課題研究 P4 原子核とハドロンの物理 (理論)延與 佳子 原子核理論研究室 5号館514号室(x3857)

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物理化学 福井工業大学 工学部 環境生命化学科 原 道寛. 物理化学: 1 章原子の内部 (メニュー) 1-1. 光の性質と原子のスペクトル 1-2. ボーアの水素原子モデル 1-3. 電子の二重性:波動力学 1-4. 水素原子の構造 1-5. 多電子原子の構造 1-6.
反対称化分子動力学法を用いた原子核構造と反応の研究 延与佳子 (京大基礎物理学研究所) 主なプロジェクトメンバー: 延与(京大) 小野(東北大) 古田(東北大) 1. はじめに 2. 反対称化分子動力学法 3. 重イオン反応の研究・核物質の液相気相の共存 4. 軽い安定核・不安定原子核の構造研究 5.
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実習B. ガンマ線を測定してみよう 原子核・ハドロン研究室 永江 知文 新山 雅之 足立 智.
学年 名列 名前 福井工業大学 工学部 環境生命化学科 原 道寛 名列____ 氏名________
α α 励起エネルギー α α p3/2 p3/2 α α 12C 13B 12Be 8He α α α
W e l c o m ! いい天気♪ W e l c o m ! 腹減った・・・ 暑い~ 夏だね Hey~!! 暇だ。 急げ~!!
基盤科学への招待 クラスターの不思議 2005年6月3日  横浜市立大学 国際総合科学部  基盤科学コース 野々瀬真司.
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課題演習 B6 量子エレクトロニクス 物理第一教室・量子光学研究室 教授 高橋義朗
中性子過剰核での N = 8 魔法数の破れと一粒子描像
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to Scattering of Unstable Nuclei
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不安定核における殻進化と エキゾチックな核構造
質量数130領域の原子核のシッフモーメントおよびEDM
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課題研究 Q11 凝縮系の理論  教授  川上則雄 講師 R. Peters 准教授 池田隆介  助教 手塚真樹  准教授 柳瀬陽一.
Dissociative Recombination of HeH+ at Large Center-of-Mass Energies
原子核物理学 第8講 核力.
前期量子論 1.電子の理解 電子の電荷、比電荷の測定 2.原子模型 長岡モデルとラザフォードの実験 3.ボーアの理論 量子化条件と対応原理
核物理の将来 WG ストレンジネス sub group
QMDを用いた10Be+12C反応の解析 平田雄一 (2001年北海道大学大学院原子核理論研究室博士課程修了
最初に自己紹介 高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 幅 淳二
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Azimuthal distribution (方位角分布)
担当: 松田祐司 教授, 笠原裕一 准教授, 笠原成 助教
D中間子崩壊過程を用いた 軽いスカラー中間子の組成の研究
22章以降 化学反応の速度 本章 ◎ 反応速度の定義とその測定方法の概観 ◎ 測定結果 ⇒ 反応速度は速度式という微分方程式で表現
担当教官 理論: 菅沼 秀夫 実験: 成木 恵 藤岡 宏之 前期: それぞれ週1回のゼミ 後期: 理論ゼミ + 実験作業
課題演習A5 自然における対称性 理論: 菅沼 秀夫 (内3830)
原子核の質量 B (束縛エネルギー) 束縛エネルギー *束縛エネルギーが大きいほど安定(質量が軽い)
理研RIBFにおける 中性子過剰Ne同位体の核半径に関する研究
光子モンテカルロシミュレーション 光子の基礎的な相互作用 対生成 コンプトン散乱 光電効果 レイリー散乱 相対的重要性
量子力学の復習(水素原子の波動関数) 光の吸収と放出(ラビ振動)
担当教官 理論: 菅沼 秀夫 実験: 成木 恵 前期: それぞれ週1回のゼミ 後期: 理論ゼミ + 実験作業
α decay of nucleus and Gamow penetration factor ~原子核のα崩壊とGamowの透過因子~
Charmonium Production in Pb-Pb Interactions at 158 GeV/c per Nucleon
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素粒子原子核理論のフロンティア 岡田安弘 総研大大学院説明会 2006年6月.
目次 1. 原子における弱い相互作用 2. 原子核のアナポールモーメント 3. アナポールモーメントから何がわかるか?
原子核の殻構造の相対論的記述 n n n σ ω n σ ω n 柴田研究室 石倉 徹也 1.Introduction n n
卒業論文発表 中性子ハロー核14Beの分解反応 物理学科4年 中村研究室所属   小原雅子.
ストレンジネスで探る原子核 -ハイパー核の世界-
中性子過剰F同位体における αクラスター相関と N=20魔法数の破れ
半経験的質量公式 (Bethe-Weizacker 質量公式: 液滴模型) 体積エネルギー: 表面エネルギー: クーロン・エネルギー:
2015年夏までの成果:標準理論を超える新粒子の探索(その2)
強結合プラズマ 四方山話 − 水素とクォーク、高密核融合、 クーロンクラスター、そして粘性 −
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原子核物理学 第6講 原子核の殻構造.
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LHCの加速装置はショボイ こんな加速器がわずか 8個設置されているだけ。 小さな努力の 積み重ね
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Recoil catcher法による質量数90領域の
媒質中でのカイラル摂動論を用いた カイラル凝縮の解析
於:宇都宮大学教育学部 理科教育学学生実験室
現実的核力を用いた4Heの励起と電弱遷移強度分布の解析
重心系エネルギー200GeVでの金金衝突におけるPHENIX検出器による低質量ベクトル中間子の測定
5×5×5㎝3純ヨウ化セシウムシンチレーションカウンターの基礎特性に関する研究
超弦理論の非摂動的効果に関する研究 §2-超弦理論について §1-素粒子論研究とは? 超弦理論: 4つの力の統一理論の有力候補
荷電粒子の物質中でのエネルギー損失と飛程
軽い原子核の3粒子状態 N = 11 核 一粒子エネルギー と モノポール a大阪電気通信大学 b東京工業大学
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課題研究 P4 原子核とハドロンの物理 (理論)延與 佳子 原子核理論研究室 5号館514号室(x3857) http://www-nh.scphys.kyoto-u.ac.jp/gakusei/p4/index.html 課題研究P4 検索

多様な原子核の世界 温度・励起エネルギー 質量数 陽子過剰核 安定核 中性子過剰核 低密度でα凝縮 温度・励起エネルギー 中間エネルギー 重イオン反応 液相気相共存 量子多体系である原子核の世界では多様な物理現象が発現する。 質量数 核物質 超重核 高スピン 巨大共鳴 研究対象は 豊富にある! 核分裂・融合 クラスター崩壊 α捕獲・融合 閾値エネルギー 共鳴・連続状態 振動 クラスター 弱結合系 シェルの変容 新しい魔法数 2中性子相関 変形 殻模型的励起状態 中性子ハロー 中性子スキン 基底状態 陽子過剰核 安定核 中性子過剰核 2

2011年度の研究テーマ 12Cにおける3-1状態のγ崩壊幅測定 宇宙におけるHe燃焼過程にアプローチ 12Cが現実の宇宙に豊富に存在し、それゆえに我々のような生命も存在できている事実こそが逆に、トリプルアルファ反応が実際に起こるために必要な共鳴準位が12Cに存在することの証拠である。(Fred Hoyle) 高温度下では、3-1状態の影響により、12Cの生成速度が増大する。 どれくらい増大するかは、3-1状態のγ崩壊幅次第。 Fred Hoyle 8Beを生成しても直ちに4Heへ崩壊する。 ホイル状態を経由して12Cが生成される。

Si + CsI 検出器 すべて4回生の手で組み立て・テストを実施 2人の4回生が日本物理学会で発表 ESR film Reflectivity : >98% brass collimater CsI crystal CsI front Hamamatsu Si Pin photo diode proton resolution 〜600 keV Si front CsI back photo diodes

年間スケジュール 前期 後期 実験: 理論: 実験: 理論: 基本的な実験技術の習得 大阪大学核物理研究センター見学 研究テーマの検討 原子核物理の基礎と量子多体論を学ぶ。 後期 実験: 研究テーマの決定 検出器製作など実験の準備 本実験・測定 理論: 実験課題に直接関係する最先端の研究論文を学び、理論モデルの実習を行う。

おまけ ~実験の様子など~

おまけ ~実験の様子など~

複雑な相互作用(核力)と民主主義的性質が多様な物理現象を生む 原子と原子核 中性子 陽子 核力 電子 クーロン力 原子の大きさ: ~10-10 m 原子核の大きさ: ~10-14 m 原子と原子核の大きさの比は1万倍! 電子の質量: ~ 0.5 MeV 核子の質量: ~ 1000 MeV 物質の質量の大半は原子核の質量! 強い相互作用が支配。 明確な質量中心がない。 全核子が作る平均ポテンシャルに 核子が束縛。 なぜか独立粒子描像が良い近似。 少しのエネルギーを加えると バラバラになることも。 原子核の殻構造 ~10 MeV 原子の殻構造 電磁相互作用が支配。 原子核が圧倒的な質量中心。 Born-Oppenheimer 近似が有効 ~数十 eV 複雑な相互作用(核力)と民主主義的性質が多様な物理現象を生む