情報処理Ⅱ 第2回 2005年10月14日(金).

Slides:



Advertisements
Similar presentations
プログラミング論 第八回数字の計算,整数の入出力. 本日の内容 前回の課題(続き) 前回の課題(続き) 数字の計算をする 数字の計算をする – 加減乗除を行う – インクリメント演算子とデクリメン ト演算子.
Advertisements

2.5 プログラムの構成要素 (1)文字セット ① ASCII ( American Standard Code for Interchange ) JIS コードと同じ ② EBCDIC ( Extended Binary Coded Decimal for Information Code ) 1.
【事例演習5】  字句解析     解 説  “ハッシュを用いた字句解析の方法”.
コンピュータープログラミング(C言語)(2) 1.文字列出力と四則演算 (復習) 2.関数と分割コンパイル
コンピュータープログラミング(C言語)(2) 1.文字列出力と四則演算 (復習) 2.関数と分割コンパイル
プログラミング言語としてのR 情報知能学科 白井 英俊.
情報・知能工学系 山本一公 プログラミング演習Ⅱ 第7回 データの基本型 情報・知能工学系 山本一公
基礎プログラミングおよび演習 第9回
岩村雅一 知能情報工学演習I 第9回(C言語第3回) 岩村雅一
C言語 第2講 生物機能制御学講座 濱田 農学部7号館209室.
第2回ネットワークプログラミング 中村 修.
第2回:Javaの変数と型の宣言 プログラミングII 2007年10月2日.
構造体.
プログラミング演習II 2004年12月 21日(第8回) 理学部数学科・木村巌.
情報処理Ⅱ 2007年12月10日(月).
情報処理Ⅱ 第4回 2007年10月29日(月).
第10回 プログラミングⅡ 第10回
岩村雅一 知能情報工学演習I 第8回(後半第2回) 岩村雅一
ちょっとした練習問題① 配列iroを['R', 'W', 'R', 'R', 'W' , 'W' , 'W']を宣言して、「W」のときの配列の番号をprintfで表示するようなプログラムを記述しなさい。
情報処理Ⅱ 第2回 2007年10月15日(月).
プログラミング応用 printfと変数.
プログラミング演習I 2003年5月7日(第4回) 木村巌.
プログラミング入門2 第2回 型と演算 条件分岐 篠埜 功.
岩村雅一 知能情報工学演習I 第9回(後半第3回) 岩村雅一
岩村雅一 知能情報工学演習I 第8回(C言語第2回) 岩村雅一
プログラミング入門2 第11回 情報工学科 篠埜 功.
岩村雅一 知能情報工学演習I 第10回(後半第4回) 岩村雅一
岩村雅一 知能情報工学演習I 第9回(後半第3回) 岩村雅一
2013年度 プログラミングⅡ ~ 計算してみよう ~.
2015年度 プログラミングⅡ ~ 計算してみよう ~.
岩村雅一 知能情報工学演習I 第9回(C言語第3回) 岩村雅一
フロントエンドとバックエンドのインターフェース
型の compatibility とポインタ演算
情報処理Ⅱ 第2回:2003年10月14日(火).
プログラミング演習I 2004年5月19日(第5回) 理学部数学科・木村巌.
情報処理Ⅱ 第1回 2004年10月5日(火).
岩村雅一 知能情報工学演習I 第9回(後半第3回) 岩村雅一
プログラミング言語入門 2013 (C言語 初級) 演習期間 担当 参考資料 採点 10/24 - 1/23 (全10回) 松澤,鈴木,児玉
C言語ファミリー C# 高級言語(抽象的) Java オブジェクト指向 C++ C 機械語(原始的)
プログラミング演習I 2003年4月30日(第3回) 木村巌.
地域情報学 C言語プログラミング 第2回 変数・配列、型変換、入力 2017年10月20日
オブジェクト指向言語論 第三回 知能情報学部 新田直也.
情報処理Ⅱ 第3回 2007年10月22日(月).
コンパイラ 2012年10月29日
情報処理Ⅱ 第2回 2006年10月13日(金).
高度プログラミング演習 (11).
C言語講座 制御(選択) 2006年 計算技術研究会.
情報処理Ⅱ 2006年11月24日(金).
情報処理Ⅱ 第7回 2004年11月16日(火).
情報処理Ⅱ 2005年10月28日(金).
標準入出力、変数、演算子、エスケープシーケンス
オブジェクト指向言語論 第二回 知能情報学部 新田直也.
岩村雅一 知能情報工学演習I 第8回(後半第2回) 岩村雅一
岩村雅一 知能情報工学演習I 第8回(C言語第2回) 岩村雅一
プログラミング演習I 数値計算における計算精度と誤差
情報処理Ⅱ 2006年11月8日(金).
岩村雅一 知能情報工学演習I 第10回(後半第4回) 岩村雅一
情報処理Ⅱ 2007年2月2日(金).
情報処理Ⅱ 第2回 2004年10月12日(火).
モバイルプログラミング第2回 C言語の基礎 (1).
第3回簡単なデータの入出力.
情報処理Ⅱ 2005年11月25日(金).
情報処理Ⅱ 小テスト 2005年2月1日(火).
復習 いろいろな変数型(2) char 1バイト → 英数字1文字を入れるのにぴったり アスキーコード → 付録 int
情報処理Ⅱ 第3回 2004年10月19日(火).
情報処理Ⅱ 2006年10月20日(金).
情報処理Ⅱ 2006年10月27日(金).
分岐(If-Else, Else if, Switch) ループ(While, For, Do-while)
岩村雅一 知能情報工学演習I 第7回(後半第1回) 岩村雅一
岩村雅一 知能情報工学演習I 第9回(C言語第3回) 岩村雅一
Presentation transcript:

情報処理Ⅱ 第2回 2005年10月14日(金)

授業の進め方 構造体 その他の型 2年以降で さらに学習・習熟 プリプロセッサ 指令 ライブラリ関数 ファイル入出力 配列・文字列 ポインタ 変数の 有効範囲 識別子 算術型 制御文 演算子 プログラムの作成・ コンパイル・実行

本日学ぶこと コラッツの問題のプログラムで,変数の宣言を としたが,これ以外にどんな書き方があるのか? int x = 3; xは「識別子」 コラッツの問題のプログラムで,変数の宣言を としたが,これ以外にどんな書き方があるのか? xは「識別子」 intは「型」 int x = 3;

識別子(Identifier) プログラムの中でさまざまな対象を識別するために用いられる「名前」のこと 対象の例 変数 関数 型定義 構造体のタグやメンバ 列挙体と列挙定数 ラベル など

識別子の命名規則(1) 最初の文字は,英字または下線記号(_) 2文字目以降は,英字,下線記号または数字 英字は大文字と小文字が区別される 例 ○ int x, variable, Variable, x_y, _, _ _; × int 0x, <variable>, x-y;

識別子の命名規則(2) 「予約語」はNG auto, break, case, char, const, continue, default, do, double, else, enum, extern, float, for, goto, if, int, long, register, return, short, signed, sizeof, static, struct, switch, typedef, union, unsigned, void, volatile, while 例 × int int; ○ int intchar;

識別子の命名規則(3) 「予約済み識別子」もNG 例 printfなど,既に定義されている名前 下線記号から始まるもの(例外はあるが,避けておくほうが無難) 例 × int printf, NULL; ○ int Printf;

識別子の命名方針 よく使う変数名 変数は,1文字~数文字.もしくは,その用途がわかるものにする. ループ用変数: i, j, k 座標: x, y 変数は,1文字~数文字.もしくは,その用途がわかるものにする. a, b, c, msg, from, to, filename 関数名は,その機能がわかるものにする.長くなる. transform_rectangle_to_circle transformRectangleToCircle ラベルや定数は,大文字と下線のみを使用する NULL, EOF, _ _LINE_ _

型(type) 変数や値がどのような種類の情報を持っているか 型の違いの例 C, C++, Javaなどでは,変数宣言時に型を決めなければ ならない 型の違いの例 int i = 1; (整数の「1」) float f = 1.0; (実数の「1」) char c = '1'; (文字の「1」) char *p = "1"; (文字列の「1」) 相互に変換できる?

型の分類 オブジェクト型 関数型 不完全型 算術型 ⇒ 本日のテーマ 配列型 ⇒ 後日しっかり学ぶ 構造体型 ⇒ 後日しっかり学ぶ 共用体型 ポインタ型 ⇒ 後日しっかり学ぶ 関数型 不完全型 派生型

算術型(よく使う) char : 文字,小さな範囲の整数 int : 整数 long : より大きな範囲の整数 float : 実数 語源…character int : 整数 語源…integer long : より大きな範囲の整数 語源…long integer float : 実数 語源…floating point(浮動小数点) double : より大きな範囲の実数 語源…double precision(倍精度)

算術型(あまり使わない) なるべく使わない たまに見かけるかも short int short long int unsigned char unsigned int unsigned long long double なるべく使わない short int long int long long long long int signed unsigned signed int char signed

整数型の範囲 整数型(char, int, longなど)のとりうる値は で決まる. nビットなら,2進数を用いて2n個の数値を表現できる. その型を何バイト(何ビット)で表現するか 符号の有無 で決まる. nビットなら,2進数を用いて2n個の数値を表現できる. どの整数型も,0を表現できる.

signedとunsigned signed (符号あり) unsigned (符号なし) signedもunsignedも書かなかったら… 負の数をとり得る整数 最小は,-2n-1 最大は,2n-1-1 unsigned (符号なし) 負の数をとらない整数 最小は,0 最大は,2n-1 signedもunsignedも書かなかったら… int, short, longでは「符号あり」と決まっている charでは処理系に依存 1 1 1 1 1 1 1 1 n = 8 の ビットパターン 1 1 1 1 1 1 1 1

整数型の範囲の例 例1: int型が4バイト(32ビット)なら, 例2: char型は常に1バイト(8ビット) 注意 0≦unsigned int型の値≦4294967295 例2: char型は常に1バイト(8ビット) char=signed charなら,-128≦char型の値≦127 char=unsigned charなら,0≦char型の値≦255 注意 char以外の整数型のバイトサイズは処理系に依存 演習室の環境は,intとlongがともに4バイト. intが2バイトという処理系も多い.

範囲を越えるとどうなるか? signed char型変数に13*13を格納すると?

浮動小数点とは? 科学技術計算では,602000000000000000000000 を 6.02×1023 と書く. 計算例:(6.02×1023)×10 = 6.02×1024 (符号)仮数×底指数による表現を,浮動小数点形式という. ただし1≦仮数<底,指数は整数(0や負でもよい) 「底」は「基数」とも言う. 計算例:(6×102)×(6×102) = (6×6)×102+2 = 36×104 = 3.6×105 2を底とする浮動小数点形式で表されることが多い. 例:-0.625 (=1/2+1/8)は,「-」1.01(2) * 2-1

実数型の範囲(1) 仮数と指数をそれぞれ何ビットで表現するかによって,取り得る値が決まる. 単精度の例:符号1ビット+仮数部23ビット+指数部8ビット =32ビット(4バイト) 倍精度の例:符号1ビット+仮数部52ビット+指数部11ビット=64ビット(8バイト) ビット数の制約があるため,あらゆる実数を表すことはできない. 表現できない数の例:101000 ,√2,π

無限小? 1から始めて2でどんどん割っていくと, いくらでも小さい数ができる? いずれは0になる?

1なのに,1でない? for文を用いて,0, 0.1, 0.2, ..., 1.0 を取り出す. プログラミングの心がけ (最善) 実数型はループ用変数にしない. (次善) != ではなく,> や < を用いて終了判定をする.

定数の表現方法 整数定数 浮動小数点定数 上記の英字は,大文字でも小文字でもよい. 123, 0123, 0x123 -123 123U, 123L, 123UL 浮動小数点定数 3.14, -3.1415926 .14, 3. 6.02E23 6.63E-34F, 6.62606876E-34L 上記の英字は,大文字でも小文字でもよい. 8進数値 16進数値 ( 0~9, a~f ) int型 double型 unsigned int型 long型 float型 long double型 unsigned long型 6.02×1023 物理定数 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%A9%E7%90%86%E5%AE%9A%E6%95%B0

異なる型の値同士の計算 1/3 と 1.0/3 と 1/3.0 と 1.0/3.0 は同じ値? 演算において,大きい範囲の型に揃えられる. int > short, int > char (汎整数拡張) long double > double > float > long long > long > int (暗黙の型変換) unsigned > signed 変数に値を格納する(代入する)ときは,変数の型に応じて型変換が行われる. プログラミングの心がけ unsignedとsignedの整数値を混在させて演算しない. 1/3は,0

まとめ 変数や関数などの名前は「識別子」と呼ばれ,そのルール(命名規則)や慣用的な使われ方がある. 「数」には「整数」と「浮動小数点数」がある. 表現できる数値には制限がある. 「整数」といっても,いくらでも大きな整数値が使えるわけではない. 「実数」といっても,いくらでも精密な実数値が使えるわけではない. オーバーフロー,計算誤差,型変換に注意.