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Published byくうしょう ひのと Modified 約 8 年前
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P HI T S 陽子ビームで雪だるまを溶かそう Multi-Purpose Particle and Heavy Ion Transport code System title1 2016 年 3 月改訂
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Purpose2 実習目的 将来,実用化が期待される(?)ビームライフ ルが現在の技術でどの程度実現可能か,陽子 ビームで雪だるまを溶かす数値実験を行って検 討してみよう ジオメトリの作成 線源の変更 規格化の概念 について 実習しま す 写真提供:佐藤大樹氏
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snowman.inp の確認 3 Check Input File 基本計算条件 入射粒子: 体系: タリー: track.eps 100MeV 陽子(半径 1.0cm のペンシルビーム) 原点に半径 5cm の水 [t-track] によるフラックス空間分布 [t-deposit] による水球内の吸収線量 (Gy/source) deposit.out … x: Serial Num. of Region y: Dose [Gy/source] p: xlin ylog afac(0.8) form(0.9) h: x n n y(all ),l3 n # num reg volume dose r.err 1 1 5.2360E+02 2.9853E-11 0.0032 2.9853 x 10 -11 (Gy/source) [volume] セクションで体積を定義する必要有り
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Sections in Input file4 [Title] 計算のタイトル [Parameters] ヒストリ数・核データの定義など [Source] 線源の定義 [Material] 物質の定義 [Surface] 面の定義 [Cell] 容れ物の定義 [Volume] 容れ物の体積の定義 [T-Track] 飛跡の描画 [T-Deposit] 吸収線量の計算 snowman.inp ② 線源 放射線の発生 ① 3 次元体 系 実験体系 ③ 検出器 観察する snowman.inp の構成
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本演習の流れ 5Procedure 1. 雪だるま体系を作る 2. 照射条件を調整する 3. 雪だるまを溶かすために必要とな るビーム電流・出力を決定する
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雪だるま体系の作成 6 方針 大小2つの雪玉にアルミプレートを乗せたシンプルなものと する 雪玉は,密度1 g/cm 3 の水とする(温度の指定はしない * ) アルミプレートは,小玉の上にピッタリと乗せる \phits\utility\rotate3dshow この実習で作成するジオメト リ * 温度は,低エネルギー中性子の挙動にのみ影響する
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ステップ1:雪玉(大玉)を 作る 7Step 1 大きい雪玉(半径 20cm )を芯の周りに作る(中心 z = 0 cm ) ヒント ジオメトリの描画は icntl = 8 原点を中心とした surface は ”so 半径 ” で定義 元からあった半径 5cm の球の領域と重ならない(二重定義を 防ぐ)ように大玉の領域から半径 5cm の球の領域を除く
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ステップ2:雪玉(小玉)を 作る 8Step 2 小さい雪玉(半径 15cm )を大きい雪玉の上に乗せる(中心 z = - 25cm) ヒント z軸上を中心とした surface は ”sz 中心 z 座標 半径 ” で定義 2つの雪玉が重なってニ重定義になってしまうので,小玉か ら大玉の領域を除く(もしくは逆でもよい)
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ステップ3:アルミプレートを 乗せる 9Step 3 1.[material] セクションでアルミ( 27Al )を定義する 2. 半径 10cm ,厚さ 4cm の円柱アルミプレートを作る( -40cm < z < - 36cm ) ヒント z 軸に平行な円柱面は ”cz 半径 ” で定義 z 軸に垂直は平面は ”pz z 座標 ” で定義 アルミの密度は 2.7g/cm 3 (重量密度で定義する場合は負値) 雪玉領域からアルミプレート領域を除くことにより雪玉に埋め込 む
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ステップ4:陽子ビームのエネル ギーを調整する 10Step 4 陽子ビームのエネルギーを調整し,芯での吸収線量が最も大きくなるよう にする ( 1MeV 単位で調整する) ヒント 粒子輸送を実行するには icntl = 0 とする 入射エネルギーは [source] セクションの e0 パラメータで 決定 芯での吸収線量は deposit.out で確認 陽子による吸収線量はブラッグピーク付近で最も高くな る
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PHITS の計算結果は線源が1つ発生する当たりに規格化されている 複数の線源が発生する状況を模擬するには, [source] セクションの totfact パラメータを変更する 1A (アンペア)は, 1 秒当たり 1C (クーロン)の電流が流れる状態を 表す 素電荷(陽子 1 つ当たりの電荷)は 1.6x10 -19 C とする ステップ5:陽子ビーム電流を調整 する 11Step 5 一般的な陽子線治療の電流値( 10nA )で 1 秒間照 射したときの芯での吸収線量( Gy )を計算しよう ヒント maxcas, maxbch は計算精度(統計誤差)に関係する値で規格化とは無関 係! 例) 陽子が 100 個発生した場合の吸収線量を計算する場合は totfact = 100.0
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ステップ5の回答 12Answer to Step 5 Totfact を変える とスケールが変 わることに注意 1.1 アンペアで 1 秒照射するときの発生陽子数 は 1.0 / 1.6E-19 = 6.25E18 (個) 2.10nA で 1 秒照射するときの発生陽子数は 6.25E18 x 10 x 1E-9 = 6.25E10 (個) Totfact = 6.25E10 としたときの吸収線量は 1.2740(Gy) (陽子 294MeV 入射の場 合)
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ステップ6:雪だるまの芯を溶 かすために必要となる電流を計 算する 13Step 6 1. 雪だるまは -10 ℃の氷と仮定する 2.1 秒間の陽子ビーム照射で一気に氷を 0 ℃に加熱して溶かすため に必要なビーム電流(アンペア)及び出力(ワット)を手計算 で求めよう ヒント 氷の比熱は 0.5 (cal/g/K) = 2.1 (J/g/K) とする 氷の融解熱(相転移に必要な熱量)は 333.5 ( J/g )と する 1Gy = 1 ( J/kg ) = 0.001 ( J/g ) ビーム出力( MW ) = 粒子エネルギー( MeV ) × 電流 ( A ) ちなみに … 国内最大出力を誇る J-PARC の最大ビーム出力は約 1MW
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ステップ6の回 答 14Answer to Step 6 1.10nA で 294MeV 陽子ビームを 1 秒間照射したときの吸収線量は? 2. 氷の温度を 10K 上昇させ,溶かすために必要な熱量は? 3.1 秒間でその熱量を与えるために必要な電流は? 4. このときのビーム出力は? 現在の加速器技術では,雪だるまを溶かすのが精一 杯 ガンダム級のビームライフル(一瞬でモビルスーツ を爆破する)を作るためには,まだまだ技術革新が 必要! (ただし,長時間照射すれば金属も溶かせる) 雪だるまを溶かすためには, 1MW 弱のビーム出力が必要となる (詳細な回答は, answer\answer-snowman-jp.ppt に書いていま す)
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15 雪だるま体系を作り,それを陽子ビームで 溶かすための最適な条件を PHITS で計算し た PHITS のタリー結果は,通常,線源1つ発 生当たりに規格化される 実際の条件を模擬するためには, totfact パ ラメータを用いてタリー結果を再規格化す る必要がある まとめ Summary
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