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『当面の金利為替の相場見通し』 ~円金利為替動向~
2006年9月 みずほコーポレート銀行 ALM部香港資金室
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最近のドル円相場推移 (資料)Bloomberg
・明確な方向感がない中で、ドル/円は堅調に推移。ドルが強いというよりも、クロス円が堅調なことも含めた円売りによるものという見方も。 今年に入り、米国の追加利上げ観測再燃、後退に伴い上下。 G7財務相・中央銀行総裁会議で世界的不均衡是正がテーマとされたことや、米国の利上げ休止観測の拡がりなどからドルが急落。 ・リスク回避姿勢が強まり、エマージング、 コモディティから資金を引き揚げ、ドルに回帰する動きが強まる。 (資料)Bloomberg
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為替の現状ードル実質実効為替レート ドル実質実効為替レート(⇒ドルの総合力) 現状はドル安の領域
<ドル実質実効為替レートの推移> 1973年=100 (資料)Bloombergよりみずほ作成
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為替の現状ー円実質実効為替レート 円実質実効為替レート(⇒円の総合力) 金利差を反映し円が安い状態が継続中。
<円実質実効為替レートの推移> 1973年=100 (資料)Bloombergよりみずほ作成
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為替の現状ー円安進行の現実 (資料)Bloombergよりみずほ作成
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為替の現状ー投機筋のポジションの動向(~9/12)
主要7通貨によるドルの合成ポジション(下図中折れ線)は9/15のG7にかけてドル売り度合いが急速に縮小した。 円のネット売り持ち高は8月終盤に過去最大を記録、一端縮小しかけたものの9/15 G7にかけ再び拡大。過去最大水準を更新している。
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為替の現状ーG7声明(2006年9月21日) 9月15日 シンガポールG7財務相・中央銀行総裁会議の共同声明
為替相場に関わる部分は前回(4月21日ワシントン)と同じ 我々は、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ましくない。我々は、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。多額の経常収支黒字を有する新興市場エコノミー、特に中国の為替レートの一層の柔軟性が、必要な調整が進むためには望ましい。 We reaffirm that exchange rates should reflect economic fundamentals. Excess volatility and disorderly movements in exchange rates are undesirable for economic growth. We continue to monitor exchange markets closely and cooperate as appropriate. Greater exchange rate flexibility is desirable in emerging economies with large current account surpluses, especially China, for necessary adjustments to occur.
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円相場を見る上のポイント 円相場を見るうえでのポイント 米国の金利動向 - 追加利上げ観測 日本のファンダメンタルズと金融政策
円相場を見るうえでのポイント 米国の金利動向 - 追加利上げ観測 8月FOMCでは利上げ見送り。今後は依然景気減速の広がり具合とインフレ動向次第。利上げ再開か、来年以降の利下げが具体化するかは依然微妙。 日本のファンダメンタルズと金融政策 7月ゼロ金利解除実施。 2006年8月のCPIショックをうけて早期利上げ観測後退、金利低下。但し日銀は特に問題視せず。 円をめぐる資金フロー - 投資家の投資動向 日本の景気回復に伴いリスク許容量の高まった投資家の資金が外向きのフローに。 世界的不均衡の是正に向けた動き 財務相・中央銀行総裁は足もとの為替相場水準を変えようとしてはいないが高い問題意識。 地政学的リスクの高まり レバノン情勢・イラン核問題・北朝鮮ミサイル問題。
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米国金利動向(1) - FF金利推移 5.25% (6/29より)
(資料)Bloombergよりみずほ作成 8月についにこれまで小刻みに続けてきた利上げを停止(425bp、17度)。 ⇒市場は9月以降の利上げについても疑心暗鬼。
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米国金利動向(2) - ゆれる金利見通し 9月20日 FOMC 声明文 ⇒ インフレ・リスク警戒しつつも、景気後退リスクにも言及
米国金利動向(2) - ゆれる金利見通し 9月20日 FOMC 声明文 ⇒ インフレ・リスク警戒しつつも、景気後退リスクにも言及 <声明文 骨子> ・FF金利を5.25%に据え置くことを決定 ・経済成長の鈍化は続いているようであり経済成長が年初のかなり強いペースから鈍化してきており、それには住宅市 場の冷え込みが一部反映されている。 ・コア・インフレの数値は高まってきており、高水準の資源稼動率およびエネルギーや他の商品価格はインフレ圧力を持 続させる可能性がある。しかしながら、エネルギー価格によるインフレ押上げ効果の弱まり、インフレ期待の抑制や金融 政策の累積効果と総需要を抑制する他の要因を反映し、インフレ圧力は時間とともに緩和する可能性が高いとみられる。 ・しかしながら、委員会は多少のインフレ・リスクが残ると判断している。こうしたリスクに対処するために必要となるかもし れない追加的な引き締め策の規模とタイミングは、今後の情報に基づくインフレと経済成長の双方の見通しの展開に左 右されるだろう 8月に続き、9月も追加利上げ休止するも引き締めバイアスは維持 ・景気については減速傾向継続との判断。 ⇒住宅市場の冷え込みを明確に指摘する一方で、過去の金融政策の効果とエネルギー価格上昇が景気抑制要因 とする記述は削除。 ・インフレリスクに言及はしているものの従来に比べトーンは弱まった。 ⇒エネルギー価格は当面インフレ圧力を加えるリスクはあるものの将来的にその影響は弱まる。 ・今後の金融政策は引き続き今後の経済指標次第 ⇒内容に特段大きな変更はなく追加的な引き締め策が必要となる可能性は引き続き残存するが、市場関係者の見方は大きく分かれている状況。今後の経済指標次第とする中で、ここ最近の米経済指標が弱いことから、引き締め再開のタイミングと規模については徐々に後ずれし、政策金利のピーク水準についても引き下げる予想が出始めている状況。 ・ヘッジファンド破綻に関する噂・資金フローの変化が思わぬ金利低下をもたらす可能性も。
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日本のファンダメンタルズ(1)JGB 弱いGDP、CPIを受け、上昇基調が一服。 (資料)Bloomberg
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日本のファンダメンタルズ(2)GDP 4-6月期-実質GDP
しかし、需要項目別にみると、個人消費は前期比+0.5%(前期比+0.3%)、設備投資+3.7%(同比+0.4%)と伸びが前期より加速しており、国内民間需要中心の自律的回復局面は継続。 輸出が前期比+0.9%に鈍化(前期+2.2%)し、輸入の伸びを下回っていることは懸念材料。 GDPでデフレーターは前年比△0.8%と前期△1.2%からマイナス幅が縮小。 需給ギャップは、+0.3%と‘05年10-12期から3・四半期連続で需要超過の状態が継続。⇒物価上昇の環境に GDP伸び率(前期比) 内閣府は4-6月期GDPギャップを+0.3%(1-3期+0.5%)と発表(9/13)
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日本のファンダメンタルズ(3)CPI 8/25に発表された7月の消費者物価指数(全国 除く生鮮食品)は、前年同月比+0.2%の上昇。指数基準改定の影響もあり、予想比弱い結果に。追って発表された、過去のCPIの新基準による換算値も弱い数字で推移。 足許の利上げ観測後退から、金利は総じて低下。中長期ゾーンの金利は、‘06/3の量的緩和解除時のレベルまで低下。 基準 05/10 06/2 06/3 06/4 06/5 06/6 06/7 旧基準 0.0 +0.5 +0.6 ― 新基準 +0.1 ▲0.1 +0.2 +0.2 (資料)Bloombergよりみずほ作成
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日本の金融政策ーゼロ金利解除について(1)
2006年3月9日、日銀は「新たな金融政策運営の枠組みの導入について」を発表。2001年3月19日以来継続されていた量的緩和政策を解除。 そして2006年7月14日、日銀金融政策決定会合は「金融市場調節方針の変更について」を発表しゼロ金利政策を解除、伝統的な「金利操作政策」へ回帰。要旨は以下の通り。 無担保コールレート(オーバーナイトもの)を0.25%前後で推移するように促す。 補完的貸付については「基準貸付利率」を0.4%とし、利用日数に関して上限を設けない臨時措置を当面継続する。 長期国債の買い入れについては、先行きの日本銀行の資産・負債を踏まえつつ、当面はこれまでと同じ金額、頻度で実施していく。 政策金利水準の調整については、経済・物価情勢の変化に応じて徐々に行う。極めて低い金利水準による緩和的な金融環境が当面維持される可能性が高い。
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日本の金融政策ーゼロ金利解除について(2)
「金融の超緩和が企業行動を過度に積極化させるリスクの顕在化を抑える」目的 6月の日銀短観の企業設備投資計画の上ブレが決定打。 しかし、過度に長期金利が上昇することも同様に回避したい意向。 福井総裁(7/14定例記者会見) 「前回の量的緩和に終止符を打った措置、今回のゼロ金利解除というふうにステップを慎重に踏んできているが、(中略)いわゆる連続利上げを意図しているということではない」 「あくまで今後の経済・物価情勢を丹念に検討しながら、金利水準の調整はゆっくりと進めていくということだ」 政府は日銀に対して、①ゼロ金利解除後の緩和的金融環境の維持 ②連続利上げを否定するメッセージ ③長期国債買い入れの維持 を求めている。 年度内にもう一回の利上げあるか? 今後の設備投資関連指標の動き、日銀政策委員の発言に要注意
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日本の金融政策ー今後の政策の行方 景気 金融政策&短期金利 長期金利(10年国債)
06年度は上期において民間最終需要の伸びによる自律回復局面が続くものの、下期以降は米国経済の減速に伴い成長率は一旦鈍化。 07年度には人件費増等から成長は鈍化。 08年度には消費税の引き上げ(→7%)の影響が見込まれる。 実質GDP成長率は、06年度+2.7%、07年度+1.7%を見込む。 金融政策&短期金利 今次ゼロ金利解除後、影響を注視しながら、時間をかけて金融政策を中立スタンス(誘導水準で2~3%程度のイメージか?)に戻すと見られる。 次回利上げは1-3月を見込む。 長期金利(10年国債) 日本の循環的な景気動向、デフレからの脱却、金融政策、株価をにらみながら, 07年度下期2.30%程度を目指した緩やかな上昇を見る向きもあるが、欧米長期債券に対する底堅い需要、商品市況の低下も長期債を目先下支えする可能性も。 政府による長期金利上昇抑制スタンスを背景に、金利上昇ペースは緩やかなものにとどまり、イールドカーブはフラット化傾向
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円をめぐる資金フロー ー円キャリートレードの動向
円をめぐる資金フロー ー円キャリートレードの動向 銀行の国際与信取引に関するBISの分析によると、昨年末にかけて円キャリートレードの拡大が示唆される。 円貨貸出の残高(図中折れ線)は6,400億ドル強。2004年3月末以降で1,610億ドル増加。 今年に入り円キャリートレードが縮小に転じた可能性も。 ゼロ金利解除→円金利引上げの思惑に一時縮小? 早期利上げ観測の後退とともに足元では再びキャリートレード拡大との見方も。
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円をめぐる資金フロー ー投資信託の対外証券投資の動向
円をめぐる資金フロー ー投資信託の対外証券投資の動向 2005年末の投資信託(公募)の純資産残高は前年比14.4兆円増加。そのうち外貨建て資産の増加が7.4兆円を占める。 販売チャネルの拡大、高金利選好を背景にした動き。 米ドルやユーロに巨額の資本が向かったが、投資比率の変化のうえではカナダドル、豪ドル、インドルピーの高まりが目立つ。 投資信託の対外証券投資(下図)に最近では頭打ち感も。
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円をめぐる資金フロー -家計部門の金融資産の構成
円をめぐる資金フロー -家計部門の金融資産の構成 本邦家計部門は、金融資産における定期性預金をはじめとする円預金の比率が高い点に特徴。 外貨性資産の比率は3%に満たない。 「貯蓄」・「預金」から「投資」への流れ・意識変革が定着するか。
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円をめぐる資金フロー ー本邦機関投資家の対外証券投資
円をめぐる資金フロー ー本邦機関投資家の対外証券投資 2006年の機関投資家(生命保険+信託勘定)の対外証券投資(短期証券を除く)はここ数年でもっともスローな出足。緩やかな買い越しとなっている。
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日米金利差と為替相場 2005年のドル円為替相場は、米利上げ継続見通しを背景に一貫してドルが堅調に推移。
しかし、最近は金利差と為替相場の相関は安定せず。 05年1月~06年4月をとると0.93を示すが、最近は相関性が崩れてきている ただ、依然大きいドル・円の金利差がドルを下支えしているといえる。 <05/1~06/9まで> (資料)Bloombergよりみずほ作成
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不均衡問題①ー米国経常収支 経常赤字は過去最高水準
昨年10~12月期の経常赤字額は2,231億ドル、名目GDPに対する比率は7.0%でいずれも過去最大。 2006年1~3月期に若干の改善を見せる(2.132億ドル)も、4~6月期は再び赤字拡大。(2,184億ドル) 昨年昨年7~9月期の縮小(GDP比5.9%)はハリケーン被害に対する保険金、義援金の受け取り増によるところ大。
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不均衡問題②-米国貿易収支 貿易収支の悪化傾向も大きな問題 2006年初めには一旦の改善が見られるも足元では再び赤字拡大。
2006年初めには一旦の改善が見られるも足元では再び赤字拡大。 (資料)Bloombergよりみずほ作成
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不均衡問題③-米国財政収支 財政収支も大幅赤字が継続 足元では若干の改善が見られるも依然として赤字額は巨額
足元では若干の改善が見られるも依然として赤字額は巨額 (資料)Bloombergよりみずほ作成
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地政学リスクの高まり イラン核開発問題 北朝鮮ミサイル問題 イスラエルがレバノン侵攻 核開発の継続を主張。解決の目処立たず。
→米国を中心関与並びに緊張の高まりはドル安要因。但し、直近米欧からは平和的利用を認める等、対話継続に向けたシグナルが。 北朝鮮ミサイル問題 6カ国協議の再開は予断を許さず。 →円安(ドル高)要因 イスラエルがレバノン侵攻 一旦停戦合意も、抜本的な解決の道筋は立たず依然注視要。 ローマ法王発言に対するイスラム社会の反応等、底流として依然不安定な世界情勢。
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資料作成協力 : みずほ総合研究所 / 国際為替部 / 市場営業部
資料作成協力 : みずほ総合研究所 / 国際為替部 / 市場営業部 当レポートは、信頼できると判断した情報に基づいて作成されていますが、その正確性、完全性を全面的に保証するものではありません。 当レポ-トは、投資判断の参考となる情報の提供を目的として作成したものであり、特定の投資戦略を勧誘するものではありません。 取引・投資に関する最終決定は、お客様御自身の判断でなさるようにお願い申し上げます。 貴社におかれましては、断りなく本件関係者以外の方に本レポートの内容を開示又は提示、もしくはそのコピーを交付することはご遠慮下さいますよう、お願い申し上げます。
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