目的 イオントラップの特徴 イオントラップの改善と改良 イオンビームの蓄積とトラップ性能の評価 1.50 静電型 同エネルギーであれば同じ動作 条件で蓄積 小型 全長500 mm
イオントラップの概要 イオンの入射方向 Field free 250 mm 1. 出口側電極をONにする - イオンは入口側に跳ね返る V V V M M イオンの入射方向 Field free 250 mm 入口 出口 1.50 L L L=500mm 1. 出口側電極をONにする - イオンは入口側に跳ね返る 2. 次に、入り口側電極をONにする - イオンはトラップ内を往復運動する 3. 出口側電極をOFFにする - 蓄積されたイオンが取り出される
製作したイオントラップ(電極) Field free領域 500mm 24
改善点1 トラップ電極の軸あわせ 電極がずれるとトラップの効率 がわるくなる 20
電圧印加 MCP 電極の中心軸を合わせて配置 1枚のみ軸から0.5 mmずらすと 電極の中心軸をずらして配置 1.10
改善点2 電圧の立ち上げ時間 ☆電圧の立ち上がり時間は1 μsec以下☆ イオンの入射方向 1.2keV-Ar+イオンの周回時間:12 V 改善点2 電圧の立ち上げ時間 V V V M M イオンの入射方向 入口 出口 L L 1.2keV-Ar+イオンの周回時間:12 ☆電圧の立ち上がり時間は1 μsec以下☆
補助電極のスイッチング M V 入口 出口 1
M V 入口 出口 1
M V 入口 出口 10
補助電極を直接スイッチ Voltage(V) 100 Time 0sec 1msec Voltage(V) 100 Time 0sec 25 Voltage(V) 100 Time 0sec 1μsec
実験 トラップ内を周回運動するイオンの確認 蓄積イオンの寿命測定 トラップ内を周回運動するイオンの確認 蓄積イオンの寿命測定 1.2 keVイオンを蓄積し、蓄積中に残留ガスとの荷電変換衝突により逃れてきた中性粒子数の時間変化を測定 中性粒子 入口 出口 1.30
実験1 トラップ内を周回運動するイオン確認 ☆ 周回時間に比べて短い長さのイオン集団(バンチビーム)を生成し、トラップに蓄積 出口 入口
実験装置図 デフレクターでバンチを生成 500 mm 生成されたバンチビーム 40 バンチをトラップに蓄積
バンチビームの形状 5.3 バンチ形状 1.2 keV-Ar+ 40 4.2 μsec
実験結果-トラップ内の周回運動するビーム 5.3 バンチをトラップ 逃れてきた中性粒子数をカウント 1.2keV-Kr+イオン 真空度:1.0×10-7 Torr 反射電極:1870V レンズ電圧:1140V μsec 1.2keV-Ar+イオン 真空度:1.0×10-7 Torr 反射電極:1870V レンズ電圧:1140V 1.10 2μsec / ch
周回時間 35 1.2keV-Ar+: 12.08±0.13 μsec 1.2keV-Kr+: 17.36±0.23 μsec
実験2 蓄積イオンの寿命測定 蓄積されているイオン数の減少は・・・ 実験2 蓄積イオンの寿命測定 蓄積されているイオン数の減少は・・・ 35 蓄積イオン数が1/eになる時間(τ)を蓄積されているイオンの寿命としてトラップ性能を評価
実験結果-イオン種 反射電極:1870 V レンズ電圧:1130 V 真空度:2.6×10-7 Torr τ= 2.55±0.08 msec τ= 6.41±0.10 τ= 8.59±0.39 60 反射電極:1870 V レンズ電圧:1130 V 真空度:2.6×10-7 Torr
実験結果-イオン種 質量のルートに比例 Kr+ Ar+ He+
実験結果-真空 反射電極:1870 V レンズ電圧:1130 V イオン種:1.2keV-Ar+ msec 1.0×10-6 Torr τ= 1.71±0.21 msec 2.6×10-7 Torr τ= 6.41±0.10 2.6×10-8 Torr τ= 62.3±1.1 1.1×10-8 Torr τ= 151±11 反射電極:1870 V レンズ電圧:1130 V イオン種:1.2keV-Ar+
実験結果-真空 トラップ内真空度の逆数に比例 1.1×10-8 Torr 2.7×10-8 Torr 2.7×10-7 Torr 30 2.7×10-7 Torr 1.0×10-6 Torr
まとめ イオントラップの改良を重ねた結果・・・ トラップ内を運動するイオンが確認できた 周回時間がシミュレーションと一致 トラップ内を運動するイオンが確認できた 周回時間がシミュレーションと一致 トラップ内のイオンの寿命が測定できた 寿命は真空依存・質量依存とも見積もられる性質を示した
今後の展望 蓄積イオンの寿命を測定でき、真空依存が確認できたことからさらに真空をよくすれば、 寿命も真空の逆数に比例して延びると期待される。 さらに寿命が延びれば・・・ 1. 2原子分子イオンの振動状態、回転状態の冷却 HeH+、HD+等 質量によらずイオンを蓄積できる利点を生かし・・・ 2. 多原子分子イオンの振動状態、回転状態の冷却 HD2+、クラスターイオン、高分 子イオン等 Field free regionでのイオンのエネルギー、運動の方向性は非常によく揃っている のでトラップからこの領域で実験を行うことが可能 A.振動基底状態の解離反応の反応確率の測定 B.振動基底状態に冷却し、その後一定の振動状態に励起させた分子イオンの反応確率を 測定
京都府立大学応用物理学研究室 研究内容のページに戻る