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一般に粉末の成形特性を評価する場合に用いる指標としては「圧縮性」と「成形性」が挙げられる。
第7章 圧縮性と成形性 一般に粉末の成形特性を評価する場合に用いる指標としては「圧縮性」と「成形性」が挙げられる。
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7.1圧縮性 同一圧力で粉末成形した場合の圧粉密度で比較し、圧粉密度が高いほど圧縮性のよい粉末といえる。 圧縮率:圧粉において容積縮小の尺度となるものであり、圧縮体の密度(green density)と粉末の見掛け密度の比を表し、圧縮比(compression ratio)と称している。 圧粉体の密度と金属の真の密度との比を表すのに用いられる場合もある。 見掛け密度:一定容器にある規定した方法で粉末を充填したときのcm3当たりのグラム数をもって表される密度である。
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圧縮率は圧力および粉末の種類(粒径、形状、性質(硬さ)、多孔度、組織)によって異なる。
見掛け密度は高くなるほど圧縮性が良くなる。 鉄粉:電解粉、アトマイズ粉、還元粉の順番に圧縮性が優れる。
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7.2成形性 ラトラー試験法によって評価できる。 実験の内容:金網のカゴの中に圧粉体を投入し所定の条件で回転させたときの圧粉体の重量減少率(ラトラー値)を測定する方法である。 ラトラー値が低いほど成形性が良い粉末といえる。 粉体の成形圧力:十分な強度を有する圧粉体(green compact)を作るために要する最小の圧力
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第8章 粉末成型法と成形体の特性 粘土:手で成形する。 煉瓦、ブロック作り。 無加圧鋳込成形 金型成形 冷間加圧成形 8.1 金型成形
第8章 粉末成型法と成形体の特性 粘土:手で成形する。 煉瓦、ブロック作り。 無加圧鋳込成形 金型成形 冷間加圧成形 8.1 金型成形 粉末を金型に充填し単軸に沿った加圧力で成形するプロセスである。 *粉末成形に最もよく用いられている方法である。
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8.1.1 片押し法: (1)ダイスに粉体を注入する(ホッパー、フィーダー) (2)下パンチ固定のままで上パンチが降りる(油圧あるいは機械プレス)と、加圧により粉末の堆積は収縮し、粉末間の絡み合いや接着が起こって堅くなる。 (3)成型後下パンチを押し上げて圧粉体を抜き出して取り出す。 欠点:圧縮過程で粒子どうしのブリッジング、粉末と金型壁との摩擦によって、圧粉体に密度の不均一が生ずる。それによって、焼結成型で寸法変化の不均一が生ずる。 *加圧方向の高さの低いものに使用される。
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8.1.2両押し法:両方から加圧する。 *必ずしも同時に動作しなくてよい。 *この方法で上下の密度差が小さくなり、ニュートラルゾーン(密度の一番低いところ)の位置調整ができる。(図の説明) *押し出し:下パンチの移動
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8.1.3フローティングダイ法 ダイをバネ、空気また油圧で支え、下パンチ固定。 上パンチで加圧→ダイ壁と粉末の間の摩擦力が次第に増大→ダイの支え力より大きくなると→ダイは下降する。相対的に下パンチが上昇したことになる。 *密度の差の調整が可能 *押し出し:Ⅰ上パンチ上昇 Ⅱダイ下降
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8.1.4ウィズドロアル法 上パンチが所定の距離だけ移動し加圧すると、ダイが強制的に引き下げられ、これにより加圧時に固定されている下パンチがダイに対して相対的に上昇し、両押し成型が行える。 押し出し:ダイを下げる。
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8.1.6プレス *機械プレス、水圧あるいは油圧プレス、両者を併用した複合プレスの3種類 *圧力調制 衝程調制(機械式):圧粉体の高さが一定が、気孔度の変化がある 圧力調制(水圧機):高さ不同となるが、気孔度が一定 過度の加圧:焼結温度に達する前に膨張現象が現れる。 *プレス方式 単動プレス、復動プレス、側圧プレス。 パンチの速度:過度に高い場合:粉末の移動が伴わなくなるので不均一な圧縮、空気の巻き込み
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8.1.7ダイスとパンチ *ダイスとパンチの質 ダイス:高度の安全性と摩耗の少ない(硬さ)こと パンチ:硬さとともに強靱性(場合によって硬さを犠牲にする) 材料:硬質合金 ダイスの設計:粉末の横すべりを起こさないこと *孔の最大深さ:中心まで圧力が安全に浸透すること *断面積:プレスの容量で制限される。 *粉体の流れは流体とは異なる。(孔、袋の形状を圧力方向と直角することを避ける) *間隙:0.01mm以下 大きい:隙間に粉末つまり摩耗が激しくなる 小さい:空気を巻き込み、ダイスの損耗と圧粉体に割れ。 ダイス内面にわずかな勾配:圧粉体を抜きやすくする。 *ダイスの取り付け:圧力の中心
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8.2その他の成型法 8.2.1鋳込成形(スリップキャスティング) 無加圧成型法である。 セラミックスの成形に用いられている。 セラミックス粉と粘土を水に→泥しょう(液体と同じ性質を持っている) 製品の原型から石膏型を作り、それに流し込み、石膏に水を吸収させ成形する。 乾燥させてから焼結炉に入れる。 実例:衛生陶器の大量成形 ファインセラミックスの場合:有機バインダーを利用:ガスタービンエンジン部品 金属:普及していないが、有機バインダー使用 *注意点:適度な媒剤の選び、収縮量が大きい(しかし、圧粉体は不規則なひずみを受けていないので比較的に一様な収縮が得られる)
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8.2.2押出法 (1)冷間押出し 碍子、自動車排ガス浄化用触媒担体(蜂の巣状)、熱電対の保護管、超硬合金も有機バインダーで(可塑性)できる。 コンフォーム法(連続押出法、バインダーを加えない) アルミニウム合金の強度増強、省エネ効果 (2)熱間押出し 熱間圧縮と熱間加工の組み合わせで、ダイスを通して一方向に流れを生じさせ、真密度の棒状、管状製品の製造に用いられる。 3種類の方法がある。特に缶詰法では粉末の微細組織を保持することができる。
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8.2.3遠心力法 遠心力で圧縮、硬質合金 粒子間の摩擦を少なくするため バインダー 8.2.4連続成形 (1)無加圧成形:ドクターブレード法(図) 泥をキャリアフィルムに流し、乾燥してから剥がして焼結する IC基板、金属:複合材、軸受材(自動車エンジン用) (2)圧延成形 ホッパーから金属の粉末を供給し、連続的に圧粉板を圧延成型する方法である。その後の熱間圧延で真密度にする。多層板の成形もできる(ホッパーに仕切り板)
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8.2.5冷間等方圧成形(CIP、cold isostatic pressing)
圧力媒体の等方圧を利用して室温で粉末の成形を行う最新の工業技術である。 (1)湿式CIP 型:ゴム、プラスチック 圧力媒体が液体である(グリセリン、油など)。 粉体をゴム袋に封入し圧力容器内の液中に浸漬して加圧成形する方法である。少量多品種の生産や大型製品の成型法として利用されている。(超硬合金の金型や工具の製造に) 湿式(ウェットバッグ)法
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大型CIP装置 温間等方加圧装置WIP
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8.2.5冷間等方圧成形(CIP、cold isostatic pressing)
圧力容器にセットされたゴム型に粉体を充填して加圧成型する方法である。 粉末充填と加圧成形体の取り出しの自動化で大量生産に適している。 着火プラグ 乾式(ドライバッグ)法
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(3)CIPの特徴 高い成形体密度が得られる 均質な成形体が得られる 成形助剤が少なくてよい。 成形体の大きさ、寸法比に制約がない。
高い成形体密度が得られる 均質な成形体が得られる 成形助剤が少なくてよい。 成形体の大きさ、寸法比に制約がない。 型費用が安価である 複雑形状のものも成形できる 複合製品の成型が可能
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CIPによる薄肉パイプの例
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乾式圧縮装置の構造
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段差のある成形体の例
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ねじ山成形体の例
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チタン合金のCIP成形体(左)と最終加工品(右)
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8.2.6熱間等方圧成形(HIP) 粉末を脱ガス処理後真空缶詰にし、圧力容器中でアルゴンや窒素ガスを圧力媒体として、高温高圧で成形と焼結を同時に行い真密度に固化する方法である。 信頼性が要求されるものに適している。 微細な組織、欠陥が少ない 欠点:サイクルタイムが長い(改良されつつある)。生産性の問題、装置が高価である。 *擬HIP法: (1)STAMP; (2)CERACON法; (3)ROC法 HIPの概念図
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HIPの応用分野 粉末の高密度焼結 焼結体の高密度化 鋳造品の内部欠陥除去 疲労部品の再生 拡散接合
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8.2.7粉末鍛造 粉末加工と塑性加工を組み合わせた技術である(図)。 圧縮成型した圧粉体プリフォームを加熱(焼結)した後成形プレスの金型に入れて、熱間で加圧成形することによって真密度に緻密化する方法である。溶製材なみの特性が得られる(空隙の減少で)。 粉末鍛造の概要図
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粉末鍛造実用例 乗用車のトルクコンバーター用ステーター
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粉末鍛造実用例 ボークリング
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粉末鍛造実用例 トランスミッション部品
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粉末鍛造実用例 主にオートマチックトランスミッション部品である。 海外での使用例
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超塑性鍛造 金型と粉末プリフォームを同じ温度に加熱して、ゆっくり したひずみ速度で微細組織の超塑性を利用して成形する。
複雑形状の製品をニアネットシェイプに成形できる。 ひずみの局部集中がなく、均質で表面性状の良好鍛造品が得られる。 加熱回数の低減が可能(1回の鍛造で大きな変形) 低い変形抵抗下での鍛造のため、小容量プレスで大型品の製造が可能である。 Ni基超合金粉末製ディスク
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8.2.8高エネルギー速成形(高圧成形) 高圧ガス、高電圧放電、衝撃電磁力、爆薬 の爆発などで瞬時成形 金型と粉末間の摩擦が減少する。 8.2.9射出成形と溶射成形 射出成形:バインダー使用、加熱 溶射成形:金属溶湯を不活性ガスで噴霧
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