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記述言語XBRLで定義された財務諸表を 計算・書式変換する言語処理系の提案と実現
井上研究室 高尾 祐治 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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財務諸表とは 財務諸表とは,企業が財務情報を公表するために使う表 貸借対照表 (資金の調達先,資金の使用先)
貸借対照表 (資金の調達先,資金の使用先) 損益計算書 (売上高,経常利益,純利益) キャッシュフロー計算書 (資金の運用先) 作成 企業・法人 投資 投資家 財務諸表を分析し, 資金が供給される 経済の要 まず,財務諸表について説明します 財務諸表とは,企業が財務情報を公表するために使う表で,具体的には次の 貸借対照表 損益計算書 キャッシュフロー計算書の事を言います 貸借対照表では,資金の調達先,資金の使用先が記されており,このような情報が 財務諸表には記されております 企業・法人が作成した財務諸表を会計士が監査し, 証券会社や銀行,投資家に渡し, そして,企業に資金が供給されるというフローができている. 財務諸表は経済活動を支える要ともいえる重要な表です 監査 会計士 分析 証券・銀行 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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貸借対照表の例 ある項目がサブ項目から構成されるとき, 項目間に親子関係があるという 貸借対照表の具体的な例を見てみます.
貸借対照表は,大きく見ると資産の部と負債,資本の部からなっています. 資産の部は流動資産,固定資産からなっており, さらに流動資産はこれらの内訳から構成されています. このように,貸借対照表には,内訳のような ある項目がサブ項目から構成されるという関係があります. この関係を本研究では,項目間に親子関係があるといいます 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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財務諸表記述言語 XBRL 財務諸表をインターネットを通じて流通されるようになった 統一されたフォーマットが必要となった
PDF形式やHTML形式など,形式が各社ばらばら 手作業で再入力の必要 統一されたフォーマットが必要となった 財務諸表を記述するための,XMLの構文を使った言語XBRL(eXtensible Business Reporting Language)が,米国公認会計士協会を中心に策定された 2000年 7月 XBRL 1.0 2001年12月 XBRL 2.0 インターネットの普及や,商法の改正により 財務諸表がインターネットで公開,流通されるようになった ところが,PDF形式や,HTML形式など各社バラバラの形式で公開するために 財務諸表を財務アプリケーションなどで分析する際に,手作業で再入力の必要がありました 非常に非効率的であるため,財務情報を表現するための統一されたフォーマットが必要となりました そこで,財務諸表を記述するためのXMLの構文を使った言語XBRLが,米国公認会計士協会を中心に策定されました 2000年7月に第1版が公開され,その後も改良が続けられています 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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共通のフォーマットで情報を受け取れるため,
XBRLのメリット 従来は,紙の授受や,再入力が必要 XBRLは徐々に普及している 共通のフォーマットで情報を受け取れるため, 業務の短期化とコスト削減を実現 国税庁の電子申告に XBRLを採用 2004年2月 上場企業の XBRL化した財務情報を インターネットで提供 2003年10月 東京証券取引所への 財務情報の登録が XBRLに対応 2003年4月 XBRLのメリットには次のようなものがあります 従来は,紙の授受や,再入力が必要だったのですが, 共通のフォーマットで情報を受け取れるため, 業務の短期化とコスト削減を実現できます 日本でも,東京証券取引所や,国税庁が採用するなど XBRLは徐々に普及してきています 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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XBRL文書処理における問題点 XBRL文書の計算・変換のニーズは非常に高い 既存のXML処理系を使ったXBRL文書操作は困難
XBRL文書から,HTML形式やプレーンテキストなど,他の形式の文書への書式変換して 新しい文書を作成することができるので, そのようなニーズが非常に高くなっています ところが,既存のXML処理系を使ったXBRL文書操作は困難という問題点があります それは,複雑な財務データを表現するため,XBRLの仕様は複雑です. つまり,既存のXML処理系を使うと,XBRLの解析処理を大量に記述する必要があります 財務情報を扱う人,例えば,会計士さんや,個人の投資家さんが,XMLの深い知識を持っているわけではない 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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研究の目的 XML技術の細部に精通していなくても,XBRL文書の計算・書式変換を簡単に行うことができる,操作環境の実現
容易に習得可能な,簡単なプログラミング言語 そこで,本研究では XML技術の細部に精通していなくても, XBRL文書を簡単に操作することのできる,XBRL文書の操作環境の実現を研究の目的に掲げます これを達成するために本研究では, 理解しやすい,XBRL文書のモデルと 容易に習得可能な,簡単なプログラミング言語の 提案と実装を行います 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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XBRL文書の構成 インスタンス文書 タクソノミ リンクベース 財務情報を記述したXML文書
語彙を定義 要素間の関係を 定義 リンクベース インスタンス文書 財務情報を記述したXML文書 タクソノミ インスタンス文書で使う語彙(要素名, 属性など)を定義したXML Schema リンクベース 要素間の関係や,各要素に対する追加情報を定義したXLink 定義リンク 財務諸表で現れる項目間の関係 (例,親子関係) 計算リンク 値の計算方法(重み付き加算式) 表示リンク 項目の表示順 名称リンク 項目の表示名称 参照リンク 項目の参考文献 まず,XBRL文書の構成について簡単に説明します XBRL文書は,インスタンス文書,タクソノミ,リンクベースの3種類のファイルから構成されています. インスタンス文書は財務データを記述したXML文書です. タクソノミはインスタンス文書で使う語彙(要素名, 属性など)を定義したXML Schemaです リンクベースは要素間の関係や,各要素に対する追加情報を定義したXLinkです リンクベースには 定義リンク,計算リンク,表示リンク,名称リンク,参照リンクの5種類があります 親子関係といった財務諸表で現れる項目間の関係など,このような情報を定義しています 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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インスタンス文書 インスタンス文書の構成 グループ要素 (ルートノード,必須) 項目要素(財務情報,必須) コンテキスト要素
(ルートノード,必須) 項目要素(財務情報,必須) コンテキスト要素 (項目要素の補足情報,必須) タプル要素(任意) 脚注要素(任意) グループ要素 <group …> 項目要素 <Assets …>6000</Assets> コンテキスト要素 <numericContext> … </numericContext> 本研究ではインスタンス文書の計算,変換を扱うので, インスタンス文書について詳しく見ていきます. インスタンス文書には,ルートノードであるグループ要素 実際に財務情報を記述する項目要素, そして,項目要素の補足情報を記述するコンテキスト要素, そのほかに,タプル要素や脚注要素が書かれています </group> 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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インスタンス文書の例 要素が連続して並ぶ コンテキスト属性で,コンテキスト要素を指定 <xbrli:group>
<jp-bs:Assets numericContext="c1">6000</jp-bs:Assets> <jp-bs:CurrentAssets numericContext="c1">5000</jp-bs:CurrentAssets> <jp-bs:FixedAssets numericContext="c1">1000</jp-bs:FixedAssets> <jp-bs:LiabilitiesStockholdersEquity numericContext="c1">6000 </jp-bs:LiabilitiesStockholdersEquity> <jp-bs:Liabilities numericContext="c1">2500</jp-bs:Liabilities> <jp-bs:Equity numericContext="c1">3500</jp-bs:Equity> <xbrli:numericContext id="c1" precision="18" cwa="true"> … </xbrli:numericContext> </xbrli:group> 実際のインスタンス文書の例を見てみます 黄色い四角の中が項目要素で,財務情報が記述されています. この例では,Assets 資産の額が6000,CurrentAssets 流動資産の額が5000で あることを記述されています. XBRL文書の特徴として,要素が入れ子構造にならず連続して並ぶということが 挙げられます.これはインスタンス文書のスキーマで決まっています. また,項目要素はコンテキスト属性で,対応するコンテキスト要素を指定する という特徴があります. 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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XBRL文書のモデル XBRL文書の計算,書式変換を簡単に扱うことのできる,理解しやすいモデルを提案する
XML文書のモデルとしては,DOM(Document Object Model)が広く使われている XBRL文書の特徴を利用し,DOMを簡略化したモデルを考える ここで, XBRL文書の計算,書式変換を簡単に扱うことのできる,理解しやすいモデルを提案します XML文書のモデルとしては,DOM(Document Object Model)が広く使われています 本研究では,XBRL文書の特徴を利用し,DOMを簡略化したモデルを考える 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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DOM (Document Object Model)
DOM はXMLを木構造で表すモデル ○ あらゆるXML文書を正確に表現できる × 要素や,その値を木構造の頂点として同じように表す document <group> <Assets>6000</Assets> <CurrentAssets>5000</CurrentAssets> … group Assets “6000” CurrentAssets “5000” DOMとは,XMLを木構造で表すモデル こちらの簡単なXML文書は,右のような木構造に直されます ルートノードにdocumentノードがあり,その子ノードとしてgroupノード,Assetsノードがあります Assetsノードの子ノードとして値の6000が表現されています DOMのメリットとして,あらゆるXML文書を正確に表現できるということが挙げられます 要素や,その値を木構造の頂点として表すために,操作対象のノードが要素であるのか 値であるのかという判定をする必要があり,操作が煩雑というデメリットがあります 操作が煩雑 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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XBRL文書の特徴 財務事実を表現する項目要素と, その値をまとめて扱うことができる 入れ子による親子関係以外の関係が存在する
リンクベースで定義された項目要素の親子関係 項目要素がコンテキスト要素を参照する関係 本研究では,要素を頂点とした有向グラフをXBRL文書のモデルとします 頂点には,項目要素の値「財務データ」を付加し, 要素間の関係により,頂点間に辺を引きます このモデルでは,これまでに述べた3種類の関係を使います 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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XBRL文書のモデル 有向グラフをXBRL文書のモデルとする 頂点:要素に項目要素の値(財務情報)を付加 辺 :要素間の関係
XMLの親子関係 リンクベースによる 親子関係 コンテキスト要素への 参照関係 有向グラフをXBRL文書のモデルとする 頂点:要素に項目要素の値(財務情報)を付加 辺 :要素間の関係 Assets 値: 6000 <group> <Assets>6000</Assets> <CurrentAssets>5000</CurrentAssets> <numericContext> … group 値: CurrentAssets 値: 5000 本研究では,要素を頂点とした有向グラフをXBRL文書のモデルとします 頂点には,項目要素の値「財務データ」を付加し, 要素間の関係により,頂点間に辺を引きます このモデルでは,これまでに述べた3種類の関係を使います numericContext 値: 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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読み書きにかかる手間を軽減することができる
メリット XBRL文書が持つ構造を使って,頂点にアクセスできる 頂点が値を持つので,値の読み書きの際に解析しなくてよい XBRL文書に記された値の 読み書きにかかる手間を軽減することができる Assets 値: 6000 <group> <Assets>6000</Assets> <CurrentAssets>5000</CurrentAssets> <numericContext> … group 値: CurrentAssets 値: 5000 numericContext 値: 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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プログラミング言語 有向グラフのモデルに基づいた,XBRL文書操作を行うための言語 LMX (A Tiny Language for Manipulating XBRL Documents ) を設計した 特徴 構造化プログラミング 利用者層,プログラムの規模を考慮すると妥当 宣言無しで使える変数 C言語に似た,演算子,制御構造 加減乗除,文字列処理 if-then-else,for,while XBRL文書解析,入出力のためのライブラリ関数を提供 本研究では,有向グラフのモデルを使って,XBRL文書操作を行うための言語 LMX を設計した LMX構造化プログラミングを行うための言語です これは利用者層,プログラムの規模を考慮すると妥当であると考えています また,宣言無しで使える変数や,C言語に似た,演算子,制御構造を持っています さらに, XBRL文書解析,入出力のためのライブラリ関数を提供することで扱いやすくしています 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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XBRL文書の操作方法 有向グラフの頂点を構造体で表現 構造体は,要素の値,他の構造体への参照を持つ
構造体のメンバを変更することで,値の操作,文書構造の変更を実現 LMXでは,有向グラフのモデルをDOMツリーを元に実現 DOMのノードを構造体で表すことでDOMツリーの操作による,汎用のXML文書処理も可能 名前 意味 name 要素名 localname ローカル名 uri 名前空間URI value 要素の値 attribute 属性 parent 親要素 children 子要素の配列 LMXから,XBRL文書を操作する方法について説明します LMXでは,有向グラフの頂点を構造体で表現します 構造体には,こちらの表に示すメンバーがあります 要素の値,他の構造体への参照を持っています 本研究では,わかりやすさのために,入れ子構造による親要素・子要素はメンバで参照し, リンクベースで定義された関係にある要素は,関数で参照するように実装しています 構造体のメンバを変更することで,値の操作や属性の変更を実現しています メンバ一覧 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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実装 LMXのインタープリタ XBRL解析ライブラリ 開発環境 (GUI) 実装を行った環境・ライブラリ
Java 2 SDK (version 1.4.2) コンパイラ・コンパイラ: JavaCC XMLパーサ: JAXP 本研究では,LMXのインタープリタと,XBRL解析ライブラリそして,GUIとして開発環境 を実装しました. これらは,Javaで実装し,次のライブラリを使用しました 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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事例研究 全ての項目を1000倍する 金融機関でしばしば行われる処理 既存の言語ECMAScript (JavaScript) と比較
100万円単位で値が記述された XBRL文書を,1000円単位に直す 全ての項目を1000倍する 金融機関でしばしば行われる処理 既存の言語ECMAScript (JavaScript) と比較 XML解析にはDOMを利用 DOMを利用する言語で,手軽に扱える ECMAScript版のプログラムでも,XBRL文書解析関数が利用できることを仮定 事例 事例研究を行い,XBRL文書のモデルとLMXの評価を行います ここでは, 100万円単位で値が記述されたXBRL文書を,1000円単位に直すという事例を扱います 具体的には,XBRL文書に記述された全ての項目を1000倍するという処理を行います これは,金融機関でしばしば行われる処理である この事例研究では,既存の言語ECMAScriptと比較します ECMAScriptはJavaScriptとして知られる言語です EMCAScriptはXML解析にはDOMを利用 DOMを利用する言語で,最も手軽に扱えるものの一つ 公平のために,ECMAScript版のプログラムでも,XBRL文書解析関数が利用できることを仮定 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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インスタンス文書の例 <xbrli:group>
<jp-bs:Assets numericContext="c1">6000</jp-bs:Assets> <jp-bs:CurrentAssets numericContext="c1">5000</jp-bs:CurrentAssets> <jp-bs:FixedAssets numericContext="c1">1000</jp-bs:FixedAssets> <jp-bs:LiabilitiesStockholdersEquity numericContext="c1">6000 </jp-bs:LiabilitiesStockholdersEquity> <jp-bs:Liabilities numericContext="c1">2500</jp-bs:Liabilities> <jp-bs:Equity numericContext="c1">3500</jp-bs:Equity> <xbrli:numericContext id="c1" precision="18" cwa="true"> … </xbrli:numericContext> </xbrli:group> 先ほどお見せしたインスタンス文書の例を使って,有向グラフの例を見てみましょう このインスタンス文書には,6個の項目要素が記述されています
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有向グラフによる表現 処理対象の 項目要素 Assets 値: 6000 CurrentAssets 値: 5000 group 値:
FixedAssets 値: 1000 numericContext 値: ・・・・・・・ 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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LMXによる記述 ルート要素の 子要素を取得 子要素の数だけ 繰り返す 項目要素ならば, 値の計算を行う
balanceSheet = openInstance("A2003BS.xml"); itemnodes = balanceSheet.children; for (i=0; i<length(itemnodes); i++) { if (getItemElementType(itemnodes[i]) == MONETARY_TYPE) { itemnodes[i].value *= 1000; } save("output.xml"); 子要素の数だけ 繰り返す 項目要素ならば, 値の計算を行う LMXで記述したプログラムは次のようになります まず,ファイルを開き,ルート要素の子要素を取得します 財務情報を記述する項目要素はルート要素の子要素なので,子要素の数だけ繰り返します. 見つかった要素が項目要素ならば,値の計算を行います 最後にファイルを保存します 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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DOMによる表現 document group 処理対象の値 Assets “6000” CurrentAssets “5000”
FixedAssets “1000” ・・・・・・・ 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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ECMAScriptによる記述 ルート要素の 子要素を取得 要素ノードを探す 要素ノードの 子ノードを取得 テキストノードを探す 値の計算
objXML = WScript.CreateObject("MSXML.DOMDocument"); objXML.load("A2003BS.xml"); groupnode = objXML.getElementsByTagName("xbrli:group"); itemnodes = groupnode[0].childNodes; for (i=0; i<itemnodes.length; i++) { if (itemnodes[i].nodeType == 1) { // Node.ELEMENT_NODE if (getItemElementType(itemnodes[i]) != MONETARY_ITEM_TYPE) { continue } itemchildren = itemnodes[i].childNodes; for (j=0; j<itemchildren.length; j++) { if (itemchildren[j].nodeType == 3) { // Node.TEXT_NODE itemchildren[j].nodeValue *= 1000; break; objXML.save("output.xml"); 要素ノードを探す 要素ノードの 子ノードを取得 テキストノードを探す EMCAScript版のプログラムはこうなります まず,ファイルを開いて,ルート要素の子要素を取得します 値の計算 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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考察 for文,if文の数に大きな差が現れた DOMと有向グラフのモデルの差 DOMでは要素ノード,テキストノードが子ノードとして現れる
ノードの種類の判定作業が必要 LMXでは,この作業が必要ではないため,平易なプログラムを書くことができる 論文では,XSLTとの比較検討も行った その結果,多くの前提知識を必要とするXSLTよりも,言語習得にかかるコストが小さい 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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まとめと今後の課題 まとめ 今後の課題 XBRL文書を表現するための扱いやすいモデルを提案した
モデルに基づいた,XBRL文書変換を行うためのプログラミング言語 LMX を設計した LMXのインタープリタを実装し,LMXを使うと,既存の処理系よりもプログラムが簡単になることを確かめた 今後の課題 XBRL文書のデータ型を利用した,検証機能 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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タクソノミの参照 膨大な数のファイルを 解析する必要がある インスタンス文書は,複数のタクソノミを参照できる
タクソノミは,他のタクソノミを参照できる インスタンス文書 タクソノミ 定義リンク 計算リンク 表示リンク 名称リンク 参照リンク 膨大な数のファイルを 解析する必要がある 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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項目要素間の関係 リンクベース(定義リンク)
<definitionArc xlink:arcrole=“ xlink:from="jp-bs_Assets" xlink:to="jp-bs_CurrentAssets“/> <loc xlink:href="jp-bs xsd#jp-bs_Assets“ xlink:label="jp-bs_Assets"/> <loc xlink:href="jp-bs xsd#jp-bs_CurrentAssets“ xlink:label="jp-bs_CurrentAssets" /> リンクベース(定義リンク) <element name="Assets" id="jp-bs_Assets“/> <element name=“CurrentAssets" id="jp-bs_CurrentAssets“ /> タクソノミ <jp-bs:Assets numericContext="c1">6000</jp-bs:Assets> <jp-bs:CurrentAssets numericContext="c1">5000</jp-bs:CurrentAssets> インスタンス文書 参照 参照
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親子関係が 定義されている <definitionArc xlink:arcrole=“ xlink:from="jp-bs_Assets" xlink:to="jp-bs_CurrentAssets“/> <loc xlink:href="jp-bs xsd#jp-bs_Assets“ xlink:label="jp-bs_Assets"/> <loc xlink:href="jp-bs xsd#jp-bs_CurrentAssets“ xlink:label="jp-bs_CurrentAssets" /> リンクベース(定義リンク) <element name="Assets" id="jp-bs_Assets“/> <element name=“CurrentAssets" id="jp-bs_CurrentAssets“ /> タクソノミ <jp-bs:Assets numericContext="c1">6000</jp-bs:Assets> <jp-bs:CurrentAssets numericContext="c1">5000</jp-bs:CurrentAssets> インスタンス文書
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ロケータへの参照を解決 <definitionArc xlink:arcrole=“ xlink:from="jp-bs_Assets" xlink:to="jp-bs_CurrentAssets“/> <loc xlink:href="jp-bs xsd#jp-bs_Assets“ xlink:label="jp-bs_Assets"/> <loc xlink:href="jp-bs xsd#jp-bs_CurrentAssets“ xlink:label="jp-bs_CurrentAssets" /> リンクベース(定義リンク) <element name="Assets" id="jp-bs_Assets“/> <element name=“CurrentAssets" id="jp-bs_CurrentAssets“ /> タクソノミ <jp-bs:Assets numericContext="c1">6000</jp-bs:Assets> <jp-bs:CurrentAssets numericContext="c1">5000</jp-bs:CurrentAssets> インスタンス文書
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ロケータは,タクソノミで定義された 項目要素間を参照している <definitionArc xlink:arcrole=“ xlink:from="jp-bs_Assets" xlink:to="jp-bs_CurrentAssets“/> <loc xlink:href="jp-bs xsd#jp-bs_Assets“ xlink:label="jp-bs_Assets"/> <loc xlink:href="jp-bs xsd#jp-bs_CurrentAssets“ xlink:label="jp-bs_CurrentAssets" /> リンクベース(定義リンク) <element name="Assets" id="jp-bs_Assets“/> <element name=“CurrentAssets" id="jp-bs_CurrentAssets“ /> タクソノミ <jp-bs:Assets numericContext="c1">6000</jp-bs:Assets> <jp-bs:CurrentAssets numericContext="c1">5000</jp-bs:CurrentAssets> インスタンス文書
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Assetsと,CurrentAssetsには
親子関係がある! <definitionArc xlink:arcrole=“ xlink:from="jp-bs_Assets" xlink:to="jp-bs_CurrentAssets“/> <loc xlink:href="jp-bs xsd#jp-bs_Assets“ xlink:label="jp-bs_Assets"/> <loc xlink:href="jp-bs xsd#jp-bs_CurrentAssets“ xlink:label="jp-bs_CurrentAssets" /> リンクベース(定義リンク) <element name="Assets" id="jp-bs_Assets“/> <element name=“CurrentAssets" id="jp-bs_CurrentAssets“ /> タクソノミ <jp-bs:Assets numericContext="c1">6000</jp-bs:Assets> <jp-bs:CurrentAssets numericContext="c1">5000</jp-bs:CurrentAssets> インスタンス文書
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2004/2/20 CS専攻修士論文発表会 GUIはこのようになっております.
左のペインでプログラムを編集し,右のペインには,print文で出力された結果が表示されます この例では,XBRL文書を読み込んで,定義リンクで定義された親子関係に従って, インデントしながら表示するという処理を行っています 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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インスタンス文書の例 リンクベースで次の関係(貸借対照表の関係)を定義 Assets(資産の部)は
CurrentAssets(流動資産)と, FixedAssets(固定資産)の親 LiabilitiesStockholdersEquity(負債及び資本の部)は Liabilities (負債)と Equity(資本)の親 その項目要素間には,次の関係があるとします Assets(資産の部)はCurrentAssets(流動資産)と,FixedAssets(固定資産)の親 LiabilitiesStockholdersEquity(負債の部)はLiabilities (負債)とEquity(資本)の親 2004/2/20 CS専攻修士論文発表会
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LiabilitiesStockhold… 値: 6000 リンクベースによる 親子関係
Assets 値: 6000 CurrentAssets 値: 5000 FixedAssets 値: 1000 XMLの親子関係 group 値: LiabilitiesStockhold… 値: 6000 リンクベースによる 親子関係 Liabilities 値: 2500 コンテキスト要素への 参照関係 これらの関係を使って,有向グラフを作ると,このようになります 実線は,XMLの入れ子による親子関係を, 波線はリンクベースで定義された親子関係を, 点線はコンテキスト要素への参照関係を表します DOMと比べると,頂点の数は少なくなり,辺の数は多くなるグラフになります Equity 値: 3500 numericContext 値:
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