仁科芳雄研究室のミューオン研究 2010年5月14日.

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仁科芳雄研究室のミューオン研究 2010年5月14日

荒船次郎 池田長生 江澤 洋 中根良平 仁科雄一郎 西村 純 宮沢弘成 山崎敏光 メンバー                荒船次郎   池田長生   江澤 洋   中根良平   仁科雄一郎  西村 純   宮沢弘成   山崎敏光  

1.1934-37 年の状況          軟成分 電子, Shower,QED OK 硬成分 陽子?    Compton-Bethe (1934), Auger (1935)  陽子 QED 高energyで不成立   新粒子?   Montgomery-Montgomery (1935) Anderson-Neddermeyer (1936) 新粒子   Crussard-LeprinceRinguet (1937-2月受付)   Neddermeyer-Anderson (1937-3月受付)   Street-Stevenson 1 (1937-4月学会発表) 軟成分 電子 Shower,QED OK

Street-Stevensonの装置

3.仁科研の参加 1931年仁科研宇宙線研究発足 0.2 T 磁界 1935年大磁石計画  最大径 70cm, 1000A, 1.65 T, 3% uniformity  霧箱 直径 40cm 1936年 宇宙線の energy spectrum  Blackett (1937) に先を越される 1937年 muon 研究 when?  1.5 cm の鉛板を霧箱に入れる  Muon らしきもの発見  S-S1, C-LR, N-A に先を越される  Muon の質量測定を志す

仁科研の新磁石

霧箱 磁極と霧箱

4. Muon の質量測定 3.5, 5 cm の鉛を霧箱に、energy loss から質量決める 6月?開始。採れない 採れない理由: q < p < 5q のみ 6月? 写真1 H = 0.8 T, 10°散乱, 竹内抵抗  8月5日 Phys.Rev.Lett.に投稿, 8月28日受理  岩波「科学」に解説書く、8月15日受理 8月? 写真 2    「科学」の修正,図は変えず  PRに電報, 修正依頼, 9月某日 10月10日頃 ゲラ校正, 返送, 12月1日出版

写真1  Mx /Mp     1/7 ~ 1/6  1/6 ~1/4 Mx/Me 370 ± 90 写真1 1/7~1/611±

写真2 Mx /Mp 約 1/10    仁科   1/10~ 1/7   竹内      Mx/Me 180 ± 20 相対論補正 写真2

4. Muon の質量測定 続き 10月6日 Street-Stevenson 2 受理,11月1日出版 1937年10月? 写真 3 論文にならず。 1937年11月 横須賀の契約終わり、引き上げ。 5.その後 1938年春 理研で実験再開   1938年夏 副産物 写真4        質量をだし、PRに投稿   写真2の相対論的補正 これ以上写真採れず。

写真3     Mx/Me    400 ± 70  写真3 写真3 Mx /Mp 約 1/10    仁科   1/10~ 1/7   竹内

写真4     Mx/Me 170 ± 9   仁科等 177 ± 23 Bethe  Mx/Me    400 ± 70

6. 要約と問題点 8月5日 写真1に基づきLetter として投稿, 8月28日受理  校正で写真2に書き直し。12月1日号に本文として出版。  翌々年相対論の補正。 磁界の強弱   何故 Lett が本文に?    何故写真が添付されないのか?   妨害工作?   何故湯川を引用しないのか? 

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