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新型インフルエンザのパンデミックに備える

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Presentation on theme: "新型インフルエンザのパンデミックに備える"— Presentation transcript:

1 新型インフルエンザのパンデミックに備える
  外岡立人

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3 海外H5N1鳥インフル情報 1月18日 抄訳情報リスト
Indonesia reports 97th bird-flu death Mail & Guardian Online, South Africa  (南アフリカ) インドネシア、97人目の鳥インフル死者を報告 Indonesian boy dies of bird flu Reuters (国際) インドネシアの少年、鳥インフルで死亡  BANGLADESH: Bird flu “spreading fast”, says expert IRINnews.org, NY  (米国) バングラディシュ、鳥インフルが急速に拡大、と専門家が警告  India battles to contain 'very serious France24, France  (フランス) インド、非常に重大な事態に発展した鳥インフル対策に苦慮  Ukraine finds H5N1 bird flu in Crimea Reuters UK, UK  (英国) ウクライナ、クリミア半島でH5N1鳥インフルが発生 Bird flu outbreak alarming: Buddhadeb Times of India, India  (インド) 鳥インフル警戒報:西ベンガル州首相 Buddha: Bird Flu outbreak "alarming" Times Now.tv, India  (インド) 西ベンガル州首相、鳥インフル発生に警戒を呼びかける Ignorance of dangers hampers India bird flu fight Reuters UK, UK (英国) 危険に対する無知が、インドにおける鳥インフル対策の障害に  Bird deaths trigger panic in Kolkata Times of India, India (インド) 鳥の死亡情報によりコルカッタ市内がパニックに Bengal bird flu source lies in Bangladesh Hindustan Times, India  (インド) 西ベンガルでの鳥インフルウイルスはバングラディシュ由来  Even water can carry bird flu Hindustan Times, India (インド) 水も鳥インフルウイルスで汚染 Culling stopped for hours as employees protest Kolkata Newsline, India  (インド) 被雇用者の抗議で家きんの殺処分が数時間中断 Bird flu spreads The Statesman, India  (インド) 鳥インフル拡大

4 2008/1/20の情報リスト(例) ・Tamiflu nowhere to be found at Ground Zero Kolkata Newsline, India  鳥インフル発生震源地にタミフルが無し ・Bird flu spreads to new districts in India‘s east Reuters UK, UK  (英国) インド東部で鳥インフルがさらに拡大 ・Govt in panic mode as bird flu spreads Times of India, India  (インド) 西ベンガル州、鳥インフル拡大に州政府パニック状態 ・Bird flu spreading fast in West Bengal The New Nation, Bangladesh  (バングラディシュ) 西ベンガルで鳥インフルが急速に拡大 ・Bird Flu Continues to Spread in Northeastern India Voice of America (VOA、米国) 北東部インドで鳥インフル拡大し続ける

5    Tamiflu nowhere to be found at Ground Zero Kolkata Newsline, India  鳥インフル発生震源地にタミフルが無し
  鳥インフル発生地域で、毎日数百人の村人達が保健センターに診察と薬をもらいに殺到している。しかし、これらの診療所では訓練された医療従事者と専門医が不足し、薬を提供することすら出来ていない状況だ。  タミフルの在庫は極めて少なく、人々は保健センターや診療所で入手出来ない。  マルグラム保健所(Margram Primary health centre)の外来診療所には、毎日120人前後の患者が受診していて、その80~90人が、鳥インフルの症状の一つである発熱を呈している。また他の保健センターでは220人が受診し、そのうち150~170人が発熱患者となっている。

6    Bird Flu Continues to Spread in Northeastern India Voice of America (VOA、米国) 北東部インドで鳥インフル拡大し続ける
  インド政府は、西ベンガル州で家きんの間で鳥インフルが拡大し続けていることから、さらに家きんの殺処分を指示する。  州当局者はウイルスが少なくともさらに2地区でも確認されたと発表している。インドでの鳥インフルは、ビルブーム地区のモルグラム村周辺で先週発生した。  新規発生した地域での家きん殺処分は、検査結果を待たずに行うと、当局では言っている。

7 新型インフルエンザ・パンデミック 発生の可能性に関する認識段階 第1段階:知らない 第2段階:発生しない 第3段階:発生するかも知れない
第4段階:発生する 第5段階:発生しているかも知れない 第6段階:発生している

8 新型インフルに対する国民意識調査 gooリサーチ結果 平成19年7月23日(月)~平成19年7月27日(金) 34,428名
新型インフルのパンデミックが起きる可能性について  分からない  2.1%  不安ではない  1.5%  あまり不安ではない 10.7%  ある程度不安である 54.7%  非常に不安である 31.1%

9 大きな誤解 実際に発生してから固有名詞が付けられる インドネシア型、日本型、…
  “新型インフルエンザという言葉”    海外にはそのような表現はない     鳥インフルエンザ(bird flu)        または     H5N1鳥インフルエンザ (H5N1 bird flu)       鳥の間だけでの感染から、人の間でも感染するようになり、最            終的には人でのインフルエンザとなる可能性を秘めている     H5N1鳥インフルエンザからシームレスに“新型インフルエンザ”に移行する      実際に発生してから固有名詞が付けられる インドネシア型、日本型、…      既存の人型インフルエンザ:香港型(H3N2)、ソ連型(H1N1)    誤った考え方       X 鳥インフルエンザは人では心配ない      X 鳥インフルエンザ=農水省      X 新型インフルエンザ=厚労省

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11 冬期間に入りH5N1鳥インフル拡大傾向に 人における発病 家きんにおける発病 インド東部で発生・拡大 インドネシア、8歳少年が死亡(18日)
   インドネシア、8歳少年が死亡(18日) インドネシア女性が鳥インフルで死亡(14日)    インドネシアで16歳少女が発病(1月11日)    エジプトで女性が3人死亡(30、31日) ベトナムで幼児が死亡(12月27日) エジプトで女性が感染死亡(12月27日) インドネシアで女性が感染死亡(12月26日) パキスタンで8人発病疑い、一部人人感染の可能性(12月15日)     WHO & CDC 緊急調査へ ミャンマーで少女が発病(12月15日) インドネシアで2人死亡(12月11、12日) 中国江蘇省で父息子が発病(12月8日) 家きんにおける発病 インド東部で発生・拡大  英国の白鳥からウイルスが検出    中国、ウイグル自治区の家きんの間で発生 ベトナムで家きんの間で拡大 イスラエルの鶏で発生 バングラデシュで家きんの間で拡大 ポーランドの家きん農場で拡大 南ロシアでも発生 ドイツでも発生

12 H5N1鳥インフルエンザが変わりつつある? 感染源不明な人での発病者が2~3割を占めるようになっている 発病した鶏に触れただけで感染している
  以前は感染した家きんを調理した、羽根をむしった等、感染原因が発病家きんとの濃厚接触に特定されていた

13 新型インフルエンザの進展様式(WHO) 流行前期
Phase 1: 新型亜型株は人に存在していない 。かって人に感染し、人でのインフルエンザウイルス流行を引き起こしたウイルスが動物に存在している可能性はあるが、それがさらに変異して人に新たな新型インフルエンザウイルスとして感染する危険性は低い。 Phase 2: 新型亜型株は人に存在していないが、動物で感染を起こしている株が人に感染する可能性が高い。 流行危険期 Phase 3: 人での新型亜型株の感染。しかし人人感染はなし。あったとしても濃厚接触時のみ。 Phase 4:  人での小さな集団感染発生が認められる。しかし限局的で、ウイルスはそれほど人に適合していないことが示唆されている状態。 Phase 5: 人での大きな集団感染発生が認められるが、いまだ限局的。ウイルスが人への適合力を増していることが示唆されるが、完全に人への感染性を獲得していないことが示唆されている状態。 流行期 Phase 6: 一般社会の中で流行が維持されている状態。

14 パンデミック防衛線 H5N1鳥インフル発生域:人での発生事例の監視。鳥->人か?人->人の発生が起きたか? WHO,CDC,各国調査団
最前線(第一次防衛線)・・・最重要防衛線   H5N1鳥インフル発生域:人での発生事例の監視。鳥->人か?人->人の発生が起きたか? WHO,CDC,各国調査団 第二次防衛線   国境線:検疫強化、国境封鎖(オーストラリア、ニュージーランド等が考慮) 第三次防衛線   国内:発熱患者スクリーニング、専門収容施設、集会禁止、不要不急の移動(旅行)禁止 最終防衛線(第四次防衛線)   各都市:市街戦人口の0.8%~20%の死者発生         国内での死者数 96万(発病率40%、致死率2%)~2400万人(致死率50%)

15 各防衛線が突破されるまでの期間 最前線   人人感染事例が発生後、即突破される可能性が高い。インドネシアやパキスタン、中国事例での対応から判断すると、発生確認時間まで1~2週間は要する。 第二次防衛線   国境封鎖が可能なら3ヶ月程度。不可能なら1ヶ月程度。 第三次防衛線   国内への拡大は、1ヶ月程度。季節性インフルの拡大様式とほぼ同じ。 最終防衛線   パンデミックウイルスの病原性によって異なる。    現在のH5N1ウイルスが現在の毒性を保持してパンデミックを起こした場合、最終防衛線は現在の態勢では、2~4週で突破され、多くの死者が発生。

16 市街戦を短期間で勝利に導く 起きてしまったなら、一定の死者数の発生は必然的
 起きてしまったなら、一定の死者数の発生は必然的     ワクチン、抗インフルエンザ薬等の武器の効果的使用が出来るか否かで、市街戦の期間が決定される(死者数の増減)。    ・第3次防衛線が突破される前にプレパンデミック  ワクチンの投与が必要    ・市街戦に突入が予測された場合には、市民全員に抗インフルエンザ薬の提供発熱した場合2日以内に服用を指示    ・不要不急の外出禁止(含病院)

17 市街戦に対する備えは? 行政:知識・情報・関心の欠如危機管理体制の不整備 一般医療機関:知識・情報・関心の欠如社会における感染症予
       ライフラインの確保、食料品・日用品の流通確保 一般医療機関:知識・情報・関心の欠如社会における感染症予        防・公衆衛生対策への低い関心       ベッド数、人工呼吸器の絶対的不足患者収容は不可能       スタッフ数の量的・質的不足患者治療・ケアは不可能 市民:知識・情報・関心の欠如社会における低い危機管理意識 教育機関:知識・情報・関心の欠如生徒・学生に対する啓発が不可             能、危機管理体制の不整備 高齢者施設:知識・情報・関心の欠如危機管理体制の不整備 食料品・日用品の備蓄に対する低い意識

18 小樽市内におけるパンデミック時のシミュレーション
シナリオA シナリオB シナリオC (a)人口(H18.7末) 139,600 (b)罹患率 25% 40% (c)致死率 2% 4% 8% 死亡者数(abc) 698 2,234 4,467 入院者数 3,490 11,168 22,336 (死亡者の5倍と仮定) ピーク週に20%の患者発生し 患者が1週間入院と仮定時のベッド数 市内の一般病床(病院+診療所) 2,148 ピーク時要病床数/市内病床数 32% 104% 208%

19 市内の医療体制での問題点 医療提供能力の低下:スタッフの発病 ベッド不足:空床数730(H18.1-3) レスピレータ:市内で30機のみ
  事実上、呼吸管理を要する患者の収容は困難 医薬品は確保されるか? 入院患者の食料・日用品確保の責任は?

20 国内におけるタミフル備蓄計画

21 地域において何が不足しているか? 情報不足 情報は国から? 都道府県から? マスコミから? 情報不足の状況であることが認識されていない
    情報は国から?          都道府県から?          マスコミから? 情報不足の状況であることが認識されていない    情報を必要とする集団がいて、情報は初めて“情報”となる     生活の中で不自由が生じない限り情報は必要とされない?

22 富山化学、抗インフルエンザウイルス薬「T-705」の日本国内での臨床第II相試験を開始(1月8日)
MITの研究チーム、H5N1鳥インフルが容易に人に感染しない新たな理由を解明(1月7日) 英国Acambis社、万能型インフルエンザワクチン(ACAM-FLU-A)の開発に成功(1月4日) 定期的インフルエンザワクチンがH5N1ウイルスに対しても効果がある可能性:イタリア研究チーム(12月24日) 栄研化<4549.T>、「H5亜型インフルエンザウイルス」検出試薬キットの製造承認を厚労省に申請 (11月21日)

23 サノフィ・パスツール社、超低濃度抗原量の人用ワクチンを実用化(9月19日)
バクスター社の細胞培養法によるワクチン、英国と契約(8月18日) 新アジュバントASO3, グラクソ社のワクチンを20倍以上の効力に(8月18日) 米国で鼻腔噴霧型H5N1鳥インフル用パウダーワクチンが開発(7月14日) グラクソ社のワクチン、広く交差免疫反応を示す可能性(3月5日)

24 結論 ・海外でパンデミック・ウイルスが発生した後、2ヶ月半程度で国内各都市へ拡大の可能性
 ・海外でパンデミック・ウイルスが発生した後、2ヶ月半程度で国内各都市へ拡大の可能性  ・現状で発生した場合(市街戦)の死者数: 96万(発病率40%、致死率2%)~2400万人(致死率50%)  ・市街戦を勝ち抜くための対策      1)最前線の状況を絶えず確認    2)病院におけるインフル様患者への警戒態勢強化    3)市民への十分な情報提供。個人的予防態勢強化    4)国内へウイルスが侵入した後、可能な限り早期にワクチンの接種    5)地域内へ拡大が予想された場合、抗インフルエンザ薬の市民への       提供(発熱時に服用)


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