超格子原子層材料の展開 2014.8.7 東北大WPI 藤田 武志 Tokyo Univ..

Slides:



Advertisements
Similar presentations
2005/5/25,6/1 メゾスコピック系の物理 (物理総合) 大槻東巳 (協力 : 吉田順司, 2003 年 3 月上智大学理学博士 )  目次 1 )メゾスコピック系とは 2 )舞台となる 2 次元電子系 3 )バリスティック系の物理 コンダクタンスの量子化 クーロン・ブロッケード 4 )拡散系の物理.
Advertisements

構造制御および電子状態制御に基づく新物質の開発 小さい HOMO-LUMO ギャップ 分子が自己集積すると同時にキャリアーが発生 強い三次元性 高い相転移温度 多フロンティアー  -d 系 M(tmdt) 2 M= Ni, Au, Cu, Pd, Pt pd  (-) asym-L  (d) sym-L.
π電子自由自在 -C≡C- ポリジアセチレン ナノワイヤー FET素子 結晶工学 ナノ複合体 結晶内反応 イナミン化合物 環状化合物
微粒子合成化学・講義 村松淳司
元素の周期表 教科書 p 元素を 原子番号 順に並べる 性質の良く似た元素がある周期で現れる 元素の周期律 周期表
効率を改善 人工系に接続 CO2還元 ATP生成 低効率 高効率.
第2回応用物理学科セミナー 日時: 6月 2日(月) 16:00 – 17:00 場所:葛飾キャンパス研究棟8F第2セミナー室
単一分子接合の電子輸送特性の実験的検証 東京工業大学 理工学研究科  化学専攻 木口学.
W e l c o m ! いい天気♪ W e l c o m ! 腹減った・・・ 暑い~ 夏だね Hey~!! 暇だ。 急げ~!!
基盤科学への招待 クラスターの不思議 2005年6月3日  横浜市立大学 国際総合科学部  基盤科学コース 野々瀬真司.
代替エネルギー源について 作成者:Welasha、Morgan、Jennifer
有機りん系化合物とカーボンナノチューブとの特異的相互作用に関する研究(課題番号:S-13-NR-0025)
近接連星 V4046 Sgr のホットスポットモデル ガスはどこから降着するのか 花輪 知幸 (千葉大学)
p型半導体酸化物 遷移金属〔3d金属〕の電荷移動 2p酸素中への強い電子間相互作用 金属欠損あるいは過剰酸素によるholeの導入 n EF
電池の化学 電池とは化学反応によってエネルギーを 直接に(直流)電力に変換する装置 どんな化学反応か? 酸化還元反応 電流が 流れる 電流が
Ag(111)超薄膜上のSilicene エピタキシャル成長過程(実験)Ⅱ
F)無節操的飛躍と基礎科学(20世紀~) 1.原子の成り立ち:レントゲン、ベックレル、キューリ(1911) 、ラザォード、モーズリー、ユーリー(重水素、 1934)、キューリ(1935)、チャドウィック(中性子1935)、ハーン、シーボーグ 2.量子力学 :プランク(1918), アインシュタイン(1921)、ボーア(1922)、ドブローイ(1929)、ハイゼンベルグ(1932)、ゾンマーフェルト、シュレーディンガー(1933)、ディラック(1933)、ハイトラー、ロンドン、パウリ(1945)、ボルン(1
4.イオン結合と共有結合 セラミックスの結合様式 [定義] (1)イオン結合・・・
前回の内容 結晶工学特論 第5回目 Braggの式とLaue関数 実格子と逆格子 回折(結晶による波の散乱) Ewald球
1.SiCステップ基板上エピタキシャルグラフェンの成長機構 Appl. Phys. Lett (2016).
セラミックス 第4回目 5月 7日(水)  担当教員:永山 勝久.
基礎無機化学 期末試験の説明と重要点リスト
●電極での化学変化 電子が移動するから 電子が移動するから 電流が流れる! 電流が流れる! 水素原子が 2個結びつく
Thanks to Klaus Lips, Prof. Thomas Moore
担当: 松田 祐司 教授, 寺嶋 孝仁 教授, 笠原 裕一 准教授, 笠原 成 助教
膜タンパク質の 立体構造予測.
結晶工学特論 第2回目 前回の内容 半導体デバイス LED, LD, HEMT 半導体デバイスと化合物半導体 種類の豊富さ、直接遷移型、
環境触媒:最近の開発動向とリサイクル技術
その場原子レベル顕微同定によるマルチスケール物性制御
新学術領域 「原子層科学」 公募班:A2 物性班 ナノ加圧法を用いた巨大格子歪み導入による面内電子伝導制御とデバイス応用
図 純粋な乾燥N2と5 ppm NO2/乾燥N2を繰り返し供給した際のドレイン電流応答
量子凝縮物性 課題研究 Q3 量子力学的多体効果により実現される新しい凝縮状態 非従来型超伝導、量子スピン液体、etc.
水素社会の実現に向けたロードマップ フェーズ1 水素利用の飛躍的拡大
研究課題名 研究背景・目的 有機エレクトロニクス材料物質の基礎電子物性の理解 2. 理論 3. 計算方法、プログラムの現状
第1回講義 化学I 電子科学研究所 玉置信之.
日本物理学会 2014年秋季大会   中部大学 2014年9月9日 9aAS-1 10 min
原子層の電子物性、量子輸送および光物性の理論
実習課題B 金属欠乏星の視線速度・組成の推定
物理システム工学科3年次 「物性工学概論」 第1回講義 火曜1限67番教室
2次元系における超伝導と電荷密度波の共存 Ⅰ.Introduction Ⅱ.モデルと計算方法 Ⅲ.結果 Ⅳ.まとめと今後の課題 栗原研究室
室温・大気中グラフェンナノリボン合成と トランジスタ応用
自己集積的手法による 原子膜複合体の形成と評価 法政大学 生命科学部 マイクロ・ナノテクノロジー研究センター 高井 和之
電気分解の原理.
課題研究Q2            2017年度用 「光物性」の研究紹介  京都大学大学院理学研究科  物理学第一教室 光物性研究室 1.
第8回東邦大学複合物性研究センターシンポジウム 「機能性材料の最前線」
GW space-timeコードの大規模な有機-金属界面への適用に向けた高効率化
課題演習B2 - 半導体の光応答 - 物一 光物性研究室 中 暢子 准教授 有川 敬 助教 TA 1名(予定)
Professor Yoshiji HORIKOSHI (堀越 佳治)
第一原理計算でひも解く合金が示す長周期積層欠陥構造の形成メカニズム
環境表面科学講義 村松淳司 村松淳司.
原子膜積層化により形成した超伝導システム の物性探索
B4 「高温超伝導」 興味深い「協力的」現象 舞台としての物質の重要性 固体中の現象: 電子や原子が互いに影響を 及ぼしあうことで生じる
ディラック電子系分子性導体への静電キャリア注入を目的とした電界効果トランジスタの作製および物性評価
第8回原子層科学全体会議 2017年1月24-25日 東大生産技術研究所
ナノサイズの孔の作り方・使い方 岡山理科大学 理学部 化学科 高原 周一.
近代化学の始まり ダルトンの原子論 ゲイリュサックの気体反応の法則 アボガドロの分子論 原子の実在証明.
13族-遷移金属間化合物の熱電材料としての応用
アルカリ金属をインターカレートしたh-BNの構造と物性
Bi置換したCaMnO3の結晶構造と熱電特性
3.ワイドギャップ半導体の オーム性電極材料開発
超格子としてのグラフェンナノメッシュ 兵庫県立大学大学院物質理学研究科                   島 信幸.
B-Ti-Ru準結晶の発見 ・ 従来の準結晶と異なり、非金属元素であるボロンを含む ・ 従来の準結晶と比較して、
外部共振器型半導体レーザー装置の製作 物理工学専攻 小菅 洋介 (M1) 〔指導教員: 熊倉 光孝〕
水素供給体制の構築見通しを踏まえた計画的な開発・実証
固体中の多体電子系に現れる量子凝縮現象と対称性 「複数の対称性の破れを伴う超伝導」
Au蒸着による酸化物熱電変換素子の内部抵抗低減化効果
第29回応用物理学科セミナー 日時: 11月10日(木) 16:10 – 17:10 場所:葛飾キャンパス研究棟8F第2セミナー室
第10回応用化学科グローバルセミナー 主催 大阪工業大学 工学部 応用化学科 協賛 大阪工業大学 界面化学研究会, OIT-P
絶縁体を電気が流れる磁石に ―情報記憶容量の大幅向上に新たな道― 北海道大学 電子科学研究所 教授 太田裕道 POINT
1.MoS2/WS2面内ヘテロ構造の界面電子状態に関する研究 Sci. Rep (2016)
Presentation transcript:

超格子原子層材料の展開 2014.8.7 東北大WPI 藤田 武志 Tokyo Univ.

自己紹介 電子顕微鏡を活用した構造・機能性物質の研究(金属組織学が起源) 元素戦略(JST) 相界面科学(JST) ・新物質の創出 ・新しい材料科学の確立 ・希少金属の代替 ・革新的蓄電池の開発 ・相界面現象の基礎学理 ・エネルギー利用の飛躍的な高効率化 貴金属フリー 排気ガス触媒 革新的電池電極 Li-O2電池の創出 スーパーキャパシタ リチウム2次電池 ナノポーラス金属 セラミックス(B4C) 鉄系超伝導体 ナノシート TiAl合金 STO FeTe FeSe

Beyond Graphene:2次元半導体(MoS2など) 間接遷移型 ↓ 直接遷移半導体 (グラフェンにはない特性) 新規物性の発現 新規物性の制御 単層化 (スコッチテープ) 潤滑剤

2次元半導体(MoS2など)の動向 Where We are? Grapheneは2013年で1万越え Graphene Dichalcogenide Silicene 関連論文数 Topic=Graphene, Dichalcogenide, Siliceneで検索 年代 Dichalcogenideの研究は火が付いた(Graphene比2005年に相当)

Next Grapheneの競争 ■現在、「ネクスト・グラフェン」へ覇権争いの渦中。 ■でも準備は数年前から。 引用237回 Nano Lett., 11, 5111(2011)  2011年10月 発表 引用237回 2011/12/5-2011/12/9 Rutgers大学 M. Chhowalla Graphene Oxideで有名 山口久登 (現:ロスアラモス研究所) 江田 剛輝 (現:NUS) Dichalcogenideの研究スピードも予想以上に速い!!グラフェンのようになる。(思惑通り)

1T STEMによる構造評価 1T/2H構造 2H 半導体相(バンドギャップあり) 金属相(バンドギャップなし) 江田氏との共著 ACS Nano, 6 (2012) 7311-7317.

STEMによる構造評価 1T/2H構造 2H 1T S Mo

MoS2触媒の構造起源 Science 317, 100102 (2007). エッジが活性点(これまで)→面内でも活性点を作れる(今回)

WS2ナノシートの作製 WS2+Li → LixWS2(2H->1T) LixWS2 + H2O → LiOH + WS2 2.電子顕微鏡による構造評価 3.水素発生反応(HER)触媒評価 500nm WS2+Li → LixWS2(2H->1T) 単層まで剥離できる LixWS2 + H2O → LiOH + WS2

WS2単層中の迷路状超格子構造(1T’)

水素発生反応(HER)触媒特性 Overpotential: 80-100mV Tafelプロットの傾きもPtと同程度 長時間使用の耐久性あり Nature Materials 12 (2013) 850

自由エネルギーダイアグラム:歪みの影響 超格子に起因した面内の歪みで活性になる。 Nature Materials 12 (2013) 850

Authorityは気にしません。自由使用。 まとめ 超格子構造に起因した局所ひずみにより面内に活性点が現れる。 Pt代替の触媒などへ展開できる 本領域でやりたいこと  〇グラフェンと複合化させることで高性能な電極   Roll-to-Rollの作製法と組み合わせたい  〇グラフェン用の低加速電子顕微鏡を使用したい   自前のは最低で120kV 貢献できること  〇MoS2, WS2ナノシートなど配布    Authorityは気にしません。自由使用。

新しい原子層材料の作製 : ReS2, Mo0.5W0.5S2 Mo0.5W0.5S2 “Ink” STEM image TEM image “Ink” Mo0.5W0.5S2 Fine superlattice pattern Fujita et al. unpublished