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物理システム工学科3年次 物性工学概論 第火曜1限0023教室 第4回半導体の色
物理システム工学科3年次 物性工学概論 第火曜1限0023教室 第4回半導体の色 大学院ナノ未来科学研究拠点 量子機能工学分野 佐藤勝昭
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第3回で学んだこと 金属の色:金、銀、銅、鉄、白金 3原色:加法混色と減法混色/CIE色度図 ヒトが色を認識する仕組み
自由電子のプラズマ運動 誘電率と屈折率・消光係数 負の誘電率の意味するところ
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第3回の問題 問1:さまざまな色が3原色によって表される理由を述べよ。
ヒトの網膜には色を感じる錐体という細胞があるが、錐体には赤、緑、青の波長にピーク感度をもつ3種類の細胞がある。ヒトはこれらの3つの細胞の刺激の程度によってすべての色を感じる。(従って、カラーテレビのカメラでは、光を赤、緑、青の3色に分解し、それぞれの光の強さを電気信号として伝送して、ブラウン管など表示装置の赤、緑、青の光源の強度を変化させてもとの色を再現している。)
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第3回の問題 問2:金が金色である原因と、半導体であるゲルマニウムや黄鉄鉱(FeS2)が金色を示す原因は異なっている。何が違うのかを関与する電子状態を考えて説明せよ。 金が金色であるのは、赤から緑にかけての反射率が高いことによるが、この高い反射率は自由電子の集団運動によるDrude則による負の誘電率が原因である。これに対して、黄鉄鉱では、バンド間遷移によって、強い吸収が赤~赤外領域に存在するために反射率も高くなっていることが原因である。
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第3回の補足 スペクトルとは 光学定数の意味 マクスウェルの方程式
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スペクトルとは 白色光の連続 スペクトル 気体原子の線スペクトル 吸収線 発光線
国立天文台
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媒体中における光の電界の伝搬 光:電磁波(電界Eと磁界Hが直交して振動)
E=2E0cos{(t-x/c’)}=E0[exp {-i(t-x/c’)}+cc.] 媒体中の光速 c’=c/n:ここにnは屈折率 E=E0exp{-i(t-nx/c)} で代表させる。 媒体中での光の電界の減衰 E=E0exp(-x/c) 媒体中で電界が1/eになる距離 x=c/
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光学定数(屈折率nと消光係数) E=E0exp(-x/c) exp{-i(t-nx/c)} =E0 exp{-i(t-(n+i)x/c)}=E0 exp{-i(t-Nx/c)} N= n+i (複素屈折率) 屈折率n:媒体中での光速を表す因子。 光速は真空中の光速の1/nになっている。 消光係数:媒質中で電磁波の振幅が減衰する様子を表している。
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波動の振動の様子 Eexp(-/c) λ= 500 n= 2.5 k= 0.2
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マクスウェルの方程式 rotH=D/t =r0E/t rotE=-B/t =-0 H/t
rot rotE= -r0 0E2/t2 左辺=( ・E)E- 2E=- 2E 右辺 =-r/c2 E2/t2 E2/x2+ E2/y2 + E2/z2 = r/c2 E2/t2 E=E0 exp{-i(t-Nz/c)}を代入 - N2 2/c2E=-r 2/c2E→(N2- r)E=0 N2= r
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誘電率と屈折率・消光係数 N2=εr (N+i)=εr’+iεr” (n2- 2)+i2n= εr’+iεr” εr’= n2- 2
誘電率が物質定数、屈折率はその媒質での光の固有値 (N+i)=εr’+iεr” (n2- 2)+i2n= εr’+iεr” εr’= n2- 2 εr”=2n 誘電率の虚部:エネルギーの損失を表す項 電子レンジで食品が加熱される原因:誘電率の虚部
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半導体の光学現象 半導体とは何か 半導体にはどんな物質があるか バンド構造とバンドギャップ 半導体の透過色、反射色
吸収スペクトル:バンド間遷移 シリコン結晶の金属光沢の原因は?
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半導体とは何か 半導体の抵抗率の範囲とバンドギャップ (佐藤・越田:応用電子物性工学 図4.2)
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半導体の電気抵抗の温度変化 金属と半導体の電気抵抗の温度変化の比較
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導電率、キャリア密度、移動度 導電率、キャリア密度n、移動度の間には = ne の関係式が成り立つ。
抵抗率と導電率の関係は =1/ である。 移動度とは、単位電界E[V/cm]によって得られる平均速度v[cm/s]を表し、v=E である。 例:1mのシリコン膜の表裏の間に1Vの電圧を印加したとき、E=104V/cm、シリコンの=1000cm2/Vsとしてv= E =107cm/sとなる。 このときの導電率はキャリア数1016cm-3として = ne =10161.6 10-19 103=1.6S/cm: =0.625cm
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周期表と半導体 IIB IIIB IV V VI B C N O Al Si P S Zn Ga Ge As Se Cd In Sn Sb
Te Hg Tl Pb Bi Po IV族(Si, Ge) III-V族(GaAs, GaN, InP, InSb) II-VI族(CdS, CdTe, ZnS, ZnSe) I-VII族(CuCl, CuI) I-III-VI2族(CuAlS2,CuInSe2) II-IV-V2族(CdGeAs2, ZnSiP2))
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半導体の構造 ダイヤモンド構造 閃亜鉛鉱(ジンクブレンド)構造 黄銅鉱(カルコパイライト)構造 非晶質(アモルファス)
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バンド構造による金属・半導体の区別
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エネルギー帯の考え方 自由電子からの近似 孤立原子に束縛された電子からの近似 Hartree-Fockの近似 電子を波数kの平面波として扱う
E=(k)2/2m 放物線バンド 孤立原子に束縛された電子からの近似 Heitler-Londonの近似 原子の電子波動関数(s, p, dなど)の1次結合 電子間相互作用を考慮しやすい
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シリコンのバンドとバンドギャップ
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半導体の光吸収スペクトル 直接吸収端 InSb, InP, GaAs 間接吸収端 Ge, Si, GaP
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バンドギャップと半導体の吸収端 Eg h>Eg h
フォトン・エネルギーE=hがエネルギー・ギャップEgより小さいとき、価電子帯の電子がE=hを得ても、伝導帯に遷移できないので、光は吸収されず透過する。 フォトン・エネルギーがエネルギー・ギャップよりも大きいと、価電子帯の電子が伝導帯に遷移することができるので、光吸収が起きる。吸収が始まる端っこということで、エネルギー・ギャップを吸収端のエネルギー、それに相当する波長を吸収端の波長という。吸収端の波長より長い波長の光は透過する。 伝導帯 Eg h>Eg h 価電子帯
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半導体のバンドギャップと透過光の色 1.5eV CdS GaP HgS GaAs 3eV 2.5eV 2eV ZnS Eg=2eV
800nm 300nm ZnS Eg=2eV Eg=2.2eV Eg=2.6eV Eg=3.5eV Eg=1.5eV 白 黄 橙 赤 黒 3.5eV 4eV 透過域
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半導体の色 透過光の色 反射光の色 バンドギャップより低いエネルギーの光を全部通す Eg>3.3eV:無色透明 Eg=2.6eV:黄色
diamond Ge ZnSe, ZnS Si HgS GaAs
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半導体のバンドギャップと絵の具の色 Mixed crystals of yellow cadmium sulfide CdS and black cadmium selenide CdSe, showing the intermediate-band-gap colors
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第4回の問題 左に示す半導体を透過した光は、それぞれ何色に見えるか、またそう見える理由を述べよ。 さまざまな半導体のバンドギャップ(室温)
半導体 Eg[eV] g[nm] Ge Si GaAs CdSe GaP CdS ZnSe GaN ZnS 左に示す半導体を透過した光は、それぞれ何色に見えるか、またそう見える理由を述べよ。
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