ごあいさつ 名古屋市立大学リハビリテーション部 和田郁雄 この度、第47回日本小児股関節研究会を平成20年6月27日(金)、28日(土)の2日間にわたってお世話させて頂くこととなりました。是非とも演題のご応募、ご参加をお願い致します。 研究会前日の6月27日(金曜日)は日常診療で遭遇する様々な難症例あるいは稀症例の提示と討議を行う、「症例検討会」を開催致します。診断・治療に難渋している症例などをお持ちの先生は是非ともご呈示下さい。同日夕には「イブニングセミナー」として、長年先天股脱の予防活動に携わって来られた山田順亮先生にご講演をお願い致しております。 研究会当日の6月28日(土曜日)には「一般演題」および3種の「主題」を設けました。今回は「主題1」として「麻痺性股関節障害」をとりあげました。二分脊椎症や脳性麻痺、あるいは神経筋疾患などに伴う股関節の亜脱臼や脱臼は関節の疼痛や変形、脊柱変形をもたらすばかりか、移動機能にも深刻な影響を及ぼします。その治療や予防には先天性股関節脱臼とは異なった意味での難しさがあるように感じております。本障害の病態、治療戦略や成績などについて深く討論できることを期待しております。「主題2」は「Rb治療」です。本主題は私の師匠であります故池田威先生が平成6年に会長として開催された第33回小児股関節研究会でも主題としてとりあげられました。また、全国規模での多施設研究結果も示されました。その後10数年経過し、従前と比較して中長期成績はどう変化したのかあるいは変わらないのか。また、近年の整復率やペルテス様変化の発生率は10数年前に比べて改善したのか否かなど、先天股脱治療の基本たるリーメンビューゲル治療の変遷について知りたいものです。「主題3」では「小児股関節疾患に対する新しい治療法」をとりあげます。成人を対象とした人工関節や脊椎外科分野での新しいHardwareや手術手技などの開発には目を見張るものがあります。一方、近年の小児股関節領域では如何なる新しい治療法が開発・実用化されているのか、従来の方法に比べてどんな利点があるのかなどについて提示・討議して頂き、今後の治療戦略に資するものが得られることを期待しております。そのほか一般演題も奮ってご応募下さい。 教育研修講演としては「ランチョンセミナー」と「特別講演」を開催致します。「ランチョンセミナー」では、近年の小児股関節疾患の診断上必須の検査とも言える「超音波診断法」の基礎と応用について、この分野の先駆けであります瀬本喜啓先生にわかりやすく解説して頂く予定です。また、「特別講演」は「脳性麻痺股関節障害に対する治療戦略」と題して松尾隆先生にご講演をお願いしております。 会場は名古屋市の今池にあります、「今池ガスビルホール」です。この会場は過去に第29回研究会(山田順亮会長)、第33回研究会(故池田威会長)でも使用されており、皆様おなじみの会場です。 研究会ではベテランの小児整形外科専門医や新進気鋭の医師が一同に会して活発な討論を展開して頂けるものと確信致しております。経験豊富な先生はもとより、若い先生方にもご参加頂きたいと存じます。特に、将来の小児整形外科領域を担って頂く研修医の方々には、研究会に参加しやすいよう参加費は1,000円と安くいたします。是非とも若い方々もお誘い頂きたいと存じます。