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GISを用いたマッピングと分析(その2) 【地方公共団体向け】 開発担当者 :首都大学東京 都市環境科学研究科 教授 若林芳樹
2017/3/3 GISを用いたマッピングと分析(その2) 【地方公共団体向け】 開発担当者 :首都大学東京 都市環境科学研究科 教授 若林芳樹 Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹 Copyright © 2009 Tokyo Metropolitan University, Prof. Yoshiki Wakabayashi
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2日目午後の作業の概要 様々なデータを用いて地域の現状と課題を考える 自治体(市町村)スケールで利用可能なデータを収集する 住所情報から緯度経度データを作成し,GISに取り込む 小地域統計を取り込んで,自治体内での地域的差異を把握する 主題図を作成し,地域の現状と課題を考える 習得するスキル アドレスマッチングの方法:住所から緯度経度情報を取得 既成の地理空間情報とオリジナルなデータとを組み合わせた解析方法 地図の読図と表現の技法 Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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スケジュール:12:30~16:00 テーマ「公共施設の分布と人口特性の地図化」 12:30~13:00 公共施設の住所のアドレスマッチング → 地図太郎へユーザレイヤとして取り込む 13:00~14:00 施設の特性による分布傾向の把握 属性検索:ex.)保育所の場合:延長保育,一時保育・・・ 属性別の色分け表示:主題図作成 14:00~14:30 施設の周囲の人口特性の比較 空間検索:ex.)広域避難所から2kmバッファ (休憩) 14:40~15:00 背景地図の表示切替 15:00~15:30 地図の読み取り,主題図の作成と出力 15:30~16:00 グループ討論 Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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使用するデータ(その1) Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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使用するデータ(その2) Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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作業の流れ【別冊(3)参照】 アドレスマッチング 住所情報の緯度経度変換 背景地図の作成 ラスタデータ:数値地図50mメッシュ標高 ベクタデータ:基盤地図情報25000 ユーザ(編集)レイヤの作成 アドレスマッチングした経度緯度データのCSVファイルを取り込む 地図表示 地図記号の調整 ②背景地図の作成 ラスタ:50mメッシュ標高 ベクタ:基盤地図情報 ①アドレスマッチング ③ユーザ(編集)レイヤの作成 施設の緯度経度データ ④地図の表示 Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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①アドレスマッチング<その1:住所情報の収集>
認可保育所,学童保育(放課後児童クラブ):i-子育てネット → 市町村別に認可保育所を検索 対象地域の自治体のホームページ → 市区町村内の各種施設を検索し,防災(広域避難所),高齢者施設,学校教育施設等の住所データを収集する。 その他の施設:Yahoo!電話帳,インターネットタウンページなどで検索可能 ※ 自治体の内部資料(台帳類の住所情報など)で住所を含むデータは利用可能 Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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①アドレスマッチング<その2:CSVアドレスマッチングサービス>
住所を含むカラムの順番を予め調べておく Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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①アドレスマッチング<その3:経度緯度座標を付けたCSVデータ>
信頼度(5以外は要確認) 地名の種類 事例:放課後児童クラブ(学童保育) 経度 緯度 Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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①アドレスマッチング<その4:精度の比較>
アドレスマッチング:街区(大字・町丁目)の代表点座標 国土地理院地図閲覧サービス(ウォッちず)上の緯度経度座標 (例)下柚木小学校:東京都八王子市下柚木3-9 アドレスマッチング: 東経 度 北緯 度 ウォッちず: 東経 度 北緯 度 ※ 街区レベル位置参照情報の内容(国土交通省) Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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②背景地図の作成 基盤地図情報50mメッシュ標高(ラスタデータ)と基盤地図情報25000(ベクタデータ)を取り込んで,背景地図を表示する Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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③ユーザレイヤの作成,④地図の表示 各種施設の緯度経度データの取り込みと表示 凡例の作成 【課題】地図から分布傾向を読み取る: (例)保育関連施設 保育所は市街地に多く,郊外住宅地には少ない(共働き世帯の分布?) 東京都の認証保育所は駅前に多い 学童保育は保育所より分散傾向(小学校と併設されていることが多い) Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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小地域統計の地図化【別冊(4)参照】 施設の分布と関係がありそうな小地域統計(町丁字別)を選んで地図化する 小地域統計の境界データの取り込み Shapeファイル形式の境界データを取り込む 小地域統計属性データ(CSVファイル)の結合 境界データに国勢調査データを結合する 主題図の作成 ①背景地図の作成 ラスタ:50mメッシュ標高 ベクタ:基盤地図情報 ②ユーザ(編集)レイヤの作成 小地域統計境界データ 小地域統計 ③小地域の属性データの結合 ④地図の表示,検索 Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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【課題】施設と人口の分布を重ね合わせて考える
(例)子育て施設と幼年人口の分布 0-4歳人口比率の分布と保育所・幼稚園の分布を重ね合わせる 近い将来,保育所が不足する可能性のある地区はどこか 保育所の不足を幼保一元化(幼稚園での保育サービス)によってカバーできる可能性のあるところはどこか Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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主題図の効果的読み方 レイヤの表示を切り替えて地図の見え方を比較する 背景地図の違いにより読み取れることが違う 異質なデータを統合して処理し,レイヤ間の関係を推理する 熟練度の違い 初心者:全体的傾向を表面的にとらえる、重要でない細部にとらわれる 上級者:一般的傾向とそこから外れた傾向にも着目し、その傾向が生じた原因も推理できる 一般的(法則的)知識と個別的(地誌的)知識を組み合わせて地図を読みとる 対象地域の個別的知識を引き出す背景地図:GISが支援 Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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背景地図の有無によって読み取れる情報がどう違うか?
(例)八王子の町丁別老年人口率 背景地図を表示 ・西側の山間部で高い.中心市街地も比較的高い. ・東部の多摩ニュータウン地区では低い ・市街地周辺でも30%を超える高い地区がある(高度成長期の住宅地) 背景地図なし 分布のおおまかな傾向はわかるが, 土地勘(個別の地理的知識)がないと,原因を探る手がかりがない Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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複数の統計データを重ねてみると新たな情報が得られる
(例)人口の総数と比率による分布傾向の比較(別冊参照) 比率では山間部が高いが,総数では中心市街地が多い 開発が古い郊外住宅地でも高齢者の多い地区がある 高齢者施設(老人ホーム等)との分布と比較してみる 町丁別老年人口数と老年人口比率 Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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【補足説明】様々な主題図の表現技法 比例記号図(図形図) ドットマップ コロプレスマップ (階級区分図) 等値線図 流線図 カルトグラム 立体図 ※ データのタイプや目的に応じて使い分け ドットマップ コロプレスマップ(階級区分図) 立体図(鳥瞰図) 等値線図 ダイアグラムマップ 出典:Kraak and Ormeling (2003) 流線図 カルトグラム 比例記号図(図形図) Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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範囲(空間)検索:(例)広域避難所周辺の人口特性
広域避難所の緯度経度データを取り込み,ユーザレイヤに追加 ある避難所を中心にした1km圏内の年齢別人口特性を調べる メニューバーの「検索」で「範囲検索」を選ぶ 避難所にカーソルを合わせて検索範囲を1kmに設定 範囲内の地区の色が変わり,選択された地区属性がリスト表示される 検索したデータの保存:メニューバーの「CSVデータ」で「結合CSVを保存(選択・検索データ)」を選びファイルを指定 Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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検索結果の集計と比較 いくつかの避難所について周辺1km内の人口特性を調べ,CSVファイルに保存 EXCELを開いて避難所ごとのCSVファイルを結合し,人口構成を集計して比較する (例:3つの避難所周辺の年齢別人口構成を表すグラフ) 周辺の人口特性に応じた防災対策を考える 3つの避難所周辺の年齢別構成比(%)」 Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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主題図の仕上げと出力 方位と縮尺を付ける → 地球上での位置や空間スケールを知る手がかり,他地域との比較が容易になる 凡例を付ける → 地図記号の「辞書」 地図表現は適切か → 不適切な表現は,ミスリーディングな情報を伝えてしまう 【課題】分布図をもとに,近い将来,学校が不足する地域はどこかを考えてみる 八王子の小学校と5-9歳人口の分布 Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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地図を重ね合わせる意味とGISの役割 地図から得られる情報は,読み手の持っているメンタルマップのレイヤによって違ってくる どんなレイヤを重ねるかによって読み取れる情報も違う GISは多数のレイヤを提示することで空間的思考を支援する道具になる どんな情報を重ねるかは使い手の(地理的)センスによる どのような地図に表現するかで伝わる情報も違ってくる→ 情報共有にとって地図表現(デザイン)が重要 解析機能を組み合わせることで,推論の妥当性・客観性が高まる→ 説得のツールとしての地図 GISは単なる地図作成の道具ではない:意思決定支援ツールとしてのGIS 作った地図から何を読み取るか,どう使うかが重要 Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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【課題】統計データの地図化とその応用 各自で自治体業務に即したテーマを一つ選ぶ 利用できるデータ 地図データ:基盤地図情報25000,市区町村・小地域境界 属性データ:国勢調査結果(年齢別人口) テーマに合わせてデータをGISに取り込み,分析,地図化,結果を解釈する 作成した地図を自治体の業務にどのように利用できるかを考える 伝達したい情報を効果的に伝えるために主題図の表現を工夫する Copyright © 2009 首都大学東京 都市環境学部 教授 若林芳樹
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