省CO2かつ低環境負荷なバイオマス利活用モデルを確立し、低炭素社会と循環型社会の同時達成に貢献 環境調和型バイオマス資源活用モデル事業(国土交通省連携事業) 2019年度予算(案) 250百万円(800百万円) 事業目的・概要等 事業概要 背景・目的 地域内に存在する家畜ふん尿や食品残さ等を活用したバイオマス発電施設にて生じた液肥を下水処理施設で処理を行うことで、地域環境を保全しつつ、当該発電施設で得られた電力・熱を下水処理施設等に供給して省CO2化を図り、低炭素社会と循環型社会を同時達成する処理モデルの構築を目指す。 液肥の処理に係るエネルギー消費量や発電電力及び熱の量、事業全体でのCO2削減効果等、モデルの有効性の評価及び他地域への展開に必要な実証を行う。 CO2削減目標達成のため、地域資源を活用した再生可能エネルギー導入拡大への期待が高まる中、家畜ふん尿や食品残さ等から得られるメタンを活用したバイオマス発電が展開されている。 こうしたバイオマス発電において生じる液肥は、これまで牧草地や畑に散布して活用されていたが、近年、それによる地下水汚染が指摘される例がある。 本事業は、こうした課題を解決しつつ、省CO2を同時に達成する新たなバイオマス利活用モデルを実証・確立することを目的とする。 期待される効果 事業スキーム 下水処理施設との連携による家畜ふん尿・食品残さ等のバイオマス資源の省CO2かつ低環境負荷である新たな利活用モデルを確立し、液肥による地下水汚染の課題解決モデルを示すことにより、潜在的に同様の課題を抱える全ての自治体に対する波及効果が期待できる。 委託対象:地方公共団体、民間事業者 実施期間:平成28年度~31年度(2019年度) イメージ メタン発酵 バイオマス発電 発電 家畜糞尿・食物残さ等 熱供給 下水処理施設との 連携による適正処理 液肥の発生 下水処理施設 家畜ふん尿や食品残さ等を活用するバイオマス発電では、液肥による地下水汚染が顕在化する例がある。 ○家畜ふん尿や食品残さ等をバイオマス発電で有効活用。 ○発生する液肥を処理する施設及び下水処理場において、発電した 電力及び発電の際の熱を活用し、施設を徹底的に省CO2化。 ○液肥の適正処理による環境負荷の低減 散布 地下水への 影響の懸念 省CO2かつ低環境負荷なバイオマス利活用モデルを確立し、低炭素社会と循環型社会の同時達成に貢献
モデル事業例:熊本県熊本市 既存の下水処理場と連携し、家畜排せつ物の液状分を下水処理場に運搬し、消化ガス 発電の原料として有効活用し、消化ガス発電で得られた電力、回収した熱は場内で利用 するモデル事業。 乳牛の家畜排せつ物は水分が多く、堆肥化が困難で多くが自家飼料畑へ還元され、 地下水汚染の原因になっていた。 消化ガス発電で得られた電力、回収した熱は場内で利用する(消化槽の加温)。 メタン発酵により生じる消化液は通常の下水処理ライン(標準活性汚泥法)で処理を行う。 熊本市東部浄化センター (家畜排せつ物処理施設) 家畜排泄物 終末下水処理場
モデル事業例:富士開拓農業協同組合 ふん尿を原料としたバイオマス発電プラントを建設し、プラントから排出される消化液は液 肥としての活用し、余剰分は適正処理すると伴に、プラントにて発電される電気は上記浄 化センターへ送電。 乳牛約350頭からふん尿20t/日を収集しバイオマスプラントで発電し、消化液を下水場で処理した 場合と、現状のふん尿スラリーを土壌散布した場合との比較では、年間241トンのCO2削減効果が 見込まれる。