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1 LHC 加速器の概要 V1 近藤敬比古( KEK ) 2005.4.16 (Version-0) V1(4.20)V2(2011.4.22) 参考文献 : [Ref-1] LHC Design Report Volume I : The LHC Main Ring

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1 1 LHC 加速器の概要 V1 近藤敬比古( KEK ) 2005.4.16 (Version-0) V1(4.20)V2(2011.4.22) 参考文献 : [Ref-1] LHC Design Report Volume I : The LHC Main Ring http://ab-div.web.cern.ch/ab-div/Publications/LHC-DesignReport.html [Ref-2]

2 2 LHC 計画の歴史 (1) LHC 計画は 1994 年 12 月に承認された。 しかし米国・日本などの非加盟国からの資金協力が未定なの で、 2004 年までに E CM = 10TeV, 2008 年までに 14TeV の2段 階で建設することとされた。 1995.5.10 日本による第1次建設協力発表(加速器に 50 億 円) 1996.1ATLAS, CMS 実験の承認。 1996.3 インドの建設協力(加速器に $12.5M ) 1996.6 ロシアの建設協力( 67MCHF detector 込) 1996. カナダの建設協力(加速器に Canadian$30M ) 1996.12 日本の第2次建設協力(加速器に 38.5 億円) 1996.12LHC を 2005 年に一段階で 14TeV で建設する決定。

3 3 LHC 計画の歴史 (2) 1997.12 アメリカ DOE+NSF による建設協力の決定 ( 加速器に $200M 、測定器 に $331M) 1998.5 日本が第3次建設協力発表(加速器に 50 億 円)。これで日本の加速器協力合計は 138.5 億円。 2000.5LEP-II で 114GeV ヒッグス粒子の兆候が出る。 2000.11.2LEP 加速器の 11 年間にわたる運転を終了。 2001.9LHC 建設コストの増加問題。 2001.12External Review Committee ( ERC )を設置す る。 2002.6ERC 報告。 LHC 加速器の完成を 2007 年に変更。

4 4 トンネル周長 27km (参考:東京 JR 山手線の周長 34.5km )

5 5 27 km ring used for e + e - LEP machine LHC Tunnel Cost : 2,952 MCHF + 328 MCHF = 3,281 MCHF (~3,000 億円 ) (machine) (exp. area)

6 6 LHC Goals  s = 14 TeV (7 X Tevatron)  search for new massive particles up to m ~ 5 TeV L = 10 34 cm -2 s -1 (>100 X Tevatron)  search for rare processes with small  (N event = L  )

7 7 pp interaction での いろいろな生成断面積 L=10 3 4 cm -2 s -1 での rate Total rate: 10 9 Hz b quark: ~10 7 Hz W boson: 2000 Hz >0.7TeV jet: 1 Hz 150GeV higgs: 0.3 Hz S/N ~10 -10

8 8 LHC machine の基本設計 ・ L=10 34 cm -2 s -1 : しかし pbar-p では L=10 34 は達成不可能。 → pp では2リングが必要だが LEP トンネルは狭すぎる。 → クライオスタットの中に2マグネットを入れる( twin bore magnet) 。 ・ 最高エネルギーを目指すため磁場を出 来るだけ高くする。 ↓ 加圧超流動ヘリウム冷却で 1.9K まで冷や し、 NbTi の超伝導線材を使って B(dipole)= 8.33 T を実現できた。 ↓ LEP トンネル内に出来るだけ多くの dipole マグネットを敷き詰めることによ り E(beam) = 7 TeV を達成できる。 トンネル直径 = 3.8 m

9 9 How to reach 10 34 cm -2 s -1 ? f (collision frequency) 40 MHz (=1/25ns) N B (number of protons per bunch) 10 11  x x  y (beam cross sections at IP)16  m x 16  m Number of interactions per collision n = Lx  T (pp)/f~10 34 x 100mb /40MHz= 25 pp interactions 簡単な計算方法

10 10 より正確な luminosity の計算 は ATLAS/CMS の IP での値 Insertion magnet の口径から来ている

11 11 IP は ATLAS/CMS の IP での値

12 12 Luminosity の公式に ATLAS/CMS の IP の値を代入して LHC での各種 interaction points High luminosity IP (ATLAS, CMS) : 10 34 cm -2s-1 Low luminosity IP (LHCb) : 10 32 cm -2 s -1 Low luminosity IP (TOTEM) : 2x10 29 cm -2 s -1 Heavy Ion Pb-Pb (ALICE) : 10 27 cm -2 s -1

13 13 Luminosity の限界 ・ nonlinear beam-beam interaction による tune shift beam optics からの限 界 を入れて (設計書では N bunch <1.15x10 11 となっている)

14 14 RUN 中の Luminosity の変化

15 15 Luminosity の積分値 Luminosity は pp interaction 、 beam-beam interaction, beam-gas interaction によって次第に減少する。  L は luminosity lifetime 。 Run あたりの積分 luminosity L RUN は T RUN T INJ L     L =15h のとき L tot の最大値は 1年間の積分 luminosity は HERA の経験

16 16 LHC 加速器の Layout point 1 point 2 point 3 point 4 point 5 point 6 point 7 point 8 8 straight sections (~528m) Point 1: ATLAS, low  Point 2: ALICE beam injection Point 3: beam collimators Point 4:RF system Point 5: CMS, low  Point 6: beam dump Point 7: beam collimators Point 8: LHCb beam injection dispersion suppressors ARC

17 17 ARC 部の 1 cell の構造 Lattice design v6.4, 23 cells/octant 194 mm 14.3 m MR dipolesMR quad

18 18 Low-  interaction point の構造 衝突点( ATLAS では vertical 交差、 CMS では horizontal 交差) single bore magnetsdouble bore magnets ~70 m KEK 製の insertion quad ( 205T/m,1.9K, 6.3m) Triplet Q Fermilab 製の insertion quad ( 205T/m,1.9K, 5.5m) 22.97m 188mm ビーム分離のためのダイポール(常温) absorber

19 19 日本で18台を製作終了した超伝導 Insertion Quad Fermilab に輸送され共通クライオスタットに組み込み中 東芝京浜工場での coil windingKEK での 1.9K での励磁・磁場測定

20 20 シンクロトロン光放射 陽子加速器としては LHC が初めてシンクロトロン放射が問題になる加速器である。 一般に半径  で回る質量 m 、エネルギー E の粒子は1周で ここではダイポールマグネットの曲率半径  =2804m を代入した。1リングあたり のシンクロトロン放射の全エネルギーは、 まとめ 450 GeV 7 TeV Total SR power/beam0.066 W3886 W Arc 部での energy loss0.22 W/m Energy loss per turn0.11 eV6.7 keV Photon critical energy0.01 eV43.13 eV Longit.  damping time5.5 yr12.9 h Transv.  damping time11 yr26 h 7 TeV では 放射光は ビーム冷却に 役立つ! クライオへの負荷

21 21 Electron Cloud Effects (電子雲効 果) LHC ではバンチ間隔が 25ns と狭いので、ビームパイプ表面から出た電子が beam-induced multipacting 効果のために二次電子を作り出して、多くの電子が ビームパイプの中に溜まってしまう現象。熱負荷やビーム不安定性を引き起こす。 KEK-B や PEP-II でも電子雲で加速器の性能が制限されている。 一次電子 二次電子 ビームバン チ

22 22 Electron Cloud Effects (電子雲効果) 2 SPS での実験結果 CERN-RRB-2002-150.pdf (Ph. Lebrun) よりコピー 4 days ビームパイプ内の圧力 ビームバンチ内の陽子数 テスト結果: ビーム開始直後には電子雲による圧力が急上昇するが、 数日運転すれば電子雲効果は小さくなり、 10 11 p/bunch が可能になる。

23 23 SPS での LHC 用ビームのエミッタンスの測定結果 ( CERN-RRB-2002-150.pdf, Ph. Lebrun ) 15 秒後 入射直後

24 24 LHC 加速器の injector 群

25 25 LHC への TI8 入射ラインは完成 し ビーム輸送テストにも成功し た。

26 26 LHC ダイポールに使った超伝導ケーブ ル Strand inner, outer filament 数: 8900, 6500 本 filament 径 : 7, 6 mm Cu/NiTi: 1.65, 1.95 Diameter: 1.065, 0.825 mm Twist pitch: 18, 15mm inner outer strand 数 : 28, 36 Twist pitch : 115, 100 mm 限界電流値: 13770, 12960 A (10T) (9T) Rutherford Cable 15.1 mm 1.065 or 0.825 mmφ Note: 超伝導ケーブルを作るときは各 Strand をツイストしながら 束ねる。ツイストを入れることによって磁場が変化したときに 2本の Strand の間に生じうる eddy current loop をほぼキャンセル することができ、発熱が抑えられ、安定度が増す。 BB NbTi filaments copper

27 27 Main Dipole (MB) の超伝導コイル 部 bore 半径 28 mm inner layer outer layer Beam pipe の中心 ラザフォードケーブルは2重の絶縁テープで 巻いてから下図のような位置に巻かれる。 コイルの4分の1の断面図

28 28 超伝導ケーブルの納入状況 古河電気工業 はこのケーブル の供給元の一つ cables delivered LHC Progress Dashboard を見れば加速器建設の現状がわかる。 http://lhc-new-homepage.web.cern.ch/lhc-new-homepage/DashBoard/index.asp

29 29 Winding machine

30 30 Main Dipole の磁場分布

31 31 Main Dipole (MB) 断面図 570  cold mass 1.9K thermal shield 50K 194

32 32

33 33 超伝導ダイポールの生産: 3社で 10 台 / 週のペース Babcock Noell Nuclear (独), Alstom (仏), Ansaldo (伊) Cold Mass 納入 Cold test 済 所定の磁場に到達する までのクエンチ回数分 布

34 34 He 4の状態図 He II 超流動状態 He I 液体ヘリウ ム B D F C 液体 He 供給( 4.6K,3 bar) 1 気圧 1.9K,1 bar 1.8K,0.013bar Heat Exchanger Tube の 中を真空引きによって 温度を下げ、 Tube の壁 を 通しての熱交換によっ て 1.9K,1 気圧の状態を実 現 するのがキーポイント。 ・ HeII の熱伝導率特性は 1.9K が最大 である。 ・超伝導ケーブルの比熱は 4.5K の 半分でよりクエンチし易くなる。 QRL ( cryogenic distribution line) 温度 (K) 圧力

35 35 QRL 超流動ヘリウム冷却システム Heat exchanger tube 超伝導マグネット

36 36 Cryoline ( QRL )のトラブル 2004 年 6 月に Air Liquid 社が設置 したが、真空リークやスライド 板の 割れが発生して全てやり直し。 Installation of « validation cells » in sector 8-1 2004 年 11 月に修理・改善プラン が確定。追加コストは 40.6MCHF 。

37 37 ビームパイプ内に設置される Beam Screen

38 38 LHC 加速器の主要パラメーターのまとめ 主リング周長 26658.883 m 陽子ビームエネルギー ( 入射エネルギー) 7.0 TeV (450 GeV) 最高ルミノシティ -(IP1, IP5)1.0×10 34 cm -2 s - 1 バンチ間隔 25 nsec 、 40 MHz バンチ数 2808 /ring バンチ当りの陽子数 1.15×10 11 ビームエミッタンス (7 TeV)3.75×10 -6  mrad 二口径双極電磁石 1232 台 双極電磁石長、磁場 14.3 m , 8.33 Tesla 曲げ半径 2803.95 m 回転周波数 11.245 kHz RMS ビームサイズ (IP1, IP5) 16.7  m RMS バンチ長さ (IP1, IP5) 7.55 cm ビーム衝突角度 (IP1, IP5)±142.5  rad 交差平面( ATLAS, CMS )垂直 (ATLAS), 水平 (CMS) バンチ衝突当りの陽子衝突数 19 全ルミノシティ - 寿命 14.9 hour シンクロトロン放射損失エネルギー 3.6 kW / ring, 6.71 keV/turn

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