J-PARC E16実験のためのGEM Tracker開発

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J-PARC E16実験のためのGEM Tracker開発 渡辺陽介 for E16 collaboration 東大、理化学研究所 共同研究 KEK測定器開発室のサポート

Outline ①GEM Trackerの開発目的 ②GEM chamberのセットアップ ③ビームテスト結果 ④まとめ

GEM Trackerの開発目的 原子核中でのφ中間子質量の測定 3層のGEMチェンバーで磁場中の位置を出し運動量を決める 要求性能 1セクター これが26個 原子核中でのφ中間子質量の測定 φ->e++e- 3層のGEMチェンバーで磁場中の位置を出し運動量を決める 要求性能 ~100μm の分解能 ハイレートへの耐性(5kHz/mm2) 少ない物質量(1チャンバーにつき~0.1% ) GEM Tracker ビーム平面で見た図

GEM Chamber 決めるべきパラメータ 1 2 3 ①. Beam induced electron 収集部 -長さ -電場 ②電子増幅部 -GEM geometry XPI XCu D 70 ~90 50 45 75 XPI XCu D X ③2次元ストリップ読み出し部 double-side single-side 350μm 700μm 700μm X D 70 50 100 - gas: P10 or Ar70% CO230% width:表70μm 裏290μm pitch::350μm   KEK宇野さんのアイデア

エッチングGEMの性能 ゲインが大幅に改善した 今までレイテックにつくっていただいていたGEMは穴径がCERNなどと比べて大きかった。 XPI XCu D ① 70 ~90 50 ② 45 75 XCu XPI D 最近新しく穴の小さいGEMをつくった NEW etching φ70 D50 レーザー 4枚/ 3枚 ゲインが大幅に改善した OLD etching P10, 55Fe GEM一枚あたりの電圧

ビームテスト解析手順 Hit position determined by Silicon Strip Detector(SSD) GEM SSD SSD 残差 Events difference mm beam Hit position determined by GEM chamber Center Of Gravity X1 X4 X3 X2 Q2 Q3 Q4 Q1 Q5 X5 -Multiple scattering -Tracking Accuracy 位置分解能

テストしたセットアップ GEM 読み出し gas dD mm 入射角度 ① (XPI70, XCu90, D50) 3枚 Single-side 700 P10 11mm 0,15 ② (X70,D100)+(X70,D50) 3mm 0,15,30,45 ③ (XPI45, XCu75, D50) 3枚 Double-side 700 6mm ④ ⑤ ArCO2 3.5mm ⑥ ⑦ Double-side 350 1mm 0,15,30 ⑧ ⑨ 先週

セットアップ① 結果 15 106μm 470μm 11mm 500V/cm P10 穴の大きいGEM 3枚 (gain ~2000) セットアップ①  結果 11mm 500V/cm P10 15 106μm 470μm 穴の大きいGEM 3枚 (gain ~2000) single-side 700μm Et: 1700V/cm Ei: 1700V/cm 100umは達成可能 ドリフトギャップが広いためななめ入射に対しては弱い

セットアップ② 結果 15 30 160μm 270μm 470μm P10 3mm 1500V/cm 100μm+50μm セットアップ②  結果 P10 3mm 1500V/cm 100μm+50μm (gain ~6000) 15 30 160μm 270μm 470μm single-side 700μm Et: 3400V/cm Ei: 3400V/cm ななめ入射の改善 正面入射の悪化 種の数の見積もり ~3個 (Collection Effiiciency 0.15) collection efficiency (Egem/Ed,Geometry) GEM1枚あたりにかける電圧 ダメ OK 50μm 100μm 340V 285V(/50 μm) → 50μmGEMのほうが有利

以下先週のテスト P10 Et: 3400V/cm Ei: 3400V/cm ArCO2 Et: 3800V/cm Ei: 3800V/cm Raytech 穴の小さい GEM Drift gap ガス 読み出し 1mm 3mm 6mm 11mm Double-side 700μm Double-side 350μm ArCO2 P10 X X

ドリフト電場と分解能 preliminary preliminary GEMにかけている電圧 穴の小さいGEM 3枚 Tracking resolution : ~50μm dD=6mm 正面入射 残差(μm) P10 700pitch 強すぎるドリフト電場 →収集効率の悪化(電気力線  GEMの上面に行ってしまう) →分解能の悪化 ドリフト電場(V/cm) preliminary dD=6mm 15度入射 GEMにかけている電圧 -P10:340V -ArCO2: 380V →P10のほうがドリフト電場の影響うけやすい 残差(μm) P10 700pitch  ArCO2 350pitch ドリフト電場(V/cm)

ドリフトギャップと分解能 preliminary ドリフトギャップの広さは傾きが大きいほど顕著に効く 30度 15度 残差(μm) 0度 目標値(再) - 入射角0-30について100μm。悪くても200μmはほしい。 15度まで200μmに収まるセットアップは可能 ドリフトギャップ mm ArCO2, double-side 350μm pitch ADCの情報だけで30度まで100μmを達成するのは不可能

ガスとストリップピッチ① preliminary ガスの諸性質 ① 横方向の広がり ② ゲイン ArCO2: ~20000 ① 横方向の広がり ② ゲイン ArCO2: ~20000 P10 ~10000 σT(μm/cm^(1/2) 電場(V/cm) P10 ArCO2 MAGBOLTZ simulation 760Torr ArCO2のほうが安定に高いゲインを出せる 正面入射結果 ピッチ ガス dD 本数 残差 700 P10 3 ~4 137 ArCO2 3.5 ~2 105 350 6 ~7 116 87 ArCO2のほうが分解能が良くなっている -電子の広がりの効果? preliminary

ガスとストリップピッチ② preliminary preliminary 電子の広がりの大きさ 結果 定義 Qi/Q Xi hit位置 mm MAGBOLTZ P10 610μm 630μm ~600μm ArCO2 380μm ~240μm P10はMAGBOLTZの結果と大体一致 ArCO2の結果がSimulationをうまく再現していない - 電子の広がりそのものをみているわけではない?

Double-side のシグナル 解決!? 裏面のシグナルのオーバーシュートが顕著 表裏の電荷の比 カーボン + 塗布 復活・・ アクリル系接着剤 解決!? KEK大下さん、田中さんありがとうございました 表裏の電荷の比 X線 9割近く表に落ちる single-sideの場合は4割が表に落ちる 表/総電荷

Double side 裏面の結果 正面入射 preliminary 結果 ピッチ ガス dD Efficiency 残差 700 P10 3 75% 240μm 11 98% 154μm ArCO2 89% 350 86% 124μm 97% 110μm preliminary 裏に落ちる電荷が少ないためEfficiencyが悪くなってしまっている。 十分電荷がありさえすれば裏でもEfficiency,分解能は出る。 これ以上どうやってゲインを上げるのか・・・

時間情報を用いた解析(一例) preliminary preliminary x ArCO2 double-side 700μm dD=11mm ED=500V/cm  入射角 15度 ①signalが来たタイミングを決める Thalf preliminary 1ch=4mV vd=1.3cm/μsec。Magboltzとconsistentな値。 1ch=10nsec preliminary ②最小2乗フィット x vd x Thalf ドリフト方向の位置 Xtiming 時間情報によるResidual ADC情報によるResidual

まとめ 電荷の情報だけでも15度まで分解能100μm台は達成可能 30度になると、電荷情報だけではきつい タイミング情報は位置を求めるのに使える。ちゃんとした解析はこれから

Backups

読み出し セットアップ①と② 先週のセットアップ チャージ積分型プリアンプ 200mV/pC (KEK psで使っていたらしい。Belleと同じ?) ポストアンプ 10倍 VME v792 ストリップ 先週のセットアップ チャージ積分型プリアンプ 3.2V/pC RPV-160 Flash ADC ストリップ

追加事項 電荷の重心でもとめた分解能はもっと改善する ストリップの周期で残差をかさね合わせた 残差(mm) COGで位置を求めることによる構造が見えてしまっている 残差(mm) mm

Magboltz Simulation P10 Ar 70% CO2 30% ドリフト速度 cm/μsec 拡散定数(μm/sqrt(cm))