NeXT望遠鏡用硬X線偏光計の検討 2003/7/23宇宙研での発表資料

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NeXT望遠鏡用硬X線偏光計の検討 2003/7/23宇宙研での発表資料 林田 清(阪大理)、三原建弘(理研)、 郡司修一、門叶冬樹(山形大理) Ver1.0 一部修正の上公開 2003/9/17

NeXT衛星による偏光観測 偏光観測をNeXT衛星の目標にするか? NeXT望遠鏡の焦点面か独立系か? 10keV以下か10keV以上か?

X線偏光観測 シンクロトロン放射 散乱 磁場と散乱 制動放射 輻射機構、天体の幾何学、磁場の構造の解明古くて新しい問題 SNR(パルサー星雲型、SN1006型、シェル型) ブレーザー、マイクロクェーサー 散乱 降着円盤による散乱、トーラスによる散乱、反射星雲 セイファート銀河の連続成分の輻射機構 磁場と散乱 連星系パルサー 単独パルサー 制動放射 輻射機構、天体の幾何学、磁場の構造の解明古くて新しい問題

単独パルサーの輻射機構 パルスフェーズ毎に 偏光度と偏光方向を 調べることで2つの モデルのどちらが 正しいか確認できる。 かにパルサーに対するモデル計算 Polar Cap Outer Gap パルスフェーズ毎に 偏光度と偏光方向を 調べることで2つの モデルのどちらが 正しいか確認できる。 J. Dyks etal Astro-ph 0303006 R.W. Romani etal Ap.J. Vol.438

バイナリーパルサーの降着柱の構造 ペンシルビーム ファンビーム 偏光度のエネルギー依存性特にサイクロトロン吸収線付近で大きく変化 Kii, 1987, PASJ 39,p.781 ペンシルビームでは、フラックスが弱いときに偏光度が高い。ファンビームモデルではその逆。 ペンシルビーム ファンビーム +100% 偏光度P -100% フラックス 偏光度のエネルギー依存性特にサイクロトロン吸収線付近で大きく変化

ブラックホール降着モデルで期待される偏光 2相モデル:冷たい降着円盤と広がった熱いコロナ(X線は逆コンプトン散乱により生じる) 降着円盤 =10eV AGNに相当 降着円盤 =1keV BHCに相当 軟X線と硬X線で偏光方向が逆 円盤の傾き角が大きいほど偏光度の絶対値は大 最大40%程度の偏光が期待 Harardt & Matt, 1993, MNRAS, 261, p.346

活動銀河核の反射成分の偏光 降着円盤での反射によるX線の偏光 見込む角度により エネルギーが高く 偏光度は変わる。 なると偏光度が増す Matt MNRAS 260, 1993 見込む角度により 偏光度は変わる。 エネルギーが高く なると偏光度が増す 見込む角度の違い reflected 1% total 鉄輝線はドプラー シフトでブロード 見込む角度

セイファート2型の濃い吸収体の構造、反射(散乱)成分の偏光 NGC4945 Done et al., 2003, 588, p.763 偏光測定により 散乱体(吸収体)の構造

ガンマ線バースト ファイヤーボールモデルが正しいのなら、ガンマ線はシンクロ トロン放射で放出される。偏光が期待されるが。。。 GRB021206のRHESSI(太陽観測衛星)による観測結果 150keV-2MeVで80%という偏光が受かった! Cobum & Boggs, 2003, Nature 423, p.415

80%という高い偏光度 バーストの各ピークは別の場所での衝突に対応しているはずなのに何故80%もの高い偏光度が得られたのか? 決着つけるためにはGRBの統計的偏光観測が必要 偏光観測によりGRBの発生メカニズムに迫る

NeXT望遠鏡のデザイン F.L.=12m 1’=3.5mm@F.P. 1Crab=240c/s/4HXT G F(2;10) K erg/s/cm2 photons/s/cm2/keV photons/s/4HXT 1.5 1E-11 0.0018 2.6E-11 0.37 2.0 0.0039 8.6E-12 0.15 2.5 0.0080 2.9E-12 0.06

偏光計の感度 Mh1/2を大きくすることが重要 系統誤差を考えるとMが大きいことも重要

光電子追跡型 イメージングガス検出器 CCD イタリアグループ シミュレーションによる最適化;Arガス4atm,3cmでMh1/2~0.07@20keV (Mは0.3) 山形グループ 京都グループ CCD 12mmピクセルCCDでM=0.16,h=5x10-4@27keV 空乏層厚10倍100mmのCCDを使えればMh1/2~0.01 Mη1/2 Pacciani etal 2002 SPIE

散乱型 実験室では容易にM>0.9が実現できる。ビームラインの偏光度較正に利用している。 回転 E 検出器B 散乱体 検出器A 阪大グループ 2002/11 KEK-PF BL14C 

放射光実験 ビームラインの偏光度測定 散乱スペクトル SPring-8 偏光度測定 PF 偏光度測定 19.3 keV Compton 放射光実験 ビームラインの偏光度測定 散乱スペクトル SPring-8 偏光度測定 PF 偏光度測定 19.3 keV Compton 20.0 keV Thomson 93% @ 20 keV X-ray 横偏光 77% @ 20 keV X-ray 縦偏光

ノンイメージング型 散乱偏光計のデザイン 散乱体はBe 4mm直径x長さ60mm CdTe検出器2mmx2mmx0.5mm厚の場合、全部で12x24=288個/1HXT 2mmx20mmx0.5mmの検出器を利用できれば12x3=36個/1HXT Active Shieldは必要 30度ごとのカウントから偏光方向と偏光度を測定する

M,h,Mh1/2 (シミュレーション) 散乱体の周りに鉛ワッシャをいれて散乱角を制限する。白抜きが、ワッシャ入りの場合の値 Mは増加、hは減少するがMh1/2はほとんど変わらない Mが高い方が望ましいければワッシャを入れる 左図のシミュレーションは全てのX線がBeターゲットの真ん中に入射した場合であるが、ターゲットの断面に一様に入射した場合のMh1/2と0.01以下の違いしかない

硬X線偏光観測の対象 点源 ひろがった天体 ブラックホール連星系 連星系パルサー 活動銀河核 ブレーザー SNR 銀河団 パルサー星雲 シェル型 銀河団

ハード成分が検出されている銀河団 Reference: Nakazawa, 2002 and references therein 銀河団の中でハード成分がどこまでひろがっているかは不明 z F(20;80) Lx(20;80)/Lx(2;10) C(20;80) Whole cluster 1arcmin radius fraction 1arcmin radius @center erg/s/cm2 c/s Coma 0.0232 2.2E-11 0.09 0.38 44kpc 0.06 0.02 A2256 0.0581 1.2E-11 0.23 0.21 95kpc 0.30 A2199 0.0303 1.0E-11 0.14 0.17 50kpc 0.08 0.01 HCG62 0.0146 (4.2E-12) --- 0.073 25kpc 0.001 注)ビグネッティングは考慮していない コアの内外での積分強度の比は典型的に1:2 そもそもこれらの銀河団をNeXTの1回のポインティングでカバーするのは不可能(視野を大きくはみでる)

超新星残骸のパワーロー成分 パルサー星雲型 SN1006型 SNR中心部のパルサー周辺で加速された電子のシンクロトロン輻射。 パルサーの周囲高々数arcminの領域に限られる。 パルサーから離れるほど急激に強度が弱くなり冪もソフトになる。 SN1006型 シェルの一部が(何故か)高エネルギー電子の加速場所になり、シンクロトロン放射を出している。 シェルの中で細いフィラメント状に放射(少なくともSN1006では)

かに星雲 右図:対角線2.24arcmin 2-10keVの表面輝度1.1(0.5-2.4)E-8 erg/s/cm/arcmin2 20-80keVのカウントは170c/s/arcmin2 さすがに明るい!

かに星雲の可視光偏光マップ

かに星雲以外のパルサー星雲 Vela Pulsar C(20;80)~0.01c/s Kes75 C(20;80) ~0.6c/s ただし26’’x20’’のひろがり G292.0+1.8  C(20;80)=0.15c/s 1’程度のひろがり   これより暗いソースはいくつかあるが、いずれにしてもかに星雲の1/100以下! パルサーとの分離には時間分解能が不可欠 Vela Crab Kes75 Pavlov et al., 2001, ApJ, 552, L129 Helfand et al., 2003, 582, 783

SN1006 NE-rim 2-10keVのパワーロー成分のFlux=1.9E-11 erg/s/cm2 G=2.97 (Ozaki1997) Chandraの観測によるとNon-thermal 成分は極めて薄いフィラメント状<1arcmin幅 Shellにそって約10arcmin,幅0.5arcminとみつもると表面輝度は3.8E-12erg/s/cm2/arcmin Γ=2.5として見積もっても20-80keVのカウントは0.023 c/s/arcmin^2 ROSAT HRIのイメージにChandraの観測位置を表示

G347.3-0.5 軟X線データ Slane et al., 1999, ApJ, 525, p367 NW-rim rim全体でC(20;80) ~1.0 c/s 30arcmin^2の領域と評価してC(20;80) ~0.03 c/s/arcmin^2 SW-rim Rim全体でC(20;80)~1.2 c/s 30arcmin^2の領域と評価して0.04 c/s/arcmin^2 G266.2-1.2, RXJ1713.7-3946はこれよりも暗い

シェル型で熱的成分が卓越しているSNR、Tycho, CasAでもハード成分がみえている Chandra(全バンド) Tycho Fink et al., 1994, A&A, 283, 635 K=7.4E-2,G=2.7からTycho全体でC(20;80)=0.26c/s 高いエネルギーの成分はフィラメント状にローカライズしているようにみえる Hwang et al., 2002,ApJ,581,1101 直径8’ CasA Bleeker et al., 2001, A&A 365, L225 K=4.2E-2, G=1.8からCasA全体で3.1c/s 直径4’ Chandra(4-6keV)

ひろがった硬X線源に関するコメント 硬X線領域でひろがった(1’以上)&明るい天体の候補は必ずしも多くない。 銀河団に関して SNRに関して 硬X線領域でひろがった(1’以上)&明るい天体の候補は必ずしも多くない。  非熱的電子の生まれる場所が局在しているということかも 銀河団に関して 起源がわからないという意味で重要であるが、NeXTでの偏光観測は数例に限定されるだろう。 SNRに関して パルサー星雲の偏光マップが得られるのはかに星雲の他は高々数例 SN1006型、シェル型は1’角あたりの表面輝度でみるとかに星雲の1/1000以下。領域を積分することが必要。 多くのSN1006型、シェル型SNRについてChandra, XMMによりべき関数成分の空間分布が高精度で求まりつつある。 NeXTで得られる硬X線スペクトルだけでインパクトがあるだろうか? →ぜひ偏光測定を

偏光検出感度と天体の明るさ HEAO-1 A4 (13-80keV) M=0.61 H=0.4 20-80keV 4HXT BGD=1.0e-4 c/s/keV/cm2 10ks 100ks 1Ms

偏光検出感度と天体の明るさ 銀河団、SNRは暗い 重要なテーマなので 1Ms観測すれば数%以上の偏光が観測できる HEAO-1 A4 (13-80keV) A2256(1’角) SN1006(10’積分) Kes75 M=0.61 H=0.4 20-80keV 4HXT BGD=1.0e-4 c/s/keV/cm2 10ks 100ks BH,NS連星系の明るいものは10ks,暗いものでも100ksの観測で2%の偏光度を検出できる 1Ms AGNの明るいものは100ksの観測で数% の偏光が検出できる

単一散乱体偏光計の長所・短所 点源に対して偏光検出感度を最適化できる 偏光計本体はコンパクト。 (但しActive Shieldの必要はある) 4台の望遠鏡の焦点面で同時に観測するためには アライメントを極めて正確にとる 焦点面で2次元微動装置をつける ひろがったソースに対してはマルチポインティングが必要

NeXT望遠鏡用 硬X線偏光計の検討 偏光観測のサイエンス、観測対象 NeXT 散乱型偏光計のデザイン 第1部は林田さん 偏光観測のサイエンス、観測対象 NeXT 散乱型偏光計のデザイン 有効面積、角分解能、M、η、Mη1/2 広がったソースの偏光観測feasibility SNR、銀河団 イメージングか、ノンイメージングか?

イメージングと偏光 偏光性能 Mη0.5, M ガスマイクロピクセル CCD CdTeイメージャー イメージング性能 散乱型 ノンイメージング偏光計 散乱型 イメージング偏光計 ガスマイクロピクセル CCD CdTeイメージャー イメージング性能 ピクセルサイズ、検出効率η

散乱型イメージング偏光計の概観図 散乱体はプラスチックシンチレータ 吸収体はCdTe 2mm幅、40mm長、0.5mm厚の短冊型を32素子 全体はBGOで アクティブ シールド 18mm X-ray 8x8マルチパッド PMT 吸収体はCdTe 2mm幅、40mm長、0.5mm厚の短冊型を32素子

} } NeXTでの配置 多層膜ミラー 4台とも同じ構成 軟X線部 硬X線部 切り替えて使用 F=12m (1’=3.5mm) スライドやローター

感度計算 検出効率(η) モジュレーションファクタ(M) 偏光検出感度(Mη0.5) EGS4シミュレーションによる感度の評価

基礎実験 細長プラシンチの光量 測定実験 コンプトンロスを何keVまで捕えられるか? 55Fe 85% E0 ΔE90 30 1.7 40 2.9 60 6.3 80 10.8 細長プラシンチの光量 測定実験 コンプトンロスを何keVまで捕えられるか? LD 55Fe 55Fe 85% PMT

検出感度(η) 機能別 プラスチックで、 光電吸収 コンプトンロス非検出 コンプトンロス検出 Plastic CdTe シンプルイメージャー 点源、広がったソースほぼ共通 機能別 η=0.4程度 光電吸収 コンプトンロス非検出  コンプトンロス検出    Plastic CdTe シンプルイメージャー イメージング偏光計 散乱型偏光計

モジュレーションファクタ(M) 広がったソースの極端として「プラシンに一様にX線が入射した場合」を計算 M=0.55程度 M=0.28 イメージング不使用 イメージングあり イメージ機能により M=0.55程度 になる イメージングあり M=0.28 イメージング不使用

性能 η M Mη0.5 E ・Be散乱体 0.55 0.55 0.40 20-80keV ・イメージング偏光計 広がったソース     イメージング無し 0.4 0.28 0.18 20-80   イメージングあり 0.2 0.55 0.25 40-80

イメージング偏光計の得失 利点 欠点 イメージが取れる。→ 場所毎に偏光測定可能。 → 自分だけでX線入射位置が分かる。 散乱体を Be円柱から プラシン束+PMT に変更 利点 イメージが取れる。→ 場所毎に偏光測定可能。         → 自分だけでX線入射位置が分かる。 4台のミラーの光軸のずれを修正しなくて良い。             → 微動装置 不要 アンチでバックグラウンドが低下 低エネルギー帯(18-25keV)で検出効率が低下 イメージング偏光計として働くのは 40keV以上 欠点 点源やイメージ機能が働く場合、Mは同じ M=0.55。 Mη0.5は同程度(Mη0.5=0.39⇒0.35) 偏光感度は高いままイメージ性能も持たせた検出器

3σ偏光検出感度 (点源) η=0.4, M=0.55 Mη0.5=0.35 20-80keV ミラー 400-100 cm2×4台 1Crab = 240 c/s/4台 /(20-80keV) BGD 3.0×10-4       c/s/keV/cm2 10mCrab 100ks 2.7% in 20-80keV

3σ検出感度 (全面に広がったソース、イメージング無し) η=0.4, M=0.28 Mη0.5=0.18 20-80keV ミラー 400-100 cm2×4台 1Crab = 240 c/s/4台 /(20-80keV) BGD 3.0×10-4       c/s/keV/cm2 10mCrab 100ks 5.3% in 20-80keV

3σ検出感度 (全面に広がったソース、イメージングあり) η=0.2, M=0.55 Mη0.5=0.25 50-80 keV ミラー 400-100 cm2×4台 1Crab = 23 c/s/4台 /(50-80keV) BGD 3.0×10-4       c/s/keV/cm2 10mCrab 100ks 15.9% in 50-80keV

現状からの改善点 プリズム光電面。Green extended。ミラー。 量子効率が1.8倍のPMTが浜ホトで開発中。 シンチレータの反射材。  1.2倍向上 (3M Vikuiti ESR, VM2000)

3σ検出感度 (全面に広がったソース、イメージモード、プリズム光電面PMT) 20-80 keV ミラー 400-100 cm2×4台 1Crab = 240 c/s/4台 /(20-80keV) BGD 3.0×10-4       c/s/keV/cm2 10mCrab 100ks 3.8% in 20-80keV

性能のまとめ η M Mη0.5 E 3σ 点源 0.4 0.55 0.35 20-80 2.7% 広がったソース 点源        0.4 0.55 0.35 20-80 2.7% 広がったソース   散乱型偏光計 0.4 0.28 0.18 20-80 5.3% イメージング 0.2 0.55 0.25 40-80 15.9% (将来) 0.2 0.55 0.25 20-80 3.8%

試作実験 各パーツの現状 PMTの感度 セグメント プラシンチ 短冊形 CdTe素子

PMTの感度 16pad PMTで Single photo electron (単一光電子)を検出 55Feは光電子5個程度 Last dynode Anode 6 1個 1個 Single Photo Electron 1個 5個 55Fe 2個

セグメントプラシンチ プラシンチ   64padPMT   理研小型プリアンプ VMEデジタイザ

短冊形CdTe素子 2mm×25mm×0.5mmt 8素子×4モジュール

25mm CdTe のスペクトル 57Co(122keV)、VA/TAで取得 Sakamoto SPIE 2003 Ch0, 1, 2, 3, 8, 15, 21, 31はVA/TAが不調。

今年度の実験予定 プラシン束+64padPMT を 8素子×4枚 の CdTe で取り囲む。 後期にSp-8で偏光X線 照射試験(申請中)。 64padPMTは、理研小型プリアンプ+アナログMPX+VMEデジタイザで読み出し、 CdTeは2素子をつないで1つのCS515で読み出す。合計16chをMAXIゲインアンプ+VME ADCで。 後期にSp-8で偏光X線 照射試験(申請中)。

今年度の実験 CdTe信号でトリガ PMTのDy信号で 大きいものをトリガ その瞬間の全信号を記録

偏光観測: 国内、諸外国の現状 Hard X Polarimeter 山形大、ISAS、阪大 気球実験 GAPOM 理研 偏光観測: 国内、諸外国の現状 エネルギー範囲[keV] イメージング 30-200 無し 6x6 pl 20-100 5-15 ミラー集光 25-200 3-10 あり ミラー ~1‘ 0.24-0.27 なし Hard X Polarimeter 山形大、ISAS、阪大    気球実験  GAPOM  理研    基礎開発(八角シンチレータ)  Spectrum X-Gamma  欧、露  焦点面 グラファイト、Li散乱型 POGO ガンマ線偏光観測 Stanford、山形   気球実験  AXP   NASA、伊 SMEX 、「あすか」ミラー + ガスマイクロピクセル PLEXAS   MIT、CfA、NASA 多層膜湾曲ミラー、45度反射 Astrophysical X-ray Polarimeter polarimeter for low energy X-ray Astrophysical sources

Hard X-ray polarimeter for Gamma-Ray Burst 気密箱内部 気密箱 気球実験:2003年9月1日 三陸 放球予定

Hard X-ray Polarimeter Using MApmt (HXPUMA) 様々な用途に対応可能 1)ガンマ線バースト用  ユニットを多数並べて  広視野、大面積化を狙う。 2)パルサー等の点源用  コリメーターで視野を狭め、  大面積の検出器を製作。 3)焦点面検出器用  より小型のMAPMTを使い  適度なイメージング能力を  持たせる。 気球搭載用 プロトタイプテスト検出器

Gamma-ray burst polarization monitor (GAPOM) 理研 全体図     1 ユニット(1+6 セル) モデル X線入射方向から見た写真 (鉛のマスクを装着してある)

Hard X-ray 八角シンチレータ偏光計 (理研) Side view 34mm 3mm Bottom view NaI 0 NaI 1 NaI 2 NaI 3 NaI 5 NaI 6 NaI 7 NaI 4 12mm 20mm Top view 30keV 80keV カウント 0 2 4 6 NaI番号 40keV 30000 20000 10000 60keV

Spectrum X-Gamma 200X SXRP Graphite crystal Li Scatterer

PoGo: Polarimeter of Gamma-ray Observer スタンフォード大学(米)、東工大、山形大(日)、スウェーデン、ポーランド 2005~2006:気球実験 http://www.hp.phys.titech.ac.jp/pogo/

Astrophysical X-ray Polarimeter (AXP) Kallman(NASA)、Bellazzini(INFN、イタリア核物理研究所) Optics: ASCA Style Detector: Gas Micro-Pixel Energy Range: 3-10 keV SMEXに提案中。7年後とすると2010年実現

まとめ ハードX線の偏光衛星は計画されていない。 ハードX線ミラーと散乱型偏光計の組み合わせは、世界最高感度の偏光計になりうる。 ぜひNeXTで偏光を。 あなたは スペクトルとイメージだけで 満足できますか?