新学術領域 「原子層科学」 公募班:A2 物性班 ナノ加圧法を用いた巨大格子歪み導入による面内電子伝導制御とデバイス応用 第3 回全体会議(公募班キックオフミーティング) 2014 年8 月6 ,7日@東大本郷キャンパス工学部6・7 号館 新学術領域 「原子層科学」 公募班:A2 物性班 ナノ加圧法を用いた巨大格子歪み導入による面内電子伝導制御とデバイス応用 筑波大学・数理物質科学研究科 電子・物理工学専攻 藤田淳一
藤田研究室でのActivity ・新奇CNTファイバー成長 酸化鉄の浸炭による過飽和炭素固溶層とCNTファイバー成長 ・Gaを触媒としたグラフェン合成と物性 Gaによる触媒反応メカニズム Ga蒸気を用いたGNR(Graphene nano-ribbon)合成 固液界面でのグラフェン合成 ・電解剥離によるグラフェン・GQD合成 低欠陥電解剥離グラフェンの合成 超微細GQDの生成 ・電子線励起反応によるカーボンナノケージの生成と物性 Sumanene分子からのカーボンナノケージの生成 グラフェンQNDからのカーボンナノケージの生成 ・電子・イオンビームとグラフェンの相互作用 欠陥の生成制御と機能性デバイス応用 ・局在場の可視化技術 電子線偏向法を用いた局在電場・磁場の高感度可視化技術 (2次元系での電子分極・スピンの挙動解析とデバイス応用)
Our approach : Vapor-solid phase graphitization using Amyloid fiber AFM image GNR-FET Furness heating Amyloid: egg white lysozyme polymer ・ Width : ~10 nm ・ Length: 5~10 μm Ga vapor assisted graphitization ・Vapor pressure: 10-2~10-3Pa ・Temperature : 900~1050℃ "Synthesis of graphene nanoribbons from amyloid templates by gallium vapor-assisted solid-phase graphitization" K. Murakami, T. Dong, Y.Kajiwara, T.Hiyama, T.Takahashi, E. Takai, G. Ohashi, K. Shiraki, and J. Fujita Appl. Phys. Lett. 04, 243101 (2014).
アミロイドGNRの電気的特性
GNRの微分コンダクタンスの温度依存性とアレニウスプロット (850度合成) EA = 182.9 meV RT 33K
新学術領域での研究提案 研究手法: ダイヤモンドライクカーボン(DLC)を用いたナノインデンターアレーによる グラフェン面内への局所加圧機構を開発し、電子物性計測を行う。 この局所加圧機構を用いて、 (2) グラフェン面内への周期的巨大歪導入によるギャップ生成 (3) 局在スピン分極発現等の電子物性発現機構解明 (4) デバイス応用 さらにhBN やMoS2 積層構造に局所圧縮応力を導入して (5) グラフェン層間の電子伝導計測 (6) 層間距離依存の層間相互作用とその電子状態解明
DLC3次元構造体による局所加圧装置(ナノインデンター) 実験系概略 カプトンフィルム上のDLCピラーアレー STM計測 磁気力顕微鏡(MFM)計測 DLCピラー 加圧アンビル グラフェン ポリマー / Si結晶 引張応力 引張応力 カプトンフィルム シリンドリカルアンビル 図1 グラフェンの局所加圧構造体 図2 たわみ曲率による局所歪みの導入
局所加圧構造によるギャップ/スピン伝導制御型デバイス 図4 フィルム上のナノ加圧構造体のパターン例 (a) 1次元周期的ポテンシャルの形成 (b) 2次元周期的ポテンシャルとドットエッジでの局在スピン形成 グラフェン パーマロイ電極 DLCナノインデンター
ビーム励起反応技術と、 グラフェンデバイスでの課題
FIBによるナノ3次元構造形成 FEI Helios NanoLab 600i 主な仕様 FIB: Gaイオン源、加速電圧500 V~30 kV、プローブ電 流1 pA~65nA、分解能2.5 nm at 30 keV SEM: ショットキー熱電界放出源 加速電圧50 V~30 kV、プローブ電流最大22 nA、分解能 0.9 nm at 15kV GISシステム: Pt、DLCの堆積 マイクロマニピュレーション機能:TEM剥片サンプル のピックアップ EDS:EDS2次元マッピング及び定量分析 SIM像 2 mm 500 nm 17 x 19 ドットアレイ Overlay EDS 分析
ビーム誘起堆積法 荷電ビーム(電子ビームや集束イオンビーム)により発生した2次電子のエネルギーで有機金属ガスなどを分解し、ナノ構造を作製する技術。 堆積材料 Pt, W, DLC , SiOxなど 応用例 マスクの修正 微細試料(CNTなど)への配線 走査プローブ顕微鏡の探針 ナノインプリントのモールド 本研究では電子ビーム誘起堆積によりemitterとgateを作製しました。電子ビーム誘起堆積は、雰囲気ガス中で電子ビームのエネルギーを用いてサンプル表面に吸着されたガス分子を分解・堆積します。 本研究ではこのようなPtの有機金属ガスを用いてフィールドエミッタを作製しました。 ビーム誘起堆積のモデル図
電子ビーム誘起堆積法による三次元ナノ構造試作例 電子ビーム誘起堆積Ptの堆積例 500 nm 17 x 19 ドットアレイ 300秒 200 nm 200 nm 電子ビーム誘起堆積によるPtの堆積例です。これは、アーチ上構造です。ビームの照射時間は11秒、真中はロッドに支えられたリングです。右はドットアレイです。このように、電子ビームの照射パターンを制御することによって3次元ナノ構造を容易に作製することが可能です。 アーチ状構造 ナノリング 18秒 作製時間 11秒 電子ビームの照射パターンを制御することによって三次元ナノ構造を自由に作製することが可能なため、様々なデバイスの試作プロセスに適している。
FIB加工におけるグラフェンの損傷
多層グラフェンのチャネル加工例 加工条件 ライン幅 1×20 μm チャネル幅 0.5, 1,5,10,15 μm 加速電圧 30 kv ドーズ量 5 pC/μm2 0.5mm 1mm 5mm 10mm 15mm 照射部 チャネル部 500 nm 1 mm 5 mm 10 mm 15 mm
Ga+イオンによる移動度劣化 10μm離れても 移動度は1/10に劣化する 100nmの近傍では μは1/10000になる。
共同研究のお願い、と可能性 【お願い】 ・渡邊先生:hBNの提供をお願いいたします。 =>層間相互作用計測には必須の材料となります。 【可能性】 ・MoTe等カルコゲナイド系材料への局所加圧/伝導研究 ・ナノ3次元構造・デバイス構造の作成を得意としています。 このようなデバイス構造の提供・共同研究をお願いします。 ・実験データに対する実験的・理論的議論をお願いします。 ・筑波大ナノプラットをご利用ください。 共同研究の名目を併用して格安に提供可能です。
http://www.u-tsukuba-nanotech.jp/device/index.html