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GIスライドデッキ2016 以下の会議で発表された非結腸直腸癌に関する特定の抄録:
第18回世界消化管癌会議 2016年6月29日~7月2日 | バルセロナ、スペイン
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ESDOからの書簡 親愛なる会員の皆様 今回、このESDOスライドセットをご紹介できることを大変光栄に思います。このスライドセットは、2016年に開催された主 要学会で発表された、消化器癌に関する重要な所見を強調・要約することを企図したものです。このスライドは特に2016 第18回世界消化器癌会議に焦点を当てており、英語および日本語でご利用いただけます。 腫瘍学における臨床研究の分野は、絶えず変化し続ける、厳しい環境下にあります。そうした環境下において、我々は皆、 科学者、臨床医および教育者としての役割において、知識の深化を促進し、さらなる進歩の契機をもたらしてくれる、科 学的なデータや研究所見の入手の機会を貴重なものであると考えています。消化器癌の領域における最新情報に関す る今回のレビューが、皆さまの臨床診療にとって有益なものとなることを期待しています。本件につきましてご意見・ご感想 最後に、このような活動の実現に際し、資金、運営管理および物流管理の面においてご支援いただいたLilly Oncology 社様に心より御礼申し上げます。 敬具 Eric Van Cutsem Wolff Schmiegel Phillippe Rougier Thomas Seufferlein (ESDO運営委員会)
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ESDO腫瘍内科研究スライドデッキ 編集者(2016年)
結腸直腸癌 Eric Van Cutsem教授 ベルギー、ルーバン、大学病院、消化器腫瘍科 Wolff Schmiegel教授 ドイツ、ボーフム、フール大学、医学部 Thomas Gruenberger教授 オーストリア、ウィーン、ルドルフ財団クリニック、外科I 膵癌および肝胆道系腫瘍 Jean-Luc Van Laethem教授 ベルギー、ブリュッセル、エラスムス大学病院、消化器癌 Thomas Seufferlein教授 ドイツ、ウルム、ウルム大学、内科 I 胃食道・神経内分泌腫瘍 Philippe Rougier名誉教授 フランス、ナント、ナント大学病院 Côme Lepage教授 フランス、ディジョン、大学病院および国立衛生医学研究所 バイオマーカー Eric Van Cutsem教授 ベルギー、ルーバン、大学病院、消化器腫瘍科 Thomas Seufferlein教授 ドイツ、ウルム、ウルム大学、内科 I
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用語集 1L 第一選択 5FU 5-フルオロウラシル AE 有害事象 BCLC バルセロナ臨床肝癌 BID 1日2回 BSC 最善支持療法 CA-19.9 炭水化物抗原-19.9 Cap-RT カペシタビン + 放射線療法 CgA クロモグラニン A CI 信頼区間 CR 完全奏効 CRT 化学放射線療法 CT 化学療法 D 日 DCR 病勢コントロール率 ECC エピルビシン/シスプラチン/カペシタビン ECOG 米国東海岸癌臨床試験グループ EGFR 内皮増殖因子受容体 EOC エピルビシン、オキサリプラチン、カペシタビン EORTC-QLQC30 欧州がん研究・治療機構生活の質に関する重要な質問票 EOX エピルビシン、オキサリプラチン、カペシタビン FOLFOX ロイコボリン、フルオロウラシル、オキサリプラチン GC 胃癌 GEJ 胃食道接合部 GemCap ゲムシタビン、カペシタビン Gem-RT ゲムシタビン + 放射線療法 GI 胃腸/消化器 HCC 肝細胞癌 HER2 ヒト上皮成長因子受容体2 HR ハザード比 IHC 免疫組織化学 ISH in situハイブリダイゼーション KPS Karnofsky一般状態評価スケール LAR 長時間作用型徐放性製剤 LLOQ 定量下限値 Lu ルテチウム LV ロイコボリン LV5FU2-CDDP ロイコボリン、5-フルオロウラシル、シスプラチン MDT 集学的チーム MSEC 転移性食道扁平上皮癌 nal-IRI ナノリポソーム型イリノテカン (p)NET (膵)神経内分泌腫瘍 NGS 次世代型シーケンス NR 未到達 OR オッズ比 ORR 全奏効率 (m)OS 全生存期間(中央値) PD 病勢進行 PDAC 膵管腺癌 PD-L1 プログラム死-リガンド1 (m)PFS 無増悪生存期間(中央値) PR 部分奏効 PS 一般状態 q(2/3/4/6/8)w (2/3/4/6/8)週間ごと qd 1日1回 QoL 生活の質 R 無作為化 RECIST 固形癌の治療効果判定のためのガイドイラン RR 奏効率 RT 放射線療法 SAE 重篤な有害事象 SRC 印環細胞 SSA ソマトスタチンアナログ TTP 無増悪期間 VEGF 血管内皮増殖因子 W 週 WHO 世界保健機関
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目次 胃・食道癌 6 膵・小腸・肝胆道癌 28 膵癌 29 肝細胞癌 42 神経内分泌腫瘍 47 一般 55
胃・食道癌 6 膵・小腸・肝胆道癌 28 膵癌 29 肝細胞癌 42 神経内分泌腫瘍 47 一般 55 注:特定のセクションにジャンプするには、番号を右クリックし、「ハイパーリンクを開く」を選択してください
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胃・食道癌
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LBA-002: 切除可能胃癌におけるネオアジュバント化学療法後の手術+化学療法と手術+化学放射線療法を検討する第III相多施設共同無作為化試験:CRITICS試験の一次結果 – Verheij M ら 研究の目的 切除可能GCを有する患者において、最適局所および全身療法が生存率に及ぼす影響を調査すること 3x CT* q3w (n=393) 3x CT* q3w (n=238) 主要な患者選択基準 ステージIb~IVaの切除可能GCまたはGEJ 遠隔転移なし WHO PS ≤1 年齢≥18歳 (n=788) 外科治療† 層別化 治験実施施設 組織学的なタイプ 腫瘍局在 R 1:1 3x CT* q3w (n=395) CRT(25分割で45Gy + CT‡) (n=248) 外科治療† 主要エンドポイント OS 副次的エンドポイント PFS 安全性、QoL *ECC(エピルビシン 50mg/m2 D1、シスプラチン 60mg/m2 D1、カペシタビン 1000mg/m2 BID D1–D14) または EOC(エピルビシン 50mg/m2 D1、 オキ サリプラチン 130mg/m2 D1、カペシタビン 625mg/m2 BID D1–D21)、†合計 /部分食道胃切除術 および 一括 N1 + N2 リンパ節、‡シスプラチン 20mg/m2 qw、カペシタビン 575mg/m2 BID。 Verheij et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-02
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LBA-002: 切除可能胃癌におけるネオアジュバント化学療法後の手術+化学療法と手術+化学放射線療法を検討する第III相多施設共同無作為化試験:CRITICS試験の一次結果 – Verheij M ら 主な結果 OS OSの確率 経過期間、年 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 1 2 3 4 5 395 393 294 290 211 197 137 134 96 102 62 61 CRT CT p*=0.99 CT CRT 5年OS、% 40.8 40.9 mOS、年 3.5 3.3 *ログランク検定 Verheij et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-02
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LBA-002: 切除可能胃癌におけるネオアジュバント化学療法後の手術+化学療法と手術+化学放射線療法を検討する第III相多施設共同無作為化試験:CRITICS試験の一次結果 – Verheij M ら 主要な結果(続き) PFSの確率 経過期間、年 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 1 2 3 4 5 395 393 270 258 186 173 123 118 90 60 55 CRT CT PFS CT CRT 5年PFS、% 38.5 39.5 mPFS、年 2.3 2.5 p*=0.99 患者の8%以上における術前AE グレード3 グレード4 合計(%) 好中球減少症 171 76 247 (31) 好中球減少症(発熱性) 53 10 63 (8) 下痢 94 5 99 (13) 悪心 83 1 84 (11) 食欲不振 71 2 73 (9) 嘔吐 58 3 61 (8) 疲労 57 8 65 (8) グレード5のAE、全 合計(%) 循環器 7 GI 3 感染症 2 合計 12 (2) *ログランク検定 Verheij et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-02
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LBA-002: 切除可能胃癌におけるネオアジュバント化学療法後の手術+化学療法と手術+化学放射線療法を検討する第III相多施設共同無作為化試験:CRITICS試験の一次結果 – Verheij M ら 主要な結果(続き) 手術に関連する合併症: 145例(22%) 、院内での死亡件数: 15例(2%) 結論 切除可能GC患者においてCTとCRTを比較した場合、OSに差を認めなかった 5年OSおよびmOSは、西洋諸国における他の試験と同等であった 現在進行中の解析により、治療で利益が得られる特定のサブグループが判定される可能性はあるもの の、現在のデータでは有望なアジュバント戦略は明確に特定されていない。 患者の50%未満しか治療を完全に終えられない可能性があり、術前戦略に焦点をおいて考慮すべき である。 患者の10%以上における術後AE CT (n=238) CRT (n=248) グレード3 グレード4 合計(%) 好中球減少症 63 18 81 (34)* 7 3 10 (4)* 好中球減少症(発熱性) 4 1 5 (2) 6 6 (2) 食欲不振 20 20 (8) 30 30 (12) 悪心 27 27 (11) 22 22 (9) 疲労 25 25 (10) Verheij et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-02 *p<0.001.
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LBA-04: E-DIS試験、転移性食道扁平上皮癌(MSEC)患者における第一選択化学療法(CT)の無作為化中止試験:有効性および生活の質に関する結果 – Adenis A ら
研究の目的 化学療法開始6週間経過時点で無進行であったMSEC患者において1L化学療法の恩恵を評価すること 継続群 CT* 継続 + BSC (n=31) PD 主要な患者選択基準 MSEC ECOG PSスコアが≤2 (n=67) R 1:1 中止群 CT 中止 + BSC (n=33) PD 主要エンドポイント 9カ月生存率 副次的エンドポイント OS、PFS、QoL *LV5FU2-CDDP q2w (n=7)、FOLFOX (n=24). 注:抄録からのデータのみに基づく。 Adenis et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-04
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LBA-04: E-DIS試験、転移性食道扁平上皮癌(MSEC)患者における第一選択化学療法(CT)の無作為化中止試験:有効性および生活の質に関する結果 – Adenis A ら
主な結果 結論 MSEC患者集団では、1L化学療法の継続群および中止群のいずれにおいても十分な恩恵が認めら れた。 継続 (n=31) 中止 (n=33) 9カ月生存率、% (85% CI) 50 (37, 62) 48 (34, 60) PFS、カ月(95% CI) 4 (2.8, 5.8) 1.4 (1.4, 2.7) OS、ヵ月(95% CI) 8.5 (6.6, 12) 8.8 (5.9, 13.4) 全般的な健康状態が明確に悪化するまでの期間(95% CI)* 6.7 (3.3, 11.9) 4.4 (2.9, 6.3) *EORTC-QLCC30により評価が行われた。 注:抄録からのデータのみに基づく。 Adenis et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-04
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LBA-06: IMAB362: 胃癌においてタイトジャンクション構成タンパク質CLAUDIN18
LBA-06: IMAB362: 胃癌においてタイトジャンクション構成タンパク質CLAUDIN18.2を標的とする新規免疫療法抗原 – Al-Batran SE ら 研究の目的 進行性/再発性胃・GEJ癌およびCLDN18.2発現において、1L IMAB362 + EOXをEOX単剤と比較 した場合の有効性と安全性を評価すること 主要な患者選択基準 進行性/再発性 胃・GEJ癌 IHCにより40%以上の癌細胞において、2以上のCLDN18.2発現 化学療法の施行歴なし ECOGのPSスコアが0~1 トラスツズマブに不適格 (n=246) IMAB362 初期用量 800mg/m2、その後 600mg/m2 D1、q3w + EOX* (n=77) PD R 1:1 層別化 CLDN18.2陽性、病変の測定可能性 EOX* (n=84) PD 試験的群:IMAB mg/m2 + EOX* q3w(ここではデータ非表示)(n=85) 主要エンドポイント PFS 副次的エンドポイント OS、安全性 *エピルビシン 50mg/m2 + オキサリプラチン 130mg/m2 D1 + カペシタ ビン 625mg/m2 BID、D1-21、QD22)。 Al-Batran et al. Ann Oncol 2016; 27(suppl 2): abstr LBA-06
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LBA-06: IMAB362: 胃癌においてタイトジャンクション構成タンパク質CLAUDIN18
LBA-06: IMAB362: 胃癌においてタイトジャンクション構成タンパク質CLAUDIN18.2を標的とする新規免疫療法抗原 – Al-Batran SE ら 主な結果 IMAB362 + EOX EOX HR P値 mPFS(カ月) 7.9 4.8 0.47 <0.001 mOS(カ月) 13.2 8.4 0.51 CLDN18.2の高発現サブグループ* 16.7 9.0 0.45 <0.0005 人口統計学的特性 年齢(中央値)、58歳 男性 64% 胃、80% GEJ、16% 食道、4% *腫瘍細胞の70%以上で強度が2+以上 Al-Batran et al. Ann Oncol 2016; 27(suppl 2): abstr LBA-06
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LBA-06: IMAB362: 胃癌においてタイトジャンクション構成タンパク質CLAUDIN18
LBA-06: IMAB362: 胃癌においてタイトジャンクション構成タンパク質CLAUDIN18.2を標的とする新規免疫療法抗原 – Al-Batran SE ら 主要な結果(続き) OSサブグループ解析 サブグループ 全体 CLDN 腫瘍 型 びまん型 腸 混合型 不明 測定可能病変 測定可能 測定不能 腫瘍部位 食道 胃食道接合部 胃 切除術の施行歴 なし あり 第3群の開始前 第3群の開始後 第3群の開始前 染色細胞 <70 ≥70 ハザード比(95% CI) 0.51 (0.36, 0.73) 0.40 (0.22, 0.75) (0.36, 0.88) 0.40 (0.23, 0.70) (0.36, 1.23) (0.17, 1.37) (0.24, 2.35) 0.51 (0.35, 0.76) (0.19, 1.22) 0.25 (0.03, 2.37) (0.29, 1.59) (0.34, 0.76) 0.40 (0.26, 0.62) (0.43, 1.65) 0.37 (0.14, 0.97) (0.36, 0.79) 0.75 (0.40, 1.43) (0.29, 0.68) 0.03 0.17 1.00 5.75 33.12 Al-Batran et al. Ann Oncol 2016; 27(suppl 2): abstr LBA-06
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LBA-06: IMAB362: 胃癌においてタイトジャンクション構成タンパク質CLAUDIN18
LBA-06: IMAB362: 胃癌においてタイトジャンクション構成タンパク質CLAUDIN18.2を標的とする新規免疫療法抗原 – Al-Batran SE ら 主要な結果(続き) グレード3/4のイベントがIMAB362による有意な増加は認められなかった 結論 IMAB362 + EOXはEOX単剤に比べmPFSとmOSを有意に改善し、忍容性も良好であった % 患者 80 60 40 20 嘔吐 (全体) グレード1 グレード2 グレード3 EOX EOX + IMAB362 (800/600mg/kg) EOX + IMAB362 (1000mg/kg) 嘔吐 Al-Batran et al. Ann Oncol 2016; 27(suppl 2): abstr LBA-06
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O-005: 食道腺癌、食道扁平上皮癌、胃腺癌の比較分子解析と転帰に及ぼす分子プロファイルの影響 – Salem M ら
研究の目的 食道腺癌、食道扁平上皮癌、胃腺癌の分子特性を比較すること 試験デザイン 2009年から2015年まで間に、Caris Life Sciencesが1892個の胃食道腫瘍を調査した。その中には IHC(タンパク発現)、ISH(遺伝子増幅)、NGSシーケンスが含まれた 食道または胃に明確な原発巣のある腫瘍のみが含まれた 組織学的サブタイプの差を判定するため、カイ2乗検定が用いられた。また、生存率を算出するため、カ プランマイヤー法が用いられた Salem et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-005
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O-005: 食道腺癌、食道扁平上皮癌、胃腺癌の比較分子解析と転帰に及ぼす分子プロファイルの影響 – Salem M ら
主な結果 食道扁平上皮癌(71% 対 29%)と食道腺癌(86% 対 14%)はどちらも女性よりも男性で発生率が 高い(p<0.0001) 部位、% 食道扁平上皮癌(n=113) 食道腺癌(n=882) 胃腺癌(n=897) 原発性 70 65 67 転移性 30 34 不明 1 3 Salem et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-005
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O-005: 食道腺癌、食道扁平上皮癌、胃腺癌の比較分子解析と転帰に及ぼす分子プロファイルの影響 – Salem M ら
主要な結果(続き) 食道扁平上皮癌(n=113) 食道腺癌(n=882) 胃腺癌(n=897) ISH-HER2、% 21* 10* IHC-HER2/Neu、% 12* 6* * * * 比率、% * * * * * * * * * * * * * *p<0.05. Salem et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-005
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O-005: 食道腺癌、食道扁平上皮癌、胃腺癌の比較分子解析と転帰に及ぼす分子プロファイルの影響 – Salem M ら
主要な結果(続き) TP53は全3種類の癌のタイプの中で最も変異した遺伝子であった(食道扁平上皮、食道腺癌:70%、胃 腺癌:46%) KRAS変異は、食道扁平上皮癌よりも食道(p=0.01)、胃腺癌(p=0.03)での方が発生しやすかった(食 道扁平上皮癌では全く認められなかった) APCは、食道腺癌(p=0.04)で発生率が高く、食道扁平上皮癌では全く認められなかった。 結論 胃食道腫瘍の分子比較によれば、食道腺癌の腫瘍プロファイルが胃腺癌のものと類似しているが、食道 扁平上皮癌とは異なることが示された。これは、異食道腫瘍の治療は、解剖学的部位ではなく組織学 的サブタイプに基づいて行われるべきであることを示している。 新薬の開発につながるような数種類の遺伝子において、発生頻度が低い変異は、治療の標的としての 価値を持つ可能性がある。ここにはHER2、PD-L1、BRCA1/2、PIK3CA、PTEN、FGFR2が含まれる。 Salem et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-005
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O-006: 切除可能な胃癌における生存率に対する組織学の影響 A multicenter U. S
O-006: 切除可能な胃癌における生存率に対する組織学の影響 A multicenter U.S. observation study – Greenleaf E ら 研究の目的 米国内の切除可能な胃癌を有する患者の大規模集団において、胃癌の組織学が生存率に及ぼす影 響を比較評価すること 試験デザイン 2003年から2012年の間に、ステージ0~IIIの胃癌患者で根治的外科的手術を受けた患者がACS全 米癌データベースから特定された。 治療群は、よく見られた組織型に基づいて層別化が行われた。そうした組織型には、腸型、びまん型、 印環細胞(SRC)、粘液性、混合型が含まれる。 腫瘍浸潤に基づき、組織学的コホートは2つの別個のコホートに結合された。すなわち、腸型/粘液性お よびびまん型/SRCである。 人口統計学的、手術関連、腫瘍関連の変数に関するマッチング後、死亡率の判定のため傾向スコア マッチングが行われた。 注:抄録からのデータのみに基づく。 Greenleaf et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-006
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O-006: 切除可能な胃癌における生存率に対する組織学の影響 A multicenter U. S
O-006: 切除可能な胃癌における生存率に対する組織学の影響 A multicenter U.S. observation study – Greenleaf Eら 主な結果 切除可能な癌を有する8367名の患者のうち、2328名(27.8%)が腸型、916名(10.9%)がびまん型、 654名(7.8%)が粘液性、4008名(47.9%)がSRC、461名(5.6%)が混合細胞型であった。 腸型/粘液性 びまん型/SRC 高齢 若年 多くの併存疾患 少ない併存疾患 多数が胃全摘を受けた 切除切片陰性 切除切片陽性 リンパ節転移なし びまん型・リンパ節陽性が多い ステージI 死亡率に差なし ステージII 死亡率 40.06% ステージII 死亡率 50.50%(p<0.0001) ステージIII 死亡率 52.43% ステージII 死亡率 65.70%(p<0.0001) 注:抄録からのデータのみに基づく。 Greenleaf et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-006
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O-006: 切除可能な胃癌における生存率に対する組織学の影響 A multicenter U. S
O-006: 切除可能な胃癌における生存率に対する組織学の影響 A multicenter U.S. observation study – Greenleaf Eら 結論 びまん型とSRCの組織像を呈する胃癌患者は、他の予後因子や治療的介入とは無関係に、腸型お よび粘液性の胃癌患者よりも不良な生命予後を示す。 これらの患者のため、異なる治療またはより積極的な治療戦略を取り入れるべきかどうかを判断するた めには、さらなる研究を実施していく必要がある。 注:抄録からのデータのみに基づく。 Greenleaf et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-006
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O-007: グローバル、無作為化、二重盲検、第III相試験(RAINBOW)に由来する進行胃癌患者における、第二選択ラムシルマブのバイオマーカー解析 – Van Cutsem E ら
研究の目的 進行性GC患者において、血漿マーカーの予後予測能を評価すること RAINBOW試験のサブ解析: VEGFマーカーとサイトカインが評価された 患者データは、以下を用いて、予後予測能が低いマーカー群と高いマーカー群に分けられた。 定量下限値(定量限界を下回る20%を超えるサンプルにおける、マーカーのカットオフポイント) マーカーの値(カットオフポイント)の中央値 Ramucirumab 8mg/kg D1、D15 + パクリタキセル 80mg/m2 D1、D8、D15(n=330) PD 主要な患者選択基準 進行性GC患者(RAINBOW試験) (n=665) R 1:1 プラセボ D1、D15 + パクリタキセル 80mg/m2 D1、D8、D15(n=335) PD Van Cutsem et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-007
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選択されたバイオマーカーのベースラインからの変化率
O-007: グローバル、無作為化、二重盲検、第III相試験(RAINBOW)に由来する進行胃癌患者における、第二選択ラムシルマブのバイオマーカー解析 – Van Cutsem E ら 主な結果 予測マーカーの解析 カットオフポイント (値、 pg/mL) OS、相互作用 P値 PFS、相互作用 VEGF-C LLOQ (261.8) 0.2723 0.9946 VEGF-D LLOQ (656.1) 0.9165 0.9530 sVEGFR-1 中央値(119.0) 0.6590 0.9864 sVEGFR-2 中央値( ) 0.5295 0.7852 胎盤増殖因子 中央値(21.2) 0.6693 0.3303 選択されたバイオマーカーのベースラインからの変化率 VEGF-D PIGF 変化率の中央値(IQR) 100 80 60 40 –20 –40 ベースライン 注入4 注入7 30日追跡調査 20 –60 –80 –100 ANG2 変化率の中央値(IQR) 1400 1200 1000 800 200 –200 ベースライン 注入4 注入7 30日追跡調査 600 400 変化率の中央値(IQR) 100 80 60 40 –20 –40 ベースライン 注入4 注入7 30日追跡調査 20 LLOQ、定量下限値 Van Cutsem et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-007 ラムシルマブ + パクリタキセル プラセボ + パクリタキセル
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O-007: グローバル、無作為化、二重盲検、第III相試験(RAINBOW)に由来する進行胃癌患者における、第二選択ラムシルマブのバイオマーカー解析 – Van Cutsem E ら
主要な結果(続き) OS PFS HR* (95% CI) P値 p値 C反応性タンパク 2.1 (1.6, 2.7) <0.0001 1.5 (1.2, 2.0) 0.0007 肝細胞増殖因子 1.9 (1.3, 2.7) 1.8 (1.3, 2.6) 0.0009 細胞間接着分子-3 1.4 (1.0, 1.8) 0.0377 0.0382 インターロイキン-8 1.5 (1.1, 1.9) 0.0039 1.3 (1.0, 1.7) 0.0401 血清アミロイド A 1.8 (1.4, 2.4) 0.0420 血管細胞接着分子-1 1.6 (1.3, 2.0) 0.0001 1.4 (1.1, 1.7) 0.0074 *高い発現レベル vs. 低い発現レベル Van Cutsem et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-007
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O-007: グローバル、無作為化、二重盲検、第III相試験(RAINBOW)に由来する進行胃癌患者における、第二選択ラムシルマブのバイオマーカー解析 – Van Cutsem E ら
結論 血管新生を標的とする既承認の治療法が複数存在するにも関わらず、適用患者の選択の指針となる、 一貫性のある予測バイオマーカーは判明していない ラムシルマブに関し、RAINBOW試験に由来する入手可能な探索的血清解析では、予測的バイオマー カーを特定できなかった ただし、この解析により、VEGF-D、PIGF + ANG2において薬力学的トレンドが明らかになった 予後マーカーがいくつか特定された Van Cutsem et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-007
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膵・小腸・肝胆道癌
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膵・小腸・肝胆道癌 膵癌
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O-002: ステージIV膵腺癌患者のための緩和療法における利用と傾向 米国の集団ベース試験 – Kulaylat A ら
研究の目的 米国における転移性膵腺癌患者における緩和療法利用に関するトレンド、因子、転帰について特性を 調査すること 試験デザイン 臨床ステージIV膵腺癌患者が、2003年~2011年の全米癌データベースから特定された 患者らは、受けた緩和療法(手術、放射線、全身治療)により層別化され、これらの区別がない患者ら と比較が行われた 線形回帰、多変量ロジスティック回帰、多変量比例ハザードモデルを用いた生存分析が実施された。 注:抄録からのデータのみに基づく。 Kulaylat et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-002 30 30
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O-002: ステージIV膵腺癌患者のための緩和療法における利用と傾向 米国の集団ベース試験 – Kulaylat A ら
主な結果 ステージIVの病変を有する計68,075名の患者が特定され、そのうち10,105名(14.8%)が特定の緩和 療法を受けていた 緩和コホートのうち、大多数が全身療法(42.2%)を受けており、続いて外科的介入(21.6%)、疼痛管 理のみ(17.3%)、放射線(9.1%)、モダリティの組み合わせ(9.8%)であった。 緩和療法の利用は、2003年の12.2%から2011年には15.9%に増加した(p<0.001) このトレンドは手術不能なステージI(7.2–8.5%, p=0.646)ステージII(10.1–10.2%, p=0.204)ス テージIII(13.5–12.5%, p=0.651)の病変を持つ患者においては認められなかった 60歳を超える年齢の患者(OR 0.88, p<0.001)、特に80歳を超える患者(OR 0.66, p<0.001)で緩 和療法を受ける比率が低かった 利用に関し、男性と女性の間で差は認められなかった(p=0.58)。緩和手段の利用の低さは、白人に 比べ黒人(OR 0.83, p<0.001)、ヒスパニック系(OR 0.79、p<0.001)で観察された 注:抄録からのデータのみに基づく。 Kulaylat et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-002
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O-002: ステージIV膵腺癌患者のための緩和療法における利用と傾向 米国の集団ベース試験 – Kulaylat A ら
主要な結果(続き) 緩和療法は併存疾患の存在があると多く利用されており、併存疾患が1つ(95% CI 1.05、1.16)の患 者ではオッズが10%高く、2つ以上(95% CI 1.06、 1.23)の患者ではオッズが14%高かった 利用度は政府の保険利用者または非保険者に比べ、個人での保険利用者で低かった(OR 0.92、 p=0.004) 各地の癌センターは、総合病院や大学医療センターに比べ緩和療法を提供する比率が低く、有意な 地域差は認められなかった 全般的に、生存期間は緩和療法を受ける患者で悪化しており(HR 1.02、95% CI 1.01, 1.05)、生 存期間の中央値は3.6カ月であった 緩和療法の種別による層別化を行うと、手術または組み合わせ療法を受ける患者の生存期間は、緩 和療法を受けない患者と同等であった ただし、全身緩和療法を受ける患者では生存期間の長期化を示した(中央値4.7カ月、HR 0.88、 95% CI 0.85, 0.91)。一方緩和的放射線を受ける患者(中央値3.2カ月、HR 1.12、95% CI 1.05, 1.20)または疼痛管理のみの場合(中央値1.6カ月、HR 1.79、95% CI 1.71、1.89)生存 期間が悪化した 注:抄録からのデータのみに基づく。 Kulaylat et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-002
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O-002: ステージIV膵腺癌患者のための緩和療法における利用と傾向 米国の集団ベース試験 – Kulaylat A ら
結論 継続的な膵癌の暗い予後にも関わらず、米国において、症状の緩和は、非白人、併存疾患が多い高 齢者、手術不能病変の全てのステージ(病期)で利用度が低かった。 緩和療法により生存期間は改善されないが、緩和的オプションの認知向上は終末期の症状コントロー ルのため利用を増加するのに役立つであろう 注:抄録からのデータのみに基づく。 Kulaylat et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-002
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O-003: SCALOP試験から得られた長期転帰:局所進行性膵癌(LAPC)のためのゲムシタビンまたはカペシタビンベースの化学放射線療法(CRT)に関する多施設共同無作為化第II相試験 – Mukherjee S ら 研究の目的 局所進行性膵癌患者において、導入CT後のゲムシタビンもしくはカペシタビンについて、有効性と安全 性を評価すること Cap-RT GemCap*(1サイクル)続いてカペシタビン(830mg/m2 BID (RTを受ける日) + RT†(n=38) PD 主要な患者選択基準 局所進行性膵腺癌 3サイクルのGemCap*実施後の奏効/病勢安定 WHO PS 0~2 最大腫瘍径7cm (n=74) 層別化 治験実施施設 WHO全身状態[0 対 1] 病変部位[頭部 体部 尾部] R 1:1 Gem-RT GemCap*(1サイクル)続いて ゲムシタビン (300mg/m2 qw) + RT†(n=36) PD 主要エンドポイント 9カ月PFS(これまでに報告済み) 副次的エンドポイント OS、PFS(イベント発生までの期間)、ORR (RECIST) 安全性、治療コンプライアンス *ゲムシタビン 1000mg/m2 D1、D8、D15 + カペシタビン 830mg/m2 BID D1–21(28日サイクルのうち)、†28分割で50.4Gy。 Mukherjee et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-003
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O-003: SCALOP試験から得られた長期転帰:局所進行性膵癌(LAPC)のためのゲムシタビンまたはカペシタビンベースの化学放射線療法(CRT)に関する多施設共同無作為化第II相試験 – Mukherjee S ら 主な結果 OS PFS 生存率 1.00 0.75 0.50 0.25 6 12 18 24 30 経過時間、カ月 無増悪生存率 1.00 0.75 0.50 0.25 6 12 18 24 30 経過時間、カ月 0.00 Cap-RT Cap-RT Gem-RT Gem-RT 0.00 Cap-RT Gem-RT mPFS、カ月 17.6 14.6 HR (95% CI)、p値 0.73 (0.46, 1.18)、0.203 Cap-RT Gem-RT mPFS、カ月 12.0 10.4 HR (95% CI)、p値 0.73 (0.44, 1.23)、0.244 Cap、カペシタビン、Gem、ゲムシタビン。 Mukherjee et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-003 35 35
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O-003: SCALOP試験から得られた長期転帰: 局所進行性膵癌(LAPC)のためのゲムシタビンまたはカペシタビンベースの化学放射線療法(CRT)に関する多施設共同無作為化第II相試験 – Mukherjee S ら 主要な結果(続き) ベースライン時における変数ごとのOS HR (95% CI) p値 年齢 65歳未満 1.00 65歳以上 0.54 (0.33, 0.88) 0.013 性別 男性 女性 1.12 (0.69, 1.80) 0.654 WHO PSスコア 1–2 2.09 (1.24, 3.52) 0.006 CA19.9 <613 ≥613 4.11 (2.38, 7.12) <0.001 GHS* - 0.95 (0.85, 1.06) 0.395 腫瘍径† 1.28 (1.08, 1.51) 0.005 *スコアにおいて10ポイントの差ごとにHRが算定された †HRは1cmの増加ごとに算定された。 Mukherjee et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-003 36 36
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O-003: SCALOP試験から得られた長期転帰:局所進行性膵癌(LAPC)のためのゲムシタビンまたはカペシタビンベースの化学放射線療法(CRT)に関する多施設共同無作為化第II相試験 – Mukherjee S ら 主要な結果(続き) 結論 局所進行性膵癌患者では、初期の生存期間解析とは異なり、患者集団全体において、カペシタビン- RTの施行下における生命予後について、ゲムシタビン-RT施行下に対する優越性はもはや認められな かった。 ただし、CRT施行患者においては、ゲムシタビン-RT施行下に比べ、カペシタビン-RT施行下では生命 予後が有意に改善されていた。 年齢、WHO PS、腫瘍径、CA-19.9の値は全て、OSに対して有意な影響を及ぼしていた。 OS 治療群(CRT開始時) 患者、n mOS、カ月 HR (95% CI) p値 カペシタビン-RT 25 13.9 0.40 (0.17, 0.91) 0.029 ゲムシタビン-RT 29 9.5 1.00 - Mukherjee et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-003 37 37
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O-004: NAPOLI-1において、nal-IRI (MM-398) ± 5-フルオロウラシルが生活の質(QoL)に及ぼす影響(NAPOLI-1:ゲムシタビンによる治療施行歴がある転移性膵管腺癌(mPDAC)患者における第III相試験) – Hubner R ら 研究の目的 転移性膵管腺癌(PDAC)患者において、5FU+ ロイコボリン併用nal-IRI (MM-398) を5FU+ ロイコボリン のみと比較した場合の、QoLに与える影響を評価すること nal-IRI 80mg/m2 + 5FU 2400mg/m2 + ロイコボリン 400mg/m2 q2w (n=71) 主要な患者選択基準 転移性PDAC ゲムシタビンまたはゲムシタビン製剤による治療施行歴後のPD KPS ≥70% (n=417) PD R 1:1 5FU 2000mg/m2 + ロイコボリン 200mg/m2 q6w 併用コントロール(n=83) PD 主要エンドポイント OS(以前報告済み) 副次的エンドポイント QoL および 全般的な健康状態 (EORTC-QLQC30) nal-IRI、ナノリポソーム型イリノテカン Hubner et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-004
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O-004: NAPOLI-1において、nal-IRI (MM-398) ± 5-フルオロウラシルが生活の質(QoL)に及ぼす影響(NAPOLI-1: ゲムシタビンによる治療施行歴がある転移性膵管腺癌(mPDAC)患者における第III相試験) – Hubner R ら 主な結果 全般的な健康状態と機能のスコア 40% 60% 80% 100% 20% 0% 全般的な 健康状態 身体 機能 役割 機能 感情的 機能 認知 機能 社会的 機能 p=0.8445* p=0.9435* p=0.7674* p=0.6712* Nal-IRI + 5FU/LV (n=71) 5FU/LV (n=57) 改善 安定 悪化 症状評価スケール 40% 60% 80% 100% 20% 0% 疲労 悪心および 嘔吐 呼吸困難 不眠症 食欲 低下 下痢 Nal-IRI + 5FU/LV (n=71) 5FU/LV (n=57) 改善 安定 悪化 データ欠損 p=0.6712 p=0.7674 痛み 便秘 全般的な健康状態および機能の評価スケールのスコアについて、2群間に有意差は認められなかった 症状評価スケールのスコアについて、2群間に有意差は認められなかった * 'Benjamini-Hochberg 調整済み p値。 Hubner et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-004 39 39
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全般的な健康状態、機能および症状評価スケール
O-004: NAPOLI-1において、nal-IRI (MM-398) ± 5-フルオロウラシルが生活の質(QoL)に及ぼす影響(NAPOLI-1: ゲムシタビンによる治療施行歴がある転移性膵管腺癌(mPDAC)患者における第III相試験) – Hubner R ら 主要な結果(続き) どの群においてもベースラインからの明らかな変化なし 身体機能においてベースラインから第6週までに観察された変化(中央値)は両群とも6.7ポイントであった ベースラインから第6週までに観察された変化(中央値)は、nal-irinotecan + 5-FU + ロイコボリン群において約11 ポイントであった 全般的な健康状態、機能および症状評価スケール スコア、ベースラインからの変化 –5 –10 全般的な健康状態 身体機能 役割機能 感情的機能 認知機能 社会的機能 ベースライン 第6週 第12週 Nal-IRI + 5FU/LV 5FU/LV 下痢 便秘 食欲低下 不眠症 呼吸困難 疼痛 悪心/嘔吐 疲労 12 6 Hubner et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-004
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O-004: NAPOLI-1において、nal-IRI (MM-398) ± 5-フルオロウラシルが生活の質(QoL)に及ぼす影響(NAPOLI-1: ゲムシタビンによる治療施行歴がある転移性膵管腺癌(mPDAC)患者における第III相試験) – Hubner R ら 結論 全般的に、12週にわたり、nal-IRI + 5FU + ロイコボリンによる治療を受けた患者では、QoLの悪化は 認められなかった ベースライン時または治療12週間の間、全般的な健康状態と機能尺度スコアにおいて、治療群間に有 意差は認められなかった nal-IRIはOSを改善することがこれまでに示されているように、ゲムシタビンベースの治療法の施行歴があ る転移性PDAC患者にとってnal-IRIが治療オプションとなることがこれらのデータにより支持される。 Hubner et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-004
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膵・小腸・ 肝胆道癌 肝細胞癌
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LBA-03: ソラフェニブ投与中に進行する肝細胞癌(HCC)患者におけるレゴラフェニブ対プラセボの有効性と安全性: 国際、無作為化、第III相 RESORCE試験の結果 – Bruix J ら
研究の目的 ソラフェニブ投与中に病勢進行を認めた中等度または進行性HCC患者におけるレゴラフェニブの有効性 と安全性を評価すること 主要な患者選択基準 HCC BCLC ステージBまたはC ソラフェニブを400mg/日以上の用量で20日間以上の間投与を受け、かつ忍容性が認められた ソラフェニブ投与中に放射線学的に進行が記録された 肝機能がChild-Pugh分類でA ECOGのPSスコアが0~1 (n=573) レゴラフェニブ 160mg/day W1–3(各4週サイクルのうち) + BSC (n=379) PD/ 死亡/ 毒性 層別化 地理的地域(アジア 対 その他地域) ECOG PS、α-フェトプロテイン、肝外進展、肉眼 的血管浸潤 R 2:1 プラセボ QD W1–3(各4週サイクルのうち) + BSC (n=194) PD/ 死亡/ 毒性 主要エンドポイント OS 副次的エンドポイント PFS、TT、RR、DCR BCLC、バルセロナ臨床肝癌。 注:抄録からのデータのみに基づく。 Bruix et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-03
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LBA-03: ソラフェニブ投与中に進行する肝細胞癌(HCC)患者におけるレゴラフェニブ対プラセボの有効性と安全性:国際、無作為化、第III相 RESORCE試験の結果 – Bruix J ら
主な結果 プラセボ群に比べ、レゴラフェニブ群においては死亡に至るリスクが38%低下した(HR 0.62、95% CI 0.50、0.78、p<0.001) プラセボに比べ、レゴラフェニブにおける病勢進行または死亡リスクは54%低下した(HR 0.46、95% CI 0.37、0.56、p<0.001) レゴラフェニブ(n=379) プラセボ(n=194) HR 95% CI p値 OS中央値、カ月 10.6 7.8 – PFS中央値、カ月 3.1 1.5 TTR中央値、カ月 3.2 0.44 0.36, 0.55 <0.001 ORR、% 4.1 0.005 DCR*, % 65.2 36.1 *完全奏効および部分奏効 + 病勢安定(mRECISTによる評価)。 注:抄録からのデータのみに基づく。 Bruix et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-03
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LBA-03: ソラフェニブ投与中に進行する肝細胞癌(HCC)患者におけるレゴラフェニブ対プラセボの有効性と安全性:国際、無作為化、第III相 RESORCE試験の結果 – Bruix J ら
主要な結果(続き) レゴラフェニブ(n=379) プラセボ(n=194) グレード3以上のAE、% 79.7 58.5 グレード3以上の最も一般的なAE、% 高血圧 15.2 4.7 手足の皮膚反応 12.6 0.5 疲労 9.1 下痢 3.2 AEによる用量変更、% 68.2 31.1 最終投与30日後までの死亡、% 13.4 19.7 注:抄録からのデータのみに基づく。 Bruix et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-03
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LBA-03: ソラフェニブ投与中に進行する肝細胞癌(HCC)患者におけるレゴラフェニブ対プラセボの有効性と安全性:国際、無作為化、第III相 RESORCE試験の結果 – Bruix J ら
結論 ソラフェニブ投与下において病勢が進行したHCC患者において、レゴラフェニブによる治療はOSを顕著に 改善した レゴラフェニブによる治療は忍容性が良好で、観察されたAEは既知の安全性プロファイルに沿ったもので あった 注:抄録からのデータのみに基づく。 Bruix et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr LBA-03
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膵・小腸・ 肝胆道癌 神経内分泌腫瘍
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177Lu-Dotatate 7.4 GBq q8w(x4)+ SSAs
O-009: 第III相試験(NETTER-1):177Lu-Dotatate治療を受けた中腸神経内分泌腫瘍患者における有効性と安全性 – Ruszniewski P ら 研究の目的 進行、進行性ソマトスタチン受容体陽性中腸NET患者において、177Lu-DOTATATEとオクトレオチド LARを比較した場合の有効性と安全性を評価すること 177Lu-Dotatate 7.4 GBq q8w(x4)+ SSAs (n=115) 主要な患者選択基準 グレード1~2の転移性または局所進行性中腸NET オクトレオチドLAR治療下でのPD KPS ≥60 (n=230) 5年間の追跡調査 R 1:1 オクトレオチド LAR 60mg q4w (n=115) 5年間の追跡調査 主要エンドポイント PFS(RECIST規準 v1.1に基づく) 副次的エンドポイント ORR、OS、TTP、安全性、QoL Ruszniewski et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-009
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O-009: 第III相試験(NETTER-1):177Lu-Dotatate治療を受けた中腸神経内分泌腫瘍患者における有効性と安全性 – Ruszniewski P ら
主な結果 177Lu-Dotatate オクトレオチドLAR mPFS、カ月 NR 8.4 HR (95% CI)、p値 0.21 (0.13, 0.33)、<0.0001 PFS 1.0 + 打ち切り時点 0.8 0.6 生存率 0.4 0.2 0.0 5 10 15 20 25 30 PFS、カ月 177Lu-Dotatate オクトレオチドLAR 116 113 97 80 76 47 59 28 42 17 28 10 19 4 12 3 3 1 2 Ruszniewski et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-009
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O-009: 第III相試験(NETTER-1):177Lu-Dotatate治療を受けた中腸神経内分泌腫瘍患者における有効性と安全性 – Ruszniewski P ら
主要な結果(続き) 177Lu-Dotatate (n=101) オクトレオチドLAR (n=100) p値 CR、n 1 PR、n 17 3 ORR、%(95% CI) 18 (10, 25) 3 (0, 6) 0.0008 OS(中間)、HR (95% CI) 0.398 (0.21, 0.77) 0.0043 治療に関連したAE、n (%) 177Lu-Dotatate (n=111) オクトレオチドLAR (n=110) AE 95 (86) 34 (31) SAE 10 (9) 1 (1) 中止 5 (5) 0 (0) Ruszniewski et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-009
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O-009: 第III相試験(NETTER-1):177Lu-Dotatate治療を受けた中腸神経内分泌腫瘍患者における有効性と安全性 – Ruszniewski P ら
主要な結果(続き) 結論 進行性転移性中腸NET患者において、177Lu-Dotatateは、PFSおよびORRの点でオクトレオチド LARよりも優れていた 177Lu-Dotatateは良好な忍容性プロファイルを示し、臨床的に重要な所見は報告されなかった 177Lu-Dotatateは、SSA下における病勢進行後の治療オプションが限られる患者において、重要な治 療上の恩恵をもたらす可能性がある 患者の1%以上に発生したグレード3/4のAE、% 177Lu-Dotatate (n=111) オクトレオチドLAR (n=110) 悪心 4 2 嘔吐 7 下痢 3 腹痛 5 疲労/無力症 血小板減少症 リンパ球減少症 9 白血球減少症 1 好中球減少症 Ruszniewski et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-009
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O-008: 微小非機能性膵神経内分泌腫瘍におけるクロモグラニンA、病期分類、有糸分裂率の影響:米国の地域住民人口集団ベース試験 – Mirkin K ら
研究の目的 非機能性膵神経内分泌腫瘍(PNET)患者において、選択された因子(クロモグラニンAレベル(CgA)、 有糸分裂率、腫瘍の組織学的分類)が生存期間に与える影響を、米国の住民集団で調査すること 試験デザイン 1998~2012年に全米癌データベースの登録データがレビューされ、2 cm以下のステージI~IIIの非機 能性PNET患者が特定された 特定された患者集団に関し、臨床病理学的特性が収集された 統計解析としては、単変量および多変量生存分析が実施された 注:抄録からのデータのみに基づく。 Mirkin et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-008
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O-008: 微小非機能性膵神経内分泌腫瘍におけるクロモグラニンA、病期分類、有糸分裂率の影響:米国の集団ベース試験 – Mirkin K ら
主な結果 有糸分裂率が高い患者では、比較的低い分化型の病変(p<0.001)が認められ、有糸分裂率が中程 度または低い患者に比べ、手術の施行率が低くなっていた(p<0.0001) 疾患特性の影響の調整後には、20有糸分裂/10 HPFを超える有糸分裂率についてのみ、生命予後 に対する有意な影響が認められた(HR 10.6、p=0.002) 低いCgA値(≤100 ng/mL)を持つ患者は、CgA値が高い(>100 ng/mL)患者に比べ、併存疾患が少 なく、高分化型病変となり、有糸分裂率も低く、外科的切除の施行率が高くなる傾向にあった(全て p<0.0001) 高 分化型(n=824) 中分化型(n=94) 低分化型(n=54) p値* 早期臨床病期病変(ステージI)、% 93.2 86.2 85.2 0.015 低い有糸分裂率、% 31.7 12.8 1.9 <0.0001 手術施行率、% 88.0 68.1 31.5 陽性リンパ節、n 0.35 0.56 0.94 早期病理学的病変(ステージI)、% 61.0 38.3 9.3 *高分化型 vs. 中分化型+ 低分化型 注:抄録からのデータのみに基づく。 Mirkin et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-008
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O-008: 微小非機能性膵神経内分泌腫瘍におけるクロモグラニンA、病期分類、有糸分裂率の影響:米国の集団ベース試験 – Mirkin K ら
結論 非機能性微小PNET患者において、組織分類および非常に高いCgA値のどちらも生存期間と有意な 相関が認められた 有糸分裂率が20分裂/10HPFを超える場合のみ、生存期間に悪影響を与えた。ただし、これは発生 率が極めて小さい。 この選択集団において、組織分類不良およびCgA値の上昇は予後不良を示す指標と考えるべきであ る。ただし、外科的切除はこれらの患者において生存期間を改善するように見られる 注:抄録からのデータのみに基づく。 Mirkin et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-008
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膵・小腸・ 肝胆道癌 全般
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O-001: 診断と治療に与える集学的チーム(MDT)の影響 – Basta Y ら
研究の目的 潜在的なGI癌患者の診断と管理にMDTが与える影響を評価すること 試験デザイン 6カ月間の間に、合計551名の患者の診察が前向きに行われ(691回)、GI腫瘍学MDTの会合は74 回行われた。 MDTによる診断は、組織学的データにより、または追跡調査により検証された 正しい診断に影響を与える因子が、ポアソン回帰モデルにより特定された MDTの判断の合意が電子的患者記録を用いて評価され、これらの判断から乖離する理由については、 記録のマニュアル検索が行われた Basta et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-001
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O-001: 診断と治療に与える集学的チーム(MDT)の影響 – Basta Y ら
主な結果 MDTが合意した診断 画像/臨床検査(n=64) 紹介 (n=551) 正確 (n=515) 病理学的分類(n=451) 不正確(n=30) 診断なし(n=6) 良性 (n=14) 悪性 (n=16) Basta et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-001
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O-001: 診断と治療に与える集学的チーム(MDT)の影響 – Basta Y ら
主要な結果(続き) MDTにより修正された紹介診断 正確 (n=431) 紹介 (n=551) 不正確(n=109) 診断なし(n=11) 診断 + M± (n=17) M± (n=27) 診断 (n=67) M±、病期の変化 Basta et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-001
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O-001: 診断と治療に与える集学的チーム(MDT)の影響 – Basta Y ら
主要な結果(続き) 結論 潜在的なGI癌患者において、MDTは紹介診断の21.8%を修正した 治療医師の存在は、確実に診断修正を行うための最も重要な因子であった 診断修正の回数は、患者の診察回数や診察時間によっては影響を受けなかった 診断修正に影響を与える因子 RR (95% CI) p値 治療医師 1.2 (1.02, 1.47) 0.045 必要な追加検査 0.8 (0.75, 0.93) <0.001 患者診察の回数 1.0 (0.98, 1.01) - 診察時間 1.0 (0.99, 1.00) 推奨治療計画からの乖離理由、n N=32 患者の意思 15 患者の身体的状態 14 セカンドオピニオン 1 不正確な診断 2 Basta et al. Ann Oncol 2016; 27 (suppl 2): abstr O-001
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