A02 計算理論的設計による知識抽出モデルに関する研究

Slides:



Advertisements
Similar presentations
2015 年度 有限幾何学 期末試験 次の各問に答えよ.( (1), (2), (3), (4), (5), (7), (8), (10) は答えだけでよい) (1) 有向閉路が存在しない位数 4 のトーナメントを描け. (2) 内点の個数が 10 個の正則 2 分木の葉の個数を求めよ. (3) グラフ.
Advertisements

<最適化の概念> 最適化すべき問 題 数学モデル 変数,数式 数理計画法 定められた計算手 順を用いて解くた めの方法論.
遺伝的アルゴリズムにおける ランドスケープによる問題のクラス分類
11章 ボリュームレンダリングを学ぶ 本来は目に見えない内部情報をレンダリングし可視化する技術
ネットワーク理論講義補助資料 Text. 組合せ最適化とアルゴリズム 4.5 節 主・双対法 pp
データ構造と アルゴリズム 第十二回 知能情報学部 知能情報学科 新田直也.
ラベル付き区間グラフを列挙するBDDとその応用
    有限幾何学        第8回.
組合せ最適化問題と厳密解法 最小木、ナップサック問題、ビンパッキング、巡回セールスマン問題 LPによる上界・下界 分枝限定法
ネットワーク理論 Text. Part 3 pp 最短路問題 pp 最大流問題 pp.85-94
整数計画法を用いた スリザーリンクの解法 杉村 由花 (東京大学)
計算の理論 II NP完全 月曜4校時 大月美佳.
Approximation of k-Set Cover by Semi-Local Optimization
8.クラスNPと多項式時間帰着.
先端論文紹介ゼミ Role-based Context-specific Multiagent Q-learning
データ構造と アルゴリズム 第二回 知能情報学部 新田直也.
身近にある曲線や曲面の数理的構造に興味を持ったら,
形状モデリングにおいて,任意の自由曲面を定義する必要のある場合がある.自由曲面の表現法について説明する.
DARTs: Efficient scale-space extraction of DAISY keypoints
確率・統計輪講資料 6-5 適合度と独立性の検定 6-6 最小2乗法と相関係数の推定・検定 M1 西澤.
多変数関数の積分(6/3~24) 重積分(2重積分) 第6章(§5は除く) 重積分の定義 「連続関数は積分可能」
9.NP完全問題とNP困難問題.
制約条件の確率的選択に基づく 資源追加削減法の改良 三木 光範(同志社大工) 廣安 知之(同志社大工) ○小林 繁(同志社大院)
高山建志 五十嵐健夫 テクスチャ合成の新たな応用と展開 k 情報処理 vol.53 No.6 June 2012 pp
情報工学総合演習 D-I 近似アルゴリズム 埼玉大学 理工学研究科 山田 敏規、 橋口 博樹、 堀山 貴史
サポートベクターマシン によるパターン認識
第25章 単一始点最短路 3節 Bellman-Fordのアルゴリズム
ネットワーク上での社会的効用と個人的効用の対立問題に対するアルゴリズム的研究
決定木とランダムフォレスト 和田 俊和.
ネットワーク理論 Text. Part 3 pp 最短路問題 pp 最大流問題 pp.85-94
グラフアルゴリズムの可視化 数理科学コース 福永研究室 高橋 優子 2018/12/29.
北大MMCセミナー 第70回 附属社会創造数学センター主催 Date: 2017年7月6日(木) 16:30~18:00
確率伝搬法と量子系の平均場理論 田中和之 東北大学大学院情報科学研究科
デザイン情報学科 メディア情報設計 河原英紀
第3回 アルゴリズムと計算量 2019/2/24.
量子系における 確率推論の平均場理論 田中和之 東北大学大学院情報科学研究科
九州大学大学院 情報学専攻特別講義 (3) 配列解析
b f c a d e g h a b c d e f g 図1 図2 2012年度 有限幾何学 期末試験
計算量理論輪講 chap5-3 M1 高井唯史.
分子生物情報学(2) 配列のマルチプルアライメント法
計算の理論 II 言語とクラス 月曜4校時 大月美佳.
アルゴリズム理論的な データ近似へのアプローチとデータマイニング
連続領域におけるファジィ制約充足問題の 反復改善アルゴリズムによる解法 Solving by heuristic repair Algorithm of the Fuzzy Constraint Satisfaction Problems with Continuous Domains 北海道大学.
不確実データベースからの 負の相関ルールの抽出
パターン認識特論 担当:和田 俊和 部屋 A513 主成分分析
First Course in Combinatorial Optimization
知識科学研究科 知識システム構築論講座 林研究室 佛明 智
2016年度 有限幾何学 中間試験 問1 次のグラフを描け.(描けない場合は理由を述べよ) 各20点
生物情報ソフトウェア特論 (2)たたみ込みとハッシュに 基づくマッチング
モデル検査(5) CTLモデル検査アルゴリズム
「データ学習アルゴリズム」 第3章 複雑な学習モデル 報告者 佐々木 稔 2003年6月25日 3.1 関数近似モデル
サポートベクターマシン Support Vector Machine SVM
「ICAによる顔画像特徴量抽出とSVMを用いた表情認識」
重み付き投票ゲームにおける 投票力指数の計算の高速化
第16章 動的計画法 アルゴリズムイントロダクション.
直並列グラフの連続多重彩色 西関研究室 吉田進太郎.
Max Cut and the Smallest Eigenvalue 論文紹介
土木計画学 第12回(1月14日) 計画における代替案の作成2 担当:榊原 弘之.
ポッツスピン型隠れ変数による画像領域分割
11.動的計画法と擬多項式時間アルゴリズム.
発表者: 稲葉 一浩 複雑ネットワーク・地図グラフ セミナー 2017/1/19
シミュレーション演習 G. 総合演習 (Mathematica演習) システム創成情報工学科
離散数学 11. その他のアルゴリズム 五島.
生物情報ソフトウェア特論 (4)配列解析II
計算の理論 I ε-動作を含むNFA 火曜3校時 大月 美佳 平成16年5月25日 佐賀大学知能情報システム学科.
13.近似アルゴリズム.
市松模様を使用した カメラキャリブレーション
集中講義(東京大学)「化学システム工学特論第3」 バイオインフォマティクス的手法による化合物の性質予測(1) バイオインフォマティクス概観
分子生物情報学(0) バイオインフォマティクス
グラフの帯域幅連続多重彩色 を求めるアルゴリズム (Bandwidth Consective Multicolorings of Graphs) 西関研究室 西川和秀.
Presentation transcript:

A02 計算理論的設計による知識抽出モデルに関する研究 徳山 豪  (東北大学) 塩浦昭義  (東北大学) 全眞嬉   (東北大学) 河原林健一(東北大学→NII)

研究の目的 知識抽出システムでの計算理論的設計や解析の手法を探る 計算困難性を打破するためのモデルの検討  知識抽出: データマイニングだけではない  計算幾何学でのパターン抽出  Voronoi図: 点集合データ→理解しやすい知識形態 全列挙→マイニング→最適化  (目的がはっきりするに従い) 計算困難性を打破するためのモデルの検討  入力の性質を利用した高速アルゴリズム パラメトリック複雑度 アルゴリズム的グラフマイナー理論  数理経済学での価格決定のモデル  離散凸解析 

プロジェクトと成果(2004-2007) 1: 最適曲面近似とデータマイニング(直接のテーマ) 2: Voronoi図とZone図 1: 最適曲面近似とデータマイニング(直接のテーマ)  全,徳山+浅野,加藤他  Journal:5(Algorithmicaなど) Conf(ISAACなど):6 2: Voronoi図とZone図  徳山+浅野,Matousek他 Journal :2(SICOMP, Adv. Math), Conf: 2 (STOC, SODA) 3: パラメトリック複雑度  徳山+Halldorsson他  Journal: 2(TCSなど), Conf: 1(WADS),IETA:2

プロジェクトと成果:2 4: アルゴリズム的グラフマイナー理論 5: オプションの価格決定でのモデルと解析 6: 離散凸解析 4: アルゴリズム的グラフマイナー理論  河原林+海外研究者等  Journal 多数(30くらい)、Conf 多数   STOC2、FOCS,SODA、ISAAC(Best Paper) 5: オプションの価格決定でのモデルと解析  塩浦、徳山  Journal :2(Algorithmica, IPL), Conf :1 6: 離散凸解析  塩浦+室田他  Journal 多数(10くらい) 7: その他: アドホックネットワークのモデルなど

最適曲面近似についての進展 非負行列データ: A = (a(i,j) ) i,j = 1,2,..,n  2次元格子上の関数と思う Aの単峰近似: F = (f(i,j)) : 単峰関数 Fの水平切断が「良い形」  Minimize |A-F|2 : L2距離  等高線で書かれた地図から「山」を切り出す 

 単峰近似 (1次元(上図) 2次元(下図))

単峰近似の手法 グラフの「最大重み支配閉包」問題に帰着する 最大流問題に帰着(多項式時間解法) G =(V, E): 有向グラフ、 頂点に重み w(v) (負の重みもある) G の支配閉包: 頂点の集合X  uがXの要素で(u,v)が有向辺ならばvもXの要素  最大重み支配閉包 (山の等高線に対応)  重み和が最大になる支配閉包  最大流問題に帰着(多項式時間解法) 

中心点に向いた格子グラフでの支配閉包 -1 -2 1 1 1 -1 1 2 1 -2 2 -1 2 - - 3 1 2 2 - 4 4 - 1 2 - - 2 - - 4

最近の進展(1) 「山」の水平断面として自然なのは? 星型領域(輪)についての解法の提案 星型領域 (技術的困難があった)  星型領域 (技術的困難があった)  凸領域 (未解決)  星型領域の輪 星型領域(輪)についての解法の提案  難しさ: グリッドでの星型領域は何か?  星型領域: 各点から中心点へ向かう直線分を含むような領域  グリッドでの「直線分」の定義が難しい 通常の定義だと「星型」らしくなくなる

グリッド星型領域を定めるグラフ(木) (Martin Noellenburg製作)

最近の進展(2) 多峰近似は多項式時間で出来るか? 2つのグラフの最大重み支配閉包和問題 頂点集合Vと重み(入力行列の要素に対応) G=(V, E), G’ =(V, E’) : V上の有向グラフ   2つの山に対応 X: Gでの支配閉包,Y: G’での支配閉包 X∪Y の形で最大重みのものを求める  NHCの会議(06調布)でのOpen Problem  NP困難か?G, G’が根付き有向木の場合にはどうか? 木の場合は、支配閉包=根付き部分木 

残念ながらNP困難 2つの根付き有向木(グリッドの部分木に向きをつけたもの)に対してすらNP困難  MAX2SATを帰着する  → 現在の定式化だと2次元での多峰近似は難しそう 多峰近似問題の近似アルゴリズム??  最大支配閉包和の形だと近似できない

S3 S3 S2 S2 S1 S1 S3 S3 S2 S2 S1 S1 S1 S1 S2 S2 S3 S3 S1 S1 S2 S2 S3 M+N S3 ∨S2 S3 -N 1/2 S3 ∨S1 S3 ∨S2 S3 -N 1/2 1/2 S2 ∨S3 S2 -N 1/2 S2 ∨S1 S2∨S3 S2 -N 1/2 1/2 S1 -N S1 -N 1/2 1/2 S1∨S3 S1∨S2 S3 -M -M M -N M+N S3 -M M -M -N M+N S2 -M -M M -N M+N S2 -M M -M -N M+N S1 -M -M M -N M+N S1 -M M -M -N M+N -M -M -M -M -M -M S1 S1 S2 S2 S3 S3 S1 S1 S2 S2 S3 S3

総重み= nM+MAX2SAT S3 S3 S2 S2 S1 S1 S3 S3 S2 S2 S1 S1 S1 S1 S2 S2 S3 S3 M+N M+N M+N M+N M+N M+N S3 ∨S2 S3 -N 1/2 S3 ∨S1 S3 ∨S2 S3 -N 1/2 1/2 S2 ∨S3 S2 -N 1/2 S2 ∨S1 S2∨S3 S2 -N 1/2 1/2 S1 -N S1 -N 1/2 1/2 S1∨S3 S1∨S2 S3 -M -M M -N M+N S3 -M M -M -N M+N S2 -M -M M -N M+N S2 -M M -M -N M+N S1 -M -M M -N M+N S1 -M M -M -N M+N -M -M -M -M -M -M S1 S1 S2 S2 S3 S3 S1 S1 S2 S2 S3 S3