『ドラえもん』の制作変遷の研究 担当教員　北村賢介准教授 1DS04177K　岸田　久美.

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1 『ドラえもん』の制作変遷の研究 担当教員　北村賢介准教授 1DS04177K　岸田　久美

2 研究背景・目的 マンガ原作をアニメーション化 原作のイメージが変化する可能性 国民的長寿番組『ドラえもん』は
原作者以外が絵を描く 原作にはない音の要素が付与される 原作者以外がストーリーを構成する 原作のイメージが変化する可能性 国民的長寿番組『ドラえもん』は 2005年4月のリニューアルにより どのように変化したのか？

3 調査対象・調査項目 調査対象 調査項目 テレビアニメ版大山ドラ（1990年以降放送分） テレビアニメ版水田ドラ
【同じ原作作品をアニメーション化したものに限る】 調査項目 ①作画 ②音 ③ストーリー展開 テレビアニメ版にした理由・・・劇場版は製作体制が異なるから。水田ドラは現在2作しか公開されていないから。 1990年以降にした理由・・・キャラデザは少しずつ変化している。本研究では水田ドラとの直近の変化を調査したかったため。

4 調査項目①作画 大山ドラ 水田ドラ ・下半身に対して頭がやや大きい→幼い印象 ・黒目が大きくなり目の中に光が入っている→魅力的な印象を与える
・口やひげなどのパーツが大きく描かれている→小さいものを可愛いと感じる傾向があるため、若干可愛らしさが減少

5 調査項目①作画 水田ドラの方がのび太とドラえもんの 大山ドラ 目線が近い 水田ドラ
ドラえもんはのび太の保護者役であり親友でもある。目線が近くなったことにより、親友としての比重が大きくなったように思われる。

6 調査項目②音 大山ドラ 水田ドラ ドラえもん・・・ピッチが高くなった。他のキャラクターもほぼ同じくらいか高くなっている。
ピッチが高い→幼い印象

7 調査項目②音 ドラえもん・しずかちゃんにおける 言葉遣いの変化 効果音数の増加 例：しずかちゃん 【大山ドラ】「ほら、ごらんなさい」
　言葉遣いの変化 例：しずかちゃん 【大山ドラ】「ほら、ごらんなさい」 　　　　　　（エンゼルにおまかせ） 【水田ドラ】「ほらね」（ミチビキエンゼル） 効果音数の増加 言葉遣い・・・しずかちゃんの言葉遣いの変化は実生活に近づけているのではないか 効果音数の増加・・・明らかに増えている。音がないと退屈してしまう傾向が現代人にあるのでは。

8 調査項目③ストーリー構成 水田ドラにおける特徴 丁寧に描写される伏線 展開が速い ボヤ騒ぎの伏線 （ネコののび太いりませんか）
ボヤ騒ぎ・・・大山ドラではアイロンを投げる描写しかないが、水田ドラでは加えてアイロンが衣服の上にのっかる描写がある。 故障騒ぎ・・・ドラえもんがネジを1本落としてしまい故障しかけるという話の中で、大山ドラではネジが飛ぶ白い線の軌跡しか描かれないが、水田ドラではネジが口から出る瞬間と道端に落ちる瞬間が描かれている。 ボヤ騒ぎの伏線 （ネコののび太いりませんか） 故障騒ぎの伏線 （ミチビキエンゼル）

9 考察まとめ キャラクターが幼く可愛らしくなっている 背景・物の現代化 ストーリー展開が速い 低年齢化 現代に合わせた結果起こった変化
新作の方が内容が落ちるイメージがあるが、低年齢にターゲットを絞ったことによりかえって受け入れられやすくなったのではないか。今後も世代を超えて長く愛されるテレビアニメとなるためには、原作の時代設定と現代の感覚との間に生じるギャップを上手に処理することが必要不可欠だろう。 低年齢化 現代に合わせた結果起こった変化

10 参考文献・URL 『日本のテレビアニメ全史 世界を制した日本アニメの奇跡』 山口康男編著（テン・ブックス 2004年）
『日本のテレビアニメ全史　世界を制した日本アニメの奇跡』 　　山口康男編著（テン・ブックス　2004年） 『図説テレビアニメ全書』　御園まこと監修（原書房　1999年） 『ぼく、ドラえもんでした。　涙と笑いの26年うちあけ話』 　　大山のぶ代（小学館　2006年） 『QuickJapan Vol.64』（太田出版　2006年） ドラえもんチャンネル　 テレビ朝日『ドラえもん』公式HP（2005年4月～） 　 テレビ朝日『ドラえもん』公式HP（～2005年3月） 日本動画協会　 ドラちゃんのおへや