基礎環境工学II 岩盤の水理
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岩盤の水理 Mito, Kyoto U. 岩盤内の地下水 平行平板流と3乗則 岩盤浸透流の解析モデル 岩盤内の実際の水の流れ
岩盤の水理 Mito, Kyoto U. 岩盤内の地下水 平行平板流と3乗則 岩盤浸透流の解析モデル 岩盤内の実際の水の流れ
地盤の水理地質構造の模式図
地盤の間隙構造
地質と水理条件
地質と透水性
岩盤の透水性と不連続面 透水性小 透水性大 岩質部 の透水性 岩盤の透水性は不連続面部の透水性に支配される 不連続面部の透水性 岩質部 の透水性 不連続面部の透水性 オーダーが異なる 岩盤の透水性は不連続面部の透水性に支配される 透水性大
現場における湧水の状況
地質と間隙率
地質と 水質
地質と水質の関連性
岩盤の水理 Mito, Kyoto U. 岩盤内の地下水 平行平板流と3乗則 岩盤浸透流の解析モデル 岩盤内の実際の水の流れ
透水係数(Hydraulic Conductivity) ダルシーの法則(Darcy’s Law) Q = K A ー DHL 動水勾配Hydraulic Gradient Q 透水係数(Hydraulic Conductivity) L DH Q 媒体(断面積A)
平行平板流モデル(Parallel Plate Model) vf= gb2 12n i 重力加速度:g 動粘性係数:n b vf 不連続面の透水係数 Kf bKf = gb3 12n 透水量係数 3乗則(Cubic Law)
開口幅bの不連続面が岩盤内に間隔 Sで分布 無限平行平板流モデル(Snow[1965]) vf= gb2 12n i 単一不連続面 v = gb3 12nS i 岩盤 開口幅bの不連続面が岩盤内に間隔 Sで分布
平行平板流モデルの適用結果 2 1 -1 Log(計算透水係数[cm/s]) -2 -3 -4 1:1 – 8 –7 –6 –5 –4 –3 – 2 2 1 -1 -2 -3 -4 Log(実測透水係数[cm/s]) Log(計算透水係数[cm/s]) 1:1
放射状管流モデル 直径=開口幅の細管の集合体
放射状管流モデルの適用結果 -2 1:1 -3 -4 -5 Log(計算透水係数[cm/s]) -6 -7 -8 – 8 –7 –6 –5 –4 –3 – 2 Log(実測透水係数[cm/s])
岩盤の水理 Mito, Kyoto U. 岩盤内の地下水 平行平板流と3乗則 岩盤浸透流の解析モデル 岩盤内の実際の水の流れ
不連続性岩盤の浸透流解析モデル 連続体モデル(等価多孔質媒体モデル) 不連続体モデル(ネットワークモデル) 岩盤を不連続面を含む等価な多孔質媒体と仮定するモデル 不連続体モデル(ネットワークモデル) 岩盤内の水みちが不連続面内に存在すると仮定し、水みちのネットワークを構成したモデル
Equivalent Porous Media 連続体モデルと不連続体モデル K1 K2 K3 K5 K6 K7 K8 K4 K1 K2 K3 K4 Equivalent Porous Media Network 入力:媒体の透水係数 入力:不連続面の透水係数 出力:媒体の平均流速 出力:不連続面内の実流速
REV
等価多孔質媒体モデル 長所 ●モデルの作成が容易である ●広い解析範囲を対象にできる 短所 ●実流速を把握できない ●REVを事前に評価する必要がある
ネットワークモデル 長所 ●実流速を把握できる ●REVを仮定する必要がない 短所 ●モデルへの依存度が高いため正確なモデルが要求される ●計算量が多いため、解析範囲が自ずと狭くなる
不連続性岩盤(Discontinuous Rock Mass) 岩盤=岩質部+不連続面部
地質学的不連続面の種類 節理:集合体となって構造物に影響を与える →確率論的評価 断層・破砕帯:個々が構造物に影響を与える →決定論的評価 微細亀裂 1 パーティング 2 構造線 6 構造物に効果的な規模 節理 3 シーム 4 断層・破砕帯 5
大規模不連続面と中規模不連続面 断層・破砕帯:個々が構造物に影響を与える→決定論的評価 位置 方向 幅 強度 節理:集合体となって構造物に影響を与える→確率論的評価
不連続面の分布特性 方向 密度 連結性 粗度 連続性 開口幅 挟在物
解析モデルの作成 解析モデルの根底 不連続面の分布特性 方向性 球面正規分布 連続性 指数分布 稠密性 ポアソン分布 開口性 条件付正規分布 方向性 球面正規分布 連続性 指数分布 稠密性 ポアソン分布 開口性 条件付正規分布 挟在性 ポアソン分布 粗面性 正規分布 連結性 ポアソン分布
等価多孔質媒体モデルの作成 K = f (不連続面分布の確率密度関数) ●Snow(1965) 透水テンソル 開口幅・間隔 ●渡辺(1983) 透水テンソル 開口幅分布・間隔 ●Oda(1985) クラックテンソル 方向分布・連続性分布・開口幅分布
ネットワークモデルの作成 不連続面方向の決定 不連続面ラフネスの決定 不連続面挟在物の決定 不連続面開口幅の決定 不連続面寸法の決定 不連続面密度の決定 2次元モデル 3次元モデル
岩盤の水理 Mito, Kyoto U. 岩盤内の地下水 平行平板流と3乗則 岩盤浸透流の解析モデル 岩盤内の実際の水の流れ
実験地(香川県牟礼郡庵治町) 岡山県 香川県 宇野市 高松市 小豆島 井島 豊島 直島 屋島 地質:白亜紀花崗岩現場:庵治石採石場 日本最高品質の墓石 香川県
現場浸透流実験(1) 実験方法 (卓越節理群) グラウト 水
現場浸透流実験(1) 実験サイト(卓越節理群) 壁面側 庵治石採石場 対象不連続面 湧水 ボーリング位置
現場浸透流実験(1) ボーリング 水みち箇所の認定(卓越節理群) 孔内水位1.4mのとき 孔内水(入浴剤)が流出 水みち (1.4m深) ボーリングコア 香り
現場浸透流実験(1) 定水位透水試験(卓越節理群) 流出側 流入側 タンク 流量計 対象面 水頭制御管 オーバーフロー 区間流量の測定 (8区間) 流入量と流出量を同時に計測
現場浸透流実験(1) 透水試験結果(卓越節理群) 流入量 流出量 流出量(1) 流出量(3) 200 150 100 50 流入量 流出量 流出量(1) 流量[cm3/s] 流出量(3) 0 50 100 150 水頭差[cm]
現場浸透流実験(1) グラウトの注入(卓越節理群) 超微粒子セメント グラウトの流出状況
現場浸透流実験(1) 静的破砕(発破後) 上半部岩盤の掘削(卓越節理群) 発破! 人力掘削
現場浸透流実験(1) グラウト固着状況 (卓越節理群) ボーリング位置
不連続面の下面のグラウト固着状況(卓越節理群) 現場浸透流実験(1) 不連続面の下面のグラウト固着状況(卓越節理群)
現場浸透流実験(1) 有効間隙面積率の頻度分布(卓越節理群) 平均:24.8[%] 頻度
現場浸透流実験(1) 流路の厚みの測定(卓越節理群)
現場浸透流実験(1) 流路の厚みの頻度分布(卓越節理群) 平均:1.14[mm] 頻度
現場浸透流実験(1) 流路調査結果 (卓越節理群) 線要素モデルによる透水試験のシミュレーション 計算の結果、不連続面の標高と水頭がほぼ一致 流路調査結果 (卓越節理群) 面積=チャンネリングの面積 円管の直径=グラウトの厚み 流れモデル 流量指定境界 水頭指定境界 計算の結果、不連続面の標高と水頭がほぼ一致
現場浸透流実験(1) 要素流速の頻度分布(卓越節理群) 平均:8[cm/s] 頻度 [%]
現場浸透流実験(2) 水 グラウト グラウト 水 実験方法(単一節理)
現場浸透流実験(2) 岩盤ブロックの作成(単一節理) 掘削前 掘削範囲 バーナー掘削 対象面 対象面
現場浸透流実験(2) 岩盤ブロック(単一節理) 流入面 側面 流出面 側面
現場浸透流実験(2) 供試体 (単一節理) 水室 岩盤 コンクリート 岩盤 水頭制御管 水室 オーバーフロー 対象面 区間流出量の測定
現場浸透流実験(2) 流出状況(単一節理)
現場浸透流実験(2) 透水試験結果(単一節理) 3000 2000 1000 流量[cm3/s] 0 50 100 150 流量[cm3/s] 0 50 100 150 圧力水頭差[cm]
現場浸透流実験(2) グラウト固着状況(単一節理) 流入 0 50 100cm 流出
現場浸透流実験(2) 流れの検討(単一節理) 実測平均開口幅0.52mm 計算平均開口幅0.63mm 面積=チャンネリングの面積 円管の直径=グラウトの厚み 流れモデル 実測平均開口幅0.52mm 計算平均開口幅0.63mm
現場浸透流実験(3) グラウト 水 実験方法 (節理系)
現場浸透流実験(3) 岩盤ブロック(節理系) 側面 掘削後 流出面 流入面 ブロック掘削前 側面 流出面 流出面
現場浸透流実験(3) 岩盤 供試体(節理系) 水室 175cm 集水溝
現場浸透流実験(3) 透水試験(節理系) 注入圧力の設定 時計係 集水溝 流出量の測定
現場浸透流実験(3) 透水試験結果(節理系) 2000 1500 1000 500 流量[cm3/s] 流量[cm3/s] 0 500 1000 1500 2000 圧力水頭差[cm]
現場浸透流実験(3) 流速測定試験 (節理系) 時計係 色水の流出の監視 色水の流出 色水の注入
現場浸透流実験(3) グラウチング・岩盤掘削(節理系) グラウチング 人力掘削 固結後
現場浸透流実験(3) 流路調査(節理系)
現場浸透流実験(3) 流路調査結果 (節理系) OUT
現場浸透流実験(3) 有効間隙面積率の頻度分布(節理系) 平均:53.4[%] 頻 度
実験のシミュレーション (節理系) (決定論モデル+確率モデル) 現場浸透流実験(3) 実験のシミュレーション (節理系) (決定論モデル+確率モデル) 解析範囲の設定 不連続面の発生 1個の決定論モデル 100個の確率モデル 水頭 流量 透水に関与しない 不連続面の除去 線要素の設定 FEM 実測流量との比較
現場浸透流実験(3) シミュレーション結果 (節理系) ←実測値 頻 度 log(透水係数[cm/s]) →決定論モデルによる解析値 シミュレーション結果 (節理系) →決定論モデルによる解析値 ←実測値 確率モデルによる解析値の頻度分布 頻 度 log(透水係数[cm/s])
現場浸透流実験(3) 決定論モデルの要素流速(節理系) 見かけ流速 頻 度
現場浸透流実験(3) 確率論モデルの要素流速(節理系) 見かけ流速 頻 度
現場浸透流実験(3) 決定論モデルの各経路浸透時間(節理系) 実測値 頻 度
現場浸透流実験(3) 確率論モデルの最短浸透時間(節理系) 実測値 頻 度
現場浸透流実験のまとめ 不連続面内の流れはチャンネリング状の形態を呈する。 不連続面内の水圧分布は極めて不均質である。 微細な管路の集合体を単位とするネットワークモデルによって実流速を概ね把握することができる。