第9章 学習アルゴリズムとベイズ決定側 〔3〕最小2乗法とベイズ決定側 発表:2003年7月4日 時田 陽一

Slides:



Advertisements
Similar presentations
Absolute Orientation. Absolute Orientation の問題 二つの座標系の間における剛体 (rigid body) 変換を復元す る問題である。 例えば: 2 台のステレオカメラから得られた3次元情報の間の関 係を推定する問題。 2 台のステレオカメラから得られた3次元情報の間の関.
Advertisements

『わかりやすいパターン認 識』 第 5 章 特徴の評価とベイズ誤り確率 5.4 ベイズ誤り確率と最近傍決定則 発表日: 5 月 23 日(金) 発表者:時田 陽一.
白井ゼミ 豊田秀樹(2008)『データマイニング入門』 (東京図書)。4章
「わかりやすいパターン認識」 第1章:パターン認識とは
画像処理工学 2012年2月2日 担当教員 北川 輝彦.
第3回  CVにおけるエピポーラ幾何
ニューラルネットのモデル選択 村田研究室 4年  1G06Q117-5 園田 翔.
Pattern Recognition and Machine Learning 1.5 決定理論
「データ学習アルゴリズム」 第3章 複雑な学習モデル 3.1 関数近似モデル ….. … 3層パーセプトロン
芦田尚美*,髙田雅美*,木目沢司†,城和貴* *奈良女子大学大学院 †国立国会図書館
時空間データからのオブジェクトベース知識発見
上坂吉則 尾関和彦 文一総合出版 宮崎大輔2003年6月28日(土)
Bias2 - Variance - Noise 分解
Bias2 - Variance - Noise 分解
「データ学習アルゴリズム」 第2章 学習と統計的推測 報告者 佐々木 稔 2003年5月21日 2.1 データと学習
第4章 線形識別モデル 修士2年 松村草也.
ガウス過程による回帰 Gaussian Process Regression GPR
第6章 カーネル法 修士2年 藤井 敬士.
発表日:平成15年4月25日 担当者:時田 陽一 担当箇所:第3章 誤差評価に基づく学習 3.1 Widrow-Hoffの学習規則
パターン認識とニューラルネットワーク 栗田多喜夫 2018/11/8 早稲田大学大学院理工学研究科講義.
サポートベクターマシン によるパターン認識
顔部品の検出システムの構築 指導教員 廉田浩 教授 1DS04188W  田中 甲太郎.
7. 音声の認識:高度な音響モデル 7.1 実際の音響モデル 7.2 識別的学習 7.3 深層学習.
第11回   ディジタル画像(2) ディジタル画像処理(2)
第9章 混合モデルとEM 修士2年 北川直樹.
教師なしデータ 学習データ  X1, X2, …, Xn   真の情報源 テストデータ  X  .
第5章:特徴の評価とベイズ誤り確率 5・3:ベイズ誤り確率とは
画像処理工学 2013年1月23日 担当教員 北川 輝彦.
混合ガウスモデルによる回帰分析および 逆解析 Gaussian Mixture Regression GMR
人工知能特論 9.パーセプトロン 北陸先端科学技術大学院大学 鶴岡 慶雅.
モデルの逆解析 明治大学 理工学部 応用化学科 データ化学工学研究室 金子 弘昌.
ICML2006勉強会 2006年7月29日 局所フィッシャー判別分析 東京工業大学 計算工学専攻 杉山 将.
第14章 モデルの結合 修士2年 山川佳洋.
第5章 特徴の評価とベイズ誤り確率 5.5 ベイズ誤り確率の推定法 [1] 誤識別率の偏りと分散 [2] ベイズ誤り確率の上限および下限
第6章 特徴空間の変換 6.1 特徴選択と特徴空間の変換 6.2 特徴量の正規化 平成15年5月23日(金) 発表者 藤井 丈明
構造情報に基づく特徴量を用いた グラフマッチングによる物体識別 情報工学科 藤吉研究室  EP02086 永橋知行.
音色空間の音高依存性を考慮した 楽器音の音源同定
第7章 疎な解を持つカーネルマシン 修士2年 山川佳洋.
予測に用いる数学 2004/05/07 ide.
主成分分析 Principal Component Analysis PCA
Data Clustering: A Review
部分的最小二乗回帰 Partial Least Squares Regression PLS
パターン認識とニューラルネットワーク 栗田多喜夫 2019/4/26 早稲田大学大学院理工学研究科講義.
Fourier 変換 Mellin変換 演習課題
第4章 識別部の設計 4-5 識別部の最適化 発表日:2003年5月16日 発表者:時田 陽一
「データ学習アルゴリズム」 第3章 複雑な学習モデル 報告者 佐々木 稔 2003年6月25日 3.1 関数近似モデル
ナップサック問題 クマさん人形をめぐる熱いドラマの結末.
わかりやすいパターン認識 第7章:部分空間法  7.1 部分空間法の基本  7.2 CLAFIC法                  6月13日(金)                  大城 亜里沙.
楽器音を対象とした音源同定: 音高による音色変化を考慮する識別手法の検討
第3章 線形回帰モデル 修士1年 山田 孝太郎.
サポートベクターマシン Support Vector Machine SVM
「ICAによる顔画像特徴量抽出とSVMを用いた表情認識」
HMM音声合成における 変分ベイズ法に基づく線形回帰
パターン認識 ークラスタリングとEMアルゴリズムー 担当:和田 俊和 部屋 A513
音色空間の音高依存性を考慮した 楽器音の音源同定
パターン認識 ークラスタリングとEMアルゴリズムー 担当:和田 俊和 部屋 A513
ポッツスピン型隠れ変数による画像領域分割
パターン認識特論 ADA Boosting.
わかりやすいパターン認識 第3章 誤差評価に基づく学習 3.3 誤差逆伝播法.
実験計画法 Design of Experiments (DoE)
パターン認識特論 ADA Boosting.
モデルの微分による非線形モデルの解釈 明治大学 理工学部 応用化学科 データ化学工学研究室 金子 弘昌.
パターン認識特論 カーネル主成分分析 和田俊和.
わかりやすいパターン認識 第6章 特徴空間の変換 6.5 KL展開の適用法 〔1〕 KL展開と線形判別法 〔2〕 KL展開と学習パターン数
「データ学習アルゴリズム」 第3章 複雑な学習モデル 報告者 佐々木 稔 2003年8月1日 3.2 競合学習
市松模様を使用した カメラキャリブレーション
Fourier 変換 Mellin変換 演習課題
ランダムプロジェクションを用いた音響モデルの線形変換
各種荷重を受ける 中空押出形成材の構造最適化
空間図形の取り扱いについて.
Presentation transcript:

第9章 学習アルゴリズムとベイズ決定側 〔3〕最小2乗法とベイズ決定側 発表:2003年7月4日 時田 陽一 わかりやすいパターン認識 第9章 学習アルゴリズムとベイズ決定側   〔3〕最小2乗法とベイズ決定側 発表:2003年7月4日 時田 陽一

線形モデルの場合(1) 最小二乗法による線形識別関数と ベイズ決定側との関係について調べる 式(9.7)において とすると、              ベイズ決定側との関係について調べる 式(9.7)において          とすると、 ベイズ識別関数は、

線形モデルの場合(2) は、以下のように表される 上の式より の第2項はwによらない {第1項を最小にするw}⇒{ を最小にするw}     は、以下のように表される 上の式より     の第2項はwによらない {第1項を最小にするw}⇒{    を最小にするw} 線形識別関数        は、    ベイズ識別関数    を最小二乗近似する線形識別関数

Coffee break 最小二乗学習によって ベイズ識別関数を最小二乗近似する線形識別関数が得られる         ベイズ識別関数を最小二乗近似する線形識別関数が得られる 誤識別率を最小にする理想的な識別関数であるかに見える 最小二乗学習によって         得られる境界 誤識別率最小の境界 二乗誤差最小という基準を用いると、パターン数の       多いところ[p(x)の大きいところ]の寄与が大きくなってしまう ベイズ識別関数を最小二乗近似する線形識別関数は       誤識別率という観点から見て必ずしも最良ではない

最小二乗法とベイズ決定則を結びつける重要な関係式 非線形モデルの場合(1) 前節で示した非線形モデルの最適解 最小二乗法とベイズ決定則を結びつける重要な関係式 事後確率の関係 より、これに注意すると、 各パターン  は、最適写像     により各クラスの代表点  を               そのベイズ事後確率の比で内分する点に移される

非線形モデルの場合(2) の張る空間は、c次元空間上でc個のクラスの代表点 を 通る 次元超平面( 次元射影平面)となる 通る     次元超平面(     次元射影平面)となる   に対する教師ベクトル 第i成分が1でその他が全て0となるc次元座標単位ベクトル を選ぶことができる パターンxは最適写像       により第i成分をクラス  の               事後確率とするベイズ確率ベクトルにうつされる 最適写像       で定まる決定規則は               ベイズ決定則と完全に一致する

最小二乗法による判別写像(1) d次元特徴空間Fで分布する3クラスのパターン ⇒ 最適判別写像 により を頂点とする ベイズ境界 ベイズ境界 特徴空間 判別空間 d次元特徴空間Fで分布する3クラスのパターン   ⇒ 最適判別写像   により     を頂点とする      三角形の内部もしくは周上にうつされる

最小二乗法による判別写像(2) 判別平面上で と との二乗距離 を計算 二乗距離 のiに関する最小化は事後確率 の iに関する最大化と同値 判別平面上で   と  との二乗距離   を計算 二乗距離  のiに関する最小化は事後確率      の                            iに関する最大化と同値 特徴空間Fでは、ベイズ決定則は事後確率が最大となるクラス選択を意味する 判別空間Dにおいては  と  との二乗距離が最小となるクラス選択となっている 特徴空間Fにおけるベイズ境界は  (c-1)次元単体では単純な重心分割境界となり、  Fでは複雑な境界もDでは単純な線形識別境界となる

最小二乗法による 非線形判別写像の例(1) ●1次元特徴で2クラスの場合 ベイズ境界 判別空間 特徴空間 最小二乗法による      非線形判別写像の例(1) ●1次元特徴で2クラスの場合 ベイズ境界 ベイズ境界 判別空間 特徴空間 は最適判別写像        により、2点    を結ぶ線上にうつされる 、  はそれぞれ  、  のクラスであるが、 二乗距離の計算および図から逆のクラスと誤識別されることがわかる

最小二乗法による 非線形判別写像の例(2) ●1次元特徴で3クラスの場合 ベイズ境界 特徴空間 判別空間 最小二乗法による      非線形判別写像の例(2) ●1次元特徴で3クラスの場合 ベイズ境界 ベイズ境界 特徴空間 判別空間 パターン  は最適判別写像により、3点      を頂点とする                      三角形の周上および内部にうつされる