化学1 第11回講義 ・吸光度、ランベルト-ベールの法則 ・振動スペクトル ・核磁気共鳴スペクトル
吸光度、ランベルトーベールの法則 光の吸収の割合が溶液の濃度や溶液の厚さに比例しないことに注意. 光の吸収の割合が溶液の濃度や溶液の厚さに比例しないことに注意. 例:50%の光を吸収する溶液の濃度を2倍にしたら、その溶液は75%の光を吸収する.濃度を3倍にしたら87%の光を吸収する.
ランベルト-ベールの法則の誘導 両辺を溶液の厚さ0からlまで積分して、 その時、光強度はI0からIまで変化する
モル吸光係数の計算 モル濃度c (10-4mol dm-3) 0.8 1.20 1.60 2.00 0.420 0.275 0.175 ある溶液のモル濃度と透過率の関係,1cmセル,366nm モル濃度c (10-4mol dm-3) 0.8 1.20 1.60 2.00 0.420 0.275 0.175 0.110 吸光度A ? モル吸光係数は?
振動スペクトル
代表的な特性吸収
赤外(IR)スペクトルの例 酢酸エチル
どの化合物の赤外スペクトル? Transmittance / % 2000 1500 4000 3000 1000 500 Wavenumber / cm-1
3原子による振動
核磁気共鳴(NMR) 原子核には核スピンを持っているものがある(プロトン1 Hや13C).(核スピン:核が一定の軸の中心に自転する) 電荷を持った原子核が自転することで原子核は磁石になる. エネルギー増加 磁石を磁場に置くことでエネルギー準位が2つに分裂(磁石の向きが磁場に平行のもの(スピン量子数+1/2)と逆平行のもの(同-1/2)) エネルギーの分裂の大きさは核磁気モーメントmBと外部磁場の強さB0の積で,マイクロ波のエネルギー程度. ΔE = mBB0 = hn 外部磁場 なし 外部磁場
・振動数は同じプロトンでもそのプロトンの周りの化学的環境によって変化する⇒この振動数の違いを構造決定に使える プロトンは,2.3490T(テスラ)=23490Gaussの磁場下で振動数nが1x108Hz=100MHz程度 ・共鳴が起こるエネルギー ・振動数は同じプロトンでもそのプロトンの周りの化学的環境によって変化する⇒この振動数の違いを構造決定に使える ・化学シフト値 テトラメチルシラン( )などを内部標準物質にして
エタノールのプロトンNMR (Nuclear Magnetic Resonance) ピーク面積比は(1):(2):(3)=1:2:3 プロトンの数の比がわかる.定量的.
各種有機官能基のプロトンの化学シフト ppm
エタノールの高分解能プロトンNMR ppm 隣の炭素に結合したプロトンのスピンの状態が,化学シフト値を分裂させる. =スピン-スピン結合 ⇒ 分子構造の決定に利用できる
どの化合物のNMRスペクトル? 9 8 7 6 5 4 3 2 1 ppm ベンゼン アセトン プロピオンアルデヒド イソプロピルアルコール (1) (2) (3) (4) 9 8 7 6 5 4 3 2 1 ppm