ガウシアングラフィカルモデルにおける一般化された確率伝搬法

Slides:



Advertisements
Similar presentations
第 5 章 2 次元モデル Chapter 5 2-dimensional model. Contents 1.2 次元モデル 2-dimensional model 2. 弱形式 Weak form 3.FEM 近似 FEM approximation 4. まとめ Summary.
Advertisements

菊池自由エネルギーに対する CCCPアルゴリズムの拡張
2010年7月9日 統計数理研究所 オープンハウス 確率モデル推定パラメータ値を用いた市場木材価格の期間構造変化の探求 Searching for Structural Change in Market-Based Log Price with Regard to the Estimated Parameters.
クラスター変分法と確率的情報処理 --Belief Propagation と画像処理アルゴリズム--
確率モデルによる 画像処理技術入門 --- ベイズ統計と確率的画像処理 ---
統計力学と情報処理 ---自由エネルギーの生み出す新しい情報処理技術--- 2003年8月12日前半
確率モデルによる画像処理における統計的学習理論
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Practice (2014年4月)
高次元データにおける幾つかの検定統計量の漸近分布について
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎 第1部講義(2009年4月)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Practice (2012年4月)
正規分布における ベーテ近似の解析解と数値解 東京工業大学総合理工学研究科 知能システム科学専攻 渡辺研究室    西山 悠, 渡辺澄夫.
はじめに: 平均場理論を用いた情報処理の最近の動向
領域ベースの隠れ変数を用いた画像領域分割
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎 第1部講義(2008年4月15日,4月22日,5月6日)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
確率伝搬法と量子系の平均場理論 田中和之 東北大学大学院情報科学研究科
統計力学と情報処理 ---自由エネルギーの生み出す新しい情報処理技術--- 2003年8月14日後半
確率的情報処理と確率伝搬法によるアルゴリズム設計の数理構造
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 2(2014年4月)
ベイジアンネットと確率推論 変分原理からの再帰的確率推論アルゴリズムの解説
物理フラクチュオマティクス論 Physical Fluctuomatics 第9回 確率伝搬法 9th Belief propagation
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Practice (2013年4月)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎 第1部講義(2007年4月16日,4月17日,4月24日,5月10日)
量子系における 確率推論の平均場理論 田中和之 東北大学大学院情報科学研究科
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎 第1部講義(2006年4月17日,4月18日,4月25日,5月9日)
科研費特定領域研究 「確率的情報処理への統計力学的アプローチ」平成16年度第2回公開シンポジューム “確率推論の数理”
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
確率的情報処理の最近の動向 東北大学 大学院情報科学研究科 田中 和之
物理フラクチュオマティクス論 Physical Fluctuomatics 第9回 確率伝搬法 9th Belief propagation
統計解析 第1回 条件付き独立性と確率的グラフィカルモデル 本講義の全体像
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
確率を手なづける秘伝の計算技法 ~古くて新しい確率・統計モデルのパラダイム~ その2:ベイジアンネットと確率推論の数理
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Practice (2015年4月)
ガウシアン確率伝搬法の 近似精度に対する理論解析
ベイジアンネットワーク概説 Loopy Belief Propagation 茨城大学工学部 佐々木稔
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 4 (2015年4月)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
物理フラクチュオマティクス論 応用確率過程論 (2006年5月9日)
確率的画像処理アルゴリズム入門 東北大学 大学院情報科学研究科 田中 和之
確率の生み出す新しい情報処理技術 東北大学 大学院情報科学研究科 田中 和之
東北大 情報科学 田中和之,吉池紀子 山口大 工 庄野逸 理化学研究所 岡田真人
確率モデルを用いた 情報通信技術入門 ー誤り訂正符号を中心にー
HMM音声合成における 変分ベイズ法に基づく線形回帰
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 5 (2012年4月)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
非等方格子上での クォーク作用の非摂動繰り込み
ベイズ音声合成における 事前分布とモデル構造の話者間共有
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 3 (2013年4月)
ポッツスピン型隠れ変数による画像領域分割
JEFFREY WITZEL (University of Texas at Arlington, USA)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
ガウス分布における ベーテ近似の理論解析 東京工業大学総合理工学研究科 知能システム科学専攻 渡辺研究室    西山 悠, 渡辺澄夫.
物理フラクチュオマティクス論 応用確率過程論 (2006年4月11日)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
統計力学と情報処理 ---自由エネルギーの生み出す新しい情報処理技術--- 2003年8月14日前半
Measurements of J/ψ with PHENIX Muon Arms in 2003 p+p Collisions
領域ベースの隠れ変数を用いた決定論的画像領域分割
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
東北大学 大学院情報科学研究科 応用情報科学専攻 田中 和之(Kazuyuki Tanaka)
ゆらぎが生み出す新しい情報処理技術 確率伝搬法と確率的画像処理
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 5 (2013年4月)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 1(2013年4月)
Q状態イジング模型を用いた多値画像修復における 周辺尤度最大化によるハイパパラメータ推定
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Part 4 (2012年4月)
電気・通信・電子・情報工学実験D 確率的情報処理の基礎技術 Practice (2019年4月)
混合ガウスモデル Gaussian Mixture Model GMM
Presentation transcript:

ガウシアングラフィカルモデルにおける一般化された確率伝搬法 東北大学大学院情報科学研究科 田中和之 共同研究者:D. M. Titterington (University of Glasgow, UK) 参考文献 K. Tanaka, H. Shouno, M. Okada and D. M. Titterington: Accuracy of the Bethe Approximation for Hyperparameter Estimation in Probabilistic Image Processing, J. Phys. A: Math & Gen., 37, 8675 (2004). 日本物理学会(2004年9月14日)

ガウシアングラフィカルモデルと一般化された確率伝搬法 ガウシアングラフィカルモデルに対する確率伝搬法 Y. Weiss and W. T. Freeman, Correctness of belief propagation in Gaussian graphical models of arbitrary topology, Neural Computation, 13, 2173 (2001). K. Tanaka, H. Shouno, M. Okada and D. M. Titterington: Accuracy of the Bethe Approximation for Hyperparameter Estimation in Probabilistic Image Processing, J. Phys. A, Math. & Gen., 37, 8675 (2004). 一般化された確率伝搬法 = クラスター変分法 ランダムスピン系におけるクラスター変分法とTAP自由エネルギー T. Horiguchi, On the Bethe approximation for the random bond Ising model, Physica A, 107, 360 (1981). ガウシアングラフィカルモデルを用いた確率的画像処理に対して一般化された確率伝搬法のアルゴルズムを実際に構成することは可能か?どの程度の精度が出せるのか? 日本物理学会(2004年9月14日)

一般化された確率伝搬法 クラスター:ノードの集合 副クラスター: α=γ∩γ’   γ>α, γ’>α という順序関係が割り当てられる. B :クラスターの集合であり,γ, γ’∈B ⇒γ∩γ’∉B C: B +{Bのすべての副クラスター} 例:4個のノードからなるシステム 1 2 3 4 1 2 3 4 日本物理学会(2004年9月14日)

一般化された確率伝搬法 ガウシアングラフィカルモデル カルバックライブラー情報量 日本物理学会(2004年9月14日)

一般化された確率伝搬法 試行関数 周辺確率密度関数の関数系の制限 日本物理学会(2004年9月14日)

一般化された確率伝搬法 m については厳密解と一致 日本物理学会(2004年9月14日)

一般化された確率伝搬法の B の選択 1 2 4 5 3 6 7 8 9 確率伝搬法 (ベーテ近似) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 (四角近似) 日本物理学会(2004年9月14日)

確率的画像処理 周辺化 事後確率密度関数 周辺尤度 原画像 劣化画像 日本物理学会(2004年9月14日) In the image restoration, we usually have to estimate the hyperparameters alpha and p. In statistics, the maximum likelihood estimation is often employed. In the standpoint of maximum likelihood estimation, the hyperparameters are determined so as to maximize the marginal likelihood defined by marginalize the joint probability for the original image and degraded image with respect to the original image. The marginal likelihood is expressed in terms of the partition functions of the a priori probabilistic model and the a posteriori probabilistic model. We can calculate these partition functions approximately by using the Bethe approximation. 周辺化 原画像 周辺尤度 劣化画像 日本物理学会(2004年9月14日)

画像修復の劣化過程と事前確率 劣化過程 事前確率密度関数 事後確率密度関数 日本物理学会(2004年9月14日)

ガウシアングラフィカルモデル を用いた画像修復 原画像 劣化画像 平均場近似 MSE: 1512 MSE: 591 確率伝搬法 一般化された確率伝搬法 厳密解 Finally, we show only the results for the gray-level image restoration. For each numerical experiments, the loopy belief propagation ca give us better results than the ones by conventional filters. MSE: 325 MSE: 315 MSE:315 日本物理学会(2004年9月14日)

ガウシアングラフィカルモデル を用いた画像修復 原画像 劣化画像 平均場近似 MSE: 1409 MSE: 593 確率伝搬法 一般化された確率伝搬法 厳密解 Finally, we show only the results for the gray-level image restoration. For each numerical experiments, the loopy belief propagation ca give us better results than the ones by conventional filters. MSE: 324 MSE:306 MSE:306 日本物理学会(2004年9月14日)

ガウシアングラフィカルモデルを用いた画像修復 MSE 平均場近似 591 0.000270 27.453 -5.13221 確率伝搬法(ベーテ近似) 326 0.000613 36.469 -5.19155 一般化された確率伝搬法(四角近似) 315 0.000756 37.847 -5.21080 厳密解 0.000757 37.857 -5.21351 MSE 平均場近似 593 0.000288 24.417 -5.06365 確率伝搬法(ベーテ近似) 324 0.000484 31.315 -5.12982 一般化された確率伝搬法(四角近似) 306 0.000517 31.962 -5.15094 厳密解 31.960 -5.15367 Finally, we show only the results for the gray-level image restoration. For each numerical experiments, the loopy belief propagation ca give us better results than the ones by conventional filters. 日本物理学会(2004年9月14日)

ベーテ近似とTAP自由エネルギー ベーテ近似 TAP自由 エネルギー 日本物理学会(2004年9月14日)

ガウシアングラフィカルモデルに対する一般化された確率伝搬法のアルゴリズム. 要約 ガウシアングラフィカルモデルに対する一般化された確率伝搬法のアルゴリズム. 確率的画像処理におけるハイパパラメータ推定で平均場近似から一般化された確率伝搬法へと,厳密解で得られる結果に系統的に近づいている. ベーテ近似からガウシアングラフィカルモデルにおけるTAP自由エネルギーを導出 今後の展望 結合ガウスマルコフ確率場モデルへの適用 適応型確率的画像処理への発展 日本物理学会(2004年9月14日)