循環式に関して より微粒化が求められる昨今、ビーズミルを複数回通過させる粉砕、分散処理が多くなっている。 より微粒化が求められる昨今、ビーズミルを複数回通過させる粉砕、分散処理が多くなっている。 複数回通過させる手法は、主に次の3方法である。
1.多重パス方式 2.多連方式 3.循環方式 仕込タンク ミ ル 受けタンク 製品タンク 仕込タンク ミ ル ミ ル ミ ル 製品タンク ミ ル 受けタンク 製品タンク 仕込タンク ミ ル ミ ル ミ ル 製品タンク 仕込タンク ミ ル 製品タンク SCミルの特徴が更に発揮されるようになったのが、循環システムの採用です。 次に循環システムの有効性を説明します。 最近の微粒化傾向により、媒体を小さくしたミルでも複数パスさせなくては目標の粒径にならなくなっています。 流量を極端に落とし滞留時間を確保しようとしても、極端な流量低下はスラリ温度上昇や滞留時間分布が大きくなることでの不均一性を生じます。 そこでここに示すようなプロセスが考え出されました。 多重パス方式は、パス終了後の処理物を供給側に戻し目標粒径に到達するまで繰り返す方法ですが、1パスごとのタンクの切り替えは作業が大変であり、自動制御する場合でもかなり複雑でイニシャルコストが高くなります。 多連方式は、ミルを必要な台数並べ1パスする方法であるが、複数台必要なため、特にイニシャルコストが高いことと保守性が問題になります。 循環方式は、ミルとホールディングタンクを閉回路とし、スラリを何回もミルに通す方法で、処理量と時間だけを管理すればよく、手間やコストの面で非常に有利になります。 ただし、循環回数が少ないうちは、ミルを通ったスラリと通っていないスラリが混ざり合うために、粒度分布がブロードとなります。これを回避するには循環回数を多くすることです。 そのことで均一性が保たれ、場合によっては多重パス方式よりも均一性の高い製品が得られる可能性もあります。要は循環流量を多くすることが非常に重要な要素となるのです。
多重パス方式は手間がかかり自動運転も難しい。 ホールディングタンクの液面が変わるので、壁面の付着物が、次パス品に混入することもある。 多連方式は、ミル台数が増えて、イニシャル、ランニングコスト、保守でデメリットが大きい。 循環システムは、仕込量と時間だけ管理すれば良く、無人運転も可能である。
しかし! 循環回数が少ない場合は、ミルを通ったものと、通っていないものとが混ざり合うために、一度もミルを通らない粒子が残る可能性を高くする。 それを防ぐには、循環流量を増やし、循環回数を多くすることが重要です。
ミルを一度も通らない 循環流量が少なく 粒子が残る=不均一 入れ替わり回数が1回 循環流量が少なく 入れ替わり回数が1回 ミルを一度も通らない 粒子が残る=不均一 注:シミュレーションではありません。イメージをつかみ易くするためのアニメーションです
循環流量を3倍に増やして 入れ替わり回数が3回 ミルを一度も通らない 粒子は減少する=均一 更に流量を増やせば・・・均一性が増してゆく →循環方式は大流量の循環が必須!
大流量循環方式のメリット 流量を増やして、ホールディングタンク内の均一性を上げることは、循環式の欠点を補う方法でしたが、次に説明するミル内滞留時間分布の話は、大流量であれば、パス方式よりも、粒度分布をシャープになる可能性も示しています。
循環流量→小 粒は被粉砕物です ミルの中は、激しい攪拌状態にあります。 その攪拌によって、速くミルからでていく粒子と いつまでもミル内に留まる粒子ができてきます。 =滞留時間分布 流量を比較的遅くするパス運転は、滞留時間分布がブロードとなり、 粒度分布をブロードにすることがあります。 注:シミュレーションではありません。イメージをつかむためのアニメーションです
循環流量→大 流量が多いと割合として、攪拌の影響を受けにくくなり ピストンフローに近づきます。 流量を多くして、何回もミルを通した方が、製品均一性が高くなると言えます。
通過抵抗が小さい方が流量を増やせる! →通過抵抗はどちらが小さい? SCミルは ①粉砕ロータにはポンプ作用があり、回転数を上げるほど通過抵抗が下がる=ミル内圧が上がり難い ②外周すべてがセパレータで、開口面積が 大きく、大量のスラリーが排出できる ③L/Dが小さくビーズ層の通過抵抗が 小さい →大流量が流せる 一般的な横型ミルは ①ロータのポンプ作用は逆に作用する ので、回転数を上げるほど、通過抵抗 が増す ②セパレータは内側で、開口面積を増 やしにくい ③L/Dが大きく通過抵抗が大きい →大流量が流し難い