化学物質の分析および性状評価と           計算化学 静岡県立大学 環境科学研究所       牧野 正和 2019/4/15.

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化学物質の分析および性状評価と           計算化学 静岡県立大学 環境科学研究所       牧野 正和 2019/4/15

環境化学分野における計算化学の研究展開(例) 生態系・生物への深刻な影響が危惧される「人為起源の化学物質」 構造 分子構造指標の計算 物性 物性値の測定 統計 多変量解析・検定 評価 環境試料中からの分離・同定に有用な「物性予測指標の検索」 発展 新規化学物質の「リスクアセスメント」、「運命予測モデルの構築」 問題意識 分子構造から導出される指標と物性値との間に潜む関係の 物理化学的法則に基づく説明が可能か? 2019/4/15

現在着目している分子種と物性 分子種 物性 mX nX nX mX nX mX nX mX ビフェニル、ナフタレン、ダイオキシン類のハロゲン(塩素、臭素)置換同族体、特に異性体 Polyhalogenated Biphenyl Polyhalogenated Naphthalene nX nX mX mX Polyhalogenated Dibenzo-p-dioxin Polyhalogenated Dibenzofuran nX mX nX mX n, mは任意の整数(1~8 or 10) Xはハロゲン原子(Cl or Br) 物性 沸点(Tb)、融点(Tf)、水溶解度(Sw)、オクタノール/水分配係数、ヘンリー定数(H) ガスクロマトグラフ保持時間(cGC-RRTs)、タンパク (例えばAh-R)結合能 2019/4/15

今回報告する分子種と物性 分子種 物性 mX nX nX mX nX mX nX mX Polyhalogenated Biphenyl Polyhalogenated Naphthalene nX nX mX mX Polyhalogenated Dibenzo-p-dioxin Polyhalogenated Dibenzofuran nX mX nX mX 物性 ガスクロマトグラフ保持時間(cGC-RRTs) 2019/4/15

何故、ハロゲン化異性体に着目しているのか? 一般廃棄物焼却処理施設(日本全国57箇所)のダイオキシン類中 排ガス(11.6%)、飛灰(17.6%)、焼却灰(9.4%) 臭素化・塩素化ダイオキシン 宮田(摂南大学、2002.6 地球環境) Table 1. The number of PXDDs/PXDFs PXDDs NCl  0 1 2 3 4 5 6 7 8 sum NBr 3 14 70 140 140 70 14 --- --- --- 448 4 22 70 114 70 22 --- --- --- --- 298 5 14 42 42 14 --- --- --- --- --- 112 6 10 14 10 --- --- --- --- --- --- 34 7 2 2 --- --- --- --- --- --- --- 4 8 1 --- --- --- --- --- --- --- --- 1 sum 75 256 472 448 298 112 34 4 1 1700 0 --- 2 10 14 22 14 10 2 1 75 1 2 14 42 70 70 42 14 2 --- 256 2 10 42 114 140 114 42 10 --- --- 472 特徴 発生 ・非意図的 生物活性 ・異性体間での明確な違い ・極微量 異性体数 ・置換ハロゲンが異種のとき激増 PXDFs NCl  0 1 2 3 4 5 6 7 8 sum NBr 0 --- 4 16 28 38 28 16 4 1 135 1 4 28 84 140 140 84 28 4 --- 512 生態・生物への影響評価における 各異性体の分離・同定の重要性 2019/4/15

統計解析 Multivariate Linesr Regression(MLR) analysis・・・重回帰分析 予測指標(独立変数・・・?) 長所 ・予測指標に物理化学的意味づけがしやすい。 短所 ・予測指標間の独立性(多重共線性)。 予測したい指標(従属変数) Partial Least Squares(PLS) analysis・・・主成分回帰分析 予測指標(独立変数・・・?) 長所 ・予測指標間の独立性(多重共線性の不成立)  が数学的に証明されている。 短所 ・予測指標の物理化学的意味づけが困難。 予測したい指標(従属変数) 主成分分析(独立変数) 2019/4/15

cGC-RRTs予測に使用した分子構造指標 幾何学的指標 Solvent Accessible Surface Area(SAS) 二原子分子の例 van der Waals 面 溶媒半径 本研究における具体的なイメージ: キャピラリーカラム液相との接触可能な表面積 分子構造最適化 Gaussian 94W(B3LYP) SAS計算方法 Conductor-like screening model(Klam & Schuurmann) 2019/4/15

結 果 (PCBs) mX nX Polychlorinated Biphenyls R= 0.440 R= 0.952 100%C1 0.6 R= 0.440 R= 0.952 0.55 0.5 Relative retention times(cGC-RRTs) Gas chromatograph Relative retention times(cGC-RRTs) Gas chromatograph 0.45 0.4 100%C1 column 0.35 m + n = 5 0.3 133 134 135 136 137 138 139 140 141 Solvent accessible surface area(SAS) [Å2 / molecule] Solvent accessible surface area(SAS) [Å2 / molecule] 2019/4/15

結 果 (PCNs) mX nX Polychlorinated Naphthaleness R= 0.953 R= - 0.683 1.6 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 4 R= 0.953 R= - 0.683 3.6 3.2 Relative retention times(cGC-RRTs) Gas chromatograph 2.8 Relative retention times(cGC-RRTs) Gas chromatograph 2.4 2 m + n = 4 OV1701 Imagawa 1.6 From Jarnberg 1.2 0.8 Solvent accessible surface area(SAS) [Å2 / molecule] 90 100 110 120 130 140 150 110 111 112 113 114 115 116 117 Solvent accessible surface area(SAS) [Å2 / molecule] 2019/4/15

結 果 (PCDDs) nX mX tetra, penta, hexachloro Dibenzo-p-dioxin DB1 column Relative retention times(cGC-RRTs) Gas chromatograph Relative retention times(cGC-RRTs) Gas chromatograph DB1 column Solvent accessible surface area(SAS) [Å2 / molecule] Solvent accessible surface area(SAS) [Å2 / molecule] 2019/4/15

結 果 (PCDFs) mX nX tetra, penta, hexachloro Dibenzofurans R= - 0.497 1.15 R= - 0.497 1.1 Relative retention times(cGC-RRTs) Gas chromatograph Relative retention times(cGC-RRTs) Gas chromatograph 1.05 1 DB1 column 0.95 0.9 122 124 126 128 130 132 134 Solvent accessible surface area(SAS) [Å2 / molecule] Solvent accessible surface area(SAS) [Å2 / molecule] 2019/4/15

異性体の結果まとめ <特徴 1> <特徴 2> SASを予測指標としたとき、 cGC-RRTsの変化が同族体と 異性体で全く異なる。 Pentachloro biphenyls Tetrachloro naphthalenes 0.6 1.6 0.9 1 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 <特徴 1> 同族体: SASの増加に伴い、cGC-RRTs値も増加       正の相関 異性体: SASの増加に伴い、cGC-RRTs値は減少       負の相関 R= 0.440 R= - 0.683 0.55 0.5 0.45 0.4 0.35 0.3 133 134 135 136 137 138 139 140 141 110 111 112 113 114 115 116 117 SASを予測指標としたとき、 cGC-RRTsの変化が同族体と 異性体で全く異なる。 Relative retention times(cGC-RRTs) Gas chromatograph Tetrachloro dibenzo-p-dioxins Tetrachloro dibenzofurans 1.2 1.15 R= - 0.754 R= - 0.497 1.15 1.1 1.1 1.05 <特徴 2> 1.05 1 プロットデータのクラスター化 1 クラスター化を明確に 反映する分子構造指標は? 0.95 0.95 0.9 0.9 131 132 133 134 135 136 122 124 126 128 130 132 134 Solvent accessible surface area(SAS) [Å2 / molecule] 2019/4/15

プロットデータの見直し プロットデータのクラスター化 2019/4/15 Relative retention times(cGC-RRTs) Gas chromatograph Solvent accessible surface area(SAS) [Å2 / molecule] 2019/4/15

予 想 Non-Proximitive position Proximitive position 予 想 予測指標(SAS)の中に潜んでいる、予測に重要な役割を果たしている「分子構造の特徴」とは何か? 同族体 : 分子量 (置換塩素原子数)。 異性体 : 隣接する置換塩素原子数。 Non-Proximitive position Proximitive position 溶媒接触可能表面積(SAS)の減少 C l C l H C l C l H H H Proximitive関係を明確に反映する分子構造指標は? 2019/4/15

クラスター化の原因指標の例 PNCl = 4 PNCl = 2 PNCl = 3 PNCl = 2 PNCl = 1 PNCl = 1 Relative retention times(cGC-RRTs) Gas chromatograph PNCl = 0 PNCl = 0 Solvent accessible surface area(SAS) [Å2 / molecule] 2019/4/15

Connectivity Indexes(分子Topology指標)の導入 計算例 2,2,3-triethylbutanol mc : Randic molecular connectivity index of mth order. mcv : Kier-Hall valence connectivity index of mth order. <特徴> Proximitive positionを明確に反映する。 分子Topology指標として広く知られている。 計算が簡便。 O H hydrogen – suppressed graph mc : 炭素原子とヘテロ原子(O or Cl)を区別することなく 分岐数に基づいて導出。 mcv : ヘテロ原子の分岐数に対して 特別な比例定数を掛けて導出。 O 1 2 4 3 1 /√(1 x 3) 1 /√(4 x 2) 導出 1c = 3.504 mc - mcv 塩素原子が結合する炭素原子の分岐を強く反映する指標 2019/4/15

電気的指標の導入 電気的指標 分子を構成する原子上に 蓄積した正味電荷のベクトル和 QH:H置換基( )上に 蓄積した正味電荷の総和 Dipole moments(m) 1-chloro dibenzo-p-dioxin 分子を構成する原子上に 蓄積した正味電荷のベクトル和 Sum of net charge at hydrogen atoms(QH) QH:H置換基( )上に 蓄積した正味電荷の総和 2019/4/15

重回帰分析の結果 Pentachloro biphenyls Tetrachloro naphthalens SAS SAS + m SAS + QH SAS + 3c-3cv SAS + PNCl ___________________________________________________________ R 0.440 0.498 0.721 0.787 0.946 R2 0.248 0.519 0.619 0.894 R^2 0.213 0.497 0.601 0.889 SAS SAS + m SAS + QH SAS + 3c-3cv SAS + PNCl ___________________________________________________________ R -0.683 0.710 0.767 0.696 0.737 R2 0.504 0.588 0.485 0.543 R^2 0.451 0.545 0.430 0.495 Tetrachloro dibenzo-p-dioxins Tetrachloro dibenzofurans SAS SAS + m SAS + QH SAS + 3c-3cv SAS + PNCl ___________________________________________________________ R -0.754 0.754 0.970 0.822 0.884 R2 0.569 0.942 0.676 0.782 R^2 0.524 0.936 0.642 0.759 SAS SAS + m SAS + QH SAS + 3c-3cv SAS + PNCl ___________________________________________________________ R -0.497 0.598 0.550 0.606 0.764 R2 0.358 0.303 0.367 0.583 R^2 0.321 0.263 0.331 0.559 2019/4/15

分子構造から導出される指標と物性値との間に潜む関係の 構築された各異性体の重回帰モデル Chlorinated biphenyl isomers Chlorinated naphthalene isomers c-GCRT ~ F(SAS, PNCl) c-GCRT ~ F(SAS, QH) Chlorinated dibenzo-p-dioxin isomers Chlorinated dibenzofuran isomers c-GCRT ~ F(SAS, QH) c-GCRT ~ F(SAS, PNCl) 問題意識 分子構造から導出される指標と物性値との間に潜む関係の 物理化学的法則に基づく説明が可能か? c-GCRT ~ G(予測指標1、予測指標2、予測指標3、予測指標4、・・・) 2019/4/15

異性体同定の上で問題となるデータグループは? Pentachloro Biphenyls m + n = 5 mX nX PNCl = 2 0.6 R= 0.909 0.47 PNCl = 3 0.55 0.465 R= 0.946 0.5 PNCl = 2 0.46 Relative retention times(cGC-RRTs) Gas chromatograph Relative retention times(cGC-RRTs) Gas chromatograph R= 0.954 0.45 0.455 PNCl = 1 R= 0.992 0.4 0.45 PNCl = 0 0.35 0.445 0.3 0.44 133 134 135 136 137 138 139 140 141 137.7 137.8 137.9 138 138.1 138.2 138.3 138.4 Solvent accessible surface area(SAS) [Å2 / molecule] Solvent accessible surface area(SAS) [Å2 / molecule] 2019/4/15

問題となるデータに注目すると・・・・ R= 0.216 R= 0.216 R= 0.411 R= 0.732 2019/4/15 0.47 0.44 0.445 0.45 0.455 0.46 0.465 0.47 -1 1 2 3 4 5 0.465 R= 0.216 0.46 0.455 0.45 0.445 0.44 137.7 137.8 137.9 138 138.1 138.2 138.3 138.4 Solvent accessible surface area(SAS) [Å2 / molecule] PNCl Relative retention times(cGC-RRTs) Gas chromatograph 0.47 0.47 0.44 0.445 0.45 0.455 0.46 0.465 0.47 2.42 2.44 2.46 2.48 2.5 2.52 2.54 2.56 2.58 R= 0.411 R= 0.216 R= 0.732 0.465 0.465 0.46 0.46 0.455 0.455 0.45 0.45 0.445 0.445 0.44 0.755 0.76 0.765 0.77 0.775 0.78 0.785 0.44 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 QH m 3c – 3cv 2019/4/15

回帰モデルの違い c-GCRT ~ G(予測指標1、予測指標2、予測指標3、予測指標4、・・・) c-GCRT ~ G(予測指標1) c-GCRT ~ Z(予測指標2) 2019/4/15

分子Topology指標の意味するものは? 相関解析1 tetrachloro Dibenzo-p-dioxin tetrachloro biphenyl nX mX nX mX 4.2 2.65 2.6 R= 0.932 4.1 R= 0.986 2.55 4 2.5 New Topological descriptor 3c - 3cv New Topological descriptor 3c - 3cv 2.45 3.9 2.4 3.8 2.35 3.7 2.3 0.6 0.62 0.64 0.66 0.68 0.7 0.72 0.84 0.86 0.88 0.9 0.92 0.94 0.96 Net charge at hydrogen atoms(QH) Net charge at hydrogen atoms(QH) 電気的指標「QH」と「3c - 3cv」との間に正の相関関係が成立する。 2019/4/15

New Topological descriptor New Topological descriptor 電気的指標との相関解析 2 tetrachloro Dibenzofuran tetrachloro naphthalene nX mX nX mX 2.35 R= 0.950 2.3 R= 0.950 2.25 2.2 New Topological descriptor 3c - 3cv New Topological descriptor 3c - 3cv 2.15 2.1 R= 0.976 2.05 R= 0.956 2 1.95 0.58 0.6 0.62 0.64 0.66 Net charge at hydrogen atoms(QH) Net charge at hydrogen atoms(QH) 2019/4/15

分子構造から導出される指標と物性値との間に潜む関係の まとめ c-GCRTとSASとの相関解析を行った結果、塩素化同族体と異性体で 成立する相関が「正」、「負」となり、全く異なっていた。 c-GCRT - SASのプロットデータを調べた結果、Proximity Number(PNCl)に依存してデータがクラスター化していることが分かった。 重回帰分析とは異なる、「入れ子」型の回帰分析を行い、予測指標の予測能を重回帰分析の場合と比較した。 (4) 分子Topology指標「3c – 3cv」と電気的指標「QH」との間に 「正の相関」が成立することが分かった。 問題意識 分子構造から導出される指標と物性値との間に潜む関係の 物理化学的法則に基づく説明が可能か? c-GCRT ~ G(予測指標1、予測指標2、予測指標3、予測指標4、・・・) c-GCRT ~ F(新規予測指標) c-GCRT ~ Z(予測指標) 2019/4/15

Projects ハロゲン化ダイオキシン類(PCB、PCNを含む)のcGC-RRTsデータベース化。 ・新規分析データの評価。 ・分離度・感度の最適化に関するキャピラリーカラムの選定情報を提供。 ・標準サンプル(異性体混合サンプル)調製に関する情報を提供。 臭素化・塩素化ダイオキシン類、特に異性体の電子状態計算と それより導出される物性、スペクトルのデータベース化 (文部科学省科学研究費補助金事業) ・マススペクトル ・IRスペクトル PCB水溶解度のデータベース化と熱力学的評価 (IUPAC aqueous solubility evaluation 事業) 2019/4/15