準垂直衝撃波における 電子加速の観測的研究 準垂直衝撃波における 電子加速の観測的研究 岡 光夫1、寺沢敏夫2、 GEOTAILチーム 京大花山天文台 東大・地惑
衝撃波における電子加速 ISEE観測 電子加速が期待される衝撃波: ・地球バウショック ・惑星間空間衝撃波 ・太陽フレアに伴う衝撃波 ・太陽圏終端衝撃波 ・超新星残骸における衝撃波 など ISEE観測 Gosling et al., 1989
本研究の目的 いつ、どこで、どのように、電子が加速 されるのか? 観測的研究: 熱的成分の振る舞いで 「精一杯」だった いつ、どこで、どのように、電子が加速 されるのか? 観測的研究: 熱的成分の振る舞いで 「精一杯」だった 数値計算研究:リソースの制限が今もある そこでGeotailの高感度粒子計測器LEPを用いることで電子加速の実態と本質を 明らかにする
統計解析 78 ‘clean’ quasi-perp shock crossings From Jan 1995 – July 1997
ホイッスラー臨界マッハ数 V1 Vphase Kennel, 1985; Krasnoselskikh et al., 2002
磁場擾乱の強度 ホイッスラー周波数帯 をバンドパスフィルター
エネルギースペクトル f(E)∝E-Gexp(-E/E0) LEP12sec 遷移層でもっとも フラックスが高い ところでスペクトルを取る 遷移層でもっとも フラックスが高い ところでスペクトルを取る 非熱的成分のみをフィッティング
ベキ指数Γ
考察 超臨界の場合と亜臨界の場合で加速機構が違うかもしれない 亜臨界の場合:衝撃波統計加速? 超臨界の場合:より効率のよい機構? → イベント解析
亜臨界の例 1995年2月11日 4つのチェックポイント 上流に粒子はあるか それらは散乱されているか 散乱可能な波はあるか ベキ型のスペクトルか
Point 1 Upstream Particles ? February 11, 1995 MA~6.8, Bn~68°
Pitch Angle Scattering ? Point 2 Pitch Angle Scattering ? Sunward (away from the shock front ) Anti-Sunward (toward the shock front)
Whistler waves capable of Scattering ? Point 3 Whistler waves capable of Scattering ? Nearly Parallel Propagation (qkB~20-40dgr) Propagating away from the shock front Resonance condition satisfied
Power-law Energy Spectrum Point 4 Power-law Energy Spectrum f (E) ∝ E - obs=4.3±0.1 much softer than what was predicted by DSA N1=21/cc, N2=52/cc compression ratio r = 2.51 standard = 2.5 But it was shown to be explained by the DSA with free-escape boundary condition. モデルとの不一致については後述
超臨界の例 1996年7月1日 MA~14, qBn~86 dgr 加速機構の候補 ドリフト加速 リップル加速 1次の統計加速 2次の統計加速 サーフィン加速
超臨界の例 1996年7月1日 MA~14, qBn~86 dgr 加速機構の候補 ドリフト加速 リップル加速 1次の統計加速 2次の統計加速 サーフィン加速
まとめ ホイッスラー臨界マッハ数の存在を 観測的に確認した。 それによって電子のふるまいが大きく 変わることが分かった。 ホイッスラー臨界マッハ数の存在を 観測的に確認した。 それによって電子のふるまいが大きく 変わることが分かった。 亜臨界のイベントの1つはDSAで説明 できた。 超臨界のイベントの1つはサーフィン加速ならば矛盾がない。
補足
観測されたベキ指数について f (E) ∝ E - obs=4.3±0.1 N1=21/cc, N2=52/cc compression ratio r = 2.51 standard = 2.5 Not consistent To each other
標準モデル 無限の領域で擾乱を積分 粒子は必ずどこかで散乱される 散乱過程をより現実的になるよう、 再評価するべき SHOCK - ∞ 散乱過程をより現実的になるよう、 再評価するべき SHOCK - ∞ + ∞
散乱強度の再評価 → 拡散係数 粒子データ 磁場データ 粒子データによる評価 (一様な拡散係数を仮定) 磁場データによる評価 散乱強度の再評価 → 拡散係数 粒子データ 磁場データ 粒子データによる評価 (一様な拡散係数を仮定) 磁場データによる評価 (非一様な拡散係数を仮定)
拡散係数の測定 粒子データ 磁場データ Rough estimate: ~ 100-1000
FEB モデル (free escape boudary) 有限の領域で擾乱を積分 「加速領域」の外側では散乱されない SHOCK x=L1 x=L2
FEB モデル, 1 G FEB,1 を観測された パラメータとフリーパラメータL1により算出 パラメータ (Bn, の観測的不定性が 大きいが、 観測されたL1ではFEB,1 が小さくなって しまう。 G Estimated Vshock=250km/s Duration > 60 sec observed L1 L1
FEB モデル, 2 FEB,2 is をショック面での異方性から算出 観測された異方性では FEB,2 はやはり小さく なってしまう。
非一様な拡散係数を用いた FEBモデル(NUD) 指数関数的なプロファイルを持つ拡散係数を導入する ショック面から遠ざかるほど拡散は弱くなる SHOCK - ∞ + ∞
非一様な拡散係数を用いた FEBモデル(NUD) 観測された には大きな不定性があるので決定的ではないがx 少なくともDSAの範疇において矛盾なし
まとめ 11 February 1995の電子加速イベントは、 観測データの不定性が大きいものの、 空間的に非一様な拡散係数を用いれば、 DSAによる説明に矛盾がないことが分かった。