HERMESの横偏極水素標的の 深非弾性散乱におけるハドロン 測定による Single Spin Asymmetry

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HERMESの横偏極水素標的の 深非弾性散乱におけるハドロン 測定による Single Spin Asymmetry 2006.3.28 日本物理学会 講演番号 28aWD-3 HERMESの横偏極水素標的の 深非弾性散乱におけるハドロン 測定による Single Spin Asymmetry 東工大理 長谷川大樹、今津義充、小林知洋、宮地義之、柴田利明 他 HERMES Collaborations

目次 ・Single Spin Asymmetry の測定 ・Collins Asymmetry の結果 ・Sivers Asymmetry の結果 ・展望:今後のデータ解析 ・まとめ

Single Spin Asymmetry の測定 U : Unpolarized beam spin T : Transversely polarized target spin φ :target spinに依存したπ粒子 の生成断面積 Single Spin Asymmetry と, Collins Asymmetry, Sivers Asymmetry の関係 Collins Asymmetry Sivers Asymmetry

HERMES で蓄積された DIS event の数 田中氏の講演参照 横偏極水素標的を用いた測定 2002年~2005年12月まで 今回の解析に使用するデータ 2002年, 2003年, 2004年

Collins Asymmetries の結果 transversity Collins fragmentation function Averaged Asymmetries

Sivers Asymmetries の結果 Sivers function Fragmentation function Averaged Asymmetry

展望 : 今後のデータ解析 今後 2005 年のデータを含めた 解析 π0, の解析も行う RICHによるK粒子の同定 π0,   の解析も行う RICHによるK粒子の同定 → K粒子のAsymmetry測定 K-を見ることでseaクォークの性質を見ることができる

まとめ HERMESは2002年から2005年まで横偏極標的を用いた 深非弾性散乱実験を行った 2002, 2003年のSingle Spin Asymmetryは publish された ( Phys. Rev. Lett. 94 (2005) ) 今回 2002 年から 2004 年までのデータから Collins Asymmetry, Sivers Asymmetry を導出した 展望 :2005年の実験データを含めた Asymmetry の解析を行う          π+, π- の Asymmetry 解析          π0, K粒子の Asymmetry 解析

まとめと展望 K中間子はvector mesonからのback groundが少ない K-を見ることで反クォークの性質を見ることができる

π0 粒子のAsymmetry測定 Semi inclusive cut Eγ > 1GeV, 0.2 < z < 0.7 π0粒子の不変質量分布 Back ground を考慮したAsymmetry

HERMES 実験 Target Beam line Beam : positron (Polarized ~ 55%) Energy ~ 27.6GeV Target : He, H, D (Polarized ~ 90%)

深非弾性散乱 (DIS) Q2 > 1 GeV2 深非弾性散乱 Scattered lepton lepton γ* inclusive DIS h p u d h π π Semi inclusive DIS Q2 > 1 GeV2 深非弾性散乱

Collins Asymmetry Error bar estimation

K粒子のAsymmetry測定 K+ K- sea クォークの情報が 含まれている

2005年の実験データを含めると倍の統計量が得られる π粒子のAsymmetryの統計誤差は80%ぐらいに減少 RICHによるK粒子の同定 → K粒子のAsymmetry測定 K中間子はvector mesonからのback groundが少な(π○%、) K-を見ることで反クォークの性質を見ることができる。

π- のsivers Asymmetryが0になる理由 Sea quarkの情報がなぜ得られるか 統計誤差をどうやって決定したか Π粒子の測定はどうやって行うか

Sivers Asymmetry 2005年の実験データを含めると倍 の統計量が得られる π粒子のAsymmetryの統計誤差は Error bar estimation about K+ Error bar estimation about K- π粒子のAsymmetryの統計誤差は 80%ぐらいに減少 π0 のAsymmetryの測定 RICHによるK粒子の同定 → K粒子のAsymmetry測定 K中間子はvector mesonからの back groundが少ない(4%以下) K-を見ることでseaクォークの 性質を見ることができる