東北電力 ~データから見る脱原発の可能性~ アカデミー2班 2年 遠藤 小鈴 (東洋・生体医工) 黒須 貴文 (大東・経営) 大門 将太

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東北電力 ~データから見る脱原発の可能性~ アカデミー2班 2年 遠藤 小鈴 (東洋・生体医工) 黒須 貴文 (大東・経営) 大門 将太 遠藤 小鈴 (東洋・生体医工) 黒須 貴文 (大東・経営) 大門 将太 (大東・経済) 1年 稲葉 恵 (大東・国際関係) 斎藤 清華 これからアカデミー2班の報告を始めさせていただきます。 テーマは東北電力、データから見る脱原発の可能性です。 メンバーは皆さんから向かって左から 黒須、齋藤、大門、稲葉、そして私、遠藤です。 よろしくお願い致します。(一歩下がって、礼)★ 1

目次 1.研究動機 2.企業概要 3.原子力発電所について 4.発電方式別の電力割合 5.東北電力の推移 ①今夏の電力需給状況   ①今夏の電力需給状況   ②電力融通について   ③需要家別割合 6.考察・展望 7.参考文献 こちらが目次になります。 まずはじめに、研究動機、企業概要、そして、原子力発電所について、発電方式別の電力割合ついて説明致します。続いて、東北電力の推移①今夏の電力需給状況②電力融通について③需要家別割合、その後、考察・展望、最後に参考文献という流れで報告させていただきます。★ 2

被災地域が電力復旧をした場合脱原発は可能か 被災地域が電力復旧をした場合脱原発は可能か 1.研究動機 被災地域が電力復旧をした場合脱原発は可能か 被災地域が電力復旧をした場合脱原発は可能か 東北地方 震災の影響大 津波の被害 復旧していない地域 まず研究動機です。 東北地方では、★3月11日に発生した東日本大震災の影響が日本国内で最も大きく、★津波の被害も甚大でした。★震災から約半年経った今でも電力が復旧していない地域が存在しております。★東日本大震災の影響で福島原子力発電所が大きな被害を受け、日本全国で節電への取り組みが始まりました。そこで私たち2班は、★東北地方での震災前後の電力の需要量の推移を調べ、脱原発は可能なのかについて検討すべく、研究のテーマにしました。★

2.企業概要 会社名 東北電力株式会社 代表者 取締役社長 海輪 誠 設立 1951年5月1日 売上高 1兆5,580億円(2010年度) 取締役社長 海輪 誠 設立 1951年5月1日  売上高 1兆5,580億円(2010年度) 供給区域 東北6県・新潟県 従業員数 12,724名 次に企業概要です。 会社名は東北電力株式会社です。 代表者は、海輪誠(かいわまこと) 設立は1951年5月1日 売上高は2010年度、計1兆5580億円 供給区域は東北6県(青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島)と新潟県です。 従業員数12,724名 となっております。★

3.原子力発電所について 東通原子力発電所 東通原子力発電所 1号機 110万kw 2号機 計画中 138.5万kw 次に、原子力発電所について説明致します。 東北電力管内の原子力発電所は東通原子力発電所と女川原子力発電所の2か所です。 まず、東通原子力発電所について説明致します。東通原子力発電所の所在地は、★青森県下北郡東通村です。この発電所は、東北電力と東京電力の2社が、敷地を保有しております。そのうち、東北電力管内には営業運転が可能な発電機1機と計画中の発電機1機の合計2機があります。★1号機は、運転開始が2005年、★出力(供給能力)は110万kwです。また、計画中である★2号機の出力(供給能力)は★138.5万kw、運転開始は2021年度以降の見込みとなっていました。しかし、東日本大震災の影響で今後どうなっていくのかは未定となっております。★ ※(東京電力→1号機(建設中)、着工:2011年1月、運転開始:2017年3月予定、出力:138.5万kw、現在、東日本大震災の影響で工事再開のメドが立っていない。また、設計の大幅な見直しも行うことを東京電力が発表した。) 2号機 計画中 138.5万kw

3.原子力発電所について 宮城県全域の電力を 賄うことが可能 女川原子力発電所 52.4万kw 1号機 2号機 82.5万kw 3号機 次に、女川原子力発電所について説明致します。 女川原子力発電所の所在地は★宮城県牡鹿郡(おしかぐん)女川町(おながわちょう)です 。営業運転が可能な発電機は合計3機あります。★1号機は運転開始1984年、★出力(供給能力)は52.4万kw。★2号機は運転開始1995年、★出力(供給能力)は82.5万kw 。★3号機は運転開始2002年、★出力(供給能力)は82.5万kwです。これら3機の合計出力は217万kwで、この量はほぼ★宮城県全域の電力をまかなうことができます。★ 宮城県全域の電力を 賄うことが可能

3.原子力発電所について 余震の影響で停止中 全号機停止中 東通原子力発電所 東通原子力発電所 点検中であったため 震災の影響特になし 次に両原子力発電所の現状について説明致します。 現在、東北電力管内の原子力発電所は東日本大震災の影響で★全て停止中です。 東通原子力発電所については、東日本大震災以前の2月6日から★定期点検により停止していたため、東日本大震災の影響は特にありませんでした。しかし、4月7日に宮城県沖で起きた余震の影響で外部電源が使用不可となり、燃料プールの冷却ができなくなりました。 その後、非常用電源1台が起動し冷却を再開しましたが(非常用電源は全部で3台)、外部電源復旧後、燃料漏れが発見され、使用ができなくなりました。★それ以降は、未だ点検中で正常に運転していません。 女川原子力発電所については、東日本大震災以前、1号機および3号機が通常運転、2号機が原子炉稼働しておりましたが、東日本大震災以後、★全ての原子炉が自動停止しました。これは、地震発生時の安全確保策として設計どおり停止したものです。その後、安全に停止しており、現在は、設備の点検・復旧作業等を進めています。★ 女川原子力発電所 女川原子力発電所 全号機停止中

4.発電方式別の電力割合 約1648万kw 約1264万kw 約3割依存 約4割供給不可 女川発電所 東通発電所 次に、東北電力管内の各発電方式別の電力割合に関して説明致します。 こちらは前年の供給能力のグラフです。東北電力管内の供給能力は★1648万kwです。 そのうち★原子力発電に★約3割(約330万kw)依存しておりました。 そして、★こちらは今年の夏(東日本大震災発生後)の供給力のグラフです。現在、原子力発電所は2箇所とも停止中です。火力発電所は震災直後から、太平洋側を中心に7機停止中。水力発電所は、7月末の新潟・福島の集中豪雨などの被害を受け、21カ所運転を停止しました。そのため、供給能力の42%が供給不可となりました。新エネルギーの太陽光発電・風力発電は、天候に大きく左右されることもあり、安定供給が出来ません。そのため、供給力に対する期待度が低いことが言えます。 先ほどあげた要因から、今年の夏の東北電力管内の供給力は前年の供給能力1648万kwと比較し、★約4割供給出来ておりません。その結果、今年の夏の供給力は★1264万kwとなっております。 では実際にどのくらいの電力需要があったのでしょうか。★ 約1648万kw 約1264万kw

5.東北電力の推移 約311万kw減少 約20% 前年1557万kw ①今夏の電力需給状況(2011年 8月) 1246万kw ①今夏の電力需給状況(2011年 8月) 1246万kw 1347万kw 約311万kw減少 約20% 前年1557万kw こちらは今年の8月の最大供給力と最大需要量を表したグラフです。 今年の夏、最大需要量を記録した日は★9日で★1246万kwです。 先ほどのスライドで示した円グラフのように、震災後の東北電力管内の供給力は1264万kwであったため、9日に関しては、東北電力管内の供給力だけではとても厳しい状況にありましたが、★東京電力などからの融通電力約140万kw分を含め、東北電力の供給力は1303万kwとなりました。 翌日10日は★9日の需要量が逼迫(ひっぱく)した現状を受けたことと気温上昇の懸念があったため、東京電力から緊急で170万kwの電力融通を受けることとなりました。その結果、10日の供給力は融通分も含め、★1347万kwとなりました。(需要量は1239万kw)★ 前年の最大需要量★1557万kwを記録した日と今年の夏の最大需要量を記録した9日を比較すると、★約311万kw減少し、割合にして約20%の電力を抑えることが出来ました。 では、次に電力融通について詳しく見ていきます。★ ※(2011年の最大供給力の平均が約1187万kwに対して、最大需要量の平均は1066万kwです。)

5.東北電力の推移 1347万kw ②電力融通について(2011年8月4日~31日) 170万kw融通 こちらは今年の8月4日から東北電力が融通してもらった電力量の推移を表したグラフです。 東北電力は計画停電を回避するために北海道電力、東京電力から電力の融通を受けました。 最も電力融通を受けた★8月10日は、 東北地方の最高気温が33.7℃になるとの見込みがあり、東北電力では電力需要量が1290万kwに達すると推測しました。 1290万kwという需要量の推測は、今年記録した最大供給力1264万kwに足りていません。 そのため、東京電力などから緊急で★170万kwの電力融通を受け、この日の東北電力の供給力は、融通分も含めて、★1347万kwとなりました。 融通電力の詳細は、東京電力から融通電力140万kw、それに加えて北海道電力から東京電力に送電されている60万kwのうち、30万kwが、東北電力に融通される形となりました。 また、北海道電力は、東北電力の要請により11月末まで電力融通を行うことを決定致しました。12月については、現在検討中だとのことです。★

5.東北電力の推移 約311万kw減少 ③需要家別割合 18%減 20%減 22%減 前年 1557万kw (気温 35.0℃) (気温 35.0℃) 今夏 1246万kw (気温 32.8℃) 18%減 20%減 こちらのグラフは前年と今年の夏の最大電力需要量が多かった日の需要家別割合を表したグラフです。 ご覧の通り、前年と今年の夏の最大需要量はそれぞれ★1557万kw、★1246万kwとなっております。 ★ まず、前年の最大電力需要量を記録した日の需要家別詳細に関して見ていきます。 大口は約490万kw、小口は約660万kw、家庭は約410万kwの需要がありました。 前年の最大電力需要量1557万kwに比べ、今年の夏は約20%減少し、量にすると★約311万kw減少の1246万kw使用となっております。 大口では前年に比べ★約18%減少し、需要量は約400万kw、 小口では前年に比べ★約20%減少し、需要量は約530万kw、 家庭では前年に比べ★約22%減少し、需要量は約320万kwでした。 大口が前年に比べ約18%減少した理由は、(電気事業法第27条の使用最大電力の制限による)一律15%削減政策や震災の影響で工場自体が復旧していないということが考えられます。 小口・家庭のそれぞれが、前年に比べ約20%減、22%減少した理由は、震災の影響や気温の影響が顕著に表れた結果ではないかと考えられます。 特に家庭では、東日本大震災の影響で他県に避難、または、移住した人々が多数いることがこのような結果につながったのではないかと考えられます。 では、この差はどこから生じたのでしょうか。★ 22%減 8月5日 8月9日 東北電力HP参照

約311万kw減少 5.東北電力の推移 節電効果 約110万kw 震災の影響 約130万kw 気温の影響 約70万kw 先ほどのスライドで説明したように、前年と比べ今年の夏の最大電力需要量は約311万kw減少となりました。 減少要因の内訳は、★節電効果で★約110万kw、★震災の影響で★約130万kw、★気温の影響で★約70万kw減少となっております。 節電効果、震災の影響については、大口に対する15%の電力使用制限令、震災の影響で企業による事業の再開が進んでいないことなどが考えられます。 気温の影響については、前年の最高気温が35度、今年の最高気温が32,8度であったように、今年の気温が前年より低く、冷房需要が減少したためと考えられます。★ 気温の影響 約70万kw 東北電力 9/30 プレスリリース 参照

脱原発 6.考察・展望 厳しい電力供給状況… 復興した際の電力供給… 次に、考察・展望です。 私たちは、今回の報告で指摘した通り8/9を始めとする数日は★非常に厳しい電力供給状況であったということと、東日本大震災からの復興をした時に★電力供給が本当に足りるのかという懸念があることなどから、★脱原発を行うことは★容易ではないと考えておりました。★

脱原発可能 脱原発可能 東京電力からの電力融通 火力発電所の復旧 6.考察・展望 170万kw 160万kw 約330万kw供給可能 今夏の減少電力量 (311万kw)を上回る しかしながら、今回の研究で今年の夏、女川・東通両原子力発電所の稼働なしでも電力供給の維持が出来たことから、今年の夏以降も脱原発が可能ではないかという結論に至りました。 その背景には、今年の夏、★電力供給が逼迫しても東京電力などから電力を融通してもらうことで、危機を乗り越えられたという事実があります。 さらに9/30東北電力から発表された、今後の火力発電所復旧状況および見通しのプレスリリースを参照すると 東北電力管内では、★今年の冬までに火力発電所の復旧により供給能力にして合計約160万kwもの電力が復旧見込みであると発表されています。   東北電力の発表通りに火力発電所の復旧が進んでいけば今年の冬、東北電力管内では東京電力などからの最大融通電力★170万kwと火力発電所の復旧により供給可能になる★約160万kwの合計★約330万kwが新たに供給可能となります。 この数値は★今年の夏減少した電力量の約311万kwを上回るため、前年の最大電力需要量1557万kwと同水準の需要量の予測が出たとしても対応が可能になります。 更に東北電力から発表された火力発電所の復旧見込みを参照すると、来年の夏頃には合計約330万kwにプラスして約150万kwもの電力が新たに供給できると発表されています。そのため、安定供給が可能になるのではないかと考えております。 これらプラスの側面から見れば、決して脱原発を行うことは★不可能ではないと考えております。 今年の夏のような努力を続けていくことで将来的に、東北電力管内で脱原発を達成する日が来るのではないでしょうか。★ (ちょっと間をあけて)  ※(来年の夏)310万kw-160万kw(今年の冬)=150万kw    【保留】 ③今年の夏の最大電力需要量(使用量)は、1246万kw昨年は1557万kwでその差は311万kwです。これは、前年に比べ20%減少をすることができた事実★ ⑤また、その他の新エネルギーの地熱発電についてですが、東北地方には地熱発電を開発できる地域が17か所あり、まだ未開発ではありますが可能になれば最大74万kwの地熱発電が可能となる調査が日本地熱開発協議会から発表されました。 しかし、その地域の多くが国立公園内に存在していて、開発するには法律による規制があるため、現段階では未知数ですが、環境省がこれらの規整を緩和することを検討中です。 ・節電への取り組み:その他に今年の夏のような節電を継続していけば、供給力に余裕が出てくるのではないかと考えられます 170万kw 160万kw 約330万kw供給可能

7.参考文献 ・東北電力ホームページ ・東北電力のパンフレット ・統計局のホームページ ・電気事業連合会のパンフレット 大月書店 http://www.tohoku-epco.co.jp/ ・東北電力のパンフレット 東北電力NOW  CSR Report 2010 東通原子力発電所 1号機の概要 女川原子力発電所の概要 ・統計局のホームページ http://www.stat.go.jp/ ・電気事業連合会のパンフレット 参考文献はこのようになっております。 以上でアカデミー2班の報告を終わらせていただきます。 ご清聴ありがとうございました。 原子力2010 [コンサンス] ・野口邦和(2011)『原発・放射能図解データ』  大月書店 15