東北大 情報科学 田中和之,吉池紀子 山口大 工 庄野逸 理化学研究所 岡田真人

Slides:



Advertisements
Similar presentations
ベイズの定理と ベイズ統計学 東京工業大学大学院 社会理工学研究科 前川眞一. 2 Coffe or Tea 珈琲と紅茶のどちらが好きかと聞いた場合、 Star Trek のファンの 60% が紅茶を好む。 Star Wars のファンの 95% が珈琲を好む。 ある人が紅茶を好むと分かったとき、その人が.
Advertisements

だい六か – クリスマスとお正月 ぶんぽう. て form review ► Group 1 Verbs ► Have two or more ひらがな in the verb stem AND ► The final sound of the verb stem is from the い row.
第 5 章 2 次元モデル Chapter 5 2-dimensional model. Contents 1.2 次元モデル 2-dimensional model 2. 弱形式 Weak form 3.FEM 近似 FEM approximation 4. まとめ Summary.
と.
2010年7月9日 統計数理研究所 オープンハウス 確率モデル推定パラメータ値を用いた市場木材価格の期間構造変化の探求 Searching for Structural Change in Market-Based Log Price with Regard to the Estimated Parameters.
日本人の英語文章の中で「ENJOY」はどういうふうに使われているのか
SP0 check.
クラスター変分法と確率的情報処理 --Belief Propagation と画像処理アルゴリズム--
確率モデルによる 画像処理技術入門 --- ベイズ統計と確率的画像処理 ---
確率モデルによる画像処理における統計的学習理論
ベイズ基準によるHSMM音声合成の評価 ◎橋本佳,南角吉彦,徳田恵一 (名工大).
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Practice (2014年4月)
Licensing information
高次元データにおける幾つかの検定統計量の漸近分布について
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎 第1部講義(2009年4月)
P4-21 ネットワーク上の経路に対する 回帰問題について
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Practice (2012年4月)
正規分布における ベーテ近似の解析解と数値解 東京工業大学総合理工学研究科 知能システム科学専攻 渡辺研究室    西山 悠, 渡辺澄夫.
はじめに: 平均場理論を用いた情報処理の最近の動向
領域ベースの隠れ変数を用いた画像領域分割
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎 第1部講義(2008年4月15日,4月22日,5月6日)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
確率伝搬法と量子系の平均場理論 田中和之 東北大学大学院情報科学研究科
確率的情報処理と確率伝搬法によるアルゴリズム設計の数理構造
Where is Wumpus Propositional logic (cont…) Reasoning where is wumpus
豊田正史(Masashi Toyoda) 福地健太郎(Kentarou Fukuchi)
ベイジアンネットと確率推論 変分原理からの再帰的確率推論アルゴリズムの解説
物理フラクチュオマティクス論 Physical Fluctuomatics 第9回 確率伝搬法 9th Belief propagation
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Practice (2013年4月)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎 第1部講義(2007年4月16日,4月17日,4月24日,5月10日)
量子系における 確率推論の平均場理論 田中和之 東北大学大学院情報科学研究科
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎 第1部講義(2006年4月17日,4月18日,4月25日,5月9日)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
確率的情報処理の最近の動向 東北大学 大学院情報科学研究科 田中 和之
物理フラクチュオマティクス論 Physical Fluctuomatics 第9回 確率伝搬法 9th Belief propagation
著者:六川修一 著者:六川修一 原画像(左画像)は ©METI and JAXA[2007] Distributed by ERSDAC 著者:六川修一.
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
確率を手なづける秘伝の計算技法 ~古くて新しい確率・統計モデルのパラダイム~ その2:ベイジアンネットと確率推論の数理
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Practice (2015年4月)
ガウシアン確率伝搬法の 近似精度に対する理論解析
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 4 (2015年4月)
北大MMCセミナー 第62回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2016年11月4日(金) 16:30~18:00
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
物理フラクチュオマティクス論 応用確率過程論 (2006年5月9日)
確率的画像処理アルゴリズム入門 東北大学 大学院情報科学研究科 田中 和之
確率の生み出す新しい情報処理技術 東北大学 大学院情報科学研究科 田中 和之
確率モデルを用いた 情報通信技術入門 ー誤り訂正符号を中心にー
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 5 (2012年4月)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
非等方格子上での クォーク作用の非摂動繰り込み
ベイズ音声合成における 事前分布とモデル構造の話者間共有
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 3 (2013年4月)
ポッツスピン型隠れ変数による画像領域分割
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
ガウス分布における ベーテ近似の理論解析 東京工業大学総合理工学研究科 知能システム科学専攻 渡辺研究室    西山 悠, 渡辺澄夫.
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
統計力学と情報処理 ---自由エネルギーの生み出す新しい情報処理技術--- 2003年8月14日前半
領域ベースの隠れ変数を用いた決定論的画像領域分割
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
ゆらぎが生み出す新しい情報処理技術 確率伝搬法と確率的画像処理
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 5 (2013年4月)
自己縮小画像と混合ガウス分布モデルを用いた超解像
Q状態イジング模型を用いた多値画像修復における 周辺尤度最大化によるハイパパラメータ推定
ガウシアングラフィカルモデルにおける一般化された確率伝搬法
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 4 (2012年4月)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Practice (2019年4月)
Presentation transcript:

東北大 情報科学 田中和之,吉池紀子 山口大 工 庄野逸 理化学研究所 岡田真人 ガウス模型に基づく画像修復と 確率伝搬法 東北大 情報科学 田中和之,吉池紀子 山口大 工 庄野逸 理化学研究所 岡田真人 参考文献:田中和之, 統計力学を用いた確率的画像処理アルゴリズムの基礎 ---確率伝搬法と統計力学 ---, 計測と制御, Vol.42, No.8, pp.631-636, 2003.

ポイント 可解確率場モデルを用いた確率的画像処理に対して確率伝搬法はどの程度の精度が出せるのだろうか? ハイパパラメータの推定も含めて検証したい.

画像修復の確率モデル 雑音 通信路 原画像 劣化画像

ベイズの公式と確率的画像処理 事前確率 劣化過程 原画像 劣化画像 画素 事後確率

周辺尤度最大化によるハイパパラメータ推定 周辺化 In the image restoration, we usually have to estimate the hyperparameters alpha and p. In statistics, the maximum likelihood estimation is often employed. In the standpoint of maximum likelihood estimation, the hyperparameters are determined so as to maximize the marginal likelihood defined by marginalize the joint probability for the original image and degraded image with respect to the original image. The marginal likelihood is expressed in terms of the partition functions of the a priori probabilistic model and the a posteriori probabilistic model. We can calculate these partition functions approximately by using the Bethe approximation. 劣化画像 原画像 周辺尤度

画像修復の劣化過程と事前確率 劣化過程 事前確率

ベイズの公式と画像修復の事後確率

周辺確率の導入

確率伝搬法(ベーテ近似) In the Bethe approximation, the marginal probabilities are assumed to be the following form in terms of the messages from the neighboring pixels to the pixel. These marginal probabilities satisfy the reducibility conditions at each pixels and each nearest-neighbor pair of pixels. The messages are determined so as to satisfy the reducibility conditions.

Message Update Rule of Loopy Belief Propagation Fixed-Point Equations The reducibility conditions can be rewritten as the following fixed point equations. This fixed point equations is corresponding to the extremum condition of the Bethe free energy. And the fixed point equations can be numerically solved by using the natural iteration. The algorithm is corresponding to the loopy belief propagation. Natural Iteration

画像修復 事前分布から生成された画像による数値実験 (ハイパパラメータα,σは周辺尤度最大化で決定) 原画像(α=0.001) 劣化画像 (σ=40) 平均場近似 確率伝搬法 厳密解

ガウス模型を用いた画像修復 原画像 劣化画像 平均場近似 確率伝搬法 MSE: 1409 MSE: 593 MSE: 324 MSE:306 厳密解 平滑化フィルター ウィーナーフィルター メジアンフィルター Finally, we show only the results for the gray-level image restoration. For each numerical experiments, the loopy belief propagation ca give us better results than the ones by conventional filters. MSE:306 MSE: 268 MSE: 369 MSE: 259

ガウス模型を用いた画像修復 原画像 劣化画像 平均場近似 確率伝搬法 MSE: 1512 MSE: 591 MSE: 325 MSE:315 厳密解 平滑化フィルター ウィーナーフィルター メジアンフィルター Finally, we show only the results for the gray-level image restoration. For each numerical experiments, the loopy belief propagation ca give us better results than the ones by conventional filters. MSE:315 MSE: 411 MSE: 545 MSE: 447

まとめ ベイズの公式と周辺尤度を用いた確率的画像処理において可解確率場モデルのひとつであるガウス模型を事前確率に採用した場合の確率伝搬法(ベーテ近似)の精度と性能の評価 ハイパパラメータ推定において平均場近似から確率伝搬法へと,厳密解で得られる結果に系統的に近づいている. 既存のフィルターに比較して平均場近似,確率伝搬法のいずれもMSEでみて同等以上の結果が得られるのみならず見た目にも良好な結果が得られている.