調べてみよう! 物質から出る光の不思議 北海道教育大学札幌校「土曜講座」

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物理化学 福井工業大学 工学部 環境生命化学科 原 道寛. 物理化学: 1 章原子の内部 (メニュー) 1-1. 光の性質と原子のスペクトル 1-2. ボーアの水素原子モデル 1-3. 電子の二重性:波動力学 1-4. 水素原子の構造 1-5. 多電子原子の構造 1-6.
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学年   名列    名前 物理化学 第1章5 Ver. 2.0 福井工業大学 原 道寛 HARA2005.
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調べてみよう! 物質から出る光の不思議 北海道教育大学札幌校「土曜講座」 私は、「原子・分子のエネルギー状態を理解するための発光・吸収スペクトル測定教材の開発」 サブタイトルとして~自作簡易型分光器・CCDカメラ・コンピュータを利用した演示実験システムの構築~ について、報告します。(クリック) 北海道教育大学札幌校「土曜講座」

いろいろな電磁波とその波長 1μm = 0.001mm 1nm = 0.000001mm 100nm = 0.0001mm  本研究は、物質の電子構造とエネルギー状態との関係を学ぶ為の「発光スペクトル並びに可視光吸収スペクトル測定教材の開発」を目的としています。本中間報告では、中学校・高等学校の理科で扱われる「炎色反応」並びに「蛍光灯」の発光スペクトルを、自作簡易型分光器・CCDカメラ・コンピュータを用いたシステムにより観察した結果について報告し、これが演示実験用教材として利用可能であることを示します。(クリック)

電磁波のOHPへ  それでは実験方法について説明します。これは、本研究で使用した自作簡易型分光器です。この分光器は、内面を黒くした厚紙製の箱からできています。この箱は、光を導入するためのスリットとスペクトルの覗き窓、および対角線上に挿入した反射型回折格子を持ちます。覗き窓から見た様子について説明します。(クリック)スリットを通して光が回折格子に入射されると(クリック)、回折格子の表面にある細い溝(1mmあたり約1000本)によって光が分光されます。これは、光の波長により反射角が異なるためです。白色光を分光した場合、覗き窓から見ると(クリック)このようなスペクトルが観測されます。(クリック)

ポケット分光器 5cm 光 2.5cm のぞき窓 8cm 反射型回折格子 短波長 長波長 スリット (0.1cm×1.0cm)   のぞき窓 8cm  それでは実験方法について説明します。これは、本研究で使用した自作簡易型分光器です。この分光器は、内面を黒くした厚紙製の箱からできています。この箱は、光を導入するためのスリットとスペクトルの覗き窓、および対角線上に挿入した反射型回折格子を持ちます。覗き窓から見た様子について説明します。(クリック)スリットを通して光が回折格子に入射されると(クリック)、回折格子の表面にある細い溝(1mmあたり約1000本)によって光が分光されます。これは、光の波長により反射角が異なるためです。白色光を分光した場合、覗き窓から見ると(クリック)このようなスペクトルが観測されます。(クリック)   反射型回折格子 (ホログラフィフィルム) *曽根興三,若林文高,化学と教育,46,182(1998)

プログラム ポケット分光器を作ろう。 作った分光器で白熱灯・蛍光灯・殺菌等の光を見てみよう。 見えたスペクトルの解説を聞いてみよう。 炎色反応を見てみよう。 炎色反応の光を分光してみよう。 溶液の色の秘密を調べてみよう。 アンケートに答えてください。  本研究は、物質の電子構造とエネルギー状態との関係を学ぶ為の「発光スペクトル並びに可視光吸収スペクトル測定教材の開発」を目的としています。本中間報告では、中学校・高等学校の理科で扱われる「炎色反応」並びに「蛍光灯」の発光スペクトルを、自作簡易型分光器・CCDカメラ・コンピュータを用いたシステムにより観察した結果について報告し、これが演示実験用教材として利用可能であることを示します。(クリック)

各種光源の輝線スペクトルの画像と強度分布グラフ 蛍光灯 殺菌灯 波長 小 大 435.8nm 434.8nm 546.1nm これは、蛍光灯と殺菌灯のスペクトル画像です。殺菌灯のスペクトルには、3本の輝線スペクトルが明瞭に観測されました。殺菌灯は紫外線のほかに、可視光も放射しており、それが輝線スペクトルとして観測されたのです。  蛍光灯のスペクトルは、広い波長領域に広がる連続スペクトルのほかに、輝線スペクトルが重なっていることがわかります。右の図は、蛍光灯と殺菌灯のスペクトルに関して、NIH Imageという画像解析ソフトウエアを利用して、スペクトル強度を解析した結果を示します。これより、蛍光灯で見られる輝線スペクトルの位置は、殺菌灯の位置と完全に一致していることがわかります。(クリック) 579.1nm 577.0nm 水銀の可視光領域の波長* 波長/nm 579.1 577.0 546.1     435.8 434.8 *鈴木信夫、理科年表平成12年、丸善(1999)

蛍光灯と殺菌灯の違い <蛍光灯> <殺菌灯> 可視光線 蛍光体(リン) 紫外線 水銀原子 電子 フィラメント 紫外線 蛍光体が塗られてない  まず、蛍光灯と殺菌灯の発光メカニズムの違いについて簡単に説明します。  蛍光灯の発光は2段階の励起を経て起こります。蛍光体で内面がコーティングされた蛍光管には水銀蒸気が封入されており、その両端には電極が取り付けられています。電極から飛び出した電子が(クリック)水銀原子に衝突し、水銀原子は励起状態となります。これが基底状態に戻るとき、(クリック)特定の波長の紫外線(並びに可視光線)が放射されます。この紫外線が蛍光管内面にあたることで、今度は蛍光体が励起状態になり、(クリック)いろいろな波長の混じった可視光(白色光)が放射されるわけです。  殺菌灯は、蛍光管の内面に蛍光体が塗られていないものであり、電子の衝突によって励起された水銀原子から紫外線がそのまま放射されます。(クリック) 紫外線 蛍光体が塗られてない

いろいろな電磁波とその波長 1μm = 0.001mm 1nm = 0.000001mm 100nm = 0.0001mm  本研究は、物質の電子構造とエネルギー状態との関係を学ぶ為の「発光スペクトル並びに可視光吸収スペクトル測定教材の開発」を目的としています。本中間報告では、中学校・高等学校の理科で扱われる「炎色反応」並びに「蛍光灯」の発光スペクトルを、自作簡易型分光器・CCDカメラ・コンピュータを用いたシステムにより観察した結果について報告し、これが演示実験用教材として利用可能であることを示します。(クリック)

原子って何? 直径 0.00000001cm 原子核 電子(-) 陽子(+) 中性子  本研究は、物質の電子構造とエネルギー状態との関係を学ぶ為の「発光スペクトル並びに可視光吸収スペクトル測定教材の開発」を目的としています。本中間報告では、中学校・高等学校の理科で扱われる「炎色反応」並びに「蛍光灯」の発光スペクトルを、自作簡易型分光器・CCDカメラ・コンピュータを用いたシステムにより観察した結果について報告し、これが演示実験用教材として利用可能であることを示します。(クリック) 直径 0.00000001cm

原子のマンガのOHPへ  それでは実験方法について説明します。これは、本研究で使用した自作簡易型分光器です。この分光器は、内面を黒くした厚紙製の箱からできています。この箱は、光を導入するためのスリットとスペクトルの覗き窓、および対角線上に挿入した反射型回折格子を持ちます。覗き窓から見た様子について説明します。(クリック)スリットを通して光が回折格子に入射されると(クリック)、回折格子の表面にある細い溝(1mmあたり約1000本)によって光が分光されます。これは、光の波長により反射角が異なるためです。白色光を分光した場合、覗き窓から見ると(クリック)このようなスペクトルが観測されます。(クリック)

Na(ナトリウム)の炎色反応 熱 光 高 Naの基底状態 励起状態 3p エネルギー 吸収 放出 3s 基底状態 電子 低 3p 3s 2p 589.0nm 589.6nm Naの スペクトル 高 Naの基底状態 1s 2s 2p 3s 3p 励起状態 3p エネルギー 熱 吸収 光 放出 589.0nm 589.6nm  本システムにより、このようなNaの黄色い輝線スペクトルを観測することに成功しました。では、なぜ輝線スペクトルが観測されたのかについて説明します。原子の電子殻は、定まったエネルギー値をもつ軌道から構成されており、エネルギーの低い軌道から順に電子は占有されていきます。Naでいうと1sから順にこのように電子が占有されていきます。この原子の電子配置は、基底状態すなわち低エネルギーで安定な状態であります。今、Na原子が炎によって熱エネルギーが加えられると(クリック)エネルギーを吸収し、最外殻電子は3s軌道からより高エネルギーの3p軌道に励起されます(クリック)。この状態は不安定なので、直ちに基底状態に戻ります(クリック)。軌道間のエネルギー差は特定の値しかとれないので、このとき余分なエネルギーは特定の波長を持つ可視光として放出されます(クリック)。ナトリウムは、589.0nmと589.6nmの波長の光を放出します。この波長は黄色の波長領域に相当するため、ナトリウムの炎色反応は黄色を示すのです。同様にLiとKの輝線スペクトルを観測することにも成功しました。それがこちらです。(クリック)  炎色反応の原理について説明します。原子の電子殻は、定まったエネルギー値をもつ軌道から構成されており、エネルギーの低い軌道から順に電子は占有されていきます。この原子の電子配置は、基底状態すなわち低エネルギーで安定な状態であります。ナトリウムを例にあげると、このような状態となっています。ナトリウム原子は、炎によって熱エネルギーが加えられると(クリック)エネルギーを吸収し、非占有状態のより高エネルギーの軌道に電子が励起されます(クリック)。この状態は不安定なので、直ちに基底状態に戻ります(クリック)。軌道間のエネルギー差は特定の値しかとれないので、このとき余分なエネルギーは特定の波長を持つ可視光として放出されます(クリック)。ナトリウムは、589.0nmと589.6nmの波長の光を放出します。この波長は黄色の波長領域に相当するため、ナトリウムの炎色反応は黄色を示します。(クリック) 3s 基底状態 電子 低

*日本分析化学会編,分析化学便覧改訂二版, Na,Li,Kの輝線スペクトル ナトリウム リチウム カリウム 波長 短 長 各元素のスペクトル波長の文献値* 物質名  炎の色   波長/nm  Na   黄     589.6 , 589.0  Li  深赤   670.9   K    赤紫   766.9 , 766.5      最外殻電子の脱励起 物質名  軌道遷移   Na   3s→3p   Li   2s→2p   K    4s→3d  3つともスペクトルは分散しておらず、輝線スペクトルとなっていることがわかります。画像上部に向かって波長は短くなっていくので、波長の短いほうからNa、Li、Kとなっていることが確認できます。波長が短いほどエネルギーは大きいので、最外殻電子が脱励起されるときの軌道間隔は、Na、Li、Kの順に小さくなっていくと考えられます。また、文献より、スペクトルの色と炎の色が一致していることも確認できます。スペクトルの波長の絶対値は現段階では決定できていませんが、輝線スペクトルの色・相対的な位置から、文献値の波長のスペクトルが観測されているものと思われます。  LiとKのスペクトル画像にうっすらと輝線スペクトルが観測されていることがわかるでしょうか。このようなスペクトルをNIH Imageという画像解析ソフトウエアではっきりと確認することが可能となります。それがこちらです。(クリック) *日本分析化学会編,分析化学便覧改訂二版, 丸善(1971)

*日本分析化学会編,分析化学便覧改訂二版, Ca,Ba,Cuの輝線スペクトル カルシウム バリウム 銅 波長 短 長 各元素のスペクトルの波長の文献値* 物質名 炎の色   波長/nm Ca 橙   550.0 , 600~700 Ba  黄緑    450~750 Cu  青緑   537にバンドスペクトル        最外殻電子の脱励起 物質名  軌道遷移   Ca   4s→3d   Ba   6s→5d   Cu   4s→4p  これは、Ca、Ba、Cuのスペクトルです。Caは緑と赤の輝線スペクトルが1本ずつあり、Baは緑から赤の波長領域に数本の輝線スペクトルがあり、Cuは緑の波長領域にバンドスペクトルが観測されていることがわかります。 *日本分析化学会編,分析化学便覧改訂二版, 丸善(1971)

花火のOHPへ  それでは実験方法について説明します。これは、本研究で使用した自作簡易型分光器です。この分光器は、内面を黒くした厚紙製の箱からできています。この箱は、光を導入するためのスリットとスペクトルの覗き窓、および対角線上に挿入した反射型回折格子を持ちます。覗き窓から見た様子について説明します。(クリック)スリットを通して光が回折格子に入射されると(クリック)、回折格子の表面にある細い溝(1mmあたり約1000本)によって光が分光されます。これは、光の波長により反射角が異なるためです。白色光を分光した場合、覗き窓から見ると(クリック)このようなスペクトルが観測されます。(クリック)