D中間子崩壊過程を用いた 軽いスカラー中間子の組成の研究

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D中間子崩壊過程を用いた 軽いスカラー中間子の組成の研究 名古屋大学 H研 D1星野紘憲 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

流れ 1.トーク 2.質問 3.飲む! 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

目次 1.準備 ・・・ハドロン? 場の量子論? 2.イントロダクション ・・・エキゾチックハドロン? 3.研究について   ・・・ハドロン? 場の量子論? 2.イントロダクション   ・・・エキゾチックハドロン? 3.研究について   ・・・軽い中間子の混合? (極限) 4.まとめと課題 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

1.準備 1-1.ハドロンって何? 1-2.場の量子論? 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

1-1.ハドロンって何? ハドロン ・・・ 色荷をもつクォーク の“白い束縛状態” q q q q q ※観測される粒子は、みな“白い”!!(クォークの閉じ込め) 中間子(π中間子、σ中間子、f0中間子・・・) バリオン(陽子、中性子、・・・) q q q q 反クォークをqバーと言う事にします q 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

1-2.場の量子論? L 場の量子論 :粒子・反粒子の生成消滅演算子による記述 反粒子が存在する → 粒子と反粒子が対消滅、対生成 ラグランジアン(密度) ハイゼンベルグ方程式 (&運動方程式) 対称性 現象において保存される量子数 Qバーは反粒子。 粒子数は一定じゃなくなる。 量子力学を第二量子化した場の理論を用いる。 要は、粒子と反粒子の生成消滅演算子で書いた記述法を用いる、ということ。 ex.)時間発展不変性  ex.)エネルギー 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

2.イントロダクション 2-1.エキゾチックハドロン? 2-2.発見されたエキゾチック(候補)! 2-3.軽いスカラー中間子! 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

2-1.エキゾチックハドロン? エキゾチックハドロンは原理的に存在しうる! q q q q q q q q q “ふつう”のハドロン       以外にも q “白”になる組み合わせはたくさん! エキゾチックハドロンは原理的に存在しうる! エキゾチック中間子 エキゾチックバリオン q q q q q q q q q 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

2-2.発見されたエキゾチック(候補) ! Θ+(1530) 2003年 SPring-8(LEPS) Z(4430) 2007年 Belle X(3872) 2003年 Belle その他に見つかっている粒子: Y(4260)、X(3940)、Y(3940)… 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

2-3.軽いスカラー中間子! qq,qqqqから構成 スピン J=0, パリティ固有値 P=+1 軽いクォーク(u,d,s)のみを含む 質量(MeV) 軽いスカラー中間子たち スピン J=0, パリティ固有値 P=+1 軽いクォーク(u,d,s)のみを含む “中間子=qq”だとすると 質量がうまく説明できない・・・ J =0 P   + 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

2-3.軽いスカラー中間子! “中間子=qqとqqqqの混合状態” だとすると質量がうまく説明できる! 混合状態! 質量(MeV) 軽いスカラー中間子たち “中間子=qqとqqqqの混合状態”  だとすると質量がうまく説明できる! P.R.D 72, 34001 (2005) Amir H. Fariborz et,al 混合状態! J =0 P   + 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

3.軽い中間子の混合 3-1. U(1)A対称性(q+qの個数のようなものの保存) 3-2.有効ラグランジアン(線形シグマ模型) 3-3.D1中間子の崩壊率の変化 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

3-1. U(1)A対称性 (q+qの個数のようなものの保存) q+qの個数とは?  (U(1)Aチャージ) +2 -4 q qq q+qの個数のようなものが保存する過程 ←→ U(1)A対称性 のようなもの、というのは「符号」がついているという意味。 実は、クォークには右巻きスピンと左巻きスピンがあるので、その組み合わせの関係で、この符号が出てきます。 これをU(1)Aチャージと呼ぶわけです。 +1 ? +2 軽いスカラーメソン +2 軽いスカラーメソン -1 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

3-2.有効ラグランジアン (線形シグマ模型) U(1)A対称性(&カイラル対称性&重いクォーク対称性) ↓ 有効ラグラジアンを構成 しました!: :2クォーク中間子場 スカラー場 軸性ベクター場 :4クォーク中間子場 ベクター場 擬スカラー場 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

3-3.D1中間子の崩壊率の変化: qqスカラーがσ (560)の場合 π D1 D qq ππの不変質量 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

3-4.D1中間子の崩壊率の変化: qqスカラーがf0(1370)の場合 π D1 D qq ππの不変質量 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

3-3.D1中間子の崩壊率の変化 qqスカラーがσ(560)の場合と、f0(1370)の場合の比較: ππの不変質量 2019/2/24 2クォークスカラーが       の場合 2クォークスカラーが      の場合 ππの不変質量 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

4.まとめと課題 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

4.まとめと課題 まとめ: 対称性(SU(3)R× SU(3)Lカイラル対称性、U(1)A対称性、ヘビークォーク対称性)から有効ラグランジアンを構成した  ・・・重い中間子(D)と軽い中間子の相互作用パートの構成 D1中間子の強い相互作用による崩壊を調べた  ・・・軽いスカラー中間子の組成の違い(qq、qqqq)は、    実験から分かりにくい?(絶対値の決定が必要) 今後の課題: ・崩壊率の絶対値の決定(エラーを含めた解析) ・混合の変化による物理量(崩壊率など)の変化を調べる ・有効ラグラジアンによる弱い相互作用の解析 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

おしまい! 続きはWebで! 続きは飲みで! 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

A-1.軽いスカラー中間子の謎(1)! 中間子=qqとすると ↓ 一番軽いスカラーは どういう構造?? 答え(?): 軌道角運動量=1   ↓ J =0 ,1 ,2 P   + + +    ↓ 一番軽いスカラーは どういう構造?? 答え(?): MIT Bag Modelで qqqqを600~1000MeV に配置させることが可能 R. Jaffe, Phys. Rev. D 15 (1977) 267 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

A-2.軽いスカラー中間子の謎(2)! 中間子=qqとすると 答え(?): 中間子=qqqqならば sの個数を数えると 質量(MeV) 軽いスカラー中間子たち sの個数を数えると    m(a0) < m(f0) → ?? 答え(?): 中間子=qqqqならば  m(a0) = m(f0) → 良さそう 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

uuやddからできる中間子を並べると・・・ B-1.軽いスカラー中間子の謎! スピン0,パリティ固有値=+1 軽いクォーク(u,d,s)のみを含む 軽いスカラー中間子の質量はqq描像と合わない! uuやddからできる中間子を並べると・・・ もしも“中間子=qq”として・・・ ほぼ同じ(OK) ほぼ同じ(OK) 質量 (MeV) 離れてる! ほぼ同じ(OK) スカラー以外 スカラー中間子 2019/2/24 3者夏の学校@木島平

B-2.軽いスカラー中間子の謎! qqqqを仲間に入れると解決します!! ほぼ同じ(OK)! ほぼ同じ(OK) ほぼ同じ(OK) 質量 J P (I): qqqqを仲間に入れると解決します!! ほぼ同じ(OK) ほぼ同じ(OK) 質量 (MeV) ほぼ同じ(OK)! ほぼ同じ(OK) スカラー以外 スカラー中間子 2019/2/24 3者夏の学校@木島平