光触媒、オゾンマイクロバブルによる2-propanol分解実験

Slides:



Advertisements
Similar presentations
Localized hole on Carbon acceptors in an n-type doped quantum wire. Toshiyuki Ihara ’05 11/29 For Akiyama Group members 11/29 this second version (latest)
Advertisements

第 5 章 2 次元モデル Chapter 5 2-dimensional model. Contents 1.2 次元モデル 2-dimensional model 2. 弱形式 Weak form 3.FEM 近似 FEM approximation 4. まとめ Summary.
更なるエネルギー制御と 投資の早期回収と ダウンタイムの縮減と共に実現するに は・・ This document contains confidential and proprietary information of SCL Elements Inc. and is protected by copyright.
ロジスティクス工学 第6章 動的ロットサイズ決定モデル 東京商船大学 久保 幹雄
19 省エネ型空気浄化技術開発プロジェクト UVとMB(マイクロバブル)を用いた処理装置 UVとUS(超音波)を用いた処理装置
小水力班/ Small Hydro Generation Group 研究背景 / Research background
文法(ぶんぽう)5--Invitation
A practical project for the international environmental cooperation
オゾン分解触媒によるトルエンの光分解実験
X線モニター用ディテクター読み出し回路 フラナガン.
気候-陸域炭素循環結合モデルの開発 加藤 知道 地球環境フロンティア研究センター 22nd Sep 2005.
Noun の 間(に) + Adjective Verb てform + いる間(に) during/while.
SP0 check.
臨床検査のための代替キャリブレーション:ノルトリプチリン治療薬モニタリングへの応用
How do you talk about Positions/ Locations?
○ 化学反応の速度     ・ 反応のある時点(たいていは反応開始時、ξ=0)について数値      として示すことが可能
Table 1. Variety of experimental conditions
中性シイステインプロテアーゼブレオマイシン水解酵素は、脱イミノ化されたフィラグリンをアミノ酸へと分解するのに不可欠である
Tohoku University Kyo Tsukada
A practical project for the international environmental cooperation
Estimating Position Information by Detecting Network-Connection
Chapter 4 Quiz #2 Verbs Particles を、に、で
ポスター作成について (テンプレートファイル利用について) Making Poster
CRLA Project Assisting the Project of
ナノ粒子合成プロセス (流通式反応器) 混合状態 平均粒子径及び分布 の変化 ・速度分布 ・温度分布 ・濃度分布 ・過飽和度分布
光触媒を用いた 効率的発生源対策技術の検討 金沢大学大学院 大気環境工学研究室 M1 吉田充宏.
挨拶 飛行機からの景色は雄大で感動 招待していただいたことに感謝 日本での30年の化学物質調査・研究の経験をお話したい
大気圧パルス放電によるメチレンブルーの脱色
A practical project for the international environmental cooperation
NO. 8 環境負荷低減・資源高効率利用技術の開発プロジェクト
静電気学会のプラズマ研究と 学会連携への期待
ポスター作成について (テンプレートファイル利用について) Making Poster
学籍番号:   氏名:新保尚敬  指導教員:小林泰秀 准教授
WLTC Mode Construction
揮発性有機合成物の分解装置におけるマイクロ波の吸収メカニズム
Muonic atom and anti-nucleonic atom
MeV internal meeting Oct. 2, 2015
Traits 形質.
弱電離気体プラズマの解析(LXXIV) 大気圧コロナ放電によるベンゼン、トルエン およびキシレン分解
My Favorite Movie I will introduce my favorite movie.
Where is Wumpus Propositional logic (cont…) Reasoning where is wumpus
実験装置図 測定結果 今後の展望 No. 17 PM2.5測定手法に関するチャンバー実験・フィールド実測実践プロジェクト (チャンバー編)
金沢大学ハノイ事務所 医薬保健学域連絡事務所
19 省エネ型空気浄化技術開発プロジェクト UVとMB(マイクロバブル)を用いた処理装置 UVとUS(超音波)を用いた処理装置
分光器校正用ランプ対決: Electro-Technic Products vs WAKAMATSU (ネオン管 対 激安ランプ )
2019年4月8日星期一 I. EPL 84, (2008) 2019年4月8日星期一.
大阪府立大工 発表者:米田 典宏 松浦寛人、中田真吾、道本圭司、沼野正溥
研究会 「LHCが切り拓く新しい素粒子物理学」
Now that we have the arithmetic in hand, let us look at the Earth's atmosphere and its pollutants.         the Earth's atmosphere’s pollutants    have.
大気化学班作業現状報告 光解離定数計算の新放射スキーム(radX)・成層圏化学への対応 今後の課題 07 Feb, 2006: K2連絡会議.
生体親和性発光ナノ粒子の医薬送達担体への応用
平成28年度PBL(平成28年4月8日~平成28年7月29日実施)
Z(mm)イベントを用いた ATLAS LVL1 Muon Trigger Systemのコミッショニング
22 物理パラメータに陽に依存する補償器を用いた低剛性二慣性系の速度制御実験 高山誠 指導教員 小林泰秀
SksMinus status 19 HB meeting 2009/2/06 白鳥昂太郎.
2019/4/22 Warm-up ※Warm-up 1~3には、小学校外国語活動「アルファベットを探そう」(H26年度、神埼小学校におけるSTの授業実践)で、5年生が撮影した写真を使用しています(授業者より使用許諾済)。
Insert a brief description of the picture
大気中ナノ粒子のフィールド観測 実践プロジェクト <概要> <Summary> Sampling condition Results
(富大院 理工 劉 貴慶、米山嘉治、椿 範立) 多孔質セリウム化合物のテンプレート無し合成法と二酸化炭素吸着剤としての利用
P P コンプレッサにおける能動騒音制御 19 Active noise control in compressor 1. 研究背景
環境触媒グループ ガソリン車と比べて ディーゼル車の利点 現在ディーゼル車の走行台数が増加している ディーゼル車排ガス中での汚染物質 危害
(RHIC-PHENIX実験における粒子放出の方位角異方性の測定)
total flux uncertainty : 11% next : momentum distribution uncertainty
シェールガス資源量評価を目的としたケロジェンナノ孔隙内のメタン吸着挙動に関する分子動力学シミュレーション
せつぞくし 接続詞 Conjunctions.
イミダゾリウム系イオン液体(3)ー分子性液体(2)混合溶液の二酸化炭素溶解度(1)
大気圧コロナ放電によるVOC分解 Decomposition of VOC using a corona discharge at atmospheric pressure 畑 康介* 佐藤 孝紀 伊藤 秀範 (室蘭工業大学) はじめに 実験装置および実験条件 実験装置 背景 放電リアクタ (アクリル製,
弱電離気体プラズマの解析(LXIX) 大気圧コロナ放電によるアセトン分解
Goldscmidt2019, Barcelona, August 20, 2019
北大MMCセミナー 第28回 Date: 2014年10月3日(金)14:30~16:00 ※通常と開始時間が異なります
Presentation transcript:

光触媒、オゾンマイクロバブルによる2-propanol分解実験 20 大気汚染物質の光化学反応による変質と評価 Chemical conversion of air pollutants by photochemical reaction 参加登録学生指名 指導担当教員名 : 北代哲也(Tetsuya KITASHRO), 木下勝利史(Masatoshi KINOSHITA), 栗田優樹(Yuki KURITA) :関口和彦(Kazuhiko SEKIGUCHI) 概要  大気中に存在する揮発性有機化合物 (VOC) ガスは、光化学反応を経て大気中で有害なナノ粒子へと変質する。その一方で、これら光化学反応を触媒等を複合し人工的に起こせば、VOCガスの無害の無機ガスへと変換可能である。本プロジェクトでは、大気中超微小粒子における昼夜別 挙動を明らかにするため、8月7~19日の間、サンプリングを行った。また、これら光化学反応を用いたVOCガスの処理技術について基礎的検討を加えた。 Summary  Volatile organic compound (VOC) gas that exists in the atmosphere changes to harmful nanoparticles in the atmosphere through the photochemical reaction. On the other hand, if this photochemical reaction is caused artificially with catalyst, VOC gas is decomposed and converted to harmless inorganic gases, such as CO and CO2. In this project, atmospheric sampling was carried out at daytime and nighttime to clarify the behavior of ultra-fine particles during 7th-19th in August. Furthermore, a fundamental examination of VOC gas treatment using photochemical reaction was also carried out. サンプリング 光触媒、オゾンマイクロバブルによる2-propanol分解実験 Fine particle collection system Inertial filter Fig. 2. Experimental setup for decomposition and mineralization of 2-propanol using photocatalyst and ozone microbubble. T: Water tank (40 L); OG: Ozone generator; R: Photochemical reactor; MBG: Microbubble generator; F: Flow meter; S: Sampling port; C: Cooler; P: Pump Fig. 1 Principle of nano-particle sampler and cyclon . 測定結果 Table 2 Carbonaceous and ionic components in PM0.1 and PM2.5 during measuring period at background(10F) and roadside n.d. not detected 実験結果 Fig. 3. Time variation of mineralization ratio for 2-     propanol, (▲)Decomposition using ozone microbubble and UV irradiation; (◆) Decomposition using UV irradiation;(■) Decomposition using UV irradiation without tank. Fig. 4. Pseudo-first-order fitting of total organic carbon (TOC). (▲) Decomposition using ozone     microbubble and UV irradiation; (◆)       Decomposition using UV irradiation; (■) Decomposition using UV irradiation without tank. Table 3 Mineralization performance of UV and efficiency of microbubble ・二次生成の寄与が大きいとされる成分 (OC、WSOC、NH4+、SO42-)の濃度が日中に高かったことがTable2から見て取れる。日中におけるこれら成分とO3との間に良い相関が得られたため、光化学生成により、微小な粒子が生成されたと考えられる。一方、二次生成起源であるNO3-と、燃焼起源であるCl-成分に関しては夜間の方が高濃度で検出された。これはNO3-は共に揮発性を有するため、日中の光化学生成により生成されたCl-とNO3-のガス成分が湿度が上昇する夜間において粒子化し高濃度で検出されたものと考えられる。 ・Roadsideにおける昼夜別PM0.1のOC/EC比とOC/SO42-比、また、OC、EC間、OC、O3間等の相関結果から日中では2次生成が支配的であり、夜間では1次生成が支配的であることが明らかとなった。この結果はPM2.5 においても同様な結果が得られた。 ・10Fにおいても同様の計算を行った結果、 PM0.1 PM2.5それぞれでこのような傾向がさらに顕著に表れた。 MB/UV UV UV without tank Pseudo-first–order constant(K)(h-1) 0.32 0.08 1.63 ・光触媒を固定化することで、光触媒を回収する工程を省略することができた。また、通常の光触媒を懸濁させて使用する際の使用量(1 g/L)と比較して非常に少量(0.085 g)ながら、高い分解効率を示した。 ・オゾンマイクロバブルを導入することで、反応速度は約4倍に向上した。 ・今後は、無機化率向上のため、オゾン濃度、光源波長、マイクロバブルの流量と発生方法について検討を加えていく予定である。