < 0 シグナルは x-y plane ではほとんど運動量を持たないため back-to-back 共鳴状態(top, W)の崩壊からのミューオンは小さな角度をもつことがある 3s の mass window

検出効率と Cross Section DY が支配的 (irreducible) ttbar は小さい WW は無視出来る 括弧の中の値は累積検出効率 Selection/Mode GKK  mm DY ttbar no had WW  mnmn Generated 868 fb 1621 fb 202860 fb 789 fb EF_mu40 821 fb 94.7 % (94.7%) 1520 fb 93.8 % (93.8%) 61160 fb 30.1 % (30.1%) 619 fb 78.5 % (78.5 %) Dimuon (pt & eta) 654 fb 79.7 % (75.4%) 1074 fb 70.7 % (66.3%) 715 fb 1.17 %(0.352%) 66.8 fb 10.8 %(8.47 %) isolation 645 fb 98.6 % (74.3%) 1006 fb 93.6 % (62.0%) 598 fb 83.7 % (0.294%) 64.1 fb 96.0 % (8.13 %) cos(df) 620 fb 96.2 % (71.5%) 990 fb 98.4 % 61.1%) 501 fb 83.7 % (0.247%) 58.7 fb 91.7 % (7.45 %) 3s Mass Window 300 +- 24 GeV 607 fb 97.9% (70.0%) 145 fb 20.7 % (8.95%) 33.8 fb 22.8% (0.0167%) 3.51 fb 20.8 %(0.445 %)

すべてのカット後の不変質量分布 20/pb にスケール 12 Signal events (3s mass window. 質量分解能 8GeV/c2.) 3.6 DY events 0.7 tt events 0.06 WW events

系統誤差を無視した発見可能性 300 GeV GKK は 20pb-1 以下で発見可能 10TeV, 200/pb で 5s の発見可能性 Mode GKK  mm DY ttbar WW BG total cross section after all selection 608 fb 145 fb 33.8 fb 3.51 fb 182.3 fb 300 GeV GKK は 20pb-1 以下で発見可能 S/sqrt(B) > 5 with 12.3pb-1 (S=7.47, B=2.24) S > 10 with 16.5pb-1 (S=10.0, B=3.0) 10TeV, 200/pb で 5s の発見可能性 ただ、検出器の較正が 5s w/ 200/pb 5s w/ 200/pb

まとめ RS模型でのKK Graviton が muon 対に崩壊を探索の研究を行った 支配的なバックグラウンド事象はDYであるが十分小さい S/B ~ 3 for MG = 300GeV and Mpl = 0.01 質量 300GeV カップリング 0.01 の Graviton は系統誤差を無視すれば20/pb 以下で発見出来る。 ただし完璧に較正された検出器が必要なので実際にはそれよりは悪いであろう 検出効率と運動量のスケールと分解能が重要であり、研究しなくてはいけない 最終的には崩壊角からスピンの同定

pT after EF_mu40 pT > 50GeV Graviton DY ttbar WW Selection/Mode GKK  mm DY ttbar WW Generated 868 fb 1621 fb 202860 fb 789 fb EF_mu40 821 fb (94.7%) 1520 fb (93.8%) 61160 fb (30.1%) 619 fb (78.5%)

h |h| < 2.5 Graviton DY ttbar WW Selection/Mode GKK  mm DY ttbar Dimuon (pt & eta) 654 fb 79.7 % (75.4%) 1074 fb 70.7 % (66.3%) 521 fb 1.50 %(0.480%) 239 fb 1.97 %(0.334%)

Isolation S ET / pT < 0.1 in R=0.2 cone Muons from heavy flavor jet are reduced. Graviton DY ttbar WW Selection/Mode GKK  mm DY ttbar WW isolation 645 fb 98.6 % (74.3%) 1006 fb 93.6 % (62.0%) 439 fb 84.2 % (0.404%) 231 fb 96.6 % (0.322%)

Angle btw muon in x-y plane cos(Df) < 0.0 Muons from heavy graviton tend to back-to-back while muons from ttbar cascade decay do not. Graviton DY ttbar WW Selection/Mode GKK  mm DY ttbar WW cos(Df) 620 fb 96.2 % (71.5%) 990 fb 98.4 % 61.1%) 359 fb 81.7 % (0.330%) 221 fb 95.7 % (0.309%)