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Published byとしみ このえ Modified 約 8 年前
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ハイテクベンチャー企業の成長 要因に関する研究 2007.01.30 吉田 研究室 林田 英樹
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はじめに 日本には最終製品の機能や品質を実現する上で重要な部品や素材を供給する産業 群や、これを支えるモノ作り基盤技術を担う中小・中堅企業群が多数集積してい る。 2010年の新産業には燃料電池、情報家電、ロボット、コンテンツ産業が戦略 的な新産業分野として取り上げられている。 特に情報家電産業の国際競争力強化には、ベースとなる化学・新素材産業の強化 が必須であり、特に新製品・新サービスについてのイノベーションを担う研究開 発型 ベンチャー企業の担う役割は大きいが、未だ十分な成功モデル研究がなされて いない。 我が国の部品・材料産業は、国際的に高い技術と競争力を有し、高い信頼性と性 能を持つ部品・材料を最終製品に提供し、我が国製造業の国際競争力を支えてい る。 特にデジタル家電やおよそ10兆円規模。 各素材とも世界シェアで50%以上を握る国内メーカーが多く、日本の産業の中 で最も国際競争力がある。 濃密なコミュニケーション、スピードときめの細かさ、取引関係のメッシュ化し た企業間連携とすり合わせの連鎖が強み。 部品・電子材料産業の現状
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2005 年 ( 推計 ) 出典:「平成 17 年度ものづくり白書」を筆者加筆修正 ・半導体材料:シリコンウエハ、フォトマスク フォトレジスト、材料ガス、超純水 CMP 材料、 ・液晶材料:ガラス基板、カラーフィルター バックライト、 LCD ドライバー、偏光板、 位相差板、反射板等 ・一般材料:エポキシ樹脂、セラミック板等 川上川中川下 10 兆円 140 兆円 47 兆円 ・内訳:パソコン 22兆円、携帯電話14兆円 デジタル家電(液晶 TV, PDP-TV, DVD レコーダー / プレーヤー デジタル携帯音楽プレーヤー、ゲーム機、 デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ)、 自動車 70兆円 半導体材料・・・4.5兆円 薄型テレビ材料・・・22兆 円 一般電子・ エネルギー部品材料・・・2 兆円 半導体材料・・・3.5兆円 薄型テレビ材料・・・5.5兆 円 一般電子・ エネルギー部品材料・・・1兆 円
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事例研究 通説:新規材料開発は、製品開 発の時間が長く、開発・設備投 資額が大きく、根本をなす材料 基礎研究や分析・評価技術を含 む基盤技術など多くの要素技術 が必要であるとされていた。 事例研究の結果、 研究開発の模索・探索の初期 領域では通説と異なり、 製品開発の期間も短く、開発 投資額も少額で、意志決定の速 い ベンチャー企業のマネジメン トに適していることがわかった。 研究開発型材料メーカー A 社 – 事業内容:半導体製造用材料の開 発・製造・販売 次世代・次々世代向け商品の開発・製造・販売 既存所有知見によるコンサルティング 脱半導体(半導体製造技術の他分野への応用) ソーシング(原材料の輸入とその精製) – 設立: 2004 年 3 月 – 資本金: 53 百万円 – 売上高: 280 百万円( 2006 年見込 ) – 人員:8名(内技術者 3 名) – 設備投資(初期2年間): 合成・精製設備: 10 百万円 – 調達資金: 1.5 ヵ年分 130 百万円
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事例分析 今までのハイテクベンチャー成功要 因 – 高い成長性のビジネス分野で起業 ビジネスチャンスの発見 – 事業戦略 既に存在するニッチ分野への集中戦略 ( 最先端研究顧客への研究試薬品供給) かつ外部企業提携実施 – 既存企業の弱みにつけ込むこと 競合企業にスピード、応答性、利便性で勝 る – 模倣に対する障壁を構築すること 業界経験豊富な人材確保 知的財産(ノウハウ)の自社管理 – 最適な事業組織管理 高収益を管理するための事業体制 – リスクと不確実性に対処する 量産化および量産設備投資はアライアンス 先 事例分析からわかった新たな成功要 因 – コアになる基礎技術またはアイデア元に事業化 を狙うモデルは成功率が低すぎる。 – 資金調達能力 制度資金に依らず、独力でアライアンス先から資金調 達 – 並列した複数の事業 自社で次世代・次々世代向け商品の開発・製造・販売 既存所有知見によるコンサルティング 脱半導体(半導体製造技術の他分野への応用) ソーシング(原材料の輸入とその精製) 知的財産は自社管理せず、技術パッケージ販売に特化 – 製品パッケージ化能力 – 人的ネットワークを利用したグローバルな事業 アライアンス
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新しい成功モデルの思考方法 事例分析を基に 既に存在するニッチ分野への集中戦略を前提とした 材料系ハイテクベンチャー企業の成功要因モデルとして、 ①市場、 ②テクノロジー、 ③コスト、 ④未来予測、 ⑤人・組織、 ⑥ファイナンス という新事業開発思考法として右の図のような キュービックモデルを考案。
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今後の検討課題 ・成功モデルの他の事業分野への適用可否 の分析と一般化 – キュービックモデルの精緻化として、半導体ベン チャー企業への質問票とその分析を予定。 ・外部企業との連携(ネットワーク) – 新規技術の台頭や新規化合物の発見の困難さ、外部 企業との連携の重要性が高まってきている。 こうした外部企業との戦略的提携について、包括的 に分析すること。 – 海外企業とのグローバルな連携(ネットワーク)。 電子材料分野の顧客は既に国内より海外が多くなっ ている。こうした海外企業とのグローバル研究開発 とマネジメントの分析も必要。
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