メッシュ付きμ-PICの動作検証 2006年度卒業研究 0333116s 道前 武
1.Introduction 検出の原理 ・ハイレートな信号に対応できない ・構造が複雑(組み立てが大変) + + X線などの電磁波( E≧5.9[keV ] ) + コンプトン効果 光電効果 Ar + Ar 電離作用 ワイヤーを使った検出器(比例計数管)の動作原理 ・ハイレートな信号に対応できない ・構造が複雑(組み立てが大変) 問題点→
μ-PICとは… Micro Pixel Chamber マイクロ(μ)パターンのピクセル(PIXEL) の基盤を用いた検出器 の基盤を用いた検出器 マイクロパターンのピクセル 236μm 300μm Cathode(ニッケル) Cathode(銅) μ-PICの動作原理 + Ground (0[V]) 5μm 80μm 10μm ポリイミド Anode(銅) ・陽イオンがCathodeにドリフトするので比較的ハイレートな信号にも対応できる ・構造が単純 ・大量生産できれば安価に製作できる
電場が強くなり電子のもつエネルギーが増す →ゲインが増す 問題点→ガス増幅(ゲイン)が上がらない 解決法・・・網目のごく小さい導電体で出来たメッシュを基盤の上に張りマイナスの電圧をかける 電場が強くなり電子のもつエネルギーが増す →ゲインが増す 素材:ニッケル 網目の間隔:50[μm] 厚さ:20[μm]程 負電圧をかけたメッシュ + +
2.Set Up メッシュの張り方 放電 パターンA パターンB カプトンテープ(絶縁テープ)で止める カプトンテープ(絶縁テープ)で止める パターンA パターンB メッシュ 厚さ100[μm]前後のプラスティックの板 穴をあけたプラスッティック板 メッシュをボンドで止める Meshの平均の高さ:340[μm] Meshの平均の高さ:195[μm] 放電 Drift、Mesh、Anode、Cathodeそれぞれの間でどこかが電位差が多きすぎると放電して壊れてしまう →慎重に電圧をかけなければならない MeshとAnodeが放電してしまったパターン
ガスの密閉性と酸素濃度 酸素は逆に電子を吸着する恐れがある→酸素濃度が少ないほうがよい ~μ-PIC内の酸素濃度の変化のチェック~ 使用しているガス:アルゴンエタン(アルゴン90%+エタン10%) ・アルゴンが光電効果を起こしやすい ・アルゴンは電子を吸着しにくい(希ガスはイオン化しやすい) ・手に入りやすい ・エタンが紫外線を吸収する(によって発生した紫外線) 酸素は逆に電子を吸着する恐れがある→酸素濃度が少ないほうがよい ~μ-PIC内の酸素濃度の変化のチェック~ 酸素濃度の変化 酸素濃度[ppm] 密閉度をチェックする ガス μ-PIC 酸素濃度計 排気 TIME[min]
測定方法と周辺機器(接続方法) オシロスコープ GATE ADC それぞれの設定で5000個のサンプルをとる
使用した線源 グラフの読み取り 使用した線源・・・Fe55 + 85% 15% + + X線 最外殻 Auger electron 紫外線 ピーク 85% エスケープピーク 15% + 最外殻 Auger electron エスケープピークとなる + 紫外線
検出機器のキャリブレーション ADCの値に対する実際の増幅率を調べる 1[pF]
3.Experiment それぞれのMesh電圧に対するDriftの適正電圧を調べる Mesh:0[V] Mesh:-50 まずパターンAでのメッシュの張り方で測定した それぞれのMesh電圧に対するDriftの適正電圧を調べる Anode:450[V]で固定してDriftの値を変化させていく Mesh:0[V] Mesh:-50 MeshとDriftとの電圧差が100[V]になる辺りでゲインのピークが得られる
パターンAでのゲインの変化 Mesh:0[V] Mesh:-50[V] Mesh:-100[V] Mesh:-150[V] それぞれのMesh電圧でAnodeの電圧を上げてゲインの変化を見る Driftの電圧は常にMeshの電圧との差が100[V]になるように設定 Mesh:0[V] Mesh:-50[V] Mesh:-100[V] Mesh:-150[V] Mesh:-150[V]、Drift250[V]、Anode:500[V]でのゲインが一番高くなった→14367 Meshに-200[V]かけた時に放電してしまう
それぞれのMesh電圧に対するDriftの適正電圧を調べる 次にパターンBでのメッシュの張り方で測定した それぞれのMesh電圧に対するDriftの適正電圧を調べる Mesh:0[V] Mesh:-50[V] Mesh:-100[V] Mesh-150[V] Mesh:-200[V] Anode:450[V]で固定してDriftの値を変化させていく Meshが0[V]、-50[V]、-100[V]の時→MeshとDriftの差が150[V]付近でゲインのピークがくる Meshが-150[V]の時→差が200[V] Meshが-200[V]の時→差が350[V] でピークになった
パターンBでのゲインの変化 一番ゲインが高かったのはMesh-200[V]、Anode490[V]、Drift-550[V]のとき →26015 Anodeに500[V]、Meshに-200[V]かけた時に放電してしまう
4.Results ゲインを上げるには →Meshの使用 最もゲインが高くなる条件は →なるべく高いAnode電圧とMesh電圧、またそのMesh電圧に適したDrift電圧をかける !注意! あまり電圧を上げすぎると放電してしまう(安定しない) →検出器として使うには安定した動作が必要不可欠 更にゲインを上げる為には・・・ ・ガスを他の物を使ってみる ・それぞれの電圧をもっと変えてみる ・Mesh、Anode、Driftのそれぞれの距離を変化させる ・表面観察(どのようなところで放電が起こり易いかを調べる)
1.Introduction 3.Experiment 目次 1.Introduction 3.Experiment 1.1 ガス検出器について 3.1 測定方法 1.2 目標 3.2 メッシュの効果の測定 1.3 μ-PICとは 3.3 適正電圧 2.Setup 4.Results 2.1 メッシュの張り方 2.2 ガスの密閉性と酸素濃度 2.3 ブロック図 2.4 使用した線源
2.Set Up D C B A H G F E L K J I メッシュの張り方→2つのパターンで張りそれぞれの状態で測定した パターンA カプトンテープ(絶縁テープ)で止める カプトンテープ(絶縁テープ)で止める パターンA パターンB メッシュ 穴をあけたプラスッティック板 メッシュをボンドで止める 厚さ100[μm]前後のプラスティックの板 D C B A H G F E L K J I メッシュの素材:ニッケル メッシュの間隔:50[μm]
周辺機器(接続方法) x:count 数 y:ADC値 ~ADCとその仕組み~ より 両辺をtで積分して よって ※ADCは125[fc]で1[count]とする x:count 数 y:ADC値