多目的 3 次元フィールドマッピング システムの開発 北海道大学大学院農学研究院 ○ 海津 裕 北海道大学大学院農学研究科 崔 鍾民.

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1 多目的 3 次元フィールドマッピング システムの開発 北海道大学大学院農学研究院 ○ 海津 裕 北海道大学大学院農学研究科 崔 鍾民

2 フィールドマッピングシステム フィールドマッピングシステム (FMS) を，広い農地で，作物の個体 レベルまで，その 3 次元情報と，生育の情報を取得できるシステム と定義する 精密農業の重要なツールとなり得る 近い将来，農業がロボット化されたときに必要不可欠な技術となる 要素技術としては，モバイルマッピングシステムに類似している ICT （ Information and communication technology) を用いて農 地・農作物の状態を良く観察し、きめ細かく制御し、その結果 に基づき次年度の計画を立てる一連の農業管理手法であり、農 作物の収量及び品質の向上を目指す。 現在，分光計測や，収量センサによる可変施肥や収量マップの 作成が行われている。 FMS によって，圃場と，作物の 3 次元計測を行うことで，収量予 測や圃場の改修計画の立案などさらに精密な管理を行うことが 可能となる。 ICT （ Information and communication technology) を用いて農 地・農作物の状態を良く観察し、きめ細かく制御し、その結果 に基づき次年度の計画を立てる一連の農業管理手法であり、農 作物の収量及び品質の向上を目指す。 現在，分光計測や，収量センサによる可変施肥や収量マップの 作成が行われている。 FMS によって，圃場と，作物の 3 次元計測を行うことで，収量予 測や圃場の改修計画の立案などさらに精密な管理を行うことが 可能となる。 Topcon IP-S2 （カタログより抜粋）

3 モバイルマッピングシステムとは 自動車にカメラやレーザ距離計, GPS(Global positioning system), IMU(Inertial measurement unit) を搭載し，道路を 走行しながら，道路や周囲の建物の画像や 3 次元座標を計 測するシステム トプコンや三菱電機，トリンブルその他多くの企業が製品 を出してきている モバイルマッピングシステムを用いたサービスの一つに， Google Street View がある

4 モバイルマッピングシステムの用途 On-road – 地図の自動作成 – 道路地物のデータベース化 – 道路面の保守管理 – 除雪機のコントロール用マップの作成 – 観光案内 Off-road – 土木工事における現況測量，施工後のチェック – 精密農業への応用 – 農作業ナビゲーションマップの作成

5 モバイルマッピングシステムの例 Topcon IP-S2 （カタログより抜粋） 三菱電機 MMS （カタログより抜粋） Trimble MX8 （ウェブサイトより抜粋）

6 FMS のコンセプト 市販のセンサーの組み合わせによって安価にシステムを 構築する 測定範囲は近距離（＜ 8m ）に特化し，距離精度を高める トラクターや，軽トラックに簡単に載せ替えができる オフロードにおける振動や姿勢の変化に対応する トラクタに装着された FMS

7 システム構成 レーザスキャナ IMU GPS アンテナ クロック同期用 GPS クロック同期用 GPS RTK-GPS 信号発生器 1 Hz 10 MHz レーザ スキャナ レーザ スキャナ レーザ スキャナ レーザ スキャナ 75 Hz シリアル USB 変換器 IMU GPS IMU GPS 100 Hz 20 Hz PC 1 PC 2 移動しながら計測を行うためにはレーザス キャナと IMU, GPS を同期させる必要がある

8 レーザスキャナのキャリブレーション 等角度間隔に発射されたレーザスポット GPS とレーザスキャナの変換行列を求める GPS2GPS1 LS2 LS1 同じ角度を通過する直線の交点から，レーザスキャナ のスキャン原点の位置が求められる。推定位置の標準 偏差 < 2mm すべての点を通る平面の法線ベクトルから，レーザス キャナの姿勢が求められる。

9 基礎実験 2010 年 9 月 14 日当別にて基礎実験を行った – 道路，盛土整形，農地等でスキャニングを行った – データの精度を検証するため， 3 次元スキャナで同一 の地域を計測した 道路 盛土 農地

10 FMS による道路のマッピング 走行速度 0.47 m s -1 ，約 150m 走行 法面 雑草 立木

11 3 次元スキャナとの比較 トゥルーカラーが 3 次元スキャナ，水色の点群が FMS による測定点 [m] 断面図 3 次元スキャナ FMS

12 道路陥没部の測定 舗装が剥がれている所の検出 本来の GPS ，レーザスキャナの精度以下だが， 相対的な位置関係は検出可能 直径約 20cm ，深さ 2cm 程度の陥没部 対応する FMS の測定結果

13 盛土のマッピング 計画図面 スキャン結果

14 盛土のマッピング 設計上の道幅は 6m ，中心部が 6cm 端より も高くなっている

15 構造物のマッピング ベニヤ板と鉄骨による構造物のマッピングを行った。 角度の補正がなされていることが確認できた 走行方向 等高線 静止した GPS から計測した構造物

16 まとめ フィールドマッピングシステムの構築及びキャリブレー ションを行った アスファルト，植物，土，ベニヤ板など異なる対象物に対 して， 3 次元マッピングを行えることが確認できた 計測の精度は， GPS( 水平 1cm 、垂直 1.5cm) やレーザスキャ ナ (±15mm) の誤差と同程度であった 今後の課題 – 誤差の評価 – データのフィルタリング – データの圧縮，多項式による近似 – 作物への適用可能性の検討

17 本研究にご協力いただいた 株式会社岩崎，株式会社トプコン販売 の皆様に感謝いたします 謝辞

18 SICK レーザスキャナ LMS-291 IP-67 測定距離 80m スポット径 12mm@8m LMS-200 IP-65 測定距離 10m スポット径 5mm@8m

19 3 次元レーザスキャナを用いて計測した 作物の三次元情報 牧草の草高分布マップ デントコーンの 3 次元マップ